2人のローマ教皇

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劇場公開日:

解説

「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督がメガホンをとり、2012年に当時のローマ教皇だったベネディクト16世と、翌年に教皇の座を受け継ぐことになるホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿の間で行われた対話を描いたNetflixオリジナル映画。カトリック教会の方針に不満を抱くベルゴリオ枢機卿は、ベネディクト教皇に辞任を申し入れる。しかし、スキャンダルに直面して信頼を失っていたベネディクト教皇はそれを受け入れず、ベルゴリオをローマに呼び寄せる。考えのまったく異なる2人だったが、世界に10億人以上の信徒を擁するカトリック教会の未来のため、対話によって理解しあっていく。ベネディクト16世役にアンソニー・ホプキンス、ベルゴリオ役に「天才作家の妻 40年目の真実」のジョナサン・プライス。脚本は「博士と彼女のセオリー」「ボヘミアン・ラプソディ」のアンソニー・マッカーテン。Netflixで2019年12月20日から配信。日本では配信に先立つ12月13日から、一部劇場にて公開。

2019年製作/125分/G/イギリス・イタリア・アルゼンチン・アメリカ合作
原題または英題:The Two Popes
配給:Netflix
劇場公開日:2019年12月13日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第77回 ゴールデングローブ賞(2020年)

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ジョナサン・プライス
最優秀助演男優賞 アンソニー・ホプキンス
最優秀脚本賞 アンソニー・マッカーテン
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映画評論

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映画レビュー

4.0ローマ教皇たちの秘密が今明らかに。

2019年12月25日
PCから投稿

様々なスキャンダルを抱えるカトリック教会の運営に限界を感じた現ローマ教皇が、革新派の枢機卿をわざわざバチカンに呼び寄せて、徹底的に腹を割って話し合う。この実際にあったエピソードを、実物の1/3大のシスティナ礼拝堂をチネチッタに建造する等、舞台の精密な再構築を用いて観客に知らしめていく。背景のリアリズムが、ドイツ人独特の無骨さで教皇を演じるアンソニー・ホプキンスと、方や、やがて、南米初のローマ教皇となるホルヘ・マリオ・ベルゴリオを、巧みなスペイン語とスペイン語訛りの英語と、実物そっくりの外見と(今年来日したので分かりやすい)、まろやかな人物の造形によって具現化するジョナサン・プライスによって、さらにリアリティを増していく。やがて浮かび上がるのは、教皇となる人間にも深い悩みと矛盾を抱え、孤独に苛まれることもあるという、とても普遍的な現実。人は何と愛おしい生き物か!?そんな後味が残る実録ヒューマンドラマだ。

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清藤秀人

4.5神々しい

2023年3月30日
PCから投稿

一言「勉強になるわあ」。

ローマ教皇の選出選挙(コンクラーベ)や、生前退位はないとか。
「ローマ教皇の裏側見せます」的内容が、興味深い。

まずは左のアンソニー・ホプキンスが。
もうローマ教皇にしか見えない、憑依ぶり。さすがですねえ。
左のジョナサン・プライス(今作でオスカー主演男優賞・ノミネート)は庶民的だし。
手に届くはずもない存在の2人に、息吹が含まれてたなあ。

教皇になる前の、2人の生き様。
ドイツ出身と、アルゼンチン出身。保守派と改革派。
歴史的背景も含めて対照的なのに、通じ合う物がある。
その交わり方も温かい。

宗教的要素もあるけど、全然大丈夫。むしろ身近に感じられる1作。

⭐️今日のマーカーワード⭐️
「この世に偶然はない。全ては神の手の中」

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ゆき@おうちの中の人

3.0血の流れないタイマン

2023年3月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

カトリック教会のことなどダビンチコードで得た知識
くらいしか知らなかったけど、
ローマ教皇って自分を律してお堅い人かと思ってたけど
とても人間臭く描かれてて、
全く相容れない2人が、口論と言うタイマンの後に
親友になると言う構図はまるで
不良漫画だなと思いました。

アンソニーホプキンスもジョナサンプライスも
とにかく可愛らしい。

エンドロールのサッカー観戦なんて、
はしゃぐ2人をいつまでも観たいくらい。

ドイツ人とアルゼンチン人と言う2人から始まって
素晴らしい着地点だったと思う。

ベネディクト16世が全く考えの違うベルゴリオを
バチカンに呼び寄せた事、これが全てだと思う。

人はいつでも変われる。
妥協ではなく変われるんだ。と言う素敵なメッセージも
受け取りました。

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奥嶋ひろまさ

5.0言いにくいことはラテン語で

2022年7月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

幸せ

会話劇でドキュメンタリーでアクチュアルな話で老いの話で、そして世界を守りつつ変えていこうとする。それは教皇にも私たちにも通じる話で笑いながらも深く考えさせられた。

初めはホプキンズがフランチェスコ役かと思っていたので新鮮な驚きだった。結局はとてもいいキャスティングだった。フランチェスコもラッツィンガーも過去、胸が痛む、別の言い方をすれば世間や母国から批判されることがあった。個人的にもラッツィンガーが教皇になったのには自分は批判的だったけれど、二人が真摯に語り合う場面で心動かされた。コンクラーヴェで世界中から司教が集まる場面はどんな映画でも楽しい。それぞれに故郷があり母語があり大好きなお料理があり個性がある。

タンゴとサッカーとジョークが好きなアルゼンチン。ジョークが苦手でクラシック音楽好きで自分の心に誠実であることを大事にしてKnoedelが好きなドイツ(バイエルン)。例外が多すぎるから英語は疲れる言語。

強大な力を持つキリスト教には思うことがあるけれどこの映画を見て良かった。そして今のパパ、フランチェスコがなぜ愛されるのか少しだけでもわかって嬉しかった。

映像が美しかった。音楽では「ベラ・チャオ」が流れたのはドキッとしながらも嬉しかった。そして冒頭と最後のランペルドゥーサへのフライト予約には笑えた。どこへでも身軽に移動して皆と一緒に食事して語り合うフランチェスコには親近感を覚える。この世に変わらないものはない。神も動く。いい言葉がたくさんの映画!アンソニー・ホプキンスがますます好きになりました。

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talisman