1917 命をかけた伝令のレビュー・感想・評価
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映画館で観たかった!
映画館で観るつもりがコロナの蔓延で無理になって延び延びになっていた。レンタルでようやく観ての感想は「映画館で観たかった!」
こればっかりは仕方がないことではあるけど、映画が再開してから娯楽大作の封切りが減少して、観るものを探すのに苦労している現状だけに、「これをやってくれればいいのに…」とつらつら思ってしまう。
ワンカット(風)という撮影手法が話題になった作品だが、撮影手法のために映画としての面白さが犠牲になっていないのが素晴らしい。むしろ、観る側のテンションを上げて集中させることに寄与していた。
突如として現れる死体に前半はドキッとしていたが、途中から慣れっこになってくる。「戦争映画を観た」というより「戦場を体験した」という感覚は、ここらへんからも来ていたのだと思う。
オープンセットの細密さなど、冷静に考えると凄まじいのだけど、あまりに自然すぎてその凄さを充分に味わえなかった。というか、普通にストーリーに惹きつけられて感情を揺さぶられてしまって、そこまで気が回らなかった。映画鑑賞としては正しい姿なのだが、もったいないことをしたとも思う。なんとしても映画館で再見しなければ。
圧倒的臨場感
第一次大戦の悲惨さをドイツ軍側から描いた異色の反戦映画の名作「西部戦線異状なし(1930) 」と対をなすような傑作です。
まるで戦場にいるかのような圧倒的臨場感は手振れのない4Kステディカムなど最新の撮影機材とスタッフの技術に支えられていますが、キャスティングの妙や往年の巨匠黒澤明作品を思わせる映像の格調高さも加わっており、メンデス監督のセンスと手腕には脱帽です。
目的地まで15キロと分かっていても道のりの険しく遠い感覚は、この撮影手法によるところが大きいでしょう、同僚のブレイクが助けた独軍のパイロットに殺されるシチュエーションは突飛ですが、そこかしこに横たわる遺体の山、水筒にいれた牛乳が赤子の役に立つなど日常感覚と非日常の交錯が巧みに配置され心が掴まれます。
エンドクレジットでこの物語を話してくれたアルフレッド・H・メンデス上等兵へ捧ぐと出ますが製作・脚本・監督のサム・メンデスさんの祖父です。似たような軍務に就いていたのでしょうが本作の内容はフィクション、独軍の西部戦線での戦略的撤退、アルベッリヒ作戦は史実ですが、第一次大戦の塹壕戦に詳しい専門家は砲兵部隊による援護なしの突撃作戦は考えられないとしているので、使命の重要性を高めるための脚色でしょう、ただ「攻撃中止命令は第三者も入れた場で伝えろ、攻撃しか頭にない指揮官もいる」というスミス大尉の助言はメンデスさんの祖父の実体験が滲み出ているようにも思えますね。
緻密に練られた長回しカメラワークの妙を楽しむ映画
主人公をずっとカメラが追いかける形の長回し風の映画。
多分実際はちょいちょいカットが切れてると思うけど、長回しとしか見えないようなカメラワークの技術がすごい。
これ、どうやって撮ったの?って感じで、カメラワークの妙を楽しむのがこの映画の醍醐味だと思う。
ストーリーも長回しという一見テンポの悪さを感じて退屈になりそうなところを、主人公たちの先を見せないようにして期待感を煽ったり、ちょこちょこアクシデントが起きたりして、2時間もある中でもだれることがなかった。
とはいえ、映画独特のご都合主義だったり、距離感が短すぎる感じがあって、ちょっと違和感は感じた。
ただ、それは映画の尺的な問題と捉えて、長回しのエンターテイメントとして考えれば、最高級レベルであったと感じる。
最後に指揮所に前線に突っ込む兵士の中を走っていくシーンは映画のクライマックスを演出する上でとてもよい。他の兵士にぶつかって吹っ飛ばされながらも、懸命に走る姿に心を打たれる。
スタッフ、キャスト、全ての人にお疲れ様と言いたい。凄いです。
映像革命!でも、どことなく舞台演劇ぽい⁉︎
スゴイ映像、素晴らしい内容の映画でした。
ひと続きの映像という事に焦点が置かれている作品ですが、ひと続きの映像にするためにあえて映し出されている場面が、色々とメッセージを持っていたりして、息つく暇が無い。(死体が埋まっていたり、建物の壁に兵士が並んで休憩していたり、門だけになった壁だったり)
中でも面白いと思ったのが、場面の切り替わりの速さ。歩いている距離はそんなでもないのに、森を抜けたり、街中を通り抜けたりしている。そんな場面切り替わりが、なんとなく舞台演劇のようで不思議な感覚だった。
サムメンデス監督は、007スペクターの冒頭映像で感触を得たのかな? それにしても、大人数が入り乱れる状態でこの映像を撮ったのはスゴイと思う。
1917
走る、が印象的な作品。
目標に向かって走る主人公を見る映画は素晴らしい。
フォレストガンプを思い出させる。
最後のシーン、ブレイクの兄に友の訃報を伝えて、兄からの言葉『最後にいてくれてありがとう』
この言葉が唯一の救いだった。
1600人の命だけでなく、ブレイクの家族も救った。
話題性だけではないワンカット
物語は、第一次世界大戦中のアメリカの上等兵・スコフィールドが、前線部隊に伝令を伝えに行くというシンプルなもの。その上等兵をカメラが追いかけて、映画ははじまり、終わる。
「ワンカット」に意味がある。話題性や企画としてだけでなく、「戦時中」という環境にいる・「伝令」という役割を持った人間を映すには、「ワンカット」がとても適している。
一つの視点=一つの役割を与えられた人間、一つのこと、つまり「それをするしかないという状況」に追い込まれている主人公に対する、一つの視点が「ワンカット」。
伝令の任務を終えても、待っていたのは達成感ではなく喪失感。大佐には「明日になれば新しい命令が…」的なことを言われ、友(ブレイク)の命と引き換えに達成した伝令の無意味さを感じながら、友の約束を守るため、ブレイクの兄にブレイクの伝言・最後を伝える。
すべての目的を終えたスコフィールドは、喪失感を抱えながら、冒頭シーンと同じよう態勢(木によりかかり戦時中のひとときの憩いをかみしめる)で座り込み、大切な人の写真を見て思いにふける。
それは、また戦争が繰り返されることを暗示しているようにもみえるし、そこで終わりにしたいと思っているようにも見える。
計算されつくされた映画。客を楽しませよう、物語を伝えよう、戦争の悲惨さを映画で伝えよう、素晴らしい精神(スピリット)で作られた映画だと思いました。素晴らしい。
迫力
レンタルでパッケージにワンカット撮影とあるが、観る頃にはそんな事は忘れて普通に見てたw。滝を落ちる所は変わった撮り方してるなぁと思ったが、そうかワンカット撮影だったんだと。
自分としてはドルビーアトモスでの音声の迫力の方が良かった。もの凄い戦闘シーンが多いワケでは無い。一対一、せいぜい一対二程度の銃撃戦くらいだが、その銃撃戦の音声、他の音も効果的に聞こえる。
ストーリー的には「うん?」と思う箇所も多々有るが、ドキュメンタリー風では無いのでそれは演出の範囲内かなぁ。
本当はクリスマスは家に帰りたかった。
戦場の優等生なメロス
若手俳優の中でも頭ひとつ抜け出た演技派であるジョージ・マッケイの成長ぶりを見たくて鑑賞。
14.5km先の前線で撤退すると見せかけたドイツ軍の罠にかからんとする同胞に、将軍の突撃中止命令を伝令する若き兵士二人の戦場ロードムービーである。
ひたすらのどかで美しい草原の真っ只中である。名カメラマン、ロジャー・ディーキンスは、その美しい情景を引いて撮ることを得意とする名匠であったはず。ところが本作では、二人の伝令にグッと寄った画が多かった。おかげで、画面から見切れているところに敵がいないかと始終気にしどおし、体に変な力が入った。いつどこから撃たれるかもしれない緊張感を共体験させようという目論見だったのだとしたら、まんまとハマったということだろう。批評などでは長回し中心の撮影方法が話題となっていたが、寄りの画によって視野を限定するための最善の方法として、それが必然的に選択されたということではないか。決して長回しを売りにしようという意図ではなかったと感じた。そんなのはデ・パルマ作品で十分だし、そもそもサム・メンデスはそんな映像作家ではない(と信じたい)。おそらくは彼の祖父であろう方から戦時中のエピソードを聞いたときの臨場感をそのまま作品にしたかったのではないか。サム・メンデス監督が得意とする、凝ったシナリオでなかったのも、そのためだったと思う。
「プラトーン」や「プライベート・ライアン」などのようなドラマチックな展開はない。
戦友を失った悲しみに浸ることすら禁じられた道行で、使った弾薬も、殺した敵兵も、戦争映画の中でも少ない部類(ハクソー・リッジは別にして)に入るだろう。
淡々と任務を遂行するジョージ・マッケイは、過剰な演技を滅多にしない俳優としての資質を存分に発揮していて適役であった。塹壕の中で隠れて暮らす少女と赤子に出会い、束の間の安息を得ても、「行かないで」と言われても、死んだ友との約束を果たすために走り続ける。途中から、完全にメロスだったが、太宰のような照れ隠しの表現は全くない。静かな使命感の灯火を燃やし、走り続ける。
見事伝令の役を勤め上げ、死んだ戦友の兄に最期を看取ったことを伝えた先に、果てしなく広がる美しい草原。カメラマンも、俳優同様にずっと我慢し続けた景色を、ラストシーンで余すところなく描き切った。「これを踏みにじり、汚すのは誰だ?」という静かなメッセージを感じた。どこまでも品のある、優等生な作品である。
すごい、の一言。
長回し
「将軍命令です」「直接命令です」
映画「1917 命をかけた伝令」(サム・メンデス監督)から。
現代は「1917」・・これではなんだかわからない。
「1917年」のある1日を、全編ワンカットで描いた、とある。
観た感想は「ワンカット風」だけど、新鮮な映像だった。
冒頭「1917年4月6日」の字幕が出るのだから、
タイトルも日付まで入れた方が、リアルだったのにと思う。
戦争のシーンが多いので、メモも少なかった。
ただこの場面設定は、ほぼ100年ほど前の「第1次世界大戦」、
この後「第2次世界大戦」が続くと考えると、
ずっと昔の話ではないってこと。この事実に驚く。
伝令のために、命を懸けるなんてことが、行われていたし、
「将軍命令です」「直接命令です」の一言で、
どんな場所へも入っていける組織体制に驚かされた。
上等兵の身分なんて、最初から誰も疑っていない。
それだけ軍組織として、上の命令は絶対だったってこと。
この頃って、まだ無線が発達していなかった?
敵に傍受される危険があったから、使わなかった?
確実に届くかもわからない「兵士による伝令」よりも、
いいと思うんだけどなぁ。
臨場感が凄い
長回し表現の限界か
迫力はあった
敵国であるドイツ軍が戦略的後退を行っているという事実があり、それを知らない味方軍隊に若き将兵2人が伝えに行ってあげる映画
この映画は面白いとは感じなかった
元々この映画を観る目的が、私自身戦争をよく知らないから一つの知識として入れときたかっただけだから別に良いのだ
無人地帯に飛び込むというのが怖かった
無人と見せかけて敵国の残兵がいていきなり襲ってくるのだ
だから常にハラハラする
さらに爆弾の音が大迫力でめちゃくちゃビビる
自分も本当に戦地にいるような臨場感がすごい
これがすべてワンカットというのが驚き
思ったのが、ワンカットの弱点は場面転換がないので非常に眠くなる
主人公は敵と戦っていたが、私は睡魔と戦っていた
結果的に別に観なくても良かったかな
終盤の地雷が埋まってるかもしれない地帯を走り抜けるシーンはどうやって撮ったんだろう
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