スキャンダルのレビュー・感想・評価
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視聴者が離れるときは、何もない時だ
はじまりの「トランプは消えるというのが大方の見解でしたが、そうはなりませんでした」から、トランプとメディアの戦い(例えば『記者たち~衝撃と畏怖の真実~』のような)だと思っていたら、セクハラ社長の解任劇だった。
恐怖と怒り、それがFOXニュース。社会派を標榜している振りして、採用されるアナウンサーに求められるものは、視聴者の共感を得る意見や知性教養ではなく、まず容姿端麗であること。むしろそこだけ。脚フェチ男、FOXニュース社長ロジャーは、「君は番組にでたい人だろ?」と出演をちらつかせる。次々に暴かれるスキャンダル、性的強要、、、。
「魚は頭から腐る。」どの組織も同じだ。アメリカも、日本も。
声を上げる重要性と難しさを教えてくれる作品。
本作は米国の大手テレビ局「FOXニュース」で起きた実際の事件に着想を得て作られた物語です。その点で、本作と同じく女性達を主人公に据えた『ハスラーズ』と共通しています。実話の映画化はかねてよりクリント・イーストウッド監督も積極的に取り組んでいますが、イーストウッド監督と本作とでは、題材への取り組みに違いがあり、その点でも興味深い作品です。
主人公三人は「FOXニュース」の女性キャスターとしての経歴を持っていますが、マーゴット・ロビー扮するケイラ・ポスピシルは幾つかの実在の人物を合わせた架空の人物です。
しかしマーゴット・ロビーの素晴らしい演技により、このケイラ・ポスピシルが本作の中で最も人間味を感じさせる登場人物となっています。ある重要な場面での彼女が受けた屈辱、心の痛みは、直接的に観客に伝わってきます。
冒頭で「FOXニュース」のオフィスビルの階の違いが、そのまま社員の序列を意味していることを分かりやすく視覚化しており、鑑賞の助けとなりました。加えて番組の位置づけや関係性についても何らかの説明があれば、シャーリーズ・セロン扮するメーガン・ケリーとニコール・キッドマン扮するグレッチェル・カールソンとの関係がより分かりやすくなったのではと思いました。
「FOXニュース」は米国では共和党寄りの、かなり保守色の強いテレビ局ですが、トランプが共和党の大統領候補となった当初は、共和党の方針すら攻撃するトランプを排除する方向で報道を行ってきました。ところがいよいよトランプが選挙戦で実力を付けてくると、「FOXニュース」の上層部は急に方向転換して、トランプを支援する報道を行うようになります。そのため、トランプ批判の先兵となっていたメーガン・ケリーは、言わばはしごを外された形になり、築き上げてきたキャリアが 危うくなります。こうした状況の中で、グレッチェル・カールソンが「FOXニュース」に君臨していた経営者、ロジャー・エイルズ(ジョン・リスゴー)をセクハラで訴えました。こうした経緯は作中でも描写されていますが、やはり事前に状況を把握しておかないと、物語の筋を追うことが難しくなるでしょう。
グレッチェル・カールソンは、裁判に当たってかなり入念に準備、証拠固めを行っていますが、これは裏返せば、権力のある上司をセクハラで訴えることがいかに難しいかということを示しているとも言えます。
実際のカールソンは、「FOXニュース」と和解する際に、秘密保持契約を結んだため、実際にどのようなことが起きたかは依然として明らかになっていないことが多いそうです。もしカールソンがありのままに話していれば、本作の内容も変わっていたかも知れません。
巨大な力と戦うための方法と事情
事実を解りやすいストーリーに仕上げた娯楽作品。
これは決して社会派で括られるものではない。
もちろんセクハラがテーマですけどね。
用意周到にプランを積み上げていくヒロイン。
「なう」で罠に落ちていくヒロイン。
自分よりも周囲にゴタゴタされるヒロイン。
これが解りやすいハリウッドらしい設定。
舞台のほとんどがFOX社内だからなのか、
背景に小ネタを仕込んできて、うっかり見つけてしまうと、
そっちに釘付けになるというトラップに、これから観る人は気をつけてw
でも強大な力の下で、
中くらいの力の下で、
実はそうでもない力の下で、
こんなはずじゃないと踠いている人は、
ちょっとはヒントになるかもしれないw
シャーリーズ・セロン!
間違いなく現在、ハリウッドNo.1美人。これだけの女優陣が揃っても、美しさは群を抜いている。
キャスターのようなクールで理知的な役を演るとなお一層それが引き立つ。
それにしても、かの業界の事に関しては全く疎いのだが、正に伏魔殿というべき世界だ。それとも、FOXだけが特殊なのか?
日本人的にはこの作品に一番思い入れできる部分といえば、カズ・ヒロのオスカー獲得(でも、日本を捨てた人なんだよね)。
いやバットガイ聴けないんかい
・演技について
三人の演技を比較せざるを得ないのであえて言えば、マーゴットロビーの圧勝。
というか、彼女がいちばん見せ場多いからな。すごく心に響くシーンが多いのよね。
雨の中の電話シーンとか、会議室呼ばれるシーンとかね。
・セクハラについて
いろんな怖さがあったけど、最初にマーゴットロビーが推薦の話を上司にされるとき。
小さな部屋のブラインドを閉められて、遠くない距離感で二人きりで、昇進の話をする。
結果的に仕事の話で終わる、それだけなんだけど、女性からしたら怖いと思うのね。何されてもおかしくはない、というか、バレない空間だから。そういうハラハラを女性は常に持ったまま仕事しなきゃいけない環境だってことが伝わっていればうれしい。
・レズビアンの先輩について
彼女も結構つらい立ち位置の人。結局マーゴットロビーは彼女のようにならないことを選んだしね。彼女も早くあの環境から抜け出して、自由に生きてほしい限り…。そこまでしてFOXにいる必要あるのかい…
・カズヒロのメイクアップについて
もうね、肌!ほんと肌!
泣けるし、笑えるし、すっぴんだって披露できるってどんな技術よ!
でもその反面、じゃあこれってこの女優が演じる意味あんの?って思ったりもして。いやCGとかよりは全然いいとは思うんだけれど、シャーリーズセロンが演じることで、より深みが増すというか、彼女自身とモデルの人物がどれだけ精神的にマッチしてるかってことが重要だと思うんですよね。映画では。その演技を邪魔しているというか…。その精巧性を観客は本当に気にしているのかなと思っちゃいました。
あと、プロデューサーとしてのシャーリーズセロンは素晴らしいですよね。本当に女優魂を感じる。この映画とも重なるけど、力を持っている彼女のような女性が声を上げるのは、他の全女性にとって本当に助けになること。女性の強さをもっともっと見せつけてほしい。
綺麗な女優さんが沢山出て来て少し混乱
ある程度実話に基づく社会テーマの映画として
観応えありました。少し登場人物が多くて、
お化粧の有無だったり、皆さん美人キャスター
なので途中から少し混乱してしまいました。
Amazonプライムなどでもう一回観たいと
思います。
ハラスメントのしっぺ返しは、今のように
誰もが情報発信者になれる時代、甚大です。
権力に奢らないよう、気を付けましょう。
急に心がえぐられる
セクハラを無かった事にしてる女性たち。
なにしろトップの人間に気に入られるってチャンスだし、テンション上がっちゃうし、気持ちはよくわかる。
絶対に間違っているって気持ちは見えない所に寄せつつ、万事上手くやっている風を装うのだ。
次々と出てくる膿にハッとさせられて、葬り去った感情が湧き出てくる感じに、居心地の悪さと妙な衝撃を与えられた。
曖昧で分かりにくい展開が多いけど、訴えかけてくるインパクトはあった。
もやっとくる作品
なんだろう?もやっとくる作品。
題名からして軽めかなと思ったが、世界的に大きな影響力を持つFOXで活躍する目論みを持つ女性達が、キャスターとして出世していくために、大ボスである男性ロジャーの言葉巧みな誘いに乗り、セクハラと引き換えにキャリアを手に入れていた、という話。
セクハラを断ったせいで不遇な目に遭ったグレッチェンがロジャーを訴えた事で、同じ目に遭った女性や、セクハラに応じてキャリアを得て今も現役として活躍中のシャーリーズセロン演じるメーガン、上昇を狙ってセクハラに応じてしまった新人の子も、当初は事実を明らかにすることを拒むが、声をあげる事を決意する。最終的に、FOX社長一家からクビにされるロジャー。
お金があっても権力があっても、ビジネス的にどれだけ会社に貢献しようと、人が嫌がる事をしたらいつかは自分に返ってくる。
でも、泣き寝入りしていた女性達が声をあげるのは大いに結構なんだが、実際女性達が見返りとして出世を貰っていたのも事実だし、仕事を評価する立場にいるのが男性なら、その男性から見た視線や、視聴者の視線を気にして、評価される動き方をしなければならないのもまた事実。
ロジャーのやり方は確かに間違っていたが、ロジャーが降りるなら、そのやり方に応じた女性陣もまた、得た物を手放さないとフェアでないのでは?一方、家族がいて名声や収入を手放せない中でセクハラの話を断れなかった事情も良くわかる。
何が一番公平な結末なのか?
セクハラとそうでない境界線がお互いに不快でない事なのだとしたら、男女間に限らず普通の同僚とでも、違う意見の者同士がどちらかに無理して合わせたら、NGということになる。余りに窮屈な気もする。
会社や組織がある以上、上下関係は必ず存在する中で、本当にフェアな出世とは?
評価する側もされる側も、人間である以上、主観を取り除くことは難しいし、特に視覚媒体で視聴率が評価となる業界ならば、頭脳や言葉選びだけでなく、どうしたって印象や見た目も視聴率に影響する。脚を見せて視聴率を稼ぐ方針はナシとは言い難いが、脚見せの延長線上にロジャーとの関係もある。どの段階で、不快感を感じるかも女性ひとりひとりによって違ってくる。
男女共生の社会の中で何が正解なのか?
よくわからなくなる作品。
放送業界に限らず、ハリウッドだってビジュアル重視。女優達はどんな感想を抱きながら演じたのかも気になる。
ミステリアスな表情が多いニコールキッドマンが、グレッチェン役では老いを隠さず感情をあらわにしていて、意外だった。
時代を切り取るニュースとしては古い話だし、女性差別の歴史を伝えるには新しすぎる話。
ニコマンがキレイだった!シャリ姉さんがカッコ良かった!!マーゴが可愛かった!!!
・・・とかって感想も「それは“女性の消費”的な見方よっ!」って怒られそうで、そのへん褒めづらい。
じゃあ1本の映画としてどうだったかというと、2020年に観るべきってほどの映画じゃなかったなっていう印象。
“現代社会のセクハラ問題を描いて世に問う!”というには、もはや周知の事実になってる古いニュースだし、“2010年代まで女性はこんな扱いを受けていたのだという歴史を語る”には、まだ記憶に新しすぎる。
「セパハラじじいが権力でもって女性を慰みものにする。勇気を出して女性たちは声を上げ、セパハラじじいを退治するという戦いの物語」。
実世界では、いまだこういうセパハラ男は多く蔓延っているのだろうし、今現在もそういう女性蔑視に戦ったり苦しめられている人もいるだろう。
でも、映画の世界では(こういう映画を映画館に観に来る人たちの価値観においては)、そんな戦いはとっくに女性たちが勝利して決着がついてるし、とうに決着がついてる勝負に勝ち名乗りを上げてる映画には、衝撃も感動も受けない。この『スキャンダル』という作品は、時代に対して攻めてないんだと思う。
例えば女性差別を描く映画を観るのなら、僕が観たいのは今はもう「差別する強者VS差別される弱者」の二項対立ではなくて、
差別と戦おうと立ち上がった女性に対して、
「家族が巻き込まれるかどうか?協力してくれるのか?」とか、
「無責任な世間や好奇心だけのSNSアンチたちからの二次的な差別」とか、
「差別との戦いに固執して本当の幸せを見失っていないか?」とか、
「差別をされてでもその場所に居ざるを得ない人がいたら、どう捉えるべきか?」とか、
映画が提起すべき踏み込んだ問題はもっとあると思うんだけどな。『スキャンダル』にそれらの要素が皆無だったとは言わないけれど、「キレイでカッコイイ女たちがエロジジイをギャフンと言わしたった映画」の域を出てないなかったように思う。
オンナたちの「インサイダー」
映画「インサイダー」のコピーは何だっけ?
確か「銃声のない荘厳な戦場」だったかな?
本作も正にそんな感じ。
銃声は無くとも、彼女たちは文字通り「命がけ」で戦っている。
告発の口火を切るニコール・キッドマン。
告発に加わるか否か葛藤するシャーリーズ・セロン。
そして圧巻なのが、セクハラされるマーゴット・ロビー。
戸惑いと恥辱と恐怖の入り混じった表情でスカートを上げる。
私は男性だが、本当に怖いシーンだった。
思い出したのは、「ディアハンター」のロシアンルーレットのシーン。
あれは過去見た数千本の映画の中で、ぶっちぎりに背筋の寒くなるシーンだったが、このシーンも負けず劣らず背筋が寒くなるシーンだ。
本作の事件が実際にあったのはたった4年前。
当事者の殆どは生きていて、同じ仕事をしている人も多いのでは。
にも関わらず、こんなに早いタイミングで映像化するっていうアメリカ人、ハリウッドのスピード感というか、社会問題に対する嗅覚はスゴイな。
日本でもセクハラ裁判って数多くあると思うが
(先日も伊藤詩織さんが、元TBS山口氏を訴えた裁判の判決があったばかり)
こんなに早く映画化・ドラマ化されることはありえないだろう。
そういう意味では日本っておかしいんだよね。
テレビ屋は、「女性に受ける題材」を探してるハズで、
本作なんて正にそういう題材。
要は、強い女性たちが、クズ男をブチのめす、って話なので。
(ちなみに先日見た「ハスラーズ」も同様)
日本のテレビ屋は絶対にセクハラ実話をドラマ化なんてしない。
日本の女性が社会問題に興味がないから、なのか、
それとも、日本の女性は社会問題に興味がない、って日本のテレビ屋が決めつけているから、のどちらだろうか?
頭を使いこのスキャンダル問題を考える🤔
一行にこの問題は消えない。スキャンダル問題にも色々ある
この映画で描かれたセクハラ、これは映画プロデューサーのワインシュタインの事も思い出した。告発するのは勇気がいる事だと思うし、脅されている事と同じだから本当に辛いと思う。
女性には辛い作品だと思う😓
後、男性がセクハラ目的でこの映画を見る人は少ないと思うし、もし本当にこの映画を見てそういう気持ちになった人がいたなら、この映画を見る資格は無い。そう思うだけ‼️
One Teamの弊害を赤裸々に描いた意欲作
FOXニュースのCEOのロジャーに直接面会する機会を得て昇進を直訴する野心溢れる若手キャスターのケイラ。トランプ大統領候補にも歯に絹着せぬ批判を浴びせる看板キャスター、ミーガン。かつては人気キャスターだったが視聴率の振るわない午後の番組担当に回されたベテランキャスターのグレッチェン。それぞれ同局内で孤軍奮闘していたが、グレッチェンがロジャーをセクハラで提訴したことから瞬く間に同局内に衝撃が走り、その余波はケイラとミーガンにも押し寄せてくる。
つい数年前のスキャンダル事件を実名で映画化してのけるハリウッドの強かさにまず感服させられますが、ドラマそのものはかなり地味め。ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、シャーリーズ・セロンという豪華女優陣の共演も変に華々しく誇張されることなく、局内に蔓延る女性蔑視に対峙する様を淡々と描写しています。
人物描写がフラットなので特定のキャラにグッと感情移入することは出来なかったですが、21世紀に至っても絶滅出来ない男女格差の実態をまざまざと観せられて気が滅入りました。世間的にはカズ・ヒロさんが手掛けた特殊メイクが少し話題になりましたが、役者を別人に仕上げた技術は確かに素晴らしい。ただそこに注目してしまうと肝心のドラマに集中出来なくなるので鑑賞時には気にしないようにしたいところです。
なんとも卑劣な奴がいたもんだ。 相手の上昇志向に付け込んだセクハ...
なんとも卑劣な奴がいたもんだ。
相手の上昇志向に付け込んだセクハラ。
卑しいにもほどがある。
嫌悪感しかない。
一方、セクハラを受けた被害者が
いろいろな思いを持ちながらも勇気をもって
セクハラを訴える姿勢は素晴らしいと思う。
だが、過去にセクハラ被害を受けたという
話には共感できない。
その場でギブアンドテイクの契約を結んだんだろう?
それは金のために体を売った売春婦と何ら変わらない。
だから、metooを主張した輩を見ると哀れに思う。
どちら側から見るかで異なる
思ったより地味、が正直な感想。
でも、何もかも言葉で説明せず、ちょっとした表情や動きで何が言いたいのか丁寧に描かれ、女優陣(脇役ですらも!ベテラン秘書や相手側の弁護士も素敵でした)の演技が光っていました。
どちらにつくの?どう出るの?とドキドキ。
『リチャード・ジュエル』と同じくリアルタイムで騒動を見ていたアメリカ人とは見方が異なると思うけど、
同じ女性として自分ならどうするだろう、と考えながら観ました。
男性はこれを観てどう思うのか(ケンカになるかもしれないけど)聞いてみたい。
ビッグ3
日本じゃ絶対作れない(作らない)
作ったとしても「新聞記者」みたいに架空の設定で、絶対実名は出さない形でやるのがせいぜい
登場人物が多く名前を聞いても知ってるのがトランプぐらいなのがちょっとつらいところ
こういう作品は日本ではヒットはしないだろうが(コロナ騒動も重なり)俳優陣の演技は必見
ビッグ3はもちろん、ジョン・リスゴーの憎々しさやレズビアン役の「ゴーストバスターズ」に出てた人(名前わからん)が個人的にはよかった
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