辰巳

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辰巳

解説

2016年公開の長編デビュー作「ケンとカズ」で注目を集めた小路紘史監督が自主制作で完成させた長編第2作で、希望を捨てた男と家族を失った少女の復讐の旅路を描いたジャパニーズノワール。

裏稼業で生計を立てる孤独な男・辰巳は、元恋人である京子の殺害現場に遭遇し、その場にいた京子の妹・葵を連れて逃亡する。最愛の家族を奪われた葵は、姉を殺した犯人に復讐することを決意。犯人を追う旅に同行することになった辰巳は生意気な葵と反発し合いながらも、彼女を助けともに過ごすなかで、ある感情が芽生えてくる。

「ONODA 一万夜を越えて」の遠藤雄弥が主人公・辰巳、「アイスと雨音」の森田想が葵を演じ、ドラマ「全裸監督」の後藤剛範、「無頼」の佐藤五郎、「わたし達はおとな」の藤原季節が共演。2023年・第36回東京国際映画祭「アジアの未来」部門出品。

2023年製作/108分/R15+/日本
配給:インターフィルム
劇場公開日:2024年4月20日

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映画レビュー

3.5暴力と愛は紙一重

2024年6月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

久しぶりに邦画のノワール作品をみた。私はすぐに消されてしまうような世界線だった。 暴力を働くとき、どうしても人と人は接近しなくてはいけない。銃の射程の距離、ナイフで刺す距離、顔面に唾を吐く距離。その身体の距離が精神の距離と共振して、殺意に転じる友情≒人情を形成していく。だがそれは一見愛情にもみえてしまう。 だからこそ本作の一家のような暴力で支配するホモ・ソーシャルな世界では同性愛を排除して彼らの距離の近さはせいぜい友情≒人情であることを示さなくてはいけない。または疑似家族として。そんなことをメロドラマではない本作から改めて実感した。 遠藤雄弥と森田想をはじめとして役者の演技がとにかく素晴らしい。裏社会に本当に生きているようだった。それは瞳の澄んだ鋭さに起因しているのかもしれない。私は裏社会に生きたくもないが消されたくもないので、辰巳のような瞳の鋭さは持ち得たいものだ。

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まぬままおま

4.0脳天にガツンとくる衝撃作

2024年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

監督デビュー作「ケンとカズ」、本作「辰巳」と、小路監督の作品では主人公の生き様がストイックに刻印される。一作目があれほど激賞され、二作目をどう打つかはかなりの悩みどころだったはずだが、8年という歳月の分だけ脳天にガツンと喰らわす作品に仕上がった。裏社会に生きる辰巳は狂犬揃いの集団の中でいたって冷静沈着な人間ではあるものの、その特殊職能はかなり強烈。こういう人間を本気にさせると極めて厄介なわけで、一人の少女の復讐劇に彼が手を貸すことで壮絶な死闘が繰り広げられていく。激ヤバなキャラ達がひしめきあいながらもストーリーは丁寧に展開し、人と人が化学変化を巻き起こし、心象をうつろわせていく様もきちんとポイントを押さえ、なおかつ無駄がない。そして肝心のアクションは銃撃から肉弾戦に至るまで、土と血が混ざりあって香ってくるかのようなリアルさがある。自主映画ならではの徹底したこだわりと執念が貫かれた衝撃作だ。

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牛津厚信

4.0面白い

2024年11月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

役者の活かしかた、キャスティングが良かった。 ラスト、なかなか死なないのに違和感を感じた。

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邦画好き

4.5真鍋昌平ですか?

2024年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

寝られる

たまたま予告編で見ていてちょっと気になり時間がある時に観に行ったという程度で鑑賞した。予告編では「目的の無い男が~」とか「復讐~」みたいな事が流れていましたが、そんなことはさておきストーリー以上に役者や世界観に魅了されました。 とにかく登場人物が汚い。ビジュアルや行動言動全てが汚い。 言葉や行動以上に登場人物の薄汚れた格好や身形、坊主刈を伸ばしっぱなしの髪型、筋彫りだけの刺青、代り映えしない単調な風景や工場や型落ちの乗用車がその底辺のリアルさを醸し出しています。 薄汚れた人物、寂れた景色、底辺の生活と葛藤、全編通して華々しいものは一切無く淡々とストーリーが進行して行く中で特筆すべきは森田想さんと倉本朋幸さんの演技のリアルさと迫力です。むかし地元にこういう輩いたよなーというような強烈なインパクトでした。 真鍋昌平の漫画をそのまま実写化したらこうなるのかなというような作品です。 ウシジマくんやスマグラーも実写化されてるけど描写やキャラ設定や世界観があれこれ脚色されて原作のリアルさが失われていますが、原作者でもないのに本作の方がより真鍋昌平漫画に近い印象を受けたました。 たまたま観に行って凄い良作に当たった感じ。真鍋昌平漫画好きの方はオススメです。

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野獣モノス