リチャード・ジュエルのレビュー・感想・評価
全379件中、101~120件目を表示
安心のイーストウッド品質。
題材からして興味深かったけど、結果として大満足だった。
無実なのに、他の人とはちょっと違うということだけで追い詰められる主人公。
いくら自身が高潔でも、それを持っているだけじゃ相手には伝わらないという事実が切ない。
人格を認めず道具扱いすることの怖さ。
それに加担しないように、そうする者とちゃんと闘うようにしないといけない。
胸を打たれるシーンや台詞が多くて、様々な場面で涙が滲んだ。
素朴で華美じゃない描き方だからこそ、さりげないちょっとした 演出が心にくる。
真の英雄
評価は高かったものの、ここ近年のクリント・イーストウッド監督作としては興行的にダントツの不発。
確かに『運び屋』のようにイーストウッド自身がいぶし銀の魅力を発揮して出演してる訳でもないし、『アメリカン・スナイパー』のようなKO級のメガヒット作でもないし、同じく英雄が疑われる『ハドソン川の奇跡』のようにビッグスター主演でもない。地味っちゃあ地味。
でも、個人的には近年のイーストウッド作品の中では非常に良かった!
1996年、オリンピックに沸くアトランタのとある公園で、爆破事件が発生。
この惨事の中で、爆発物にいち早く気付き、被害を最小限に食い止めた警備員が居た。
リチャード・ジュエル。
法執行官になる事を夢見る平凡な警備員。
性格は正義感が強く、とにかく真面目。
些細な違反も見逃さない。それ故雇い側と揉めた事も無きにしも非ず…。
爆発物に気付いたのも、誰も気にも留めないような不審物を怪しいと思ったから。
多少過剰で融通が利かない点もあるが、善良で正しき者の鑑。
平凡な市民が一夜にして英雄に。
仕事を全うしただけ…と、本人は至って謙虚。
でも、TVのワイドショーに出演したり、本を書かないかと勧められたり、悪くない気分。
ひょっとしたら、法執行官になる夢も近付くかもしれない。
…が、近付いてきたのは、別の立場だった。
ある日リチャードは、FBIから訓練用ビデオへの出演を頼まれる。
快く承諾。
自分が容疑者となった立場でFBIの質問に応えるのだが…、
どうもおかしい。
まるで、尋問のよう。
そう、その通りだった。
FBIは第一発見者のリチャードの自作自演と疑い、マーク。
さらに、マスコミにリーク。
リチャードが全く知らない所で、英雄から一転、容疑者に…。
この憤り!
何故、こんな事が起きる?
理由は分かっている。
事件を早期解決しようとFBIの誤捜査。
特ダネを手に入れようとしたマスコミ(一人の女性記者)の誤報道。
もしこれが、本当の真犯人だったら称えられるべきスピード解決と報道だ。
でも、全く違うのだ。
完全なる冤罪。
こういう冤罪事件は見方によって180度変わる。
我々は事件の概要を知り、映画として見ているから、リチャードの無罪を微塵も疑う余地も無い。
が、当時リアルタイムで事件を見ていたらどうだろう…?
きっと、彼を犯人と疑って見ていただろう。
権力(FBI)と情報(メディア)は正義と真実を明らかにするが、時に凶器にもなる。それくらい影響力がある。
日本でも酷すぎる冤罪事件は多々ある。袴田事件や氷見事件、松本サリン事件などなどなど。
その時、誰が“犯人”の言葉に耳を傾けようか。
FBIの捜査は一見法に乗っ取っているが、権力を行使した強引なもの。
確証の無い捜査、拘束。盗聴や誘導尋問も。
疑いもただ過去の爆破事件の犯人像に似てるってだけ。
メディアの加熱報道もどんどん歯止めが効かなくなっていく。
もはや誰もが彼を犯人と見ている。
さらにリチャードには、立場を悪くするような過去も。逮捕歴や真面目過ぎて雇い側と揉めた事、鹿狩りで銃所持。
とことん追い詰められる。
彼を信じるは、母親と、10年ほど前に知り合った弁護士ワトソン。
この苦境に立ち向かう事を決意するが、苦闘の始まりだった…。
権力に抗い、弱き立場の者に寄り添う。イーストウッドが描く“英雄像”は本作でも変わらず一貫。
派手さは無く淡々としているが、爆発物を見付けた件はサスペンスフル、主人公側と同じ立場となってこの苦境に胸が締め付けられ、憤り、気が付けばじっくりグイグイ引き込まれていた。
さすが生き神様、匠の業!
2大オスカー俳優が主人公を支える。
まず、弁護士ワトソン役のサム・ロックウェル。
権威を嫌う一匹狼。ふとしたきっかけでリチャードと知り合い、彼が英雄となった時も「偉いぞ、レーダー」と忘れずにいて、彼の助けの声に応える。皆がリチャードを犯人と疑う中、彼の目をしっかり見て信じる。この苦闘の中でリチャードに呆れ、激しくぶつかり、言い争う事もあった。が、最後までリチャードを支え、力になり、依頼人と弁護士という関係だけではなく、友情も育む。う~ん、何て美味しい役! オスカーにノミネートされなかったのが不思議なくらい。
オスカーにノミネートされたのは、母親ボビ役のキャシー・ベイツ。サプライズノミネートと言われたが、こうして見ると納得!
愛情深く、誰よりも我が子の無実を信じている。慎ましく世話好きで、何処にでも居るような優しい母親。が、平穏な日常が奪われ、息子が謂れのない罪で糾弾され、悩まされる。
何と言っても、記者会見シーン。悲しみと憤りの涙の訴えは本作最高の名シーンで、無条件に目頭熱くさせる。
本当に名女優。とてもとても『ミザリー』のあの狂気のオバサンとは思えない。
そして、リチャード役ポール・ウォルター・ハウザーを忘れる事は決してない。
『アイ、トーニャ』にも出ていたと言うと何となく思い出すかもしれないが、ほとんど無名に近い存在。
主演に大抜擢され、英雄から容疑者にされたリチャードの苦悩や悲哀を見事に体現。共感もたっぷり。
生き神様の野心作で堂々主演を演じ切り、2大オスカー俳優に全く引けを取らず、素晴らしい逸材がここに居た!
ちょっと苦言を言うとすれば、オリヴィア・ワイルド演じる女性記者。
同僚たちを敵に回し、特ダネの為なら色仕掛け、人一人を貶める事など厭わない。
本当にこんなビ○チだったのか…?
すでに故人で、こんな女性ではなかったと、ワーナーとイーストウッドに対して訴訟を申し立てたらしいが…。
世の中いつだってそうだ。
権力の傲慢で冤罪が起きる。
メディアの名誉欲しさで間違った事が“真実”として当たり前になる。
我々にだって否が全く無いなんて事は無い。
踊らされ、誰かを敵にし、徹底的に叩く。
イジメやパワハラも似たようなもの。
それに、つい先日のあの痛ましいSNS誹謗中傷に耐え切れずの自殺…。
弱い立場の者を敵にし、追い詰め、何がそんなに楽しい!?
権力に溺れる者、自分の声が真実と過信する者、顔が見えない事をいい事に悪質極まりない輩…。
本当に弱い者は、お前たちだ!
リチャードの無実は晴れる。
考えてみれば、リチャードには一点の曇りも無い。
確証も無いし、無実を証明出来る“電話”もある。
しっかり捜査すれば、リチャードが疑われる事なんて無かった。
FBIが言う犯人像に似ている、女性記者が言う醜いデブ…これら偏見からも冤罪が生まれる。
リチャードに疑わしき無しと捜査対象から外れる。
それでも彼をクロと睨み続けるFBI捜査官。
それから6年後、犯人が捕まった。
この時のFBI捜査官の顔が見てみたい。
そしてそのFBI捜査官に問いたい。この6年、お前は一体何をしていたんだ?…と。
リチャードはその後、夢であった法執行官となり、平穏な生活を取り戻した…ように見える。
が、彼の人生に一生消えぬ傷を残したのは事実で、若くして自然死したのが何とも後味悪い。
病気に悩まされていたらしいが、それに拍車をかけたのは…。
事件に翻弄され続けた哀しき英雄。
疑われていた時も捜査の為ならと協力を惜しまず、時折彼の言動にワトソン等しくちとイライラする事も。
でも後になって考えてみれば、彼には信念があったからだ。
犯人を絶対逮捕したい。自分は犯人じゃない。
ずっとFBIやマスコミに嘲笑され、ワトソンに頼りきりのリチャードだったが、ラスト、ある場で口を開く。
それこそまさしく、リチャード自身が勝利を勝ち取った瞬間。
胸がスカッとしたと同時に、感動した。
苦闘の中でも信じ、共に闘ってくれた人が居た。その支えがあって、だからこそ闘えた。
でも、諦めず、信じ、闘い続けたのは、自分自身。
真の英雄。
冤罪をおこす側の描写
冤罪
松本サリン事件を描いた『日本の黒い夏』を思い出した。
速攻判りそうな冤罪だが、FBIからマスコミから揃いも揃って容疑者扱いを受けるリチャードが悲しい。
ただ、リチャードの普段の様子を見れば、変わり者であるのは間違いない。
悪人ではない…真面目だが騙されやすそうで見ていてツラい。
母親でもそれなりに現状を理解しているのに、本人は捜査官と同調して自身の有罪を固めるアシストをする間抜けぶりや弁護士が喋るな!と言っても喋ってしまう大バカでもある為、正直勝手にしろと思ってしまう。
何度も出てくる「僕も法務執行官だから」と言う拘りのセリフが出る度に、救いようがないアホがっ!と怒鳴りたくなる。
リチャードは悪い人間じゃないんだが、ちょっとアホなのだ。融通が効かない。仕事で役に立つ事もあれば、「また始まった…」と引いた目で見られるそんな人物だ。
その鈍い感覚や行動に「何やってんだ!」と怒りたくなってしまうのだ。
話は逸れたが、その感覚がラストの武器になるのは良い。
それでも彼はこんな奴なんだ…と分かるFBIへの質問返し、今後危険物を見つけても見ないふりをするようになる件は、彼なりのアンサーで良かった。
早逝したのは不健康さ故と思いたいが、マスコミのやり口はどこの国も同じか?
権力や権威をかさに来た対応では真実を捉えず、安易な冤罪を作ってしまうのだろう。
ラスト、溜飲が下がる・・・・が
明日は我が身。他人事ではない緊迫のサスペンス。
【賛否両論チェック】
賛:命を救う行動をしたにも関わらず、容疑者とされてしまった主人公の戦いを通して、決して他人事ではないその怖さや、メディアから情報を得る者としての在り方を考えさせられるよう。
否:物語そのものは非常に淡々と進んでいくので、興味を惹かれないと思わず眠くなってしまうかも。
爆弾を発見し、多くの人を命を救ったにも関わらず、容疑者として全国民から疑惑の目を向けられてしまう主人公・リチャード。そんな彼のために孤軍奮闘する弁護士・ワトソンや、無実を信じ続ける母・ボビの姿に、メディアから情報を得るしかない1人の人間としての在り方を、改めて問われているような気がしました。
そして1番考えさせられるのは、こうした事件や騒動が誰の身にも起こりうるということです。実話だからというのも勿論ですが、決して他人事やフィクションでは片づけられない、本当に身につまされる内容でした。
展開そのものは非常に静かに進んでいくほか、どうしても同じようなシーンが続いていくので、事件や物語に関心がないとどうしても退屈してしまうかも知れませんが、明日は我が身という気持ちでご覧になっていただきたい、そんな作品といえそうです。
正しいことを純粋に誠実に信じて 勇敢な行動したリチャードが悪者にさ...
正しいことを純粋に誠実に信じて
勇敢な行動したリチャードが悪者にされる。
どっちが悪者なのかなんてあからさま。
新聞社は特ダネの為に確かじゃない記事を書く。
影響の大きい新聞や報道を見た
何も知らない人達はそれを簡単に真に受ける。
それでどれだけリチャードやお母さんが
深い傷をおったか。お母さんの訴えは
思い出すだけでも涙が出そうになる。
日本の週刊誌とかもこういうことは
少なくないと思うしそんなネタに流される
人間になってしまってることが残念に思う。
私はリチャードのように正しいことを
信じれるひとになりたい。
44マグナムを35カメラに持ち替えて
最初にあなたに手紙を書いたのは、
2009年、『チェンジリング』を観た時でした、これで何通目でしょうか、
拝啓ハリー・キャラハン様
あなたが、
44マグナムを
35ミリのカメラに持ち替えて、
ずいぶん経ちますが、
まだまだ世界は暴力に溢れ平和ではありません。
ぼくがあなたを知った時は、
ブルース・リーと同じように、
この世にあなたはいませんでした。
(そんな事もない?)
本作は久しぶりに力が入ってました、
そう感じたのは私だけでしょうか。
サム・ロックウェルや、
キャシー・ベイツの起用、
正直者がバカをみるとは、
声高には言わないが、
正直者に、
フォーカスを合わせ続ける、
スポットを当て続ける、
誠実純粋だけでは、生きていけない、
make my day。
長らくの共和党、ドナルド・トランプすらも
最近まで応援してましたね。
それがまさかの、民主党への鞍替え。
バイデンでいいんですか?
久しぶりに、
軽めの、make my day
を聞いたような気がしました。
ん〜〜
イーストウッド監督の映画なので期待して観ました^ ^
やっぱり見応えあります!
無実の人に疑いがかかると本人はたまりませんね^^;
ただ、この出来事を検索してみるときっかけとなった記事を書いた記者のキャシー・スクラッグスさんはこの後ジュエルに訴えてられ自殺した様です^^;
この裁判自体は新聞社の勝訴。それにこの記者さんは謝罪の記事も書いたそうです^^;
おまけにこの映画の中ではこの女性記者がFBIのまくら営業するシーンがあるがコレは捏造^^;
https://www.excite.co.jp/news/article-amp/Frontrow_beec165e0937d1c016bb62a7d78c263898ea6b92/
このジュエルさんはこの後44歳で亡くなってるみたいです^^;
スクープ記事を書いた記者と書かれた
この主人公のジュエルさん両者共に亡くなっているので映画の信憑性は低い気がします。
映画としては見応えありましたが実話ベースなので・・・
ジュエルさんは逮捕も裁判も投獄もされてません。単に一回だけFBIに任意で話聞かれただけです。
世間には無実で投獄された人もいますからそれを考えるとこのジュエルはまだましです。
映画『ザ・ハリケーン』は黒人というだけで投獄されてますね^^;
実話を描く意味
最後は正義が勝つ!真摯に生きよう
面白い
正義感が強く、どんな形でもいいから、警官や警備といった、皆を守る仕事、法の執行役をしたいといつも考えている男。その男が、警備の仕事をしている際に、爆発物を最初に発見し、被害を最小で防ぎ、一躍ヒーローとして有名人となる。ところが、FBIが彼を容疑者としても見ていることを地元新聞がスッパ抜く。その結果、逮捕もされていない彼が、一夜にして、今度は犯人として追いかけ回される話。
上に書いたように、主題は、FBIよりもマスコミなのだろう。FBIも違法捜査ギリギリの酷い行動だが、捜査段階で報道されて、面子をかけなければいけなくなったせいもありそう。ま、リークした本人もFBIの捜査官というどうしようもない話なんだが、やはり、マスコミに犯人として追われることの恐怖が、第一だと思う。
弁護士と母だけが味方という状況で、主人公が、容疑者という誤解を解けるのか、それとも圧倒的な力には敵わず投獄されてしまうのか、その結末は劇場でご覧くださいだけれど、結末に関わらず、重たい映画だよね。
もしも無罪とわかったとしても、マスコミが主人公に何かをする、謝る、といったようなことはないんだろうな、と感じて、自分の中での恐怖と憤りは、止むことがなかった…
主人公のどうしようもない危うさ
クリント・イーストウッド御大の無駄のない映画!
地味な映画にも関わらずこの面白さったら!!
人間ドラマの好きな方にオススメ!
ライムスター宇多丸さんも
自身のラジオ番組で絶賛してましたが
主演のリチャード・ジュエルを演じた
ポール・ウォルター・ハウザーの
なんとも言えぬ危うさ〜〜
あたなのそばにもいませんか?
「その一言、言わなければいいのに〜」
自分が周りからどう見られているかが解ってない
いわゆる「空気の読めない」人の危うさを
見事に演じています。
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
イーストウッド監督の映画は
「グラン・トリノ」
「ジャージー・ボーイズ」「ハドソン川の奇跡」「運び屋」と
近年の話題作しか鑑賞していませんが
どれも鋭く問題点に切り込んでいながら
無駄のない作りで、長すぎず飽きさせない。
普通の人々の生活に大怪獣やネオナチ、
マフィアなんか簡単に現れる訳はないから、
普通の人が共感できそうな作品にしようと思うと
映画の山場が普通の人の感情の爆発!と言う構図で
じゃあ、その地味な構図にエンタメ性を持たせるには
「これは実話!」と言う強み。
頭でひねり出したのではなく「実話」だからこそ、
もしかしたら誰にでも起こるかもしれない話、
なので観てて興味深い。
自分だったらどうするだろうか?
クリント・イーストウッド御大がいかに人間をよく観察し、
愛しているかが伝わってきます。
いつまでも映画を作って欲しいものです。
@お勧めの鑑賞方法は?
配信やDVDでも良いから是非、集中して観て欲しいです。
誤った報道の怖さ
だからサム・ロックウェル推し1 「僕も法執行官だから」"cop t...
だからサム・ロックウェル推し1
「僕も法執行官だから」"cop to cop" サム・ロックウェルまたまた最高すぎるだろ!! ここまで来たら、もう演技べらぼうに上手いってだけじゃなくて、あんたの人柄だよ人間的魅力ダダ漏れだよ! と声を大にして言いたい(『コンフェッション』の頃から好きで「オスカー獲るべき」とずっと願っていて『スリービルボード』で歓喜した個人的思い入れというより露骨な"えこひいき"も多分にありますが)気怠そう人情やさぐれハキハキ歯に衣着せぬ物言い演技で絶好調。ハーフパンツってのも最高。...なのだけど、「&」ポジションでタイトルロール=リチャード・"レーザー"・ジュエルを演じたポール・ウォルター・ハウザーの負けず劣らずの素晴らしさたるや! これで母ちゃん役キャシー・ベイツって大納得だよ。おまけに脇を囲むのも、2000年手前世紀末と思えぬヒューマンエラーの最たるずさんな捜査でリチャードを追い詰めるジョン・ハムに、メディアリンチの発端となるオリヴィア・ワイルドと実力派揃い踏み。おかげで無理なく骨太。主人公二人の関係性は師弟関係でありブラザーフッド/ブロマンス。
メディアの恐ろしさ! 色々ウマい、リサーチに裏打ちされているのだろうけど若干手グセと勘ぐりたくなるほどに。例えば作中通して前フリ効いてる効きすぎているほどに。だから時に変に勘ぐってしまった。例えば問題の爆破が起きる直前とかこれ見よがしに周りで写真撮っている人いたりして、それが後々活きてくるのかなんて期待していたら...。と冒頭からスキあらばその後に繋がるような伏線というか要素をバンバン放り込んでくるから知ったかぶりしたい自称・"映画通"はきっとニヤリ。あと実際の映像等をスゴく効果的に織り交ぜているなという気がした。例えば陸上とワトソンが現場から公衆電話まで歩いていくシーンのカットバックはかなり良かったのでは。おかげで息呑んだり、当時の空気・雰囲気に浸れたりする。現地アメリカでも再三槍玉に挙げられていることだが、オリヴィア・ワイルド演じる実際の記者がネタを手に入れるために捜査官と寝た事が示唆される問題のシーンは、メディアの脅威について描いた映画がそれの最たる例となるとは何とも皮肉。
全379件中、101~120件目を表示