ハリエットのレビュー・感想・評価
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奴隷たちの魂の叫びが聞こえる…
「自由か死か」何という選択だろう? 奴隷として生き続けるよりは死を選ぶということか? それほどまでに奴隷たちの一生は過酷なのだ。生まれて、まだ働くという意味すらわからないうちから働かせられる。そしてそれは生涯続く。奴隷の子どもはまた奴隷になる。そのループから逃れられない。ミンティはその願いが受け入れられないと知った時、行動に出る。字も読めないのにその強い意志と不屈の精神で、安全な場所まで幾多の苦難を乗り越えて、歩き続けた。だが、彼女はそこに留まらない。命からがら逃げ出した地へもう一度戻ろうとするのだ。そこがハリエットのすごいところだと思う。自分だけでなく、他の人たちの自由にも手を貸そうとしたのだから。ただの奴隷にすぎなかった彼女が南に戻るたびに大きな存在になっていく。その行動力で出エジプトにちなんで、モーゼとまで呼ばれるようになるのだ。奴隷解放の会の人々のキレイごとの発言には耳を貸さず、ひたすら奴隷たちを逃がし続けた姿には本当に頭が下がる。終盤の彼女のセリフ、「いつか私たちの時代が来る」本当に来ている。彼女のあの力強い、魂がこもった歌声を忘れられない。
アフリカ系アメリカ人の皆さんコレでええの?
奴隷から解放運動家になったハリエット・タブマンの人生劇。
アフリカ系アメリカ人差別モノだとテレビシリーズですが「Roots」や、最近だと「42〜世界を変えた男」「それでも夜は明ける」「ドリーム」「グリーンブック」など名作があります。
この作品は他の差別作品よりも行動がマイルドです。ハリエットの苦労があまり感じられません。自由の為に数百キロの移動劇があるのに関わらずです。
いきなりミンティ→ハリエットへ改名しリーダーと呼べだの、卑弥呼の様に神の声に導かれるだの、モーゼの様に(割れませんが)川を渡れだの、神扱い無茶振り感満載で「内容はアフリカ系アメリカ人の皆さんコレでいいの?」と問いたくなる。
アカデミー賞にノミネートされていたのも「?」と思ってしまう作品ですし、ハリエットも口だけ達者人間に見えてしまった。
(最後の偉人の功績をまとめた文面にも評価騙されてはいないだろうか?映像化さえされていない文面に。映画作品として。)
“自由か死か”から“自由か差別か”へ…ハリエット・タブマンの闘いは今も続く
2024年に新紙幣が発行。
アメリカでも今年から20ドル札が新札になる予定だったが、延期に。その“顔”に採用される筈だったのが…
ハリエット・タブマン。
…誰?
ゴメンナサイ、歴史に疎くて。
奴隷解放運動家。800人以上の黒人奴隷を解放し、南北戦争でも活躍。
女性解放運動家としても歴史に名を残す。
偉業を成し遂げた、本物の偉人。
その功績が称えられ、アフリカ系アメリカ人女性としてドル紙幣に採用されるのも初。
しかしその道のりは、自由か死か、であった…。
19世紀の米メリーランド州。
農園の奴隷であったミンティは農園主の死後、借金の返済の為に売り飛ばされる事に。奴隷制度が廃止されたペンシルベニア州へ脱走、彼女を執拗に狙う農園主の息子の追跡を振り切って。
辿り着いたミンティは奴隷解放運動組織“地下鉄道”に助けられ、名をハリエットに改め、自由黒人となったが…。
彼女はそれだけでは納得しなかった。
南部に残してきた家族や同胞。彼女には夫も居る。
危険だと分かっていても助けに行く。
やがて彼女の噂は広まっていく。
“女モーセ”。
しかし彼女とて、産まれた時から奇跡の人では無かった。
酷な言い方をすれば、奴隷の身分であった。
そこから自由を選んだ。
残れば死、売り飛ばされば死。逃げても追跡され死。しかし、微かな自由がある。それを信じて…。
人は産まれた時から英雄ではない。己の行動が価値を決める。
ただの奴隷から闘う運動家へ。
奴隷の身分を知らぬ自由黒人の前でのスピーチも胸打つ。
それらを体現したシンシア・エリヴォの熱演。
ミュージカル・スターで主題歌も担当。両方でオスカーノミネート。彼女の土壇場映画と言っていい。
実話を基にしたシリアスな人種差別映画と言うと重苦しい印象あるが、割りとすんなり見られる。
が、それが良かったのか、否か…。
所々急に話が飛んだり、描き不足、ご都合主義に感じた部分も…。
ハリエット・タブマンの事を知れた勉強にはなったが、もうちょっと作品的にはパンチに欠けた。
アメリカ公開時、シンシアの演技は絶賛されたものの、作品の評価は伸び悩んだというのもちと納得。
また、奴隷解放活動家の事だけ描かれ、女性解放運動家の事はエンディングの紹介文だけなのはアンバランス…。
自由か、死か。
人は人の所有物ではない。
人には誰しも自由がある。
決して奪えやしない。
悪しき奴隷制度であっても。
だから廃止された。
…が、“それ”は形を変えて今も根付く。
記憶に新しい、今年世界を震撼させた人種差別事件…。
自由か、差別か。
ハリエット・タブマンの闘いは、今も続く。
それを象徴する筈だった新20ドル札。
それに待ったを掛けたのが、不正があると悪あがきしてまで現在大統領選争い中の白人至上主義の独裁者。
全く、何処まで…。
タイムリーだったから見た、以上。
この話はアメリカの紙幣にも採用された奴隷開放運動家のハリエットの激動の人生を描いた話である。奴隷開放運動の中で一度も失敗をせず、何百人もの逃亡を助けたという話が映画の中でメインで描かれている。
何故そこまで統率力があるのか、当時まだ男女差別なども多い中どんな努力があったのか、または人々を惹きつける何かがあるのか......という所が肝だったと思うのだが、肝心のそこがあまり伝わりにくかった。そのため主人公の人間味が欠けている印象が残ってしまい、キャラクターに魅力をあまり感じない。
2020年、くしくも人種差別のデモが全世界でちょうどされていた時期。タイムリーだったから見た。同時にタイムリーではなかったら見なかったとも言える。せっかくの題材なのにもったいない。だが、こんな人がいたということを知れてよかった。
【#BlackLivesMatter】
大坂なおみさんは、更に強くなった気がする。
前回のトーナメントで、棄権を表明したところ、主催者が彼女の行動に賛同の意を示し、他のスポーツ競技でも中止や延期の動きが広がり、彼女の(彼女は自分の行動は全体からしたらちっぽけといっているが)大きな勇気を世界は評価し、彼女の背中を後押ししたこともあるのだろうか。
ハリエットは、奴隷制度と戦った。大坂なおみさんとは異なる。更に、命がけであったし、後の南軍として敵対する兵士の命を、南北戦争の中で奪ったこともあるだろう。
ただ、映画は、暴力的で凄惨な場面は極力抑えられているように思う。
ハリエットが神々と交信しているように見える場面も実は、白人の度重なる暴力で脳に障害が残ってしまって、幻影や幻聴を見たり聞いたりしていたからというのが後世の分析だ。
僕が興味を持って過去に見聞きした、或いは読んだアメリカの奴隷史は、映画より、もっと残酷で悲惨だったように覚えている。
映画を客観的に、より多くの人たちに見てもらいと思ったから、凄惨な場面を手控えたのだろうか。
暴力を憎むあまり、逆に報復としての暴力を看過しかねないからだろうか。
アメリカの歴史は、この奴隷制度をずっと引きずっている。
それは、#BlackLivesMatterのムーブメントでも明らかだ。
今は簡単にスマホで映像記録が残り拡散するが、昔はもっと酷かったということはないのだろうか。
大坂なおみさんの前のトーナメントの行動に、日本でもSNSの書き込みに、
「アスリートが政治に口を出すな」という書き込みがあった。
この差別は、政治の問題ではなく、人権の問題だ。人間として無知な書き込みだ。
「そんなにアメリカが嫌ならアフリカに帰れ」というのには、アメリカの問題だ、余計なお世話だと言いたくなる。
「黒人である前に日本人として行動しろ」とか、「スポンサー第一だろ」というのもあった。
この問題は国籍の問題ではないだろう。大坂なおみさんは、アメリカで主に育ったが、日本で生まれた日本国籍者であると同時に、人権を考える人間として行動したのだ。
お前のひとつ上を行ってるだけだ。
アメリカの多くの企業は、今、差別と距離を置くどころか、差別に厳しく対抗しようとしている。
アメリカの企業は、トランプの考えているようにアメリカだけで営業活動をしているのではない。
顧客はグローバルに広がっているのだ。
そのなかで、「ムーラン」のように、人権弾圧をする団体や国家に対して謝意を示すようなケースにも、人々は抗議の意を示しているのも、人権の重要性は、差別主義者の理解を超えたところで拡大しているのだ。
日本の差別大好き主義者は、ネットの付け焼き刃ではなく、もっとちゃんと勉強した方がベターだ。諸外国にバカにされる。
ここで。差別主義とさも思想の一部のように書いてしまったが、フランスの思想家で経済学者のジャック・アタリは、差別は、思想などではなく、その人の特徴なのだと言っている。
まさに、その通りだ。
映画は、ちょっと観客を広くターゲットにしすぎて、逆に盛り上がりに欠けるような気がしたが、大坂なおみさんがUSオープンで勝利したので、加点しました。
勇敢な女性
主人公のハリエットは忍耐強く、勇敢な女性。
奴隷解放のために何人もの黒人奴隷の脱走を手助けし、命を救った人。
主役のシンシア・エリボの表情が素晴らしく、歌も上手い。
脱走ほう助中はドキドキしたし、観終わって感動した。
自由か死か、さあ「スタンド・アップ」
生きる厳しさを感じる現代に相応しい英雄の真実の物語。心に響く素晴らしい作品でハリエットの不屈の精神に生きる勇気を与えてもらいました。
シンシア・エリヴォの圧巻の演技と歌唱力も素晴らしく見応え充分。そして最後のエリエットの言葉「みんなの居場所を用意するわ」も印象的で深く心に残りました。
劇中歌「スタンド・アップ」も一瞬で心に残る名曲で、試練を感じたり負けそうな時に是非とも聴きたい一曲。
2020-114
面白かったし、見てよかったけど…
あらすじはよく分かったし、過酷な処遇の肌触りのようなものは感じられたんだけど、ちょっと平板な印象でした。
ギデオンがハリエットに持つ執着が、資産としての奴隷へのそれだけではなさそうなんだけど、そこを掘り下げないので、まぁ本筋じゃないからそうならざるをえなかったのだろうけど、掘り下げたら物語の面白さには貢献しただろうにって思っちゃいました。
真面目な歴史・伝記映画にしてはファンシーな部分はあるし、かといって物語として膨らませた感じもそんなにないし。そんな印象でした。
ハリエット役のシンシアエリヴォさんは、この映画がはじめましてでした。建物の影から夫を呼ぶ歌や、逃げる前のお別れの歌など、えらくハリのある良い歌声!と思いました。それもそのはず、ブロードウェイで活躍するお方とのこと。ハリエットの無敵な感じはカッコ良かったです。
あと、フィラデルフィアの下宿屋主人のジャネールモネイがよかったです。
自由への躍進
アメリカ🇺🇸の歴史物です。
現在のニュースと絡められがちですが、この映画の時代から形を変えて差別されてきたということでしょう。
今の常識で見ても仕方ないのですが奴隷狩りは薄寒くなりました。
先日観た若草物語の時代と被るのですがアチラには黒人キャストはいなかったような。
女性運動家としても持ち上げられそうな人生です。
「こんなに面白いとは」
今年35本目。
街に用事で出掛けてタイミングが合ったので見る事に。こんなに面白いとは。いかに出掛ける事が大事かを実感した日でした。映画館の前を通れば見ようと思いますし。
そして情報を一切入れずに見ても分かり易い作品です。
最近だと「弥生、三月」の杉咲花演じたサクラや「ジュディ」のジュディ・ガーランドなど過酷な状況で生きていた人を感じる映画。
今作も黒人がここまで過酷だったとは。
こう言う映画見ると自分はもっと出来るんじゃないか、自分の生活を見つめ直す映画だと思います。
ジャネール・モネイって二階堂ふみに似てる
コロナ前にチェックしていましたが、やっぱり見て良かった。
すごい根性、行動力の持ち主ですね。
超能力、祈祷、予知能力の持ち主でしたけど、昏睡発作がいつ起きるかわからない。神の声が聞こえるようになったのは姉さんが売られて行く時に頭蓋骨が割れるほどの虐待を受けた時から。酷いご主人様です。兄さんたちの背中の無数の鞭打ちによる傷もひどかった。
主役のミンティ(ハリエット)を助ける役の人たちが皆素敵でした。とくに黒人宿の女主人役のジャネール・モネイが素敵でした。なんとなく二階堂ふみに似ていました。
地球にヨーロッパが存在せず、大航海時代がなかったら、歴史はどうなっていたでしょうか。アジア人だけの地球だったらどうなっていたでしょうか。もう少し優しい地球になったでしょうか?
とてもよかった
ハリエットがちょいちょいシックスセンスでピンチを乗り越える。史実に基づく映画なのだけど、そこは本当なのだろうか。160キロもほぼ裸足で移動するのは途方もない。特に犬に追われたりして気が気でない。奴隷がかなりの財産として扱われているのに、その割に待遇が悪い。逃げ出したくなるような状況なのがよくないのではないだろうか。
最近、アメリカの暴動の動画で黒人が白人やアジア人を容赦なく殴ったり全力でフットスタンプしたりして、面白半分でリンチしているものすらあり、黒人差別に対して懐疑的になっていた。黒人も他の肌の人たちを嫌っているし、特にアジア人を下に見ている感じがある。そしてその暴力は相手が死んでもお構いなしみたいな感じすらあり、ドン引きだ。
しかし、この映画を見ると折り目正しい黒人が多く、唯一奴隷狩りをしていた黒人が富裕層の黒人女性を蹴り殺していて、暴力動画を思わせる。
もちろん差別には反対だけれど、黒人に助力しようとしてアメリカに行った日本人が15分で黒人に殴られた事件もあった。殺されたらかなわないので、どんな黒人か分からない以上あまり関わらない方がいい。それがリアルな現実だと思う。
素直に感動
「なんだ、また奴隷解放ものかぁ」とあまり触手が動かない映画でしたが、好きなレビュアー様の一押しだったので鑑賞。
ハリエットってお札に肖像画が載った位だから、アメリカ人なら誰でも知ってる有名人でしょうけど、私は全く知りませんでした。
奴隷制って本当にひどい!人間には共感能力があるはずだけど、奴隷の痛みが分からない人ってのは黒人は自分と同じ人間とは思えない人なんでしょうね。
ハリエットが夫を助けに行った時の絶望感は、ちょっと前に「マチネの終わりに」を読んでいたせいか身にしみて辛かった。
私ならそこからあんなに強くなれない。
自分の絶望にはまって甘えてしまう。
素直な性格なもので、しっかり感動して泣いてしまいました。
でもこの見方で間違ってないと思う!
わたしは戦う。自由の御旗のもとに。
彼女の覚悟と勇気と信念。
力強い意志を受けたかたちで
御神も霊感を授けたのだろうか?
それとも神の意思だったのだろうか?
いつの時代も辱しめられる女性がいて
理不尽な差別を受け虐げられる人々がいる。
世の中には良い戦争と悪い戦争がある…
とか、言われていたりしますよね?
良い戦争はのちに〈革命〉と呼ばれ
正当化し美化したりする傾向がありますよね?
だからといって、戦争の歴史を
肯定したくはないのですが…
彼女の気高き覚悟と勇気と信念。
多くの人々を奮い起こした力強き意志は
尊ぶべきものだと思いました。
本当に彼女は神からの啓示により
大成を遂げたのだろうか?
夢の中で苦い過去を反芻した彼女…
もし、天啓ではなかったとすれば…
彼女は夢の中で理想の未来を見て
その理想を実現するために
行動を起こしていたことになる…
どっちにしてもやっぱり奇跡ですよね!
蔓延する疫病で人々のこころがすさみ
疑心暗鬼になって、軋轢の陰影を
色濃く浮かび上がらしてしまっている2020年。
近い将来、
また奇跡が起こることを願い、そして夢見る。
思い切りが足りない
シンシア・エリボを起用してるんだからミュージカル調の要素を取り入れたかったのだろう。
ならば、ヒューマンドラマでなく完全にミュージカル映画にした方が良かったのでは?
この作品を見て人種差別云々と語る向きが多いが、どうも、そういう色合いの映画ではないと思う。どちらかと言えば、ヒーロー(ヒロイン)もの。
伝記物で女性主人公の題材を探していたら、たまたま今まで取り上げられずにいたのがハリエット・タブマンだったから、という感じがする内容で、メッセージ性は感じない。
fuck racism.
ソウルフラワーユニオン の名曲「地下鉄道の少年」のモチーフになった、奴隷逃亡を手助けする組織”地下鉄道”で奴隷解放のために闘ったハリエットタブマンの物語。奴隷たちが尊厳を保つために、そして、逃亡のための暗喩にいかにゴスペルが使われたかも描かれている。
この映画に登場する「自由か死か」の言葉。それは尊厳を、自由を奪われた人生は死んでいるのも同じということだよね。そして、その尊厳と自由を奪うのはレイシズムとファシズムだ。fuck racism.
奴隷制度の残酷さ
黒人を家畜と同様に扱う白人が本当に恐ろしい。白人男性だけでなく女性まで同じように酷い思想・態度で、見ている方も絶望的になる。
奴隷は財産と言いながら暴言を吐き、暴力を奮う白人って結局弱い者イジメしてストレスを解消してるだけにも見えた。ギデオンは妻もいないようだし、毎日黒人を監視すること以外何もやることがないほどヒマなのかというくらいストーカーみたいにミンティに執着していてキモかった。1人の奴隷をあんなに執拗に追いかけ回すって歪んだ"愛情"としか思えない。小学生の男の子並みの精神年齢か?やっぱりちゃんと仕事してないと人として成長しないよね。彼の母親もかなりヤバそうで親子で共倒れしそうな予感しかしない。
黒人に逃げられたら自分達も困るのに、逃げ出したくなるような環境、待遇で働かせ、気に入らないとすぐ暴力・・もうちょい上手くやればいいのに、奴隷制賛成の白人ってアホ揃いなの?アホだから皆仕事も無くヒマで奴隷達をイジメて憂さ晴らししてたのか?と思ってしまった。 確かにこんな悪魔のような白人の下で働くなんて地獄だから(しかも生涯地獄が続く)命を懸けて逃げようと思うのも、家族や他の子供達を助けようと思うのも理解できる。
神のお告げ?のシーンが不自然等々の意見もあるようですが、ハリエットは本当に目に見えない何らかのスピリチュアルな力を持っていたと思わせる説得力がある。最初の単身逃亡に成功しただけでも奇跡的なことなのに、その後、あれだけ大勢の奴隷達を救い出し、あのギデオンと対峙しても無事だったのだから。まさに神憑っている。
ハリエットも家族も、他の黒人達も解放されて本当に良かった。どんな危険にも絶対に諦めない彼女の信念の強さに感服した。白人にも黒人に協力的な人がいてくれたことが救いだった。
奴隷制度、人種差別
公開延期になって、話題性ありです。アメリカにとって人種差別は難しい問題なので、これからもこの手の映画は作られるだろうし、現実にデモや暴動も起こるはず。
主人公は少し強引すぎるきらいはありましたが、当時を考えると覚悟が生半可ではなかったはず。素晴らしい演技でした。
個人的には、下宿のオーナのマリーが印象に残った。
ハリエットの南北戦争以後の活躍も観たかったです。
~「自由か、死ぬか。どちらか1つは手に入る。」~
【賛否両論チェック】
賛:奴隷だった1人の女性が、奴隷解放運動の最前線で戦うまでになる様を通して、自身が当事者だったからこそ持てたその意志の強さに、観ていて頭が下がるよう。
否:宗教色が強いので、その辺りの好き嫌いは分かれそう。
凄惨な時代の、奴隷解放運動を扱った本作。前半ではヒロインのミンティが、自らの意志と執念で、困難を極めたペンシルベニア州への脱出を成し遂げていく姿に、観ている側も同じ目線でハラハラさせられるようです。
そして後半では、“ハリエット・タブマン”という新しい名前を手に入れたミンティが、決して現状に甘んじることなく、奴隷救出に挑み続けていく姿が、とても雄々しく映ります。自身も奴隷として苦しんだ当事者だからこそ、どれだけ周りから反対されても、最後まで先陣を切って戦い続けることが出来たのだと、その志の高さに頭が下がる想いがします。協力者達を前にした演説のシーンなんかは、すごく胸に染みました。
ただ、ミンティが要所要所で神からの啓示というか予知夢というか、そういったものを受ける演出があったりと、宗教色は少し強めですので、その辺りの好き嫌いはどうしても分かれそうなところではあります。
とはいうものの、人間の意志の強さを改めて実感させられる、そんな作品ですので、是非ご覧になってみて下さい。
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