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塔子は「自分から」この家にとっての良き妻になっていったんだと思う。
私が思う塔子の姿。
同僚が「一人で生きてるみたいだよ」と言った時
観客の私まで頷いた。
ずっと一人で生きていこうとしている。
少なくとも10年前に鞍田を好きになってからはずっと。
鞍田を忘れるために必死で「違う自分」になろうとしてきたのでは?
好きになるタイプも変えて、母親になって、
嫌だと思うことも全て受け入れて、何もかも正反対の世界に行ってしまえば
「鞍田を好きだった自分」を捨てられる。
そう思ってたんじゃないかな?
夫はある種、「鞍田を忘れさせてくれる」存在かな。
ラスト。
塔子はもぅ別の自分を生きることは無理なんだと限界になった。
鞍田に再会してしまったから。
この過程が丁寧に描かれていて、徐々に塔子が開放されていくシーンは見入っちゃいました。
映画のベッドシーンって個人的には苦手で
見ていて気まずくなるものがあるけど
綺麗でした。すごく意味合いのあるシーンだったと思います。
尺が長いのも良かった…
この映画でわかるのは
自己犠牲が大きい程その代償も大きいということ。
離婚して子供に恨まれ、愛する人は死に(勝手に死ぬ想定)それでも塔子は後悔しない道に走り出したんだろうな。
不倫ものにありがちな、純愛を貫く結末。
この物語ではそうではなく、自分を貫くことに意味があったのでしょう。
ここで塔子に関わる3人の男性について
個人的な見解…
鞍田…一番女が沼りそうなタイプ!「恋する」より「沼る」って言葉がこんなにしっくりくる人はなかなかいない。寛容で、影があって、寡黙で
でも内に秘めたる情熱があって…!!こんなの好きになっちゃいますよ。
同僚…チャラい同僚に塔子が一瞬怯んだようにみえたけど、すぐに心を開きましたね。ここで本当にチャラいのは塔子なんですよね〜。これくらいの男が一緒にいて一番気楽なんです。恋愛感情がなくても息抜きになる存在。ちょっと好意を引っ掻き回したっていいでしょ?って。同僚にとって塔子が「沼る女」ですね!
夫…気持ち悪い男でしたね(笑)けどこういう人、男女問わず多い気がします。気付けない人って、多いんですよ。現にこの映画のレビューをみていても
不倫して子を捨てる母親なんて最低…という感想をもつ人は必ずいて。無意識に他人に理想を押し付けちゃうんですよね。鞍田と対照的になるシーンがいくつかわかりやすく描かれていますが、誰がどうみても鞍田のほうがいい男ってわかるのに…なぜか夫みたいなやつが量産されてるのです。不思議〜
以上
平凡な主婦の初レビューにつき、何卒ご容赦ください。
ストーリーは良かったけど、建築現場のリアリティさがなくて物足りなかったので★3にしてます。