劇場公開日 2020年10月9日

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82年生まれ、キム・ジヨンのレビュー・感想・評価

全179件中、1~20件目を表示

4.0他者への浅はかな定義付けと無理解の罪

2020年10月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 ありふれたミソジニー(女性への性差別)の体験が澱のように溜まっていって変調を来たしたジヨン。  はたから見れば彼女のような環境に生きている女性は珍しくなく、人一倍不遇な環境とは言えないのかもしれない。2歳の娘の育児は大変ではあるものの、それなりに優しい夫、元職場の友人たち、再就職の誘いをしてくれる元上司、会いたい気持ちになれる母親や姉弟に囲まれている。分かりやすく彼女を否定してくる存在は男尊女卑思考の強い姑や実父くらいだ。  心無い人は言うだろう、誰だってそんな環境で頑張っていると。むしろ彼女は恵まれていると。誰だってきついんだからお前も我慢しろ、甘えるなと。  ジヨンの弱さは甘えだろうか?彼女は、表向きには女性活躍の活路が開かれた中で古典的な男尊女卑の価値観の残り火がくすぶる過渡期の時代において、性差や環境だけを根拠としたあるべき姿の刷り込みに違和感を覚えながらも、時に自分の気持ちを脇に追いやり、また時に男性なら当然許されるはずのやりたいことを諦めてきた。自分の気持ちをじわじわと押さえ付ける頑張り方をしてきた結果、とうとう心が圧に負けて割れた。それでもなお、家庭を持って活躍している女性もいるのにと、自分を責めた。  自分の本心を蔑ろにして、つらさを他人と比べ矮小化することが、本人にとって何の解決になるだろうか。  身に覚えのある、または身近な女性で見聞きしたのと同様のエピソードの描写がひたすら続き、他人事と思えずいたたまれない気持ちになった。それらのひとつひとつは、目をつぶろうと思えば日常のほんのひと時で通り過ぎるようなよくある話だ。それらをよく丁寧に織り込んだものだと感心する。  特に主人公の夫の言動は、本人なりに妻を気遣うし心配もする優しさがあるにも関わらず、一番身近なはずの存在でありながら根本的に主人公の心情を理解していない、というところに根深いものがありリアルだった。  原作では男性陣の描かれ方や物語の顛末などもっと救いのないものだそうだ。  しかし本作では子連れのジヨンに嫌みをいう社会人グループの中に女性もいたりと、いくつかの点で原作と違いミソジニー一辺倒ではない描写もある。賛否はあるだろうが個人的には、性差に関係なく他者への浅はかな定義づけという行為を、相手の心を蝕んでゆく残酷なものとして静かに糾弾すると共に、ジヨンと同じ気持ちでいる人達にそれでも希望を捨てないよう伝えたい、そのような意図を感じた。  他者への想像力が欠如した社会の中で誰にも言えない疲れを抱えた人にとっては、鏡のように見える作品かも知れない。

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ニコ

4.0チョン・ユミの刹那的な表情に息をのむ

2020年11月27日
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鑑賞方法:試写会

「トガニ 幼き瞳の告発」「新感染 ファイナル・エクスプレス」の名コンビ、チョン・ユミとコン・ユという人気俳優を起用しながら、韓国の現代女性が担う重圧や生きづらさをしっかりと描いており、改めて韓国映画の多様性や底力を味わえる作品です。 原作は日本でも話題を集めたチョ・ナムジュのベストセラー小説ですが、監督はこの作品が長編デビュー作だというのには驚かされます。また、まるで他人がのりうつったような言動をするようになる主人公ジヨンを演じるチョン・ユミの刹那的な表情や全身から醸し出す雰囲気には息をのみました。 結婚していて、家事や育児を奥さんに任せてしまっている世の男性にとっては少々心苦しくなるシーンもあるかもしれませんが、結婚をしていなくても、女性目線と男性目線で違った見方ができる作品だと思います。また、世代によって受け止め方も異なってくるでしょう。 男と女、他人とは、果たしてどこまで理解し合えることができるのか、見るものに問いかけてくる作品です。

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和田隆

3.0共感半端ない。

2024年11月8日
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鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

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ふたり映画

4.0ずっと観るのが怖かった。

2024年7月15日
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鑑賞方法:VOD
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ROKUx

3.0応援したくなる

2024年4月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

育児ノイローゼになったキムジョン 周りの何気ない言葉や中傷で傷つき、自分を押さえ込んでだんだん病んでいく。 診察してもらうまでがどんなに大変な事であるか、まだまだ育児休暇に対して大きな偏見があるということがわかった 世の中で苦しんでいる人達を応援したくなった

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千恵蔵

4.5社会的差別と孤立。踏ん張らなければ飲み込まれる。

2024年4月11日
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Rei

4.5あなたのせいじゃない

2024年1月4日
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鑑賞方法:VOD

amazonにて視聴。原作も映画も気になっていたのにタイミングが合わず、やっと観ることができた。 舞台は韓国だけれど、まんま日本じゃん!というのが、序盤の感想。特に、今はまさに正月。長男の嫁と姑との関係は、今年もそこかしこで繰り広げられたのではないか。 かく言う自分も、大晦日には長男の家にお邪魔して、もてなされた立場。我が家の場合、主に台所に立っていたのは長男のほうだったが、映画を観ながら「今後も素直に、長男とその嫁さんへの感謝の気持ちを忘れないようにしよう」と固く心に誓った。 中盤からは、家制度が、女性の犠牲の上に成り立ってきたエピソードに加え、社内での男性優位主義や女性の性的な搾取などが、絶妙な取り上げ方で描かれる。 その中で起こる主人公のジヨンの憑依は、病名とすると、解離性同一症の憑依型ということになるのかもしれないが、その要因は、彼女を取り巻く環境と生育歴そのものに他ならない。 つまり、彼女自身のせいではないのだ。 けれど、彼女のことを大切に考える夫や実母ですら、どこか彼女自身に理由を探してしまっているように思われるところがもどかしい。 しばらく前に、ブルデューのディスタンクシオンを取り上げたNHKの100分de名著という番組で、社会学者の岸政彦さんが、「“あなたのせいじゃない”と言い続けるのが社会学」と語っていて、心に響いた。 ブルデュー曰く、「私たちは生み落とされたそのときから、身振りや言葉遣い、趣味、教養といった体に刻み込まれていく文化能力をも相続していく。そのように相続された文化資本の多寡は、自らが属する社会的階層によってあらかじめ決定づけられ格差を生み出していく要因になっているにもかかわらず、“努力によって獲得されたもの”と誤認されることで巧妙に隠蔽される」(NHKのHPより引用)とのこと。夫や実母もとらわれているのは、ここなのだと思う。 歴史的に積み重なり、形作られてきた様々な因習を覆していくことは、容易いことではない。しかし、昨今、コンプライアンスという言葉と共に、悪しき習慣が少しずつ見直されてきていることも事実。 主語を大きくして、改革を訴えるプロパガンダより、この映画のように、1人の歩みに丹念に寄り添うことの方が、多くの気付きを与えてくれる。 10年後、20年後、この映画を観た時に「あの頃はまだそんなこと言ってたんだ」と笑えるような、フェアな社会が実現してることを、ちょっと夢みている。

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sow_miya

3.0疑問

2023年8月23日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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りか

4.0リアル

2022年11月5日
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鑑賞方法:VOD

同世代。 生まれて、育った国は違うけど 共感。 日常に隠れる、誰にでも起こりうる とてもリアルな作品でした。 俳優らも好演。

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Raita Maipen

3.5ホラー映画よりホラー映画

2022年11月2日
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鑑賞方法:VOD

最後はちょっとだけ明るくなるけど、終始胸糞が悪い。 ただ、その胸糞悪いシーンや展開の加害者側に自分が回っている可能性を考えると、罪悪感や羞恥心で胸がいっぱいになる。

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宮西瀬名

3.5家族愛

2022年10月27日
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男女不平等の映画と言うよりも 男側と女側 母親と父親 と言う立場の違いからうまれる溝や温度差やわだかまり それが仕事、子育て、対人関係などで否が応でも発生する その過程でその逆境をいかに家族愛や夫婦愛で支えて乗り越えるって映画だなぁって思った。 私的には主人公においおいしっかりすれよ そこまで悪い環境上での子育てでもなければ旦那さんも良い人でさぁってイライラした 主人公のお父さんの長男にだけ買う漢方のシーン そのあとで娘にも漢方頼むとこ笑った! そーなんだよねー 男って父親って娘のこと理解できないし でも自分なりに あの時漢方を頼むってことしか頭に思いつかないのが理解できた、笑ってから涙でました 皆さんのコメントより私は主人公に感情移入できず 不器用な父親ただただ愛深い母親、長女として生まれたお姉さんや心優しい困惑の旦那さんにホロっときた 1番男女差別受けてたのは主人公の女上司! あのシーンは苛立ちでした。 人の心は強くて弱くて不安定で深い。

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コアラ0413

4.0社会の映画であり、家族の映画

2022年10月15日
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韓国社会の抱える、女性の生きづらさをテーマに描いた映画(原作小説は未読)。女性の社会進出の障害となっているもの。伝統的な家族観、社会制度の欠陥、幼少期からの刷り込み、性的な目線、無言の圧力、長い時間をかけて至るところに染み付いた簡単には振り払うことはできないものたち。 主人公にとって、救いとなるのは母親の存在だと思う。2人のシーンは1番グッとくるハイライトだった。 そして一見頼りなく見える夫が、心が壊れている妻に告知するシーンも。そういう意味では、家族の映画でもあると思った。希望の見える形で終わるので、観賞後は清々しい気持ちになる。

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village

4.0家族が温かい

2022年9月12日
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母親に電話をして、出産日の話しをするシーンに涙しました。 原作は読んでいたのですが、実写化しても素敵な仕上がり。 母親や兄弟、夫が良き理解者で救われました。もっとひどいパターンもあるようですが。

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ネコ三昧

4.0この映画を今もそのまま観られることについて

2022年9月7日
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映画の世界 韓国だから、そんなことはなく 今もなお残っている、テーマ。 男女差別という表面的な話でもなく、 人の立場に立てるかという 根源的なテーマだからかな。

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西の海へさらり

4.0変わらぬ男女差別の根深さ

2022年8月28日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

本作は、韓国の旧態依然とした男女差別問題をテーマにした作品であり、韓国の男性中心社会の中で、歳を重ねるとともに生き辛さを感じるようになった女性の姿を通して、韓国映画らしい、容赦ない、赤裸々な表現で、男女差別問題に迫っていく社会派人間ドラマである。日本も韓国同様の男女差別社会なので、身近で切実で考えさせられる作品だった。 本作の主人公は、1982年生まれの専業主婦ジヨン(チョン・ユミ)。彼女は、結婚して仕事を辞め家事と子育てに追われる生活を送っていたが、仕事を辞めて社会との接点が少なくなったことで、男性中心社会で暮らすことに、生き辛さを感じるようになっていた。そして時々別人になってしまうという病を発症してしまう。彼女は自分の豹変に気付かなかった。優しい夫も彼女のショックを心配して言い出せずにいた。そんな時、彼女は元職場から復職の打診を受ける。夫が育児休暇を取ることを条件に復職の話を進めるが、義母に猛反対され断念する・・・。 男尊女卑問題の是正が叫ばれて久しいが、男女差別問題解決は遅々として進んでいない。何故か。社会の仕組みが男性中心になっている。さらに、本作での男性諸氏の発言から明らかなように、男性の男女差別意識が希薄であり、現状の男性中心社会に問題があると考えていないからである。 女性側も苦悩している。男性と同等の仕事をするには犠牲を伴う。結婚、出産、育児に支障が出る可能性が高い。主人公が、“今、幸せですか?”と質問した時の女性上司の表情にその苦悩ぶりが如実に表れている。 ラストシーン。主人公は生き甲斐を感じるものを見つけて邁進していく。本作は、男女差別の問題に鋭く切り込んだだけでなく、その解決方法の一つを提示している。本件は社会全体からみれば小波の様なものであり、甘い考えかもしれないが、個々の問題を粘り強く解決していけば、小波はやがて大きなうねりとなり社会を変えていくだろうという希望の光を感じた作品だった。

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みかずき

4.0女の生きづらさを、描いて・・普通の女性が主役なので共感!

2022年7月5日
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鑑賞方法:DVD/BD
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琥珀糖

4.0閉じ込められている感覚

2022年5月30日
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子供がいなくても、なんとなくわかる。 子供時代に戻りたいわけでも、独身時代に戻りたいわけでもない。 でも、なんだか息苦しい感じ。 頑張って頑張って頑張って、頑張ってるのに足りない感じ。 ジヨンの環境は、はたから見れば「幸せ」かもしれない。 だけど、周りからどう見えても、本人の幸せは本人が感じるしかない。 ラストシーンのあとのジヨンが満たされていきますように。

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UNEmi

3.0あんぱん

2022年5月17日
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まぁそういう事あるよーと思う事が沢山出てくる。夫は基本優しい。周囲の人々、元職場や家族、義母にいたるまでジヨンに寄り添っているように見えるのだが。 ジヨンでいる事が辛くなり他人になってしまうという事か?それでいくと私み闇の中に入ってしまいたいのだが、映画ではジヨンは可哀想な人的に描かれていたが私にはまだ羨ましい環境に見えた。いつか変わるのかなぁ

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GAB I

4.0妻でなく母でなくキム・ジョン

2022年5月8日
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遅ればせながら鑑賞。勝手な引け目もあるけど至極共感。育児だけでもホントに大変。自分という個がなくなってしまう感覚?だから逆に大変そうに見えても仕事したりパーソナルな世界があると救われることもある。しかしそれに追い詰められることもある。人間ひとりでは生きてイケマヘン

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asumo

4.0妻の病気に際し夫は如何に行動すべきか

2022年5月5日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

チョンユミ扮する妻キムジヨンの事でコンユ扮するデヒョンは医師に相談に行った。突然ジヨンの母親や他人格になって親戚に発言した事もあってその間の記憶が無いのだった。デヒョンはジヨンに言えないでいる。夫にとって家族や家庭は心穏やかなる所のはずなのに妻が不調であると心配の種が尽きない。妻の病気に際し夫は如何に行動すべきか? 頼るべきは親兄弟だろうが状況によるな。辛くても一刻も早く本人に病と向き合わせなきゃ。病は家族を不幸にする。我が家では無い様に祈るしかないね。

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重