ファーストラヴのレビュー・感想・評価
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贖罪と切なさと癒しと未来
最初に難しい題材に真摯に向き合い全身全霊を捧げたキャストと映像化したスタッフに感謝。
主役の北川さんの学生時代の初々しさと透明感のある演技と公認心理士としてのエネルギッシュな演技とのギャップに驚かされたし心の機微や心情の表現が素晴らしかった。中村くんの飄々とした落ち着いた演技も彼の良さが生かされていて良かったし、芳根さんの内に秘めたある意味狂気の演技も判決の後のある種清々しい表情も素敵だった。累の時も思ったが演技力のある実力派の女優だと改めて感じた。木村さんも何故かこの様な役が多いがやはり木村さんしかいないと思える納得の演技だったし、板尾さんの不気味で狂気に満ちた演技は右に出るものはやはりいない。そして何より窪塚さんの演技が素晴らしかった。こんなにも慈愛に満ちた優しい演技が出来るとは思わなかったので感動した。
この作品はタイトルにも書いたが、贖罪と切なさと癒しと未来に向けた物語だと思う。素晴らしい作品に感謝。
コマーシャル映画
原作既読。原作で描かれている迦葉の魅力が映像化された時どうなるかという面において特に注目をしていたが、映像化したことによって原作の全てが平坦化し、新しい解釈を与えてくれるわけでもなかったので落胆した。
原作があるものを映画化する時は映像化によってその作品の別の側面を写し出すか、そうでなくても魅力が原作以下にならないように作れないなら制作に踏み切るべきではないと考えてます。とは言っても、これで原作もさらに売れて出版社も作者も喜ぶのでしょうし、大掛かりなCM映画と思って見れば平均的な作品です。
流す涙が美しい
◯ストーリー
父親を殺害した容疑で女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女の「動機はそちらで見つけてください」という挑発的な言葉が世間を騒がせる中、事件を取材する公認心理師・真壁由紀は、夫・我聞の弟で弁護士の庵野迦葉とともに彼女の本当の動機を探るため、面会を重ねるが、二転三転する環菜の供述に翻弄されていた。真実が歪められる中、由紀はどこか過去の自分と似た何かを感じ始めていた。由紀の過去を知る迦葉の存在、そして環菜の過去に触れたことをきっかけに、由紀は心の奥底に隠したはずの「ある記憶」と向き合うことになる。
とても難しい、「心」が題材の本作では鑑賞しながら色々考える。そもそも、行動に移すのにはそれに至る心理があるから。
本作では、由紀(北川景子)と環菜(芳根京子)が取材中に泣くシーンがあるがあの涙が綺麗だった。あの涙が全て。
また、裁判直前の映像で雲が晴れて太陽が見えて来る映像に胸打たれた。
鑑賞した感想を今回は事細かに書かないが心を学ぶ素晴らしき映画と思う。
そもそも「犯行動機はそちらで考えて」なんて言うな
ヤンデレとヤンデレが共感し合う話
殺人事件と主人公の過去、二つの話を絡ませて真相にたどり着くのはいいと思うが二つの話が作品全体の50:50を占めている印象をうけた。
どちらもボリュームが有るのだが、もう少しどちらかのサイドに偏ってくれていればもっと話が締まるのではないだろうか。
出演陣の演技やキャラクターはよかったと思う。
窪塚の非の打ちどころ無い善人キャラにはちょっと違和感があったけれど、中村倫也のキザなインテリ感、芳根京子のメンヘラ感なんかハマってましたね。
演出的には取調室のガラス越しに対話するうちに相手と自分の思考が重なるシーンがちょっと残念。
ガラスの反射で自分と相手の顔が重なることで同一化を表すって演出何回見たことかってほどに使い古されてるのでいい加減新しい表現を創造してほしい。
それから、芳根京子が北川景子に「私、ほんとは刺してません」って告白するシーンに違和感。
心を開いてもらえるようにと自分の過去を話て涙を流す北川が芳根の発言に驚きの表情を見せる。
「彼女はやってない」と確信したようなのだが、話の流れ的には「私、ほんとは刺してません」なんて言われたらまた虚言かとか今までの証言は?とか本心はどこ?って思うと思うんだけど。
北川の表情も困惑してたように見えたし、少なくとも「真実見たり」的な表情ではなかった。自分だけかも知れないがこの作品を見た者同士であの表情について語りたいと思った。
写真展で親子の無垢な笑顔を撮った写真をみて感動するシーンにもツッコミを入れたい。、
自分の父親が信じられなくて悩んでる人間があの写真を見て感動するのか?
本心をかくして接していた父の本性を知り男性不信になってるのだから、親子の写真なんて上辺の情報で心揺さぶられるかな?
写真は見た人の解釈でいくらでもストーリーを創造できるから、心が純粋だと感動できるのかも知れない。
ここに疑問をいだいた私は心がひにくれてるのだろう。
根本的な問題として、主人公が犯人にたいして無防備すぎるしむしろ同調しようとするの物語として不自然に感じた。
心理学を学んだ人間って対象者に入れ込んじゃダメってなんかの映画で見たような気がするし、素人考えでも危険だと思うのだが。
いろいろ重箱の隅をつついてしまったがそもそも監督が堤幸彦さんなので作品を深く考える事自体が無粋なのかも・・・
不満ばかりが多くなってしまったが、心をこじらせた人間の戯言です。
この映画を見てこのレビューに共感したのならば、あなたも心をこじらせていかも知れませんよ。
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劇中セリフより
「軽く二桁は経験あるのに・・・」
回数が多くても上手とは限らない。正に堤監督を表したセリフ。
言い訳か、照れ隠しか、自信の表れか、とにかく余計なことは言わないようにしよう。
家族、人間関係から生まれる心の闇が描かれている
大学生である娘が父親を殺したと言うニュースから始まる本作品。
なぜそのようなことに至ったのかと言うことを北川景子さんが演じる公認心理士、由紀が娘の心のケアを目的に取材することを軸に話は展開。
この事件を中心に進むものの、それ以上に人間の脆さや弱さが描かれているすごく重いテーマを扱っている。
誰しが抱える可能性のある心の闇、叫び、負のスパイラルが生む悲劇を見事に描いており後半のシーンでは涙を流す場面も。
割りきれない気持ちになると同時に自分は家族・友人・知り合いとしっかりと向き合えているだろうか。という事を考えさせられました。
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