劇場公開日 2021年2月11日

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「男として真摯に向き合わないと」ファーストラヴ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0男として真摯に向き合わないと

2021年2月14日
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鑑賞方法:映画館

原作未読。父親を殺害した罪で逮捕された女子大学生。彼女を取材することになった公認心理師と担当弁護士は彼女の心を開かすことができるのか?
法廷劇のような体裁なんだが、話の本筋は男からのトラウマからの克服だった。このトラウマの描き方が秀逸。少女に向けられる男の目。性の対象として見つめられる怖さがじっとりと描かれていた。観ていてつらくなる。気づかないうちに自分もそんな目線を送っていたのかもしれない、なんてことを考えさせられる。
主人公の由紀は、夫の弟(そして今回の事件の担当弁護士)と学生時代に少し恋愛関係にあった。しかもそれを夫に隠しているってところも舞台設定として素晴らしい。
後半は法廷でのやり取りが多くなるが、やはりメインではない。ただ、そこでの証人たちの発言が見せ場ってことになる。ラストはハッピーなものではないが、よかったねと声をかけたくなるもの。
芳根京子の演技がよかった。幅が広くなってきた。これからも注目の女優さんだ。そして堤幸彦監督。最近はシリアスな路線の作品が続いているがどれもいい。大御所って感じの風格さえ感じる。

kenshuchu