1917 命をかけた伝令のレビュー・感想・評価
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RPGだと考えれば
確かに没入感はすごいのですが、どことなく作り物めいた世界で、何となくRPG、それも自分では操作できない誰かのリプレイを見ているようでした。最初にクエストと、ヒントやアイテムを渡され旅に出る。それらの小道具は後々、予定調和のように役立っていく。その積み重ねがあるからこそ、クライマックスの緊迫感が上がるのだと思います。つまり、途中で与えられたヒント「指揮官には誰か信頼されている人と一緒に説得に行け」を聞いているから、観客は「先に死んだ友人の兄を探し、彼と一緒に指揮官に会いに行く」のが正しい攻略法だと考え、それとは違う方法を取る主人公にはらはらする、という事です。その線で行けば、主人公は何らかの事情で故郷に帰れないようですが、エピローグでの結論は「旅は終わった。現実に戻って問題と直面すべき時だ」という事なのかと思います。
素晴らしい臨場感
この2人の任務は、最前線にいる1600人の命を救うべく、遠く離れた地へ走り、重要な伝令を命をかけて伝えるというもの。
まず、一言で言うのならば「圧巻」本当に素晴らしい臨場感があり、あたかも自分がその場にいるのではないかと錯覚した。カメラワーク主人公達の近くから、撮され第3人目になれたかのように思った。いつ、どこから敵が襲ってくるか分からない状況で目的地まで走り抜ける状況はとても恐怖を覚えた。時々サウンドがほぼなく、足音だけが聴こえる場面があり、息を殺して見入ってしまった。映像がとても綺麗かつ再現度が高すぎるため、戦争の恐ろしさがよく伝わってきた。目の前で味方が殺されたり、そこら中に死体があったり、「死」というものと隣り合わせで生きいるというのは、生きた心地がしないのではないかと思った。どんなことがあっても、挫けず前へ進み続ける主人公には勇気をもらいました。最後にこの話を後世へ残してくれた方、それを映画という映像にして残してくれた方々、本当にありがとうございます。素晴らしい作品でした。
カメラワークの威力
脚本が面白かったら映画が面白くなるのは当たり前。 いまいち面白くない脚本からすごく面白い映画を作ったらそれは映画監督がすごい。
もし、このカメラマークでなかったら多分退屈で見ていられなかったと思う。多分ハナっから引き込まれなかったであろう。大胆にも映画の始まりからすでにこのカメラワークでスタートするからこそ見るものは引き込まれ、疑問の余地もなく主人公に感情移入していく・・・「最初から最後まで全編ワンカットで撮る」と言って、この監督は周りからどれほど反対されたことだろう・・・撮影にはとてつもない努力が必要だったに違いない。そしてそれだけの価値はあった。この演出でこそこの脚本は生きる、この脚本はこの演出でなければならないという監督の読みが見事にはまった。
ラストのクレジット画面を見つつ、この映画は何を伝えたいのかよくわからないのだが何かが伝わってくるのを感じた。映画というものはそういうものであろう。 しかし、もしかしたらそのラストシーンの感動は、ほとんどが音楽から醸し出されていたものかもしれない。それはよくわからない。映画とはそういうものであろう。
これを見てカメラワークに興味を持った諸君にはワンカット映画の金字塔的作品、ヒッチコックの「ロープ」をお勧めする。それからカメラワークの意図が輝いている「第3逃亡者」もおすすめする。
リアルタイム故の制限
公開時気になって仕方なかった作品。
予告ではノーカットを押していたので観たかったのだが仕事の関係でパスしていました。
プライムビデオで視聴。
結果から言うと、映画館で本領発揮する作品。アトラクション感覚の方が強い。
過去でいうクローバーフィールドやゼログラビティに近い。
音響や画で力押しするタイプ。
ストーリーはある目的を果たす為に突っ走る実話をベースにした話。
特に捻ったものはありません。
問題はこの作品の1番の見どころ。
ノーカットと言う部分。
観て気づいたがノーカットと言うかノーカット風。
気付いた場所で6〜7箇所カットシーンが入る。
そして気絶シーンで完全なカット。
どちらかというと海外ドラマの24に近いリアルタイム作品。
ただ魅せ方は上手い。
基本数カ所のカットシーンがあるからと言っても長回しをしてるのには変わりません。
大変な現場だったでしょう。
素晴らしい試みだと思いました。
しかしこのリアルタイム調が物語のスケールを小さくしている。
確かにリアルタイムの最大のメリット、臨場感。
これは強く感じられるが、その分画の広がりがなく行動も制限される。
特に行動範囲はかなり狭い。
画は進んで行くが、作品の中での主人公達の疲労感と観てる側の時間感覚に少しずれを感じる。
確かに戦場での移動は大変なものだが、画面からの外を上手く想像できない静かさがある。
さっきのシーンから1分足らずで大きく画面が変化している。
本当にカメラの外側にさっきの人々がソコにいるのか?
上手く想像できない作り。
写っている場面だけの世界が広がる妙な雰囲気に感じる。
特に終盤。
戦線でバタバタ攻撃されている場所から1〜2分歩いた場所に広々とした平地に休憩所。
これはかなり違和感を感じた。
そんなわけ無いだろと突っ込まずにはいられない。
これがリアルタイム故の弊害かなと感じました。
なのでアトラクション感が強い作品になっています。
戦争映画とは。
戦争映画見たことがあまりない。
映画好きの女性に勧められた映画のごく一部だけど見ました。
僕、戦争映画って。。
よくわかりません。
いちばん、最初に会った隊長みたいのに、最初に伝令を伝えたから、もう伝令いきなり終わったのかと思って、どういう意味なのかなと思い見たけど、あの最初の隊長みたいのは、別の部隊の違う人なんだね。序盤からひっかかってしまった。
兄を助ける意味あいもあり、共に向った仲間が直ぐに死ぬ。あっけない。
顔が真っ白になっていた。悲しかった。それも敵を助けたのに刺された?なんなんだよ。わけわからない。
だいたいそんなすぐ仲間が死んで仲間と主人公のドラマが全くないのか。
死にそうになりながら、相手を殺さないと死ぬみたいな状況乗り越えて、命からがら、大佐に伝令したら、攻撃をやめたけど、失せろとか言われて。は?
誰のために命かけてきたんだよ。
戦争はまた続くわけで、命をかけた伝令がなんの意味があるかが全くもって意味不明。それが戦争なんだね。
戦地で負傷した人を野戦テントで治療してるんだけど、また死ににいくのが戦争。
中佐のお兄さんに弟の死と生き様を伝える。いい奴でしたと。こっちの伝令の方が間違いなく価値があったんじゃないのか。
戦争映画は、わからない、まず、それが、わかりました。
反戦メッセージが色濃く出てる戦争映画はよく見てます。簡単に共感したりはするんだけど。
技術あっての没入感
ワンカット風作品として興味を持っていましたがアマプラに出ていましたので視聴しました.
ワンカット編集という技術視点でプロモーションされていた映画だと思いますが,無駄遣いや技術への固執ではなく,必要性をもって技術が使われている点に大変感銘しました.
情報が断絶した下で情報の伝達に命をかける主人公たちを描く際に,ワンカット編集は観客側にも情報の制限をもたらし,共感と没入感を演出することができています.
というのも現代社会に生きる私たちにとっては,情報伝達の不自由は普段あまり実感することのないことです.そして私たちは情報を粗末に扱いがちです.
そうした観衆を主人公たちと同一の位相に引き摺り込むためにワンカット編集が必要不可欠であったのだろうと思いました.
加えて余談ですが,近年流行りのTPSやFPSゲームプレイヤーにも相性の良い視覚効果だったのではないかと思います.
それにしても水の上を跨ぐシーンなど,どう撮影したか想像もつかない映像の連続です.素晴らしいですね.
劇場で見たかった
これをやり遂げたのは本当すごい
わかりやすく臨場感もあった、
ムダに時間をさかのぼるとか違う場所のシーンに移るとかの構成もなく、ずっと主人公の「彼ら」を追っての流れはよかった。
敵が撤退したあととはいえ、普通に立って歩いてて大丈夫なの?、って気が気ではなかったけど(笑)
途中の、塹壕でのネズミ1匹でそこまでなるか、とか、墜落する敵機がちょうど彼らのとこに落ちてくるか、それでいて仲間が亡くなった時にあんだけの味方の人数が来てて音もなく気づかないものか、ってのはあったし(笑)、そこからひとりで無謀に奔走するのも長かった。
それにしても、刺された相棒が痛がって嫌がってるのに、あんなにムチャして立ち上がらせなくてもよかろうに。
ワンカット
まるでドキュメンタリーの様な臨場感。
足を進める度に心臓を握られている様な、皮膚がヒリヒリする緊張感。いつ狙われて撃たれるかもわからない。カットを入れずカメラを長回しする事で、驚く程のリアリティを出している。
変なフィクションにせず脚色が少ない分、全体を通して地味で物語上のメリハリは少ない。だが、このメリハリの無さが良い。実際の戦争は決してドラマチックではなく、戦っていた軍人達は皆が儚かったはず。
主役のスコフィールドもブレイクも、至極普通の上等兵。特殊能力も無い。途中までどっちが主役か分からない程。伝令を届ける指令が軸なのは確実だが、本作のメインは目的地に至るまでの過酷さ。
無駄な殺戮ではないリアルな戦争描写は必見。ある意味で戦争の一番リアルな部分かも。そして、至る所で出てくる自軍の仲間達を、真っ当な精神状態で"乗り越えて"いけるか。
いつ殺されてしまってもおかしくない中で、その"指令を届ける事"で助かる命とは何なのか。行き場の無い悲しみ、悔しさ。人としてのやりきれない感情と、家族や友人に対する人としての愛情。
最後しっかりと判断が出来る上長で何より。カンバーバッチ演じるマッケンジー大佐の、ラストの言葉が重い。心地良いハッピーエンドは無いが、何か心に残る一石を投じてくれるエンド。
画面の切り替えが少ないシームレスな映像、それによる臨場感を是非堪能して欲しい。
ただただ走り続ける男
それでも世界は廻っている。
全編ワンカット風の撮影が売りに押されている作品。
内容は二人の兵士が伝令の任務を遂行する為、動物の死体や
鉄格子の張り巡らされた危険な道を渡らなくてはならない。
果たして若い兵士の運命はいかに、という作品。
その売り文句通り、他の映画に比べ「流れ」を強く感じる作品です。
序盤の偵察シーンや、街中を激走するシーンなど良くも悪くも、物事に対する
「過程」を丁寧に描写しており、目的地への距離感や道中のトラブル、問題に
対する復帰への流れなどをより鮮明に感じることが出来ます。
主人公が急いでいても立ち止まっていても多くのトラブルに見舞われようとも、
少し心が和むような雰囲気になっても時間は進み続ける。
途中から集団に入れば集団内で行われていた会話は途中から聞く事になるし、
塹壕内をひとたび歩けばタバコを吸う人間、会話している人間、寝る人間など
様々な人間模様がそこにあり、そこには手を貸してくれる人間や、気にかけて
くれる人間も少なからず存在します。
そういった描写もまたワンカット故に、
丁寧に描写されていると思いました。
終盤においても前半の対比が簡単に描写されているので
分かりやすく良い終わり方だと思います。
悪く言えば、合間が長く冗長な作品なのかもしれませんが、
個人的には、結論に至るまでの過程を細かく描いており、どんな状況に置かれ
ようとも時間は進み続けるし、自分の見えていない部分でも物事は進み続け
ている、という状況を、知覚できる雰囲気が、リアリティを助長していて
非常に好みの作品でした。
戦争映画がお好きな方、ワンカット風戦争映画に興味が湧いた方、是非ご覧下さい。
宣伝の嘘は猛省を。
戦争映画を違う視点から
静かな戦争映画
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