グランド・ジャーニーのレビュー・感想・評価
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北欧から南仏まで移りゆく雄大な景色の素晴らしさに息を呑む
感動のネイチャードラマ、人間と動物の絆・・・そんな売り文句の映画はこれまでも数多くあったが、実話ベースで語られる本作は親子そろって楽しめる実に爽快なアドベンチャーだ。監督が冒険家としての一面を併せ持つだけあって、映像のダイナミックさは天下一品。北欧ラップランドから南仏カマルグまで、その雄大な景色が刻々と移りゆく様を、軽量飛行機ごしに望めるのは何ものにも代えがたい贅沢である。と同時に、本作に触れながら気づくのは、これは鳥だけでなく家族の成長を描いた物語でもあるということ。親が子へ一方的に飛び方を教えていたかと思えば、子どもはいつしか自力で飛び上がり、その躍動感あふれる姿に何かを教わるのはむしろ親の方だ。また、少年が冒険を続けることで、それを目撃する人たちのエールの道がヨーロッパを縦断するように出来上がっていく。そんな人間の“捧げ合い、讃えあう姿”に観ている側も元気と多幸感みなぎる秀作である。
少年を親だと信じてついて回るヒナたちの愛らしさに萌え死ぬ
大ヒットドキュメンタリー「WATARIDORI」を観て、このプロジェクトを知った方も多かろう。北欧・南欧間で渡りをする雁が、環境悪化で従来の渡りのルートが危険になったことから絶滅危惧種に。そこで鳥類研究家のクリスチャンは、刷り込みの習性を利用して雁のヒナに自分を親だと思い込ませ、超軽量飛行機ULMで安全なルートを先導して教えることに挑戦する。
本作はこの実話に着想を得た劇映画で、クリスチャンの息子トマが実質的な主人公。予告編で明かされている範囲で書くと、自然よりゲームが好きな現代っ子の14歳が、孵化に偶然立ち会ったことでヒナたちの“親”になり、出発時の騒動から単身ULMで飛び立つのだ。
ほぼCGなしの映像が売りで、子役を親だと信じて追いかけるヒナたちの愛らしいこと!ULMに導かれて飛ぶ群れも実写だが、さすがに子役の機上シーンは別撮りで、うまく編集して一緒に飛んでいるように見せている。
野鳥との共存
大空を翔ることの素晴らしさ・・・
20羽の雁と“渡り”を助ける超軽量飛行機に乗る少年トマ。
映像が最高です。胸躍ります。
音楽も飛行を後押しするようです。
2019年(フランス)
《バードマン》と呼ばれて親しまれるクリスチャン・ムレクをモデルに、
モレクの実体験を元に映画化しました(脚本にも参加)
鳥たちに安全な“渡り”のルートを教える・・・
それがトマの別居している父親・クリスチャンの夢でした。
そのためにはフランスのカマルグから鳥と一緒に車で移動して、
ノルウェーのラップランドまで行き、車そして、ある地点からは軽量飛行機を使い
一緒に飛んで、またカマルグマで戻り安全ルートを教える。
それが計画でした。
最初は卵から孵化してヨチヨチとトマを追いかけた雁。
モーターの音に慣れる訓練。
軽量飛行機の後ろをくっ付いてくる訓練。
もう雁が可愛い・・・ゲームとスマホにしか興味のなかったトマが、
生まれ変わったように生き生きするのが、魔法のようです。
最初の計画が頓挫しそうになったその時。
トマは咄嗟に決断します。
(冒険とは無謀と紙一重・・・ときにはダメ元で飛び立つことも必要なんですね)
大空を翔るオモチャみたいな超軽量飛行機。
運転しているのは無免許の14歳の少年・トマ。
そしてトマを親と思い必死でついてくる20羽の雁。
その映像の美しいこと、素晴らしいこと。
本当に大空と地上の美しい風景に癒されます。
トマのお母さんと別れて、野性の鳥の保護と繁殖に命を懸ける父親のクリスチャンが、
変わり者で魅力的でした。
自然環境の保護のために家族を忘れることもしばしば・・・。
この映画はトマの母親のパメラと父親のクリスチャンと息子のトマの《家族再生》の物語でもあります。
トマの飛行は動画サイトで沢山の人に見られて、応援されるようになるのも、
今風ですね。
沼地や豊かな水辺を、開拓で野鳥たちを住めなくする。
愚かなことです。
自然を破壊すると、自然は牙をむいて、ゆくゆくは人も住めなくなるのですから。
限られた資源を、野鳥やさまざまな生物や動物で分け合い助け合い、
共存して行くことの大切さを痛感しました。
オススメです。
映像美と温かい空気感
少年の成長、家族の再生、環境問題、映像美。
言い合いになる場面やハラハラする場面もあるが常にどこか温かい空気が流れていて安心して観ることが出来た。
ハリウッド映画のような派手さはないが、素朴さがより心を温かくしてくれた。
映像も美しく、お話も単純なので気分転換におすすめです。
渡り鳥故郷へ帰る
映画『WATARIDORI』は画期的で面白かった。それをムクレの家族を中心としたドラマ化作品で、絶滅危惧種であるガンを守ろうとするテーマで訴えてくる。
やっぱり『WATARIDORI』が強烈だったためか、鳥の飛ぶシーンが短く、少年の飛行シーンばかりが目立つように感じた。さすがに撮り方は別撮りでカットバックだと考えると、ちょっと物足りなかった。ドキュメンタリーじゃないのに、どうしても考えちゃう。
面白かったのはSNSでトマの飛行シーンが拡散されて、多くの人がトマを応援するところ。ガソリンも持っていきなってな親切な人とかも。
10年に一本の大傑作
「WATARIDORI」の映像がこの作品に繋がるのですね!。
絶滅危惧種の渡り鳥を救うべく、鳥の親となり一緒に空を飛び、安全な”渡り”のルートを教える。
気象学者であり鳥類愛好家のクリスチャン・ムレクの実話がベース。
息子役を主人公に置き換えたことで、さらに感動が増大。
CGまみれの映像とは違い、大自然の美しさと驚異を肌で感じることができる壮大なアドベンチャー。
少年が命がけで”飛来ルート”を教え、それに答える鳥たちの健気さに感動の涙がとまらないっ!。
ファミリーで楽しめる10年に一本の大傑作と言える。
単純に感動できない
大空を鳥たちと飛ぶ少年の物語。壮大な景色と冒険ストーリーは飽きることなくエンディングへ引っ張って行ってくれる。一羽の異種鳥アッカを入れることで、少年と鳥たちの交流を描くことに成功しているが、もっと少年と鳥たちの繋がりが描かれるとより感動的になったかと思う。評価を高くしなかったのは全て犯罪だから。公文書偽造、伝染病の疑いがある鳥を異国に連れて行き放つ、許可なく複数国を飛行...違法行為をして帰ってきたら話題の人??何それ??これが実話らしいので、いわば犯罪人の物語の映画化?まぁ、殺し屋の自伝映画もあるんだからOKか?
自身をもってお勧めできます
本作、ほぼCGを使っていないなんて信じられないです😊
そして主人公の男の子は、かわいいし、
空から眺める景色は綺麗だしで、最高でした!
親目線ですね、
家でもかなり泣けました
こういう映画は大好きです。そして誰にでも自身をもってお勧めできます。
本作は、映画館で鑑賞したかったですね‼️
理屈抜きで善い映画!
映画評甘々な俺でも、最近は期待外れのものが多くてやや鬱ってましたが、この映画は久しぶりにMy絶賛でしたな。
実話を基にしているとはいいながら、うーん、さすがにそんな事実はないだろの脚色部分はてんこ盛り。たぶん、大目に見て事実話30%含有、ってとこかなぁ。親父も少年も犯罪しまくりだしね。
でも、映画だからそんなの関係ねえ?、フランス映画は実におおらかでよいぞ。(笑)
さて、自分的には動物好きなので、こんなジャンルは超ドツボ。
ひな鳥に親と思わせる刷り込み作戦、衣装がいいね!、これはたぶん事実かな。
それに、小型飛行機での渡り鳥コース帰還、これは実際の記録のあるホンモノ。
…あとはたぶん全部創作なんだろうけど、雁たちもすごく可愛いし、映像もキャストの演技も凄くよかったから加点だらけ!
環境問題とか、生物倫理とか、ややこしい背景はあって、それこそがこの映画の背骨になっているのだろうけど、あえてそこをすっ飛ばしたダイレクトな感動が大きかったなぁ。
だから、自分的にはほぼ満点の作品だ!ヽ(^。^)ノ
でも唯一の減点は…
ママの恋人の、あの好人物の描き方だよ。
あいつ、結構いいやつじゃん? でも、途中でなんかそっけなくお役御免になっちゃって、すごく可愛そうだし、ああいうふうにフェードアウトするんだったら、そもそもあの存在は映画的に不要なキャラなんじゃね?と思ったので0.5減点しました。
ラスト楽しそうに元夫とヨリ戻しちゃってるけど、奥さん、アンタけっこう酷いオンナだよ。
あぁ、それもフランス映画流なのか? わかちこわかちこ。(笑)
最近
少年と鳥
組み合わせからして涙腺には劇薬であるが、それに違えぬ出来映え。両者の馴染む時間をしっかりかけて、文字通り飛び立つ。決まった髪型はボサボサに、白い肌は白人とは思えぬ色合いにまで変色する。白い肌でゲームで何が悪いか?という気持ちもあるが、やはりヘルメット被ったあの表情には揺さぶられる。
やはり決定打は渡り鳥と飛行機が一体に飛んでいる姿かな。あの姿を現実に見てしまったら、奇跡感があって誰もが心を奪われてしまう。絵の説得力が高い。
問題はこの親父。どのように弁護しても有罪。憎まれん顔でごまかされる。
【共生とは - 自然との距離感】
トマがガンを導く渡りのルートに広がる自然は美しい。
ただ、僕達は、ガンの渡りの元々のルートが、人間の開発によって危険極まりのない場所になってしまったことが示唆されていることを忘れてはならない。
観る人に、映像にはない反対側を意識させたいのだ。
ただ、意識すると言っても、難しいことはない。
僕達の周りを見渡せば良いだけのことなのだから。
開発や自然破壊で、こちら側にやってきたコロナウイルスが、人間社会に大きなダメージを与えている。
最近、ウィズコロナとは言うが、本当にそんな安易な認識で良いのかという寄稿を読んだ。
こうした未知のウイルスや病原菌とは、一定の境界線を維持した上で共生するのでないと、非常に危険だというのが趣旨のひとつだったように思う。
つまり、開発や自然破壊を、僕達人間は見直す時期に来ているのだと言うことだ。
このトマやクリスチャンがガンの渡りを導く冒険の物語は、如何に人間が開発によって、言い換えれば、人間の勝手なエゴによって、本来は共生できていたはずの生き物達を駆逐していったかを暗に示唆している。
ここ数万年の動植物の大量絶滅には、気候変動のほか人間活動も大きく影響しているという。
ホモ・サピエンスの世界中への拡大から、現代の過度な環境破壊、開発を含んでいる。
僕達は、もっと自分の周りに目を向けなくてはならない時に来ているのだ。
二本立て二本目。 中川大志似の主人公少年、評価を上げてる(笑) 父...
二本立て二本目。
中川大志似の主人公少年、評価を上げてる(笑)
父親?私は最初、主人公のおじいさんかと思った。
前半で結末は完全にわかります。後はどう感動に導いてくれるのか。母親で来たか。
それにしても法律破りまくりでないの。無免許運転に民家からの強奪等。手放しで褒めたたえていいのか(笑)
雁たちが軽飛行機を追い編隊を組む映像が息を飲む美しさ。ストーリーの粗を吹き飛ばしてしまう。
よかったけどちょっと評価は高すぎる気がする(笑)
大切なことのためのルール破り
とある動物博物館に勤めるクリスティアン。彼は絶滅危惧種のガンを救うことに強い使命感をもっていた。ガンを卵からかえして、安全なルートで飛べるように渡りの手助けをし、そのルートを覚えたガンが自立に成功すれば数を増やしていくはずだと考えていた。
それを成し遂げるため長期の在宅勤務を申し出るが、国外に運んだガンをそこで離す許可を館長からえなければいけなかった。
だが、博物館の予算は厳しく館長は頑(ガン)として受け付けなかった。
そこで彼は国外のノルウェーでガンを離すための許可印を持ち出して、書類を偽造し、それを成し遂げようとする。
そこに別れた元妻との間にできた14歳の息子が父親と過ごす番のためにやって来る。クリスティアンは卵からかえったガンを息子と一緒に育てていく。疎遠になった父と息子がよりを戻していく感動がありそうなもんだが、そんな感じではなく、地味にガンを育てる事に集中した展開。息子のトマは自然豊かな場所にある父親の家に来ることに、つまらなくてうんざりしていたが次第にガンを育てることにハマっていく。そして父親と渡りの手助けの旅に出る。ここまでが前半。
ところが、文書偽造のルール違反をしてガンを離そうとしていたことがバレて、ガンはすべてノルウェー当局に没収されそうになる。ガンたちを救おうと頑張ってきた純真なトマはそんなことは許せない。お手製のプロペラ付きハングライダーでガンと飛び立ってしまう。ここからガンとの旅になるのが後半。
後半からニルスのふしぎな旅にあやかってか、映画全体がファンタジックな雰囲気に包まれていき、感動的な音楽も加わって、ガンと少年が一緒に空を飛んでいるどのシーンも美しく感動的に描かれる。その感動は映像自体の美しさや少年の純真なガンへの愛情がひきたたせているのは確か。ただ、それだけじゃないのがこの映画の特徴。
この少年も父親も二人ともじぶんがやるべきだと感じたらルールを破って突っ走るタイプ。
大切なことのためにならルールを時に破ったっていいんだっていう少し青臭いメッセージが根底にある。実はこれが感動を引き立たせる大きな要素となっている。
やると決めたらノルウェーのルールなんか無視して空に飛び立つ14歳の少年の勇気!本当に大切なことは時にルールを守ることでは達成できないし、のちのちそれが正しいことだったというのはYouTubeの拡散動画で世論が味方してくれる。本当に大切なことのためならルール破りもご愛嬌!
息子がガンと飛び立って行方不明になってクリスティアンは悲嘆にくれるが、それを知った元妻は気が気じゃない。破滅寸前の仲の二人が息子が無事にガンと生還したことに感動して一気によりをもどす。後半は雰囲気がファンタジックになるだけでなく、出来事もファンタジーそのものになっていく。
野生のガンと違って人間が手助けしたガンは自力で渡り鳥になることは難しいという話が出てくるなかで、クライマックスで、ガンたちがノルウェーにちゃんと戻ってきたシーンとその後のクリスティアンが館長に祝福されて晴れて博物館職員に復帰するシーンが少し出来過ぎな気がするが、やはりこの辺のシーンはハッピーなファンタジーそのものだったと思う。
ふわっと優しい気持ちになれる
渡り鳥を絶滅させないために、渡り鳥に渡りのルートを教えるために、トマ(子ども)が超軽量飛行機に乗り、渡り鳥の群れを引き連れて冒険するストーリー。
父親が書類手続きで不正をしたり、トマが冒険途中に盗んだりと悪いところもあるけれど、その冒険の壮大さ、トマの勇気、出会う人々の温かさに心打たれた。
(出会う人たちが良い人ばかりで良かったけど、もし悪い人間が居たらと思うとちょっと怖いけど。。。)
超軽量飛行機が水辺を飛び立ったり、鳥の群れを引き連れて大空を飛んだりするシーンはとてもきれいで幻想的。
ゲームばかりしていたトマがこんなに変わる?と疑問を感じてしまったのと、トマが行方不明になることで母親と父親の距離が縮まり、同居していた彼が家を出ていくシーンはちょっと悲しかったけど。。。
雄大な自然と人々の優しい心に癒される良作だと思う。
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