ミッドナイトスワンのレビュー・感想・評価
全672件中、1~20件目を表示
コロナ禍最大の注目作は「リトル・ダンサー」を思い起こさせる
新宿のニューハーフクラブで白鳥のチュチュを着て舞台に立つトランスジェンダーの主人公と、彼を取り巻く仕事仲間たちの人間模様は、どことなく既視感がある。当時はそういう表現はなかったが、トランスジェンダーの描き方や、映画全体のムードが昭和のそれだからなのか。しかし、草彅剛の渾身の役作りがすべてを凌駕して、この物語を今観るに相応しい愛と孤独のドラマとして、それも、スターだからこその吸引力を持ってして、観客を何とも表現し難い魅惑の世界へと誘って行く。声のトーン、抑揚、強弱、体重の移動、中でも、彼が恐らく最も努力したと思しき歩き方、等、役作りへの献身が、一コマ一コマから零れ落ちたくるようだ。コロナ禍の日本で公開された最大の注目作は、同時に、無名の少女がバレリーナとして花開いて行く過程を描いて、不況時代のイギリスで同じくバレリーナとして羽ばたく少年と家族、友人の関係にフォーカスしたスティーヴン・ダルドリーの代表作「リトル・ダンサー」を思い起こさせる。虐げられた人間たちの夢が次世代へと引き継がれる作品のテーマが、両作品には通じるのだ。
「草彅剛の自然体演技×可憐に舞う新人子役」による化学反応で生まれた美しくも儚い空気感をまとった作品。
草彅剛の「自然体の強さ」が現れた作品を久しぶりに見られました。トランスジェンダーの「凪沙」という難しい役どころでも、変わらず見事に自然体で演じ切っていました。
この作品は草彅剛の存在感に加えて、子役の「一果」役の服部樹咲の存在感も大きかったです。
「この子役は上手いけれど、誰だろう?」と思っていたら、演技未経験の新人であったことに驚きました。4歳からバレエを始めていただけあって、核となるバレエの上手さは言うまでもなく、通常の演技も草彅剛の演技と相乗効果が増幅していっているほどのハマりよう。
そして、宝塚歌劇団出身の真飛聖の演技も光っていました。日本で(ごまかしのききにくい)バレエの講師役がキチンと務まり、しかも演技もできる女優は極めて少ないでしょう。
ここ最近の水川あさみの弾けっぷりもだんだん板についてきています。
このように脇もしっかりしていますが、何と言っても「草彅剛の自然体演技×可憐に舞う新人子役」が本作の圧倒的な強さ。ぎこちなさから始まり徐々に深まっていく2人の関係性の様は本物でした。
タイのロケもキチンと行ない、ニューヨークでも撮影しようとしていた(新型コロナで物理的に不可能だったので断念)など、製作陣の並々ならぬ気迫も感じます。
バレエを題材にしていることもあり音楽を効果的に使っていて、「一果」と友達の「りん」の関係性など、本筋の軸を曲げかねない重いシーンもありましたが、音楽と映像でむしろ相乗効果が出るように構成されていたのは監督の手腕でしょう。
この音楽と映像で、終盤は「言葉」より「感じる」部分が大きくなっていったのも美しさと儚さが増幅され、「草彅剛×服部樹咲」の演技がより光るものだったと思います。
この先の草彅剛と服部樹咲の活躍がますます楽しみになるような作品でした。
草彅剛の底力 新人・服部樹咲の果てなき可能性
草彅剛の現時点での代表作となることは間違いない。オリジナル作品の企画が通り難い昨今だが、今作は草彅が出演に名乗りを上げたことで大きく動き始めたことは想像に難くない。役に寄り添い、トランスジェンダーの主人公・凪沙として作品世界を見事に生きた。
そして、今作が銀幕デビューとなる新人・服部樹咲が、どこまでも可憐で美しい。幼年期から続けるバレエにより体幹がしっかりしているのだろう、不思議と目が彼女を追いかけてしまう。末恐ろしいと形容すべきか、この新人女優の果てなき可能性も必見である。
見たかった、重かった
ちょうど忙しい時期に公開してたので…やっと観れた。
草彅氏は石井克人監督の「山のあなた」を観てからは、役者としてすごいなと思って見てる。
ロングランだったし、受賞式のスピーチを聞いて、話題作だし、草彅氏の映画だし観たいなぁとずっと思ってた。
まさか、こんなに重いとは。
いや、でも起こりうること、きっと誰かに起きてることなのだろう。
映画の中だけの大袈裟な話ならいいのに。
名シーンの数々。だけど正直、もっともっと深くエピソードをいれてほし...
名シーンの数々。だけど正直、もっともっと深くエピソードをいれてほしいくらいで、三時間くらいの上映でもいいくらいだった。
もっと知りたくなる、見届けたくなる。
けどそこを敢えて抜いたことで、見る側の想像や理解を深めさせてくれていると思う。
俳優陣も印象的。
バレエの先生がよかった。
先生の迫力熱意信念が伝わり、でも休憩中は生徒と談笑出来るあの関係性のある教室。
この先生ならついていきたい、信頼できる、ただ稼ぎたいだけでやってる訳ではないと思える。リアルな演技。この教室のこの先生だから羽ばたけた。
りんちゃん、今時の計算高いちょっとカーストの上の方に立つ子。でもほんとは根っから優しくて、拠り所がほしかったんだよね。
見事な演技。この子が友達になれてよかった。
なぎさ、先生、りんちゃん、実母、、いろんな女性と寄り添い抱き合う姿を見てほしい。
ただ抱き締めあってるだけじゃない、バレエと同じように指先まで見てほしい。当たり前だけどその時々で様子が違っていて、いちかの揺れる心を感じてほしい。
なぎさのほんの一部の生涯を知り、自分はまだまだ知ったつもりになっていたと感じる。
ここには書ききれないほどの印象的なところが多い映画だった。コロナの影響で足を運べなかったが映画館でみたかった、、
配信も重たい気持ちになるかな、と勝手に思っていて見たい気持ちもありつつ後回しにしていた。鑑賞を迷っている人は是非静かに見ていただきたい。
こんなにうまくいくことないところもあるだろうけど、現実を少しでも知ることがあると思う。
自己否定感と劣等感からの脱却
タイトルなし(ネタバレ)
バレエシーンがよかった。ただストーリーがちょい突飛というか難しく感じた。白鳥を踊ってるときなんでりんが現れたんだろう。もう一回見返したい。他の人も言っているようにトランスジェンダー役の人の演技が良かったと思う。一果の演技もよかった。読んでる漫画がらんまで細かいなーと思った。
心に残る作品
個人的にハッピーエンドよりも、視聴者に委ねるようなメリーバットエンドが好みなので最高の終わり方でした。
何より草彅さんの演技が非常に高く、アイドルではなく役者の方が本業なのかとも感じられました。他の某映画でもそうだったのですが、性転換は失敗するのが映画的セオリーなのかなと最初は思いましたが、そうではなく作中後半の、性転換の難しさや、それを理解しつつも彼女たちが持った希望と酷い現実が混ざり合ってあの腐臭の中に漂う甘い希望という、いい意味での気持ち悪さが非常にリアリティを感じさせ、あの主人公の終わり方はあれでなくてはこの作品は完成しなかったのだと実感しました。
作品の話の中に必要だから取り入れられたLGBTの姿は「ポリコレ映画」ではなく「一つの作品」として完成されているものでした。
元アイドルなのに。
色々とショッキング!!!
最初に言わせてくれ、何でみんなそんなにすぐ暴力振るう???
まぁ、それは置いといて。ずっと観てみたくて楽しみにしてたけど、うーん。涙の一滴も出なかったですね。。でもね、つよぽんや一果ちゃん役の子、他の役者さんの演技は凄く良かったんですよ。でもでも、色々と説明不足で意味わからんシーンの多い事多い事。。踊りながら屋上から飛んでったあの子どうなってん??
なぎさがお母さんと間違えて呼ばれて笑っちゃうシーン、オネェ様たちが一果ちゃんをジュースでもてなすシーン、オネェ様たちがバレエコンクールを観に来たシーンは好きです。
そして最後に言わせてくれ 草なぎ剛めっちゃ横顔綺麗。
愛する辛さ
なんと言っていいのか......
いい映画、と言い切っていいのか迷ってしまうような、とても考えさせられる映画だった。
ただ女性として生きたいというだけなのに社会に弾かれるつらさなどを改めて知れた。
とにかく草彅剛さんの演技が凄かった。草彅剛というか、凪砂だった。ずっと凪砂だった。
服部さんの演技もすごく良かった。自然でこの映画の良さというか、雰囲気を物凄くかもち出していたと思う。
特にりんちゃんといちかちゃんが同時に違う場所で踊っているシーンは不思議で、綺麗でとても好きなシーンだった。
様々な愛のかたちが人を助けることもあれば同時に苦しめることもある、愛の力というのはすごい。
バッドエンドか、ハッピーエンドか?すべてが重い作品。
これは重い。
草彅剛さんの演技はドラマ「僕の生きる道」からずっと好きで、
この方が出てる映画は間違いないと思うくらい私の中で信頼がある俳優さん。
重かった。もうそれに尽きる。いろんな重い要素が詰め込まれている。
心が丈夫な時に見てください。疲れてるときに見ると心折れてしまうかもという作品です。
辛いことがあった日にいっそどん底まで行きたい方にもおすすめ。
ミステリアスな女の子、そういう演技なのかなと思ったらなんと新人さん。
すごいなあ。本人が醸し出す雰囲気、役にぴったりだった。
徐々にうまくなっていくバレエの演技もとても上手だった。
草彅剛さんの演技は圧巻。むずかしい役だったと思うけど、ちゃんとこなしていた。
いつもの草薙さんじゃなくて、ちゃんと心が女性の人の目線やしぐさ、ちょっとした動きがすごく女性的で、見事だった。
女性という役柄を練習して勉強されたんだろうなと思った。
バレエは、お金がないとできないのか。
恥ずかしながらバレエに関わることがない人生だったので知らなかった。
才能があっても、やりたいという強い意志があっても、お金がないと挑戦もできないのか。
月謝に加えレオタード、シューズ、コンクールに出るとさらにお金がかかってしまうのか。
辛い現実。どの習い事も誰でも挑戦できる気軽さがあればいいのにな。
女の子にとって、どちらがお母さんだったんだろう。
少なくとも、草彅剛側にお母さん像、お父さん像、それを超えた何かを見いだせていると思いたい。
ハッピーエンドか?バッドエンドか?ラストはいろんな解釈ができる。
自分はハッピーエンドだと思いたい。
大変良かった。
草彅剛と服部樹咲ちゃんに拍手
トランスジェンダー映画NO1
最初は「女装した草彅剛」なのにいつの間にか「なぎさ」に見えてくる
なんなら今ビストロスマップとか見ると「草彅剛」じゃなくて「男装したなぎさ」に見えてしまう
トランスジェンダーはじめ性の問題って今まで僕らが彼らを理解すればそれでみんなハッピー!多様性!って思ってたけどそれはあくまで第三者側を中心とした視点でみる問題だったかもしれない。外にいる僕らがいくら当事者の気持ちに寄り添ったところで、大前提の本人の肉体的な苦痛や金銭的な負担っていう生々しい問題は解決しないんだってホルモン注射のシーンや手術後のシーンを見て思った。
女でいる努力をしないと女でい続けることができない状況って僕たちの理解とかどうこうでは無いよな
理解したから、ハイ幸せでしょ?っていうのは暴力的な考えだったかも
子役もよかった
いちかはストレスをためると腕を噛む癖があるから最初は巨人化するのかと思った
友達の自殺シーンもなかなか衝撃。あんな快晴の中、晴れやかな顔で軽快にバレエを踊りながら飛び降りるなんて勘弁してよ。新郎新婦は勘弁してよどころじゃ無いけどね
全672件中、1~20件目を表示