血筋
劇場公開日:2020年3月28日
解説
韓国、北朝鮮の他に存在し、これまであまり注目されることのなかった中国朝鮮民族を題材に取り上げ、父と子の物語という切り口で描いたドキュメンタリー。中国朝鮮族自治州・延吉で生まれた少年は、10歳の時に日本へ移住した。20歳となった彼は自身の過去を振り返るため、画家であった父を捜すことを決意する。中国で暮らす親戚に父の行方を尋ねるが、父の消息を知る者はおらず、親戚たちは父の話題に触れようとはしなかった。そんな中、叔父の助けによりなんとか父との再会を果たすが、韓国で暮らす父は不法滞在者として借金取りに追われながら日雇い労働でなんとか日々を送っていた。息子への虚栄心、そして自己満足的な愛情をお金で表現しようとする父の姿を前に、息子は困惑を隠すことができず……。監督は本作でカナザワ映画祭2019新人監督グランプリを受賞した角田龍一。
2019年製作/73分/日本
配給:アルミード
スタッフ・キャスト
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2021年8月23日
Androidアプリから投稿
なんかリアルで見ててせつなくて! 見てられなかったのに最後迄見てしまいました おばあちゃんの子供たちかなり偉くなってるのに両親を何故ほっとけるの? 今度は母方の祖父母の子供たちに聞いてほしい!知りたい!何故ほっとけるの?か!
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アジアンドキュメンタリーズで、かなり厳しい現実を突きつけられるドキュメンタリーを立て続けに観て。少しクッションとなるものが観たくなり、Amazonプライムのドキュメンタリーコーナーで本作品を発見。早速拝見した。血と骨を連想させるタイトル、中国に暮らす朝鮮族、出稼ぎは韓国、そして監督は日本に暮らす大学生、とても興味深い。
大学生の監督、私から見ると主人公さんは、中国の叔父の価値観とも実父の価値観というか言い分とも距離を保ち、言いたい事聞きたい事は素直に話し、許容範囲内で相手の言い分、価値観、押し付けがましい教えを理解したり聞いたりされていて、そのバランス感覚がとても好感、心地よい。父親との別離、母親とも別れ、祖父母との中国での幼少時代、母親と新しい父親との日本行き、祖父母の文革体験など、知識と想像ではわかるがとても実体験された方の苦労や感情はりかいすることができない。それでも、この映画の構成、何度も中国と韓国を訪ね少しずつ事実や心情がわかり、紐解かれ、こじれていく様の描写と構成がとても素直だ。最初のシーン、古い写真でも手紙でもない何かを一生懸命テープで貼り合わせるところから、ミステリアスで、父親の言動の遷移、画家になる夢、映画作りをしている今の息子、絵を描く、絵を破る、絵を貼り合わせる、絵を焼いてしまう、一連のシーンの絡まりが、なんとも、ある意味感情に流されず淡々と付き合うが、なんとも言えない血縁を肯定的にも否定的にも、ニュートラルに感じさせる。父を知ろうとしてか、父を軽蔑する気持ちもあるのか、父の映像を取り尽くしたいのか、カラオケや、高級風俗までお金を出してあげるというて誘いをかける監督。祖父母の暮らしと思いに耳を傾けて心を痛める監督。海の向こうの人たちのことが知りたくて見た作品だが家族、社会、繋がり、人生観、身近な自分のテーマとなりかえってきた、そんな印象。エンドロールにたくさんの協力、サポーターさんのお名前があり、この監督さんのお人柄も感じた。
2020年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
親から見れば、子供はいくつになっても子供。
18年ぶりにあった息子は自分の予想をはるかに超えた大人に成長していた。
親としてのプライドや唯一息子に勝てる「長く生きている」という部分だけをを人生論に置き換え、
虚勢を張るが、溝は深まり、惨めになるばかり。
血で繋がった真の親子であっても、それぞれの人格があり個性、人生がある。
お金がなくても、忘れてならないのは品格である。
自分は息子に誇れる品格を供えているか?と問われているようでならない。
2020年10月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
友人の友人が本作の角田監督である、という理由から本作に興味を持ち始めました。
また、私自身も中国に留学していたこともあり、中国の少数民族がテーマのひとつになっていることから、公開を非常に待ち望んでおりました。
本当に観ることが出来てよかったです。
親や親類との様々な意味での繋がりの強さを改めて実感しました。
本作以降の作品も心待ちにしております。
これからも頑張ってください、応援しています。