劇場公開日 2020年2月21日

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「One Teamの弊害を赤裸々に描いた意欲作」スキャンダル よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0One Teamの弊害を赤裸々に描いた意欲作

2020年2月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

FOXニュースのCEOのロジャーに直接面会する機会を得て昇進を直訴する野心溢れる若手キャスターのケイラ。トランプ大統領候補にも歯に絹着せぬ批判を浴びせる看板キャスター、ミーガン。かつては人気キャスターだったが視聴率の振るわない午後の番組担当に回されたベテランキャスターのグレッチェン。それぞれ同局内で孤軍奮闘していたが、グレッチェンがロジャーをセクハラで提訴したことから瞬く間に同局内に衝撃が走り、その余波はケイラとミーガンにも押し寄せてくる。

つい数年前のスキャンダル事件を実名で映画化してのけるハリウッドの強かさにまず感服させられますが、ドラマそのものはかなり地味め。ニコール・キッドマン、マーゴット・ロビー、シャーリーズ・セロンという豪華女優陣の共演も変に華々しく誇張されることなく、局内に蔓延る女性蔑視に対峙する様を淡々と描写しています。

人物描写がフラットなので特定のキャラにグッと感情移入することは出来なかったですが、21世紀に至っても絶滅出来ない男女格差の実態をまざまざと観せられて気が滅入りました。世間的にはカズ・ヒロさんが手掛けた特殊メイクが少し話題になりましたが、役者を別人に仕上げた技術は確かに素晴らしい。ただそこに注目してしまうと肝心のドラマに集中出来なくなるので鑑賞時には気にしないようにしたいところです。

よね