ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語のレビュー・感想・評価
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4姉妹の華やかな競演
ルイザ・メイ・オルコットの名作小説「若草物語」を新たな視点で映画化した作品。個性のある4姉妹の競演は見応え充分。その他のわき役も豪華キャスト陣が揃っていて目移りします。その中でも主役を演じたシアーシャ・ローナンの存在感は抜群。負けん気が強くお転婆でエネルギッシュな次女ジョーを見事に演じていました。
2020-91
沁みる
I’m so lonely.という言葉がもの凄く印象に残ってるのは、いまだからでしょうか…
大変な時期がやっと落ち着き始め、“映画館に人を戻したい”とのことで公開日を決めた的な記事を読みました。
本当に感謝です。
作品全体に流れる雰囲気、芯が強いキャラクターたちとそれを演じる魅力的な俳優人、素敵なインテリアなど
全てが沁みました。
愛が溢れ、力強く、優しく、周りを思いやって生きる登場人物たち…まさに世界にいま一番必要なことだよなあ、としみじみおもいました。
イメージぴったりの配役と衣装
原作小説の一作目と二作目に忠実な映画化ゆえ、ストーリーに新鮮味はありませんが、多幸感に包まれた作品です。
『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督の指向なのか、ちと現代風の女性自立概念が強めのふりかけ。
主役のジョーが、ニューヨークで作家業をはじめるところからスタートし、様々な現実に際して、過去の回想という形で少女時代のエピソードを挿入する構成。
(『続若草物語』を作中現代として、『若草物語』を思い出すといえばわかるだろうか?)
なので、時系列を脳内で整理しなきゃいけないのが少しつらかった。
そのため、辛めの点数にするけど、優雅な描写、演技演出など、トータルではクオリティが高い作品。
四姉妹の次女ジョー=シアーシャ・ローナン、長女ベス =エマ・ワトソン、四女エイミー=フローレンス・ピューのキャライメージがぴったりなうえ。
ローナンの「怒り」「哀しみ」「嘆き」の演技が素晴らしい。
エマ・ワトソン目当てに行ったんですが、すっかりローナンに魅了されました。
それと、『ミッドサマー』じゃないから、フローレンス・ピューの周囲の人々はそんなに死にません。
『ファイティング・ファミリー』のサラヤ役といい、演技の幅が広いピューにも、今後注目していきたいと思いました。
でも、一番の見どころは、19世紀・南北戦争時代のアメリカの衣装、美術、建物の再現のすごさ。
アカデミー賞の衣装デザイン賞を獲ったのも納得です。
役者の演技で魅せる良作!映画館で観て!
久しぶりに映画らしい映画を観た気がした。
とにかく登場人物が魅力的。
メグ役でエマ・ワトソンが起用されたことで話題になった。当時はなぜ?主役のジョー役じゃないの?と不思議に思ったけど、映画を観て納得した。慎ましく、思慮深く一途な愛情を表現する長女役には、エマの落ち着いた雰囲気がとてもハマり役。
ジョー役のシアーシャ・ローナンは少女から大人へと変化していく女性の姿を見事に演じきった。ふとした表情でも優しさが伝わる演技、何気ない仕草でも育ちの良さが伝わる所作が作中に溢れていて、彼女の演技の虜になってしまった。
エイミー役のフローレンス・ピューはこの映画で初めて出会った女優さん。姉妹の中でお味噌だった時とヨーロッパの社交界で華やかに着飾った姿のギャップがとても良かった。
ベス役のエリザ・スカンレンは今作がデビュー作?なのかな?病弱ながらも他者を思いやれる慈悲深さや姉妹をソファーから眺める愛らしい眼差しが印象的だった。
四姉妹の成長もさることながら、今作では母親役のローラ・ダーンや叔母役のメリル・ストリープも物語をグッと引き締めていた。
結婚への価値観がそれぞれの立場で語られていて、どの登場人物の価値観にも共感して、台詞の一つ一つが心に残った。
劇中でもう一つ注目していたのは衣装!
どのシーンでも目を引くけど演技を邪魔しない配色や洗練されたデザインの衣装は、キャラクターをより一層魅力的に見せるだけではなくて、心理描写や背景までさまざまな役割を担っていた。
衣装や小道具、使っている家具の一つ一つがとても素敵で、画面の中が宝石箱の様だった。
自分の生き方について、肯定的に諦めずに生きていこうという生命力に溢れた作品でした。
観賞後に立てなくなるほど心に刺さりました。
是非、劇場でご覧ください。
美術・衣装が素晴らしく素敵
四姉妹の人生を見ながら、じんわりもし自分だったらどうするかなぁ…など思いを巡らせながら観ていました。きっとジョーのような強い想いを持っては生きられない。笑
お話が物凄く面白いかというと、そうでもないのですが、最初から最後までずーっと画が素晴らしくて眼福。時代背景に合った衣装やヘアメイク、階級や暮らしを感じさせる家具や小物、隅から隅まで本当に素敵!
特にエマ・ワトソンがめちゃくちゃキュート!美女と野獣でもそうでしたが、彼女はこの手のドレスや洋装がとってもお似合い。可愛かった〜
今だからこそ是非見たい
すばらしい作品で、おすすめです!
特にF.ピュー演じる四女のエイミーのキャラクターが私は好きだったかも。
T.シャラメのローリーも、はまり役ですね。
ジョーとローリーは、やっぱり結婚という形で結びつく間柄ではないのでしょうね。
すべてを知っていて、あたたかく見守るお母さんが良かったです。
そして、ルイ・ガレルが出ているなんて、本篇を見るまで知りませんでした。それも重要な役。
ラスト、ジョーが「物語の中」ではフレデリックと結婚する、という落ちが効いています。
支え合う家族、同胞、隣人。労りの心、傷ついたひとを思いやる気持ち、友情。
嫉妬もあれば、貧困や孤独も。
コロナで疲れた今こそ見て良かった、という作品でした。
本歌取
久しぶりの映画館。それに応える出来栄え。とめどなく奏でられる美しい音楽、素晴らしい調度品や衣装。映画の世界にどっぷり浸れる。
1949年版を予習していたのが成功だったか失敗だったか。一度しか与えられぬ機会だから答えは分からないが、個人的には正解。時系列に沿わず、パッチワークのようにひとつひとつのエピソードが編み直されたようで、ベースに1949年版があるだけに、それぞれのエピソードの意図が鮮やかに浮き上がってくる。「ああっ、ここでこの台詞を入れてくるか」とか、「この2人の関係をこういうシーンで描くか」「こことここを繋ぐか」とか。テンポの早い会話のやりとりは情報量が多く、既に知っているストーリーを立体的に描き出す。
思い入れのある四姉妹。終始、目が乾くことがない。イメージと違うという印象を与えてしまうと心が離れるものであるが、グレタガーウィックの解釈、そしてこの人しかいないと思わせるだけの配役。シアーシャローナンの変化に富んだ表情の豊かさ、ローラダーンとは本当の母娘のよう。エマワトソンはこれぞメグ。エリザスカンレンのベスの目力の強さ。そして驚いたのはフローレンスピューのエイミー。時代の前後で表情が子供と大人に全く変わる。母親に受賞は阻まれたがアカデミーノミネートも納得。ローリーとの展開も違和感を抱かせない。彼女の判断と女の道。話全体を豊かなものとしている。
端役でも大役。メリルストリープもマーチおばさんを好演。ティモーシーシャラメは姉妹の演技をそれぞれ受けとめる。冒頭のシアーシャとのダンスシーンの軽やかさ。既にこの映画はただものではない。作り手がこの四姉妹の物語の普遍性を現代に蘇らせようと全力の演技で応じているようだ。
イメージとは違ったのはラストの展開。名シーンへの期待を裏切ってくる勇気の太さ。現代においてはこう描くべきという作り手の強い意志。全ては作者オルコットと全ての女性に捧げる。その意気上等。
現代的な視点から『若草物語』を語り直した快作
傑作青春映画『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督による長編2作目は、
古典『若草物語』を現代的に解釈し、
見事な脚色でアップデートした、愛すべき一本でした!
19世紀のアメリカを舞台に、貧しくも幸せに暮らす四姉妹の姿と、彼女らのその後を、
次女ジョーの視点を中心に、時系列を入れ替えながら描きます。
女性にとっての幸せに主眼が置かれた本作ですが、
「結婚のみが女性の幸せである」という古い価値観自体は否定しつつ、
「愛する人と人生を共にすることの尊さ」も丁寧に描いた
監督の優しいまなざしが、私には非常に愛おしく感じられました。
自信なさげに小説を見せ、安い原稿料で売り払うOPと、
自分の作品の価値を高らかに宣言するEDの構成、
三女ベスの行末を案じたジョーが階段を駆け下りる、2つの場面の対比などなど、
呼応しあうシーンを随所に散りばめた演出もお見事。
過去と現在をせわしなく行き来する作りに若干の戸惑いを感じたものの、
このような語り口を選択した監督の意図が、しっかり伝わる作りになっています。
原作の内容を押さえていた方が物語を飲み込みやすいのは間違いないですが、
原作未見の私でも十分楽しむことができました。
シアーシャ・ローナン演じる主人公ジョーのエネルギッシュな魅力、
ローラ・ダーン演じる母親の、どんな時も為すべきことを行う気品の高さなど、
豪華キャストによるアンサンブルはどこを取っても一級品なのですが、特筆すべきは、新進気鋭の女優フローレンス・ピュー。 ⠀
前作『ミッドサマー』では「心に孤独を抱え、自分の居場所を探し求める」主人公を演じた彼女が、
幼さゆえにわがままな自分を抑えられない四女エイミーを見事に体現しています。
彼女が、ジョーに対して長年感じてきた負い目を吐露し、
自らの思いを打ち明けるシーンは、今作屈指の名場面でした。
語り口によっては時代遅れと捉えられかねない、難しい題材に、
ガーウィグ監督独自の作家性をごく自然に盛り込んでみせた本作は、
間違いなく現代に語り直す価値のある、素晴らしい作品でした。
巨匠アレクサンドル・デスプラによる美しい音楽を堪能するためにも、
音響の良いシアターでの鑑賞がオススメです!
確かな手腕
原作未読、他の映像化作品も未見のため、時制を行ったり来たりする語り口にかなり戸惑ったものの、終盤のある場面で「なるほどコレがやりたかったのか」とはたとひざを打つ…
飲み込めれば、現代ともまったく変わらぬ女性の在り方についての問題が、物語の主題と深く関連していることに気づいて、なるほどコレが描きたかったのかと…
原作よりももう一段メタ視点が入ってるのでは?と考えるなど、グレタ・ガーウィグの監督としての手腕の確かさを思う。
役者もみんな素晴らしかった。フローレンス・ピューの口角下がった顔は『ミッドサマー』を思い起こさせるけれども…
超久々の劇場鑑賞、やっぱりいい。 そして本作も抜群に良かった。 四...
超久々の劇場鑑賞、やっぱりいい。
そして本作も抜群に良かった。
四姉妹のお話、それぞれの思いが絡み合う。何度も映画化されてるのも納得。話が面白い。
主演の次女、素晴らしい。顔といい、性格といい、ちょっとクワバタオハラが入ってた(笑)
長女エマ・ワトソン、もはや大女優ですね。三女の天使、四女の曲者もやるやる。そして、母親ローラ・ダーン、まだまだ綺麗。真打ちはメリル・ストリープ、その存在感は流石の一言。
キャスティングもお見事でしたが、構成、演出もお見事。全く長時間飽きなかった。そして迎えるある意味謎の大団円。
これ、アカデミー独占してても良かったくらい。良い作品にめぐり逢えました。
スクリーン2 座席K-13 鑑賞人数4人 まだまだコロナ禍の影響ありですが、おかげでゆったり鑑賞できました。靴下脱いでも影響なし(笑)
シアーシャとフローレンス
時間軸の往来が好きです。そういう構成の作品とは知らなかったので、とても新鮮で今に通じる現代性があって、素晴らしい映画でした。衣装も自然も家具も何もかも凝っていてよかった。どの映画でも、真っ直ぐに前を見る、シアーシャの目の強さが好きです。執筆生活は体力を奪う、だから、エイミーから肉もらえ!と思ったほど、ちっちゃい顔で細かった。そして!そのエイミー役のフローレンス・ピュー、上手い!すごくいい!ドスの効いた声(当時の女性はわざとか無意識か、男性の前では高い声で話していたのではないだろうか)、わがまま、ヤキモチ、泣く(泣き顔見るとミッドサマーに行ってしまいそうで自分を抑えるのに苦労した)。衣装のせいもあり、立派なガタイ。ミッドサマーの最後の方の「花ゴジラ」状態でした。でも、これからも見ていきたい女優さんがまたできて、嬉しい!ティモシー・シャラメ、初見!美しい!でも、それより四姉妹と子犬みたいにじゃれ合ってる姿が可愛くて、こういうのが出来る役者さんはすごいな、と思った。個人的にはニューヨークでジョーの作品を酷評した彼の方が私は好きかな~。
シアーシャが出るからこの映画見ました。公開が延期されたので本当に楽しみでした。
何本も映画化されている原作なので、暗い背景、エイミーが鼻の低さ気にして洗濯バサミの場面とかがまたあったら、今のこの時代に若草物語を映画にする意味ないだろな、ちょっと心配、と思ってただけに、気持ちよく裏切られました。ありがとう😊
若草物語はいい!
大好きなシァーシャ.ローナンが子供の頃から大好きだった
ジョーを演じた。
子供の頃と大人になってからがほぼ一緒なので分かりにくいとか、エイミーが野呂佳代に見えて仕方がない(これは貶してるのではない、野呂佳代も好きなタレント)とかあるけれど、やはり100点かな。
ちょうど録画した「心の旅路」RandomHarvest見たばかりもあって、こういう映画が落ち着くなあとしみじみ思う。
ティモシーシャラメが一番美しい✨
昔から大好きだった「若草物語」をグレタ・ガーヴィグのテイストで映画化と聞いてずっと楽しみにしていました。
ファッションや屋敷の調度品など、可愛くてノスタルジックで素敵。ただ、肝心のストーリーは時系列が終始忙しく入り乱れるため、物語では大切なシーンがさらっとしか描かれていません。そこがちょっと残念です。
四人姉妹は皆個性的で、サル顔だったり男顔だったり(失礼)昔の美人の基準とは随分変わりましたね・・・
一番美しいと感じたのはローリー役のティモシー・シャラメでした。
そして最後にフローレンス・ピュー。
若いのに演技がうまく、低い声が素晴らしい!最初に見たとき容姿は「ん?」という印象でしたが、今注目の女優というのも納得しました。
コロナ自粛解除後の映画にふさわしい作品で、行って良かったです!
言うほどいいですか?って感じの作品。
まず、はじめに、この作品がなぜこんなにも高評価なのかが謎。古典作品で有名だから?キャスト陣が豪華だから?
綺麗事より、むしろ人間の汚い部分などが映し出される物語が好きな私はこういうのは、斜めに構えてみてしまう。私は擦れてるのか。
むしろインディーズ映画でももっと美しく素晴らしい良作は沢山ある。そういった作品を観てきたため、言うほど良いですか?って感じ。見終わったあとも特に何も残らず映像と衣装が美しかったなぁ思っただけ。パラサイトの方が何倍も後引きました。
人々の価値観や感性ってみんな違うんだなと。改めて思います。
●良いところ
キャスト陣が豪華。そして、音楽や絵画のように美しい景色、インテリア、映像
確かに美しい、制作にお金をかけているのもわかる。
劇中の台詞の90%が原作小説に書かれたものまたは、ルイザ・メイ・オルコットの綴った手紙や日記からの引用なんだとか。ってことは、原作が書かれた時代と現代の私たちが考えていることや、行動って昔と何も変わっていないんだなって。
●マイナス部分
女の幸せは結婚じゃないと散々言っておきながら、結局は結婚したジョー。最終的にやっぱり結婚って幸せなんですよっていう価値観を刷り込まれているようで、ガッカリ。(マジでどうせなら独身貫いて欲しかった。
幸せの形って人それぞれで、
特に女性は妊娠出産といった大イベントがあるためにキャリアなども含めてなかなか思い通りにならないこともある。
女性は結婚して家庭に入るのが幸せなことだとされていた一昔前とは違い、現代はバリバリ仕事して一人で自由に生きたい人もいるし
夫はいらないけど子供は欲しいと思う人もいたり
夫婦二人で幸せという人も(同性婚も認められているし)
いたり。
幸せの形に正解なんてなくて、それぞれが自分の幸福を追求できる時代に生まれたこと、幸せなことですね。
母親役のローラ・ダーンの存在感と演技力に個人的には拍手!
“強い魂”
んん…!!
シアーシャ・ローナン&グレタ・ガーウィグの再タッグが、「レディ・バード」超えの傑作を生み出した…!!
今年の個人的No.1映画になる気がする…。
物語は現在と7年前を行き来しながら進む形になっていて、観る側は4姉妹たちが過去と現実とのギャップに対して折り合いをつけていく様子をシアーシャ・ローナン演じる次女・ジョーの視点から繊細に体験する。
この過去と現在の交錯がめちゃめちゃすごい。すごいし、上手い。
過去の記憶は、いわば“少女時代”の象徴として描かれていて、各々の悩みを孕んだ現在の生活とは対照的な印象を与える。これには過去のシーンに暖色系の色調を、現在のシーンには反対に寒色系の色調を使っていることも大きく寄与していて、過去と現在との対称性がより色濃く映し出されている。
そんな暖かな記憶の中の4姉妹は“家族愛”の心とそれに裏打ちされた“隣人愛”の精神とを健気に育み合い、貧しくも幸福に暮らしているわけだが、これが、本当に、演技だとは、思えないくらい、上手い。4人とも4姉妹の生まれですか?なんでこの4姉妹のごちゃごちゃとした感じが出せる?別に競い合って演じてる風でもなく、淡々と捲し立て合っている。どのセリフからも「4人でいれば怖くないよね」って聞こえてきそう。
その一方で、現在では“女の結婚は経済問題”というセリフに代表されるような、切実な不安や悩みが生まれ始める。そこには郷愁の思いが入り混じっていて、変わりゆく環境の中で過去とのギャップに苦しみながらも、その葛藤は万感のフィナーレへと徐々に解けていく。
過去シーンと現在シーンとの交錯が後半にいくにつれてより緻密になっていくことが観る側に自然とその心の隙間が埋まっていくのを感じさせる演出も上手い。(ただ少し複雑すぎて混乱してしまうかも?)
と言いつつも、兎にも角にも、
走るシアーシャ・ローナン。踊るシアーシャ・ローナン。笑うシアーシャ・ローナン。シアーシャ・ローナン。シアーシャ・ローナン。
細かい話抜きでそれだけのために観ても十分なほどの魔力ある演技。すっごいよ。
そんなシアーシャがティモシー・シャラメと口論するシーンはこの映画のハイライトと言っても過言ではない。美と美の衝突はまるで七色の火花が弾けるよう。
ありふれた時間が愛しく思えたら
それは愛の仕業
4姉妹による「自分らしく生きる」決意と選択
南北戦争時代の19世紀中頃、マーチ家の個性豊かな4姉妹が織りなすそれぞれの形。若草物語の映画化である。
「若草物語〜Little Women〜」は1933年のキャサリン・ヘップバーン版、1949年のジューン・アリソン版、1994年のウィノナ・ライダー版と何度か映画されており、今回も豪華俳優陣にて映画化されている。
今回のグレタ監督版は古い物語でありながらも、現代の女性でも共感出来る様な内容には監督力量を感じさせてくれるし、女性監督として第一線で活躍する理由も納得である。
俳優の話をしよう。
4姉妹の次女であり、実質的主人公と言っていいジョー役に「レディ・バード」のシアーシャ・ローナン。
今回の映画化を知り、「ジョーは私が演じる必要がある❗️」と監督に自分を主張したらしい。(主張の仕方が凄いよね😅)
今となっては普通だが、1人の女性が作家を目指す姿には共感出来るだろう。アカデミー主演女優賞ノミネートも納得✨
彼女の他にもう1人助演女優賞にノミネートされた凄い女性がいる。
四女を演じたエイミー役のフローレンス・ピューである。
前撮影映画「ミッドサマー」の撮影終了直後、こちらの撮影に直行したが、リハーサルに間に合わずぶっつけ本番だったという。
しかし、この映画での圧倒的な存在感。こちらは助演女優賞を受賞していてもおかしくないくらいの演技である。
この2人が4姉妹、いやマーチ家、いやお隣さん家まで引っ張るかの様な物語にはNHK朝ドラの様な何となく観続けたい魅力がある。
自分達マーチ家も決して裕福では無いのにクリスマスの日に貧乏なお隣さん家に食事を分け与えるシーンや、娘を亡くしたMr.ローレンスの元にあまり行動的では無かった三女ベスが行動に移すシーン(そして更に行動が広がる。しかし、、、)などには観客も心揺れ動くはずだ。
「女にとって結婚は経済問題」だったこの時代。
彼女達の行く末はマーチ伯母であるメリル・ストリープの言う通りになってしまうのだけれども、彼女達はそれを真っ向受け入れながらも、更なる新しい時代へ扉を開けるのだ🚪
いやはや、よく出来た物語✨
現代に甦った名作、是非とも映画館にて彼女達の「風」を感じて頂きたいと思う🎞
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