ソウルフル・ワールドのレビュー・感想・評価
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ジャズな人がいて演奏するから、それがジャズになるの
たまらない
人間世界と天界をまたに掛ける輪廻転生のお話です。
ブラックミュージック、特にジャズの世界は余りにも奥深く、知識のない身としては果てしなく感じてしまいます。『坂道のアポロン』然り、『ブルージャイアント』然り、本作も演奏中の息づかいや、ほとばしる汗などリアルに描かれており、ジャズに対する関心が否応なく高まってしまいました。
加えて死後の世界での不正、生まれ変わる為の条件など、ユニークでありながらも何かリアルで、子供から大人まで、興味深く観ることが出来るとおもいます。
映画中盤から終盤までは、目を離すことができず、さながら“ゾーン”に入ってしまった心持ちでした(笑)
自分とっての“きらめき”を大切に生きていこうと思います。
4/12(金)から劇場公開されますので、大音量で観ていただく事を強くお勧め致します!
私も観にいきます🎞️✨
あなたが見出だす生きるきらめきは…?
最初の長編作『トイ・ストーリー』がそうであったように、やはりピクサーは見た事ない世界を描いてこそ面白い。
これまで様々な世界を描いてきたが、中でもとびきりユニークだったのは『インサイド・ヘッド』。人間の頭の中の感情を擬人化なんて、よく思い付いたもんだ。設定負けにならず、話自体も誰もが共感出来る自分探しになっていたのも素晴らしい。今夏の続編にも期待。
それから、昨年の『マイ・エレメント』。こちらは元素を擬人化し、移民などのテーマを刷り込ませ、家族愛やラブストーリーとして描き、なかなかだった。
実像が無いものを擬人化。もはやピクサーの伝家の宝刀とも言える。
実は、もう一本あった。コロナで劇場公開が見送られ、Disney+の配信のみになり、私もそうだが見る機会に恵まれなかった人も多いかもしれないが、これぞピクサー!…と言いたくなるオリジナリティーとクオリティーと面白さ。大絶賛評を獲得し、アカデミー賞でも2部門(長編アニメ映画賞と作曲賞)受賞。
ディズニー/ピクサーはそれが当たり前のように続いていた。が、昨今不発や鈍い評価続き、それが今や遠い夢のよう…。あくまで個人的見解だが、ディズニー/ピクサーが大絶賛評を獲得し、オスカーも受賞した最後の作品。これに続くディズニー/ピクサーの今後の作品は…?
話が脱線してしまったが、本作で描かれる見た事ない世界は…
中学で音楽を教えているジョー。
非常勤から正式雇用され、これで暮らしも安泰…が、ジョーの表情は浮かない。
ジョーには夢があった。ジャズ・ピアニストになる。
ある時それが実現するチャンスが。ジャズバンドのメンバーとして活躍する元教え子から、NYで有名なジャズ・ミュージシャンの舞台に立つ。
急遽の代打の話だったが、願ってもない話にチョー浮かれる。なので、注意していなかった。足下を。
ジョーは蓋が開いていたマンホールの中へ…。
マンホールの中に落ち、そこから脱出する邦画が昨年あったが、ジョーが気付くとそこは…
ただのマンホールの中にしてはおかしい。真っ暗の中を延々落ち続けていく。
そしたら宇宙のような空間へ。
そして辿り着いた先は…
あの世? 天国? 地獄? …とも言えない不思議な世界。
姿もヘンな姿に。落ちた時、俺、死んだの…?
後々分かるが、そうとも言えるし、そうとも言えない。
ここは、人間として生まれる前。魂(ソウル)の世界だった…!
感情、元素、本作では魂! 本当によく思い付く。凡人と想像力豊かなクリエイターの違いか。
それだけでも充分ユニークなのに、マンホールに落ちたその先に…ってのがさらにユニーク。
日常の思わぬ所から不思議な世界へ繋がっている…のではなく、落ちた時、魂と身体が分離してしまった丹波哲郎も驚きの臨死体験と言えよう。後で分かるが、ジョーは…。
ジョーは何が何でも元の世界に戻ろうとする。だって、人生の大チャンスが…。
ソウルたちのカウンセラー(キャラも世界もCGの中で、不思議な曲線のフォルム)によると、どんな人間になるか様々な“館”の中から自分に相応しい“きらめき”を見つけ出し、通行証を手に入れたら戻れる。
そんな中でジョーは、あるソウルと出会う。
“22番”と呼ばれ、かなりのひねくれ者、変わり者。地上世界は退屈。何百年もこの世界に留まっている。
ジョーは22番を相棒とし、元の世界に戻ろうとするが…。
主人公に相棒が付くのはディズニー/ピクサーの王道。
性格も真反対で、それでやり取りや物語にメリハリ付く。
真面目なジョーとマイペースな22番。目的があるジョーと目的などない22番。
やはり22番のキャラが面白い。個性的で、時々ア・ブ・ナ・イ言動。何百年もソウル世界にいるので、まだ人間になっていない後の偉人とも会っていたり。でもそのほとんどがちょっかい。
ソウル世界のカラフルでファンタスティックな美しさ。後々地上世界も舞台になるが、実写レベルのハイクオリティーさにはいつもながら驚かされる。
イマジネーション溢れる映像表現。
でもソウル世界の全てがファンタスティックではない。光あれば、闇も…。
また、お役所みたいなソウル世界のシステム。少々事務的で、融通利かない所は現実社会を皮肉。
そういう場に必ずいる。些細なミスや乱れも見逃さないしつこい奴。
ジョーと22番はあるソウルを訪ねる。
人が何かに熱中したり没頭したりすると、魂は“ゾーン”へ。
あまりにのめり込み過ぎ自分を見失い、また自分を見出だせないソウルがさ迷う闇の世界。
そこで迷えるソウルを救済するムーンウィンド。尚、地上世界では看板男。
彼の力でジョーが今病院で意識不明である事を見つけ出し(やはりこのソウル・アドベンチャーは魂と身体が分離してしまった臨死体験だという事が分かる)、いざ元の身体へ!
ところが!
この時22番も一緒に地上世界へダイブ。
何かの間違いで、22番がジョーの身体に。ジョーの魂はベッドにいた猫に…!
輪廻転生、大失敗…!?
地上世界のムーンウィンドを訪ね、元に戻る方法を探す。
ライヴの時間も迫っている。タイムリミットは夜7時。
ソウル世界の計算係。ソウルの数がおかしい事に気付き、地上世界へ降り、執拗にジョーたちを追う。
ジョーは元の姿に戻れるのか…? そして22番は…?
俺たち、入れ替わってる~?…な珍騒動はお約束。
初めて地上世界に降り立った22番。人間となり、何をするのも何を見るのも何を感じるのも初めて。歩くのも、ピザを食べるのも。
ジョー猫はお目付け役的な。22番のやる事成す事に注意。
まあ元に戻れたら…と思うとヘンな事は出来ない。
しかし22番のナチュラルさが不思議なくらい上手くいく。生徒へのアドバイス、行きつけの床屋の主人と初めてジャズ以外の身の上話、定職とジャズを巡って母親との関係…。
床屋の主人との話が印象的。本当は獣医になりたかったが、家庭の事情で床屋に。なりたかった夢になれなくて人生残念…? なんて事はない。今の人生だって満足。何が転職になるか分からない。
母親がジャズをいつまでも追う事を咎めるのは、父親がそうだったから。父親もジャズに熱中し、苦労の連続。生活を支えたのは母親の営む仕立て屋。息子に同じ苦労をさせたくない。母親の気持ちも分かる。でも、ジョーの気持ちも。俺には、音楽が全てなんだ。音楽をやる為に生まれてきたんだ。
夢見がちな意見かもしれないが、人は夢を持ってこそ。本心と本心で打ち明ければ、分かり合える。
それは22番も。
地上世界を体験する中で、生きる喜び、楽しさ、世界の美しさを知る。
22番が地上世界で体験した事は何も特別なものではない。日常の中でごくありふれたもの。
人と人の交流、美味しいピザ、心に響く音楽、陽光や舞い落ちる枯れ葉だって美しい。
生きるとは何と素敵な事か。最近観た『PERFECT DAYS』と通じるものを感じた。
ソウル世界では見出だせなかったが、この地上世界で見出だす。“きらめき”を…。
トラブル続いたが、何とか元に戻る方法もあり、時間にも間に合いそう。
ところが、ここでまたトラブル。元に戻るという事は、22番はまたソウル世界へ。
せっかく見つけた“きらめき”。22番は元に戻りたくないと拒む。逃げた所をジョーもろとも計算係に捕まり、ソウル世界へ。
22番と大喧嘩。つい、心ない事を言ってしまう。
ショックを受けた22番は…。
“きらめき”を見つけた22番の通行証で、ジョーは再び地上世界へ。元の身体に。何とかライヴに間に合った。
念願のライヴ。しかし夢を果たしたジョーの心中は満たされていなかった。
何かで人は、夢を達成したら燃焼し、空虚感すら感じると聞いた事ある。
夢に辿り着きたい。果たしたい。でもそれを果たしたら…。
何か夢や目的や意味があっての人生=生きるという事ではないのか。
それを目指して頑張る事、時には苦難もあって、乗り越える事。寧ろそちらこそ“きらめき”なのかもしれない。
ジョーは気付く。22番と共に、日常の中で見つけた幸せ、美しさ。
これが生きる。見つけた目的、意味。
ジョーはゾーンに入ってソウル世界へ。22番を探す。
何もかも見失った22番は、闇の世界で迷える魂になってしまい…。
ユニークな世界観や個性的なキャラの楽しさ。
ジョーは元の世界に戻れるかから、22番を救う事が出来るかへ。飽きさせないストーリー展開。
ドタバタも挟み、ファミリーでも楽しめるが、実は大人にこそ響く。
人生に意味を見出だせない迷えるソウル(=人)たち。
人生の目的。
生きるとは…?
哲学的なテーマが難しい事なく、自然と見る者の心に染み入る。それをファンタジーやエンタメや感動と絡めたピート・ドクターの見事な手腕。
ジャズも題材になっており、トレント・レズナー&アッティカス・ロスの音楽も心地よい。
見終わった時にはラストシーンのジョーの表情と同じく、心満たされているだろう。
この映画の中に“きらめき”を見出だして。
生きる意味とは?
ピクサーの中では印象の薄い作品で敬遠してました
生まれた目的なんてない。
ただ生きてるだけで
世界は美しかったでしょ?
なるほど。
と思いつつ、
平和ボケしている国民だから共感できることなのかとも考えさせられます
戦争が続いている国では
日常は美しいことばかりではないですから…
といっても、
一瞬一瞬を大事に生きようというメッセージは素晴らしく、秋のニューヨークの場面は大好きです。
人生讃歌
「インサイド・ヘッド」も「カールじいさんの空飛ぶ家」も自分にとって大切な映画なのに、この作品は見逃していました。世界の混乱の只中に公開されたそうなので、自分のように見逃してしまっている人は多いのではないでしょうか。近く公開されるマイエレメントの予告を見て、なんとなくインサイド・ヘッドっぽいなと思って、ピートドクターのwikiに辿り着きこの作品を知ってディズニープラスに加入したような経緯です。この一本を見られただけでも、加入したことに悔いなし!と思えました。
人が誕生する前段階の次元が描かれますが、ビジュアルと情報整理が凄まじく「そんなもんかもなあ」と飲み込めてしまうのが、さすがインサイド・ヘッドを作ったピクサー!と思いました。ジェリーという創造神のようなキャラの気まぐれっぷりがお気に入りです。
音楽も全編通して素晴らしいです。ジャズが物語の重要なパーツではありますが、テクノもあればヒップホップもアンビエントもあり、シンデレラ城を背景に流れる歴代最低の「星に願いを」から始まりエンドロールの終わりまでずっと心地いいです。
「カールじいさんの空飛ぶ家」も「インサイド・ヘッド」も同様ですが、この作品は、誰もが本当は知っているのについ忘れてしまうような大切なことをロジカルに思い出させてくれるものだと思います。「そうだよなあ」と思いながらボロボロ泣いてしまいます。そして見終わった後に、最後のセリフを噛み締めながら、前を向かせる力があります。
ピクサーの制作環境はかなりの合議制らしいので、監督に作風を一元化できるものではないのかもしれませんが、ディレクター:ピート・ドクターと冠された作品に心打たれたことある人は絶対に見るべきです。
大人のディズニー
ずっと観たかったこちらを観ました。
日本語吹替で観たのですが、どこかで聞いた声だと思って調べてみたら、なんとハマケンさんと川栄李奈さん!
川栄さんの声のお芝居もとってもすてきだった
彼女のお芝居、実は以前からだいすきなのです。
今作のストーリーは、ディズニーアニメだけど、大人向けな気がしました。
一度、命を落とした主人公が、また地上に戻るために奮闘する物語。魂になって奮闘している最中、現実世界では植物状態で入院している主人公。
"生きることに意味なんていらない
目的なんていらない
なんでいるの?そんなものは生きていれば見つかるよ
はじめから見つける必要なんてない"
アニメーション、音楽も、色彩も美しく、
没入感のある演出でどの瞬間ものめり込んで魅入ってしまいました。
それらにのめり込まれている間にも、感情を揺さぶられる感覚があり、ディズニーエンターテイメントの魅力が極められている作品だと感じました。
死んでしまった悲しさ、受け入れられないもどかしさ、戸惑い、
その数分間を表現した映像美に拍手喝采を送りたいです。
〝きらめき〟に騙された
誰でも1度は考えた事があると思う。自分は何のために生きているのか。その答えになる映画。
生まれるために必要な通行証の最後に埋まるきらめきは、その名前通りその人の中で1番輝く〝生きる意味〟である〝才能〟ようなものだと錯覚させられたが、実際は生きるため準備が出来た物に与えられるもので、生きる意味など無い、生きる事が生きる意味である。
歩く事が楽しい、空が綺麗、全てきらめきだったのだ。
主人公の最後のセリフも、綺麗に締めくくられている
ピクサーはポップな世界観のわりにストーリーが暗め・重めな作品が多い...
吹き替えは合っていてよかった
独特の世界観が個人的に好みで見ていて楽しかった。
人生とは?というテーマだけあってそれを見つけるまでの主人公にイライラしてあんまり感情移入できなかった。
音楽も魂とソウルミュージックの相性が抜群でよかった。
まずまず
かなり期待してたけど、めちゃくちゃ良かったって言う程感動しなかった。それはそうだよねって納得はした。
死後の世界の人たちのビジュアルは、こう言うの良く考えつくなって感心しました。
夢を叶える事が全てでは無い。と言うか、ミュージシャンになりたいとか、例えば野球選手になりたいとかそう言う夢は叶えてもそんなに良く無いよ。って世界的なアニメーターになった監督が言うんだから説得力あります。
もうちょっと本質的な「何をやりたいのか?」を見つけないと、燃え尽き症候群になってしまう。
主人公があれだけ夢見ていたミュージシャンになった後、あれ?こんなんだった?って我に返る。
で、ちょっとした日常に感動しまくってた22番の姿を思い出してこっちの方が大事じゃ無い?って考え直す。
夢とか目標とか、そう言うのを追うのってどんな物語にも溢れてるからそれが大事って人類が洗脳されてるけど、それが全てでは無いんだよ、と。
確かに時間に追われる生活をしている現代人には大切なメッセージかもしれません。
生きる意味と価値観への別解をくれる。
夢を叶えるために、何かを成し遂げるために生きてるんだ。
生きるってそれだけじゃないよ。
でも世界は成功者が優性に見えてしまうんだ。
どれもこれも理解できる。
それらを腹に落とした上で、
「目的にとらわれ過ぎて、ありふれた奇跡を見逃さないで。」
価値観を押し付けずに、そんな視点をプレゼントしてくれる優しい映画。
風に舞う葉っぱがキレイ、母からの愛を感じる、大好きなピザを味わう時間、床屋で店主とおしゃべりするひととき、教え子の成長。
よくよく思うと、どれもこれも奇跡みたいなしあわせのはずなのに。
夢見ていたアーティストとしてのステージを叶えても、自分が執着するほど全てを賭けた夢がこんなものか…と落胆する。
夢を叶える場面と、22番と過ごした時間を噛み締める生活のなんてことない場面。彼は後者の方がしあわせそうで、ここのアニメーションならではの表現が素敵。
エンタメとしては死後の世界を描く前衛さ、川栄李奈さんのお芝居の上手さ、主人公がジャズミュージシャンが夢ってことで散りばめられた上質な音楽が楽しい。キャラクターの感情表現も奥行きと繊細さがあって、大味じゃなかったのが綺麗事に見せないテクニックだったと思う。
パッションで鼓舞する系作品とは違ったアプローチで、自分を好きになるきっかけをくれる。
やや宗教めいたテーマをアニメで上手に中和
ディズニー版(いやピクサー版か)やや宗教めいた魂の物語。それは死生観であり、生き方を問うもの。
それがなぜ子供たちにやさしいアニメーションの体裁をとって我々の前に現れたのか。コロナ前に完成していたものが、公開延期になって、最終的にクリスマス配信になった。
このコロナ禍にずいぶん意味あり気だ。例えば『素晴らしき哉、人生!』みたいな成功例もあることだし、これを見て救われた人がたくさんいればそれで許容されることなのだろう。でもなんでピクサーなんだろう?
この映画における価値観は問題ありありだ。
ジャンク菓子を食べるキャラクターに『加工食品は食べちゃダメ』とか、安い給料で公立校の音楽教師をやりながら、市井のジャズクラブで夜な夜な行われているであろうセッションに上位概念を植え付ける印象操作とか、地下鉄のホームで歌うミュージシャンに価値を与えたりとか、各所にディズニーなりの価値観を散りばめてある。
それが押しつけがましくならないために、あの独特の省略されたキャラクターになったのだろうと思う。なぜなら、天上界での事務員たちは、天使なのか、神なのかはっきりしない。彼らはサリーを着ていないし、ブルカを着ていないし、チマチョゴリを着ていない。肌に色もないし、髪の毛も縮れていなければ、鼻がつぶれてもいない。
特徴のないことが特徴なのだ。言わば世界市民とでも言う存在なのだろう。この部分は、アニメのキャラクターであることで成功している。もし実写で撮るなら仮面をつけるなどの演出になるだろうが、それでも年寄りなのか、男なのかなど、なんとなく伝わってしまう。アニメならではの成功例だ。
世界中の子供たちに届けるためにいちばんスマートだと思われる手段を取ったのだろう。いままでのピクサー作品にない野心的な取り組みだ。まず、内容云々よりそこが気になった。娯楽に忍ばせて人の心の中を支配しようとする。悪魔は、きっと魅力的に私の耳元で囁く。
まあ、そんなひねくれた難しい話は置いといて、単純に「生きる」ということに主眼を置いて展開すると、実に魅力的に日常が描かれている。まるで明日死んでしまうかのように、身の回りのありふれたものを美しくいとおしく見せてくれる。この映画を見た後は、まるで魔法にかかったように目に飛び込んでくるものが魅力的に映るはずだ。
たとえそれが、映画館を飛び出して、ショッピングモールのウインドウに映るドレスアップされた自分の姿であっても、ひと時だけ、上質の時間を過ごすことが出来る。
そのお手伝いが出来る、床屋さんであり、仕立て屋さんであり、料理人、エンターテイナーなのだと教えてくれる。そして何気なく風に舞う花びらに、この世界に愛おしさを込めて魂を震わせる男の「ゾーンに入る」さまは、まさに白眉。アニメーションがここまで表現できることに感動した。
ちなみに今回字幕スーパーで鑑賞。日本語吹き替え版は見ていません。
2020.12.28
劇場で観るとまた違ったか
80点
映画評価:80点
めちゃくちゃ素敵な作品でした!
正直、魂の世界にいってしまって
これ本当に面白くなるの?と
不安な立ち上がりでした。
なんなら、
夢を追う中年ことジョーの
今後の方が気になっていた矢先でしたので、
急な展開に動揺しました。
案の定、
死後の世界での出来事は
どれもリアルからかけ離れており、
何とも言えない気持ちになりました、、
先の展開も見えるし、
魂同士の会話も感情移入出来ないし、
あんまり集中できず見ていました。
ちなみに私の脳内はジャズのメロディーと、
ジョーが生きていたバージョンを求めていました。
一時的に下界に戻る事になるのですが、
これも先行き不安でした。
最終的にこの機会を通して人生を見つめ直して、
1からやり直していくんだろうなぁ~
なんてありきたりな展開を想像したりしてました。
が、
予想の少し上をいかれ、
あれよあれよと
感情移入していき、
いつの間にか二人を応援していました。
こんな素敵なストーリーになるとは、
こんななんという事のない
いつも通りの風景が
一気に色鮮やかに変わる瞬間に立ち会えるなんて、
あの床屋のエピソードがまさかの伏線になるなんて、
めちゃくちゃ素晴らしい作品でした!
今も絶賛感動中で文章まとまらないのですが、
少しでも人生が詰まらなくなってきたら
是非見てもらいたいです!
ps.川栄さんの吹き替えめちゃくちゃ良かった♪
【2022.8.17観賞】
《メッセージ:何て事ない日常に色付き、夢に見ていたモノがモノクロに。》
とにかく描写がよい!
デジタルアートのような「向こう側」の見せ方で観客を引き込んだかと思えば、マンハッタンの街並みにある、人々の歓談や木々の揺らめき、差し込む陽の光の描写によって、今生きている一瞬一瞬の素晴らしさを再認識させてくれる。テーマと映像が最高に噛み合っている。
少し説教くさい映画
ディズニープラスにて鑑賞。
ピクサー映画ではあるがあまり子供むけではない。
あらすじはジャズを愛する中学校の音楽教師がチャンスを手にするが、絶頂の時にマンホールに落ち込んでソウルの世界に行ってしまうというもの
さすがピクサーと言わんばかりのcgアニメーション
始めの演奏シーンとかはめちゃくちゃオシャレで雰囲気がある
またジャズの音とかも良音でジャズ好きでなくても聞いていて楽しい。
しかし、ストーリーがあまり深く作り込まれてないように感じる
ソウルの世界から現実に戻ってからが展開が少なくまったりしている
またこの映画のテーマはやりがいや煌めき
人生の目的を持てと言うがそれが全てではなく、一瞬一瞬をしっかりと生きることが大事というテーマ。
たしかに目標や目的を持つことは大事だがそれを達成したり達成できなかったりすると目的を見失い映画の亡者のようになってしまう。
ただテーマがテーマだけにどことなく説教臭くかんじるし、22番が全然可愛くない笑
ソウルとジャズというのもあまり関連性はない
日常の喜びを見つけるシーンでドルビーの音響のcmのように感じた笑
個人的にはインサイドヘッドの方がよかったなーと感じた。テーマを盛り込むのもいいが、もう少し展開があり盛り上がってもいいのになぁ。
まあ大人向けのアニメーションも必要ではなあるのでまた次回作もあれば見てみたいとは思う。
ピクサーらしからぬ複雑な後味
人生に悩む20代に見てほしい
タイトルだけは知ってたのですが、すごい評判だった記憶もなかったのであまり期待しないで見ました。まあピクサーだしな、と。
期待は大はずれ。良い意味で。
泣ける系の映画じゃないけど、こんなにも刺さった映画は初めてです。人生初の映画レビューを書きたくなるほどの傑作です。
仕事や交友関係に納得がいかなかったり、やりたいことが見つからない、自分の人生ってこれで良いんだっけ?と感じている人に見てほしい。
「ああ、このままで良いんだ」ってすごくポジティブに思える映画です。
この映画を通した気づきは2つ
ここからが若干ネタバレ?に繋がるかもですが、
一つ目は、夢中になることが義務に変わった瞬間、負担になってしまうこと。これってすごく気づきにくいけど「やりがいの搾取」とかはこれに類似しそう。
二つ目は、「なにかを為すために生きてる訳じゃない」こと。人って何か特別なことを成し遂げるために生きてるとか、自分は何のために生きているのか。考えてしまうこともあるし、そういったことがある方がわかりやすい。それを押し付けるような風潮も強い世の中で、「生きることに意味なんかない」とハッキリ言ってくれるピクサー映画に大拍手です。。
見てよかった。。人生のバイブルになりそう
よう考えるわこんな話
インサイド・ヘッド も相当ぶっ飛んだ話だったが、この作品はさらにぶっ飛んでる。
ピートドクターはどうかしてるな笑
どう説明したものか、凄く難しい話ではあるが
言うなれば 生きてる意味って?喜びって? なんなんだろう みたいな事を本質的に問うような話だけど、こんなめんどくせぇ問いに対してここまで正面から直接的に向き合う話って中々無いと思う
ちょっと間違えたら物凄く欺瞞に満ちた なんなら怪しい宗教が掲げそうな胡散臭い着地になりそうな大風呂敷だけどこの作品は勿論そんなことはない。
語りたいテーマとそれに対しての世界観の設定やルール説明等がとにかく驚異的なレベルで作り込まれており、
最終的に押し付けでもなんでもなくしっかりと この地球に生まれてくる事全ての肯定 に着地できる。
今自分が生きてる世界を愛したくなる素晴らしいストーリーだと思う。
特に床屋のにいちゃんの件は本当に秀逸で
なんと素晴らしい話し運びだろうか…
とうっとりした。
本当に僅かに感じる不満点としては
流石にこの世界観だとルール説明に割く時間は増えざるを得ないよなぁ という点。
これでも脅威的な手腕で必要最低限に収めてはいると思うが、インサイド・ヘッドと違って見る側が「自分の今までの経験」に当てはめて作品ルールを理解できる世界観では無い(生まれる前の世界だからね)ので説明というかセッティングにかかる手間はやっぱり多く感じた。
この作品ぐらいぶっ飛んだ世界観だと、そのセッティング自体を楽しめるという側面もあるけど個人的には
ルール説明してるなぁ
と穿った目で見てしまうシーンがすこーし多かった…ような…気もする 不満ってほどでも無いけど
子供がすんなり全体を飲み込める話では無いと思うけど、やっぱりこどもにこそ見せたい、そんなすばらしいお話だった。
ピートドクター恐るべし
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