劇場公開日 2020年6月12日

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ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語のレビュー・感想・評価

全288件中、281~288件目を表示

4.5ガーウィックは、オルコットと自分自身のジョー像を見事に描いてみせた。

2020年6月12日
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鑑賞方法:映画館

本作は、アカデミー賞脚色賞を『ジョジョ・ラビット』と競って、結果として賞は『ジョジョ〜』が獲得しました。どちらも原作に基づいた劇映画として甲乙付けがたい内容でしたが、本作は恐らく原作の読者を前提とした語り口であったことが評価の一つの要因となったのでは、と思います。

本作はもちろん、上映時間の都合上、取り上げる出来事は刈り込んであるし、時間軸も大胆に操作していますが、基本的には原作の諸要素に忠実です。もっとも、原作の筋自体は大きく変えない一方で、ガーウィック監督は結婚に幸せを見出すのか(メグ)、自分の道を突き進むのか(ジョー)、という重大な選択の場面で、かなり思い切った展開を提示しています。この展開には、ガーウィック監督自身の経験や価値観、そして原作者のオルコットの意志が強く反映されていることは間違いなく、少なくとも表面的には『若草物語』の世界観を壊さずに非常に現代的な視点を織り込んでいく手法にはとても感心しました。

あからさまな「神の視点」で語られることはないものの、本作が『若草物語』内世界に留まらない超越的な(メタ的な)視点を含んでいることは間違いなく、その点で邦題を、原題通りの『若草物語』ではなく、今回の表記とした配給側の判断も素晴らしいです。

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yui

4.5リトル・ミス・サンシャインを観た後の自分の感覚と似てた気がする。 ...

2020年5月14日
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リトル・ミス・サンシャインを観た後の自分の感覚と似てた気がする。
泣いたり笑ったり、切なくなったり・・・グレタ組最高です。 みんな演技が素晴らしい!

シアーシャローナンの作品は、個人的に当たり外れがあるけど、これは彼女だからこそ出来た作品だと思った。 一番好きなシーンは、髪を切ってお金をお母さんに渡したあと、泣いちゃうところ。
ジョーは、とても勇敢で一生懸命で強い心を持っているのに、根はすごく繊細で、自分に自信がなかったりして、そんな人間らしいところがとても愛くるしい。 周りにいつも姉妹がいて、みんなそれぞれの道を歩んでいって、大人になった時に感じる「愛されたい」という感情を素直に口に出せる純粋さにキュンときた。

たった2時間で、しかもただただ一つの家族とその周りの人たちの話をしているだけなのに、この時代に生きている自分にも共感できる普遍的な要素があったり、出逢いや別れ、大切な人たちとの他愛ない時間の美しさが力強く映し出されていて、とても濃い作品だった。

原作の内容を全く知らなかったけど、ずっと愛されるワケがわかった。

脚本も面白くて、その時の思い出と現在をバランスよく行き来して、主人公と同じように感情移入させてくれるところもとても観やすかった。
あとはもう、ティモシーくんがほぼほぼ目の保養と化してしまった。笑 お美しい。
あの、一途なプレイボーイ感が可愛くてたまらん。

今の苦しい時期だからこそ、大切な人と過ごす時間を大事にしていきたいと思わせてくれる。
人間の優しさが全部詰まった作品。

P.S. なんで映画のタイトルをこれにしたんだろう・・・笑

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Miwako

5.0名著の見事な映画化

2020年3月20日
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かつて自分が愛読した世界名著「若草物語」が映画化された。女優勢の演技も素晴らしいし、何よりグレタ監督の女性についての描写が素晴らしいと感じた。

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素子

4.0原作に極めて忠実

2020年2月15日
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原作に極めて忠実な作品だった。そのため目新しさはあまり感じられない。自分が見た試写会では女性が多かったこともあってかかなりの人が涙していたように思えた。
映画で泣きたい人にはオススメ

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TaKaKiN

5.02/3 試写会

2020年2月14日
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不機嫌なジョーは、感情溢れ満たされる傑作。この作品に恋に落ちた、すべての瞬間が愛おしい。焦燥も涙もそして笑顔も --- こんなにも豊かな情感に温かさで心揺さぶられるなんて、かけがえの無い余韻に包まれる。ジョー役シアーシャ・ローナンの名演技は特筆に値する。《表現》者グレタ・ガーウィグが監督した作品(『レディ・バード』)はもちろんのこと脚本/出演した作品を見ても女子が羨ましいと思うことがよくあったけど、本作は時代性によって抑圧・画一視された《女性性》とそれでも押さえることのできなかった自由への渇望を若者に寄り添った瑞々しい感性かつ、彼女自身文学にも精通し本作では多くのベテランも起用した玄人というより苦楽や痛みを知る大人/保護者寄りな温かな視点で描き切る。結婚することだけが幸せとは思わないけど、やっぱり孤独を感じるし愛されたい。唯一気になったのは昔と今が交互に行き交うストーリーテリングだったけど、それも途中から気にならなくなり、後半・終盤に差し掛かる頃にはそうしたアプローチこそが本作のパワフルさにも結実しているようにすら感じられた。故に、いくらかの古典は今日でも十二分に通ずる普遍さ・メッセージ性を備えていて、今日に語り直す価値があると力強くもしみじみ思わせてくれる。『ナイブズ・アウト』に並んで去年から現時点で今年最も見たかった本作は、そんな高い期待を優に越えてくる素晴らしいものだった。今解き放たれる人生豊かにする本物の映画の魔法。見た多くの人にとって特別になるだろう。また見たい、何度でも何度でも頁をめくるように。
痛いほど分かる --- メグ、執筆ジョー、絵画エイミー、音楽ベス、そして近所のローリー"テディ"にフレデリック、誰もが魅力的で共通性がある。性別こそ違えどジョーにも少し自分を見出せたし、けどやっぱり自分はエイミーかなぁなんて思う瞬間もあった。鈍臭さも向こう見ずな所も負けん気強くて勝ち気な性格も不貞腐れたり意固地になったり。それはやっぱり感情の機微にしっかりと寄り添い向き合ったグレタ・ガーウィグの脚本に出演者と信頼関係を築いたであろう演出の賜物でありつつ、キャストも皆素晴らしい好演・名演によるアンサンブルを奏でている。それを更に押し上げ世界観・没入感を際立たせるべらぼうに光り輝く《衣装》もまた広く評価されるべき、撮影も音楽も良い。とりわけ(毎度ながら)シアーシャ・ローナンとフローレンス・ピューの演技は圧巻。そう、この二人こそ上述したように特に共感を覚えた二人だ! 個人的にシアーシャ・ローナンは最も好きな役者の一人であり、メリル・ストリープに匹敵する名女優だと確信してきたので、今回そんな二人の初共演(多くはないけど...?)見られて良かった。相棒/盟友シアーシャ・ローナン × 旦那役?ティモシー・シャラメは、エマ・ストーン × ライアン・ゴズリング、蒼井優 × 池松壮亮に並ぶ名コンビ(あとクリステン・スチュワート × ジェシー・アイゼンバーグも?)。他にも母親役には『マリッジ・ストーリー』のノリノリな弁護士役とは打って変わってのローラ・ダーン、父親役にはボブ・オデンカーク、そしていい味を出すテディの祖父でベスと通ずる隣人クリス・クーパー。往年のジェームズ・アイヴォリーがジェーン・オースティンを映画化したみたいな雰囲気、とでも言うか、安直な表現になってしまうが最高。他人事も私事にしてしまう。自分の感性刺さりまくり琴線触れまくりということもあるけど、それ差し引いたところでやっぱりグレタ・ガーウィグは今最も目が離せない映画人だ、確約/保証しよう。自分もうだうだ言ってないで書こう。

にしてもやっぱりワンダイが歌い出しそうなこの邦題は...苦笑

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とぽとぽ

4.5キャストさんや、景観が美しいです。

2020年2月10日
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ストーリーに起承転結が
しっかりあるわけではありませんが、
キャストの声や見に纏うモノの美しさ、
景観の美しさに見惚れて
時間があっという間に過ぎました。

女性が世間で活躍するにはまだ早い時代、
センスのある女性がどれほど苦しみ、
自分を抑えて家庭に骨を埋めたのか
考えさせられました。

日本でどのくらいまで人気が出るのか
楽しみです。

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sia

4.0タイトルなし

2020年2月4日
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鑑賞方法:試写会

作家ルイーザ・メイ・オルコット
名作「若草物語」
オルコット自身の幻影でもある主人公ジョー
上巻は可能性は無限大だと信じていられた姉妹たちの少女時代
下巻は大人の厳しい現実が書かれている
この映画は
四姉妹の次女 作家ジョーのストーリーが
上下巻(今と幼少期)を別々のタイムラインで並べられている
.
『私たちは道を歩く時はいつも小さかった頃の自分と一緒に歩いている。いつも自分たちがなりたかった自分を今の自分に融合させている。』
グレタ・ガーヴィグ監督のそのアプローチに
最初は戸惑いも感じたけれど
だんだん惹き付けられ引き込まれていく
.
誰しも思い出す子供の頃の記憶
人生には痛みも伴う
四姉妹…献身的な母・父・友達…
それぞれの世界観・人生観
自分を誰に重ねて観ようか…

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lily

5.0殺伐とした映画ばかりの世の中に現れた、一輪の花のような作品。

2020年2月3日
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鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

幸せ

こういう映画を待っていたんだ!!
人と人が愛し愛される映画って最高!

『ジョーカー』とか『1917』とか、人を騙したり殺したりする殺伐な映画がアカデミー賞候補になる中、この作品だけは違った!
心の底から相手を想いやれる、愛で溢れた映画でした(^^)

これは今の時代だからこそ、心に深く突き刺さるメッセージが盛り沢山!
同じ女性として、仕事や家庭や結婚などなど、将来のことで悩む彼女たちの姿に心打たれまくりました!

若草物語のあの4人の姿が現代にそっくりそのまま蘇ったかのような感動…!
開始早々から、映画の楽しさに引き込まれて、ずっと観ていたいと思ってしまったほど(笑)

特に、シャーシャローナンちゃんの満点の笑顔にもう釘付けでした
(*☻-☻*)
彼女はこれまで本当にいろんな役をやってきたけれど、どれも共通して言えるのは、1人の人間としての生き方を確立していということ。
女だからとかではなく、自分はどうあるべきかどうしたいのか悩み苦しみながや、信念を持って行動している姿が本当に大好き!

同じ女性として、共感したくなる部分がたくさんあるところが魅力的な要素の一つ。
これからももっと天真爛漫な人柄を数多く演じてほしいと思いました!

対するフローレンスピューちゃんの、オテンバな妹役はもう歳最高!
姉の行動に興味津々で、どこまでも姉に嫉妬心を燃やしている感じがとてもリアルで最高でした。
よく姉妹あるあるで、お姉さんに対抗心を燃やす妹って多いけど、その役がとても板についていて最高でした!

若草物語と言えば、やっぱりジョーとエイミーの話なので、そこの部分を中心に話の展開が進んでいくのはとても良かったです!

この映画はまさに、2020年の今の時代にふさわしい!
4人の少女たちが、将来の自分に悩み苦しみながら成長していく姿は、現代の女性の将来の悩みに通じるものがありました。

結婚か、仕事か。
お金持ちか貧乏人か。
独身か、パートナーか。
何が正解なんてない、自分が何を重要視して、どう生きたいかを考えている。
自分にとっての一番の幸せって一体何なのか?

彼女たちの生活を通じていろんなことを考えさせられました。

一つ言えるのは、みんなどんな選択をしたにせよ、幸せだっていうこと。

幸せの形って人によって違うからこそ、人生の選択って多彩だなと思いました。

大好きな出演者が豊富の今作!
アカデミー賞にもノミネートされているので、期待大です!

個人的には早くも今年の作品に出会ってしまった感じ(笑)
このまま、賞を受賞してくれたら最高に幸せです(^^)

素敵な映画をありがとうございました
(〃ω〃)

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ガーコ