テッド・バンディのレビュー・感想・評価
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もし
もし、デッド・バンディが、死刑を前にして、殺人の詳細を自白しなければ、フロリダの有罪となった事件でさえ、今も冤罪の可能性が取り沙汰されていたのかもしれないと思わせる。
映画で描かれるテッドの為人は、それほど殺人行為からはほど遠いイメージだ。
しかし、テッドは、なぜ、自ら自白する気になったのか。
自白することによって、死刑のカウントダウンを伸ばしたかったのか。
もしかしたら、自己顕示欲なのか。
信じていたリズこそが、第一の通報者であったことを知り、自身の弓ノコによる頭部切断を告白して、リズに恐怖を植え付けたかったのか。
きっと全てなのだろう。
また、キャロルとの接し方から考えると、テッドの支配は愛情を内包しながら、実に巧妙に仕組まれてるように思える。
テッドの動機はなんだったのか。
犯行の多くが告白によって世に知られるようになっても、謎が明らかになることはない。
そして、専門家が動機を分析し、世の中が謎だと騒ぎ立てれは立てるほど、これこそが、テッドの巧妙な支配の一部なのではないかと考えさせられる。
大量殺人をいとも簡単にやってのける異常者の頭の中を覗いたような感じがする、後味の良くない作品だった。
淡々と語られる怖さ
事前知識なしで鑑賞しました。
淡々と時系列で出来事と裁判の様子が流れていき、
凶悪な犯罪の描写はないのですが、それが、逆に犯人の怖さを際立たせていました。
それによって、狂わされる周囲の人々も含め、
xtremely Wicked, Shockingly Evil and Vile
という原題をあらわしていたとおもいます。
特に主演の、冤罪じゃないかと思わせてしまう演技が恐ろしさを増長していました。
物語の起伏はないけれど、引き込まれていく、そんな映画でした。
前半と後半で。。。
本人を語る上で必要な部分だとは理解しているが、前半部分が少し退屈に感じてしまったが、後半は裁判シーンを中心に迫るものがあった!
エンドロールの本人映像が、ザックの演技が素晴らしいものだと改めて認めさせる効果があると思う!
深い
予想と違った内容でした。ベースはラブストーリーですが、人間がややこしいところが表現されていてかなり面白かった。深い愛情を持てる人が他方で暴力的な事をしてしまう矛盾、でもそもしかしたら矛盾じゃなくて論理があるのかもしれないなどと思ったり、異常者とかサイコパスとか決めつけるのはためらいます。殺人や暴力は極端ですが誰でも自己矛盾はありますね。
現代なら違う展開なんだろーな。
これだけ証拠があると現代ならもっと簡単に犯人特定できたんだろうなー。裁判がショーアップされて魅惑的な犯人なんてことになってたなんて。裁判官が言うようにテッドは頭脳の無駄遣い。リズとテッドの関係描写も引き込まれて面白かった。
予備知識が無いと辛い
マーダー・ケースブックにてテッド・バンディという
連続殺人犯の存在を知り、その後はテレビ番組等で
取り上げられることはあったが、アプローチの仕方は
似たり寄ったりであった。
この映画は今までのドキュメント映像とは一線を画す、
違った視点での構成になっている。
テッド・バンディの恋人による著書を原作としているため、
犯行の一部始終を詳らかにするというものではなく、
周囲の人々がいかにしてこの凶悪連続殺人犯に翻弄されていき、
やり場のない怒りにどうやって終止符を打つのかということを
考えさせられる作品。
観終わると虚無感だけが残る。
作品の品質が悪いという訳ではない。
裁判の再現などは完璧と言っても過言ではない。
性交シーンや、衝撃的な映像を含んでいるのでお子様には
お薦めできない。
タイトルなし
私たちは結果を知っているから、そういう人物として見ているけれど、普通に出会えば、まさかこんな恐ろしい人物だなどとは思えないはずだ
実際の写真も見て、正直、そこまでイケメンか?ってなったけど
恐ろしいその事件そのものではなくて、なんとも幸せそうな恋人とその子供との時間を描く前半、そして、捕まってからの時間を描く後半
そのせいで、結果を知るこちらまで、この人が?となりかける
だからこそ、関わる多くの人、その後の人生含めて、ここまで不幸にした、原題のタイトル、判決文の一説につきる
余裕の微笑みを保ち続けるシリアルキラーに翻弄される
実在するシリアルキラーの語源となったテッド・バンディという犯罪者を描く本作。有罪判決を受けているのは知っているのに、それでも「もしかして本当に無罪なのでは…」と、最後の最後まで翻弄されてしまいました。
ザック・エフロンはハマり役!紳士的な振舞いや微笑みのすぐ裏に見え隠れする異常性が絶妙です。リリー・コリンズも美しく、そしてどんどん疲弊して儚く虚になっていく様もまた美しかった。
見ていて気持ちの良い作品ではありませんが、観て良かったです。
自分を大切に
テッド・バンディについて、彼が何をしたのか、どんな結果になったのか、サラッと把握している状態での鑑賞。
把握しているのに、最後の最後まで惑わされ迷わされた。
殺人鬼の遣り口を描いた実録サスペンススリラーを観るつもりでいたけれど、彼の騒動に巻き込まれ振り回されながら、「やったのか、やってないのか」と苦悩させられる作品だった。
テッド・バンディは徹底的に否定する。
真剣に自分を弁護し、真摯に無実を訴え、本気で逃げようとし、「パピヨン」を愛読する。
何が起きたのかきちんと説明されないまま彼が逮捕され、あれよあれよという間に疑いの中身が濃くなっていく様を観ていると、「本当にやってないんじゃないか」と思えてくる。彼のまっすぐな視線も相まって。
俯瞰の描き方と構成が秀逸。
殺人や誘拐の直接的シーンも決定的な証拠も画面になかなか映らないので、どこに真実があるのか分からない。
どんどん進む裁判劇、追い詰められてもなお抵抗するテッド、確実に病んでいく周りの人間の描写は、ある意味殺人鬼の所業よりもスリリングに感じた。
忠実かつドラマチックに再現したシーンの連続にも痺れた。
テッドを愛しテッドに愛された女、リズになったような気がしてくる。
信じればいいのか、疑えばいいのか。
彼女だからこそ感じるとてつもない苦悩とやり切れないジレンマを全身で受けて、本当に辛くなった。
「愛してるから問題なのよ」というセリフが胸を突いた。
愛し合った時間は本物だったのか、自分もいつかは殺されていたのか、子供はどう思うのか。私ならどうしようか。
裁判を傍聴にくる民衆の一人になったような気がしてくる。
一連の事件も裁判劇もかなりエンタメ的で、世間が面白がるのもわかるじゃない。
清廉潔白で平凡な人よりも後ろ暗いモノを背負った怪しい魅力のある人に性的魅力を感じてしまうじゃない。
テッドに群がる人々と映しだすテレビカメラが、スクリーンにくぎ付けになっている私と重なった。
最後にぶつけられる静かな衝撃。むせ返るような切なさと仄かな希望を感じさせるラスト。
頭が熱くなった。
本当に本当に本当に、見せ方が上手すぎる。
焦らしに焦らした末の答え。さりげなく鳴る音に鳥肌。
テッド・バンディというシリアルキラーをストレートに見せることはせず、彼のしたことによって苦しむ人や振り回される世間を中心に見せた作品だった。
しかしそこを描くことで、間接的にテッド・バンディの異常性も浮き彫りになってくる。
恐ろしい人だ、と心底思う。
キャロルがテッドとリズを振り返るシーンがとても印象的。
尋常じゃない振り返り方だよねあれ。執着の強さをあのぼやけた一瞬の中で表現する巧さ。好きだな。
多分、少数意見だと思うんですが この作品になんの面白みも感じら...
多分、少数意見だと思うんですが
この作品になんの面白みも感じられず、
この作品は何のために作られたのか、
何を伝えたかったのか?
疑問ばかりが残る内容でした。
日本のキャッチコピーはおろか
原題にもうまいこと騙されました。
彼のことは全く知らないし、事件のことを
知らなかったのが良く無かったようです。
良かったと思えたのは
ハーレイ・オスメント君の存在位かな。
それと、口直のために寄ったお店で
人生初のお一人様焼肉を経験できたのは
この作品のおかげか。
恋人の視点で描いているのに、彼女の描き方が薄い
テッド・バンディの逮捕から死刑になるまでを、恋人の視点から描く。
っていうより、その恋人の「苦悩」を描く、という方が近いかな。
でも、その苦悩が、上手く描かれているか、というと疑問。
上映時間の多くは、テッドを描くことに割かれているし、さらにテッドはキャラが掴みにくい人物だ。
(当然だろう。女性を虜にする才能を持った、連続殺人犯なんだから。)
であれば、テッドを描くのは最低限にして、恋人の苦悩を描く方が、
より面白い映画になったと思う。
悪魔がいるとするならば
「シリアルキラー」という言葉が生まれたくらい有名な殺人鬼テッド・バンディ。ドキュメンタリーから彼にインスパイアされたフィクションサスペンスやホラーまで数々の作品に取り上げられたけど、残虐な話や映像をほぼ使わずに、無実と信じる恋人から見た彼の姿を描いたのが面白い。
ザック・エフロンは誰もが惹かれるイケメンぶりでブイブイ魅力振り撒いてるし、フィル・コリンズの娘のリリー・コリンズはやさぐれてもキュートで美人、ハーレイ・ジョエル・オスメント君は色々と大きくなったけど優しそうな笑顔は健在だし、大好きなジョン・マルコヴィッチは相変わらず味のある素敵な演技で引き締めていて、なにげに豪華な出演陣でした。
今なら科学捜査でもっと確実な証拠が出るだろうけど、当時はこれで精一杯か…何が真実なのか、誰を信じていいのか分からないのが何よりもゾッとする。これだけ見ると最後の最後まで冤罪だと信じてしまう。悪魔がいるとするならば、彼のように魅惑的で恐ろしい生き物なんだろう。
それにしても、なぜ彼女は殺されなかったのか。観終わっていろいろと調べたくなった。
あえて内面に迫らない
なぜそんな恐ろしい犯行に走ったのか、恋人を騙しているのはどんな心持ちなのか、そこに「愛」はあるのか、犯罪者の内面には迫らず、淡々とした描写が続く。が、あえて内面に迫らず、わかるフリをしないところが、サイコパスのあるべき描き方なのかもしれない。
なんだこの軽薄な男は…。
残忍なシーンがなくとも、そのきな臭さに若干不快な気分になった。
リズだけには特別な何かがあったんだろう、そんな部分の描写を期待したり、そしてキャロルの存在にがっかりしたり。
気がつくと完全にリズ目線で観てしまっていた。
シリアルキラーでないなら結婚詐欺をやりそうな軽々しい態度と、甘い思い出。
揺れ動くリズの気持ちと気持ちは重なり、胸の奥の方の引っかかりが解けないままだ。
本人についてネット検索してみると、描かれていなかった犯行の手口や行為の詳細が分かり、ハウスジャックビルドのジャックと被る。
シリアルキラー大全集の様なその作品で、様々なパターンの残忍な犯行を惜しみなく映像で確認する羽目になったのだったが、なぞるように思い出すとやはり強烈で、IQの高さも超える抑えきれない性衝動の恐怖を感じた。
ラストに背中がゾクッ
シリアルキラーで有罪という事以外はテッド・バンディの情報を入れず鑑賞しました
それもあってか、犯行シーンもなくストーリーは進むので「テッド・バンディは本当は冤罪かも?」と思うほどでした
そう思っていたら、あのラスト
ひどすぎる犯行の事実を文字として突きつけられ、背中がゾクッとして当分の間ドキドキが止まりませんでした
リズはあれで救われたのか...
テッドへの判事の言葉が重かったです
ザック・エフロンの演技も素晴らしかったです
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