オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡

劇場公開日:

オーバー・ザ・リミット 新体操の女王マムーンの軌跡

解説

ロシアの新体操選手マルガリータ・マムーンが2016年リオ五輪で金メダルを獲得するまでの過酷な道のりを追ったドキュメンタリー。新体操王国ロシアの代表選手である20歳のリタ(マルガリータ・マムーン)は、オリンピックに向けて鬼コーチたちから強烈な指導を受け、日々練習に励んでいる。アリーナ・カバエワら多くの金メダリストを育て上げたイリーナ・ビネルの指導は、特に精神面において極めて厳しい。コーチたちはリタにさらなる高みを求め、何度も何度も練習を繰り返させる。わずかな自由時間には恋人と電話で話し、家族と一緒に穏やかな癒やしの時を過ごすリタだったが、すぐにまた過酷なトレーニングが始まる。美しく華やかな表舞台の裏側に隠された、アスリートの想像を絶する世界に迫る。

2018年製作/74分/G/ポーランド・ドイツ・フィンランド合作
原題または英題:Over the Limit
配給:トレノバ、gnome
劇場公開日:2020年6月26日

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映画レビュー

3.5スポーツ大国=ロシアの闇が浮かび上がる

2020年6月28日
PCから投稿

泣ける

笑える

悲しい

完璧にフープを操ろうとする新体操選手が思わず手を滑らせた途端、練習場に場違いなブランド服で着飾った鬼コーチが現れ、聞くに耐えない罵詈雑言を投げつける。間に挟まれたトレーナーが中間管理職みたいに凍りつく。ロシアの新体操を取り巻く恐怖の実態を克明にリポートするスポーツ・ドキュメントからは、画面には直接姿を現さないスポーツ大国=ロシアの、スポーツを国威掲揚の手段に使ってきた矛盾の本質が、薄らと見えてくる。勝つためなら手段を選ばず、選手自身の尊厳は後回しにする。。。ことは新体操だけで終わらない。長引くドーピング問題、女子フィギュアスケートの目まぐるしい主役交代劇、等々。ここには、スポーツファンが長らく抱えたきた疑問に対する答えが、さりげなく提示されているような気がする。

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清藤秀人

3.5リオ五輪で金、の映像がないのが物足りない

2020年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

監督のマルタ・プルスはポーランド出身のまだ30代前半の若い女性。自身が新体操とコンテンポラリーダンスの経験者だそうで、なるほど新体操選手の動きと表現をとらえるカメラワークが的確だ。さらに、日本ならモラハラで親からクレームが付きそうな罵詈雑言を選手に浴びせてスパルタ指導するロシアの強烈なコーチ、イリーナ・ヴィネルから撮影許可を取り付け、さらに彼女の汚い言葉まで映画に収めることを納得させた交渉力、突破力にも感心する。

ただ惜しむらくは――おそらく監督のせいではなく、権利にがめついIOCが試合映像の使用を許可しなかったからだと推測するが――、作品のハイライトとなるべきマムーンのリオ・オリンピックでの演技が欠けている。それまでの国際大会での本番はたびたび映るのに。女王になるカタルシスが映像で提示されないので、マムーンが精神的に追い詰められる苦しさが残り、欝々とした印象で終わった気がした。

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高森 郁哉

3.0罵倒の数々‥

2021年8月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

観てて心が痛くなった。それでも練習し続けて、オリンピックで金メダルは凄いなぁ。最後にその映像があればもっと感動したと思う。

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ほんのり

3.5【金メダルを取るために、自分(とコーチの罵声)に打ち克つ!イリーナ・ヴィネルコーチの指導(罵声)が、強烈過ぎるドキュメンタリー映画。】

2020年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

難しい

幸せ

-2016年リオ五輪の新体操個人総合金メダリスト、ロシアのマルガリータ・マムーンの五輪直前の姿を映し出したドキュメンタリー。-

■印象的だった事
 ・"そこまで言うか!イリーナ・ヴィネルコーチ!”
 のお洒落な帽子、原色系の服装、服飾品(ネックレス強烈)を含めた凄さには驚いた。
ーロシアの新体操の総合コーチ何だから、報酬凄いんだろうなあ、と思っていたら、旦那さんも凄かった・・。-

〈イリーナ・ヴィネルコーチの暴言の数々の極一部。〉
・ポンコツ!
・くたばっちまえ!
・ふらふらしてんな!軸がぶれてるんだよ!
 果ては、マムーンのガン闘病中の父にまで、言及し、"瀕死の父を思い演じろ!"
である。
-いくら、数々のメダリストを育て上げて来たとはいえ、凄すぎるなあ。パワハラどころじゃないよ・・。
 彼女の罵声はマムーンの直接のコーチにまで及ぶ・・。-

■映像では、マムーンの満面の笑顔は、恋人(同じ、アスリート何だね・・)と暫し会った時位しか見られない。
 念願の金メダリストになった時も笑顔より、"やっと重圧から解放される・・"という安堵感の方が身体から漂っていた。
ー彼女は、絶対に、ロシアのために何て思っていないと思う。銀メダルに輝いたヤナ選手も、その前の映像では、”ロシアのために・・”と笑顔で言っていたが、表彰式の映像では笑顔がなかったものなあ・・。彼女も、罵声を浴びながら頑張ったんだろうなあ・・。-

<新体操王国ロシアの、威信を掛けて金メダリストを育て上げる姿には、感動よりも何か複雑な気分になってしまった作品。
 アレくらい罵声を浴びせられても、やり抜く鋼のメンタルが金メダリストには必要なんだろうなあ。
 エンドロールで流れた文章にも納得した作品でもある。>

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NOBU

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