劇場公開日 2020年2月21日

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「オンナたちの「インサイダー」」スキャンダル みっくさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0オンナたちの「インサイダー」

2020年2月29日
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映画「インサイダー」のコピーは何だっけ?
確か「銃声のない荘厳な戦場」だったかな?
本作も正にそんな感じ。
銃声は無くとも、彼女たちは文字通り「命がけ」で戦っている。

告発の口火を切るニコール・キッドマン。
告発に加わるか否か葛藤するシャーリーズ・セロン。
そして圧巻なのが、セクハラされるマーゴット・ロビー。
戸惑いと恥辱と恐怖の入り混じった表情でスカートを上げる。

私は男性だが、本当に怖いシーンだった。

思い出したのは、「ディアハンター」のロシアンルーレットのシーン。
あれは過去見た数千本の映画の中で、ぶっちぎりに背筋の寒くなるシーンだったが、このシーンも負けず劣らず背筋が寒くなるシーンだ。

本作の事件が実際にあったのはたった4年前。
当事者の殆どは生きていて、同じ仕事をしている人も多いのでは。
にも関わらず、こんなに早いタイミングで映像化するっていうアメリカ人、ハリウッドのスピード感というか、社会問題に対する嗅覚はスゴイな。

日本でもセクハラ裁判って数多くあると思うが
(先日も伊藤詩織さんが、元TBS山口氏を訴えた裁判の判決があったばかり)
こんなに早く映画化・ドラマ化されることはありえないだろう。

そういう意味では日本っておかしいんだよね。
テレビ屋は、「女性に受ける題材」を探してるハズで、
本作なんて正にそういう題材。
要は、強い女性たちが、クズ男をブチのめす、って話なので。
(ちなみに先日見た「ハスラーズ」も同様)
日本のテレビ屋は絶対にセクハラ実話をドラマ化なんてしない。
日本の女性が社会問題に興味がないから、なのか、
それとも、日本の女性は社会問題に興味がない、って日本のテレビ屋が決めつけているから、のどちらだろうか?

みっく