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ハンガリー、中国合作、ジュブナイル向け007もどきアクション大作。
ミラ・ジョボビッチが出ていますが客寄せパンダでしょう、主役はあくまでも中国人の若者たちなのですがネームバリューに乏しいので欧米のマーケットの為にはミラが必要ということ。後半は撃たれたので事件はルーキーズにまかせて病院のベッドで療養、締めにはなんと顔中に針を刺して登場、回復は東洋医学の力と大サービス、そういえば最初の格闘シーンでのミラの武器も必殺仕置き人のような長針だった。
アバンタイトルで大量虐殺シーン、後でわかったのですが人間を植物に変えると言う生物化学兵器DM85、最初に煙のような反応促進剤を散布してから本命の薬剤を撒くという2段仕立て、てっきり最初の煙が毒ガスかと思いました、これも新たな趣向ですね。悪役は、死んだ恋人の目玉を愛でる気味悪さ、テロの動機はその辺にありそうですが詳しくは語りません、ともあれ狂気の億万長者と言う設定は007並みの仕込みでしょう。
見どころは珍兵器、007のQのような発明家の青年が作るボンドカーは赤いビートルなのだが愛嬌もありロジャーラビットの車のようだが、渋滞に巻き込まれるとアヒルのくちばしのようなへらをだして掻き分けるし、まるでトランスフォーマー風に足を生やして大変身、これは面白い。
問題は主人公のキャラ、トムクルーズ並みの高所対応能力だがネットでの自己アピールやセックス・ドールで遊んでいる様は現代の中国の若者向けのあるあるなのでしょうが興醒めですね。
中国のインターポールの上司がサボタージュの権化のような役人気質なのも現代風刺なのでしょう、反発する部下のミャオミャオがやたらかっこよく、ミラに後継者として認められるのも納得です。
殉死した主人公と思わせてエンドクレジットで無事を匂わせました、続編ありということでしょう。
ただ、中国での興行成績が悪かったようで今のところ無いようです。
予算もたっぷりのアクションシーンは見どころですがなかなか進まぬ本題やキモい笑いのセンスが今一でした。シリアスでも行けそうでしたが妙な笑いをまぶしたので全体のトーンが中途半端になってしまったのかも知れず残念です。