ジョジョ・ラビットのレビュー・感想・評価
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素晴らしい戦争お伽話
とても良かった。
どこから思いついたんだろう?
空想のヒトラーからなのかな?
あり得ないお伽話だけど、
戦争の悲惨さ不条理さ、
ナチス側からナチスに敬意を払う形で馬鹿にし、
ユダヤ人を疑う立場から愛情に発展する図式は
とても素晴らしかった。
子どもと観るのにも丁度良く、
これはこう言う事だよと説明しながら観ることが出来た。
お母さんの愛情が全編に染み渡ってた。
ジョジョの成長を観たかったろう、
最期何を思ったかを想像するとたまらない。
サムロックウェルのキャラがとても良い味だしてるが
ヨーキーの可愛さもたまらない。
戦争がこんなわけないだろと言ったらそれまでだけど、
戦争が何も産まない事は伝わるし良い映画だったと思う。
子どもたちには、戦争の事は分からなくても、
自分と対話し、外に出て経験する大切さ、他者との会話、
常識を疑う事は少しは分かってくれたと思う。
ラストの背伸びしたジョジョ、お母さんに言われたセリフを
言わせて、一段高いところに立たせて目線を女の子と一緒に
する。そして踊り出す。
ほっこりしました。
仕事早退、劇場直行。二本立て一本目。 主役の子役が愛らしい。敗戦直...
トータルでAランク
リアルとユーモア、そして愛
友人とパジャマのまま鑑賞。なんていい休日の始まり。以下友人へ話した映画の感想ハイライトです。どうぞ。
何を伝えればこの映画の良さが伝わるだろう。
ナチスというタブーに触れる好奇心?日本人が愛してやまない家族愛と戦争への慨嘆?赤と緑の織りなすハイクオリティな芸術的映像?はたまたオネショタへの偏愛?
どれもしっくりこない。ただ、もう一度、人生で見返す映画にはなると思う。
とにかくどの瞬間で止めても絵画のような美しさがある。赤色が印象的。まぁナチだしね。どこかムーンライトキングダムに通じる映像の美しさがあったな、リスペクトしてるのかな。
ママがパパの役するところあるじゃん、あそこ最高じゃない?なにあれ、あんなママ欲しい。なんて芸が細かいんだ、素敵だ、素敵すぎる。ママは、自分の息子の思想を否定しないし、ディナーの場は中立国だという。なんていい子育て。
キーパーソンはキャプテンK。なんていい男なんだ、チャリ抱えて家に突入してきた時は息を呑んだ、なんでいい役回り。あとヨーキーは可愛すぎる、キーホルダーにしたい。かわいい。
嗚呼、ジョジョ、君はきっといい男に育つ。君が信じた髭の男もファシズムも、国も、思想も崩れていったけど、愛し、愛されたかけがえのない人もいなくなってしまったけど、なぜか君の将来に一筋の光が見えるんだよ。
子どもの視点で描く戦争
われわれにできない芸当
ジョンブアマンの戦場の小さな天使たちで学校が爆撃に遭ったとき、子供たちが空をゆく敵機を仰いで「サンキュー!アドルフ!」と言ったのを覚えている。
子供が子供ゆえに、戦況ともイデオロギーとも無縁なほど、マジカルなペーソスになりえることを私たちは知っている。それを縞模様のパジャマの少年やLife Is Beautifulに見てきたからだ。本編はその名画たちの方法論をもっと大胆に深化させている──と思う。
ジョジョとヨーキーには基本的に演技の気配がなかった。台詞をおぼえて、動作を指示されて、はいアクションで、それをやっている──という感じがまるでない子供だった。加えて、ふとしたとき素の表情があらわれた。なにげに、カメラを向けていないかのような自然体の顔を見せる。とりわけヨーキー君のシンギュラリティの絶妙さは凄かった。アニメだってこれだけadorableには創れない。
エルサにはアンネフランクのような死の予感があった。全体がコミカルなオーバーアクションのなか、相対する諦観を一人もっていた──ように感じた。
しばしば、挿入される、本物の戦争の気配──吊られたユダヤ人、身体の欠損した軍人、荷台に揺られる傷痍軍人、と併せて、エルサはカリカチュアの行き過ぎを抑制していたと思う。
そんな感じで半尺までは、わたしも冷静だった。
しかし、ヒトラーの幻影と、陽気な母親と、愉快なナチの面々にささえられ、暢楽な気分で見ていると、映画は次第に戦争を露呈してくる。
観る者とて、悠揚迫らずというわけにはいかない。いや、人様のことは解らないが、少なくともわたしは恐恐としてくることを予期していなかった。終いまで朗らかな風刺を保つだろうと楽観していた。だから、青いコートの裾と瀟洒な靴にひしっと抱きつくジョジョを見てしまったら、もはや、マジカルなペーソス──などと、こまっしゃくれた分析ができる状態ではなかった。
かえりみれば、大仰なほどのフラグを見過ごしていた。
緑いっぱいの美しい川辺。眩しいほどの青いコート。ジョジョと二人で自転車を駆る並木道。真っ赤な口紅にサングラス。Horizontal Stripeの赤いニット。傷だらけの帰還兵たちに向かって、まるで「アメリカ映画」のようにWelcome Home Boys!と声をかける。
そのときなぜ彼らが英語なのかを個人的に理解した。
悲嘆を和らげるためだ。
ドイツ語をドイツ市場向けのビートルズのI Wanna Hold Your HandとデイヴィッドボウイのHeroesに任せたからだ。
そして怒濤の破壊を、ナチの饗宴を、Heroesで踊ってカリカチュアに収めるためだ。
もう抗えるところなんか一つもなかった。
海外の評は少なからずラストの不自然を指摘している。わたしは逆で、魂を持っていかれた。はるかに遠い第三帝国にあのイントロが流れてきたときの驚嘆をどう言い表したらいいか解らない。またウェスアンダーソン監督が引き合いにされてもいた。そこは頷ける。色彩や演技のテンションに近似性がある。見上げるような長身のゲシュタポ役Stephen Merchantが現れハイルヒトラーが飛び交う場面はアンダーソン監督映画を観ている気になった。
総じて、一線級俳優を配しながら子役を全面featureしているところはムーンライズキングダムにそっくりである。
「抱きしめたい」
ナチスドイツを扱いながら、このようなポップなテイストに仕上げるのは勇気が要ったと思う。
が、タイカ・ワイティティ監督の意図は十分に伝わった。
『この世界の片隅に』観賞後にも同じようなことを思ったが、
どの時代にも日常はあった。
歴史の教科書では「悲惨なできごと」という角度でのみ紹介されるホロコーストを生きた人々にも、クスッと吹き出すようなできごとや、友情や愛に心を熱くする夜、もしくはただボーッと過ごすだけの時間もあったに違いない。
この作品を見ていると、ナチス思想に汚染され厳しい迫害を行う・もしくは迫害を受ける一方で、「ごくふつう」にも生きていた彼らの日常が手に取るように見えてくる。
その証拠に、この作品に明確な「悪人」は一人も登場せず、どの立場の人物も生活を覗き見てみたいような不思議な魅力を持っている。
(特に、ヒトラーユーゲント育成陣営のふくよかな女性のバックグラウンドが気になった。素晴らしいキャスティング!)
だからこそ、母・ロージーの死やキャプテンKの死が、圧倒的な死が、胸に突き刺さるのだ。
どちらのシーンでも涙が止まらなかった。
多分、ずーっとシリアスなテイストでやられるより何倍も辛かった。
ありがちな感想かもしれないが、
百パーセントの悪意で出来ている人間はいないのだと思う。
ホロコーストという人類の負の遺産を作り出した側にも、同じように日常はあって、もしかしたら心安らぐような時間もあって、けれど何かが少しずつ食い違って、あまりにも大きな悲劇に繋がってしまった。
しかし、被害を受けた側からすれば、それほど残酷で理不尽なことはない。
映画館1回目の鑑賞であまりにも感激し、間髪入れずに2回目を観に行ってしまったが、
一度ラストまで観たあとだと、冒頭に流れるビートルズの「抱きしめたい」(ドイツ語版)に、たまらなく胸が締め付けられた。
まとまりませんが最後に。
監督、ヨーキーを生き残らせてくれてありがとう....!
いろいろ詰まってる。
ゲームオブスローンズ のシオンが出てるけど、ほとんど喋らないよ。でもいい味でてる。
サムロックウェル演じる大佐の影の彼ピ役だと思う。
スカヨハ演じるジョジョの母が、、、ショックで観ているだけのわたしが受け入れられなくて、違う人だと思おうとした。
際どいユーモアと、ママの明るい愛情と、ファシズムの恐ろしさと、子どもの純粋な自己顕示欲と、初恋と。いっぱい詰まってて、観ているわたしの感情はブンブン振り回された。
おでこにママの口紅つけてるジョジョが、靴ひもを結べなかったジョジョが。
成長は尊いのに、失ったものの大きさが突き刺さって、ぐちゃぐちゃな気持ち。
FOX searchlightへの信頼がより厚くなった一本。
忘れ去られるあの時代の物語。
最近は第二次世界大戦時を舞台にした映画やTVドラマにあまり遭遇する機会が無くなった気がする。自分が子どもの頃は夏休みとかに戦争映画の放送や、戦争ドキュメンタリーとか頻繁にテレビで放送されてた記憶がある。
で、この「ジョジョ・ラビット」は久しぶりに観る「あの時代が舞台」の映画。
10歳のジョジョが見る幻影のヒットラー(こいつが彼に付き纏う。)や反ナチスの母親に匿われたユダヤ人少女によってストーリーが展開される。
スカーレット・ヨハンソン演じるジョジョの母親は正直あまり印象に残らない。
それよりも頻繁に現れる監督自身が演じるヒットラー。これはジョジョ自身が裏で感じる思いを彼自身に言い聞かせているような印象がある。
また、ユダヤ人の少女とのやりとりが重要。思春期に差し掛かる年齢の男の子の姿が純粋に描かれている。
人類の暗部をコミカルに明るく描いた傑作
ジョジョが愛おしくてたまらない!
子どもの視点から戦争を描いた映画といえば、『禁じられた遊び』が思い起こされるが、こんな描き方もできるのかと驚かされた。コメディの体裁をとりながら、それでも戦争の悲惨さを伝えてくれている。母親が何をしていたのか、ジョジョは知らない。ジョジョにとって大事なことは、「ヒトラーユーゲント」に入り、活躍することであり、母親やエルサとの時間がすべての小さな世界で生きている。それでも、戦争ってやつは身近に迫ってくる。日常として… 無邪気でいいところもあるジョジョが、単にあこがれの対象にすぎなかったヒトラーを乗り越えて、世間に流されるのではなく、自分の気持ちから事態を見極めるようになってくれたことがうれしい。ジョジョの友だちも気づいていたけど、子どもにだってわかるのだ。戦争の本質が! それから、サム・ロックウェルが最近いい奴を演じているのが不思議な気がした。『リチャード・ジュエル』といい、本当にびっくり。以前はいや〜な奴を憎たらしく演じるのが得意でキャスティングもそうだったのに、演技派だからどんな役でもこなせるけど、それを逆手に取っているのかな?
やんわりとした反戦映画
ヒトラーの妄想と会話してはしゃいでる軍国少年ジョジョ。
しかしウサギが殺せなかった事からウサギ扱いされ、ヒトラーユーゲントの訓練中に手榴弾で誤爆して、訓練から脱落、顔には傷、足には障害が残る。
しかしイジメられっこオーラを醸し出すジョジョに対して母親の強いこと強いこと(笑)
そりゃそうだスカヨハが母ちゃんなんて強いに決まってる(笑)
しかも母ちゃんドイツ人だけど戦争はキライ
バリバリのヒトラー信者の息子ジョジョとは揉めてしまう。揉めたら母ちゃん、顔に墨つけて髭にして息子を叱るシーンみたら息子の妄想癖は遺伝か?と思った。
おまけに家で壁の中に住むユダヤ人女性エルサを見つけるが体力でも口でも負けてしまう…やられ通しのジョジョ。ろくに友達も居ないのでエルサに絡むが毎回やられてしまう。流石に10才のぼくちゃんでは敵わないのは仕方ない。
しかし、ジョジョの母親が反戦活動に参加して処刑されると物語は一変し、ジョジョが盲目的に信じた全てがウソだった事を理解していく様は悲しい。彼が信じたユダヤ人とドイツ人の違いなど在りはしないし、角も生えない。
ゲシュタポに踏み込まれた時は姉を偽ったエルサをユーゲントのクレンツェンドルフが見逃してくれるなど、ドイツの全てが狂ってなかった様子は看て取れた。フィンケルとクレンツェンドルフが怪しい仲なのは間違いないのだが、同僚のミス・ラームの方が余程狂っていて恐ろしい。
ただ一人の友人ヨーキーが分かりやすい気持ちを出して好感が持てる、彼はただのデブじゃない。
ミス・ラームに唆されて連合軍に突っ込まされた時は逝った~と思ったが…。
ドイツでの戦闘では武器を持った民間人がどれだけ亡くなったか分からないが連合軍占領後は本当にマシになったのだろうか?
作中に出てくるジョジョの父やエルサの婚約者はどうなったのか?色々気にはなるが分からないまま。
ラストの踊って終わってしまうのはちょっとズルいよ。まだ幼い彼の恋心は実らなかったけど、それでもいい。新しく生まれた姉弟に祝福を。
脚色賞納得
ジョジョの勇気ある冒険 ワイティティの才気は止まらない
ナチスを題材にし、軽快なコメディに。
下手にやれば凡作か駄作になっていただろう。
が、そうはならなかった。
タイカ・ワイティティという才人の手腕。
称賛の声に溢れていたが、評判違わぬ良作!
立派なヒトラーユーゲントになる事を夢見る10歳のドイツ人少年ジョジョくん。
“2番目の友達”太っちょのヨーキーくんにはちょっと偉ぶってるけど、実際はのび太くん並みの気弱で何をやってもダメダメくん。“ラビット”なんてあだ名まで付けられ…。
でも、僕には“1番の友達”が居る。彼の名は、アドルフ。そう、我らが総統が“空想上”の友達。
総統やナチスへの忠誠心強く、親友のアドルフに支えられ、目指せ!立派なヒトラーユーゲント!
…だけど、やっちゃったんだな…。ヘマしてユーゲント訓練から外され、雑用係に…。
僕はママと2人暮らし。
美人で利発的でユーゲントの大尉にも物怖じせずズケズケ言うほど強い性格。
でも、いつも靴紐を結んでくれる優しいママ。
“仕事”で家を空けがち。一体、どんな仕事をしているんだろう…? 世界を救うヒーローかな…?
時々僕らの“正義”のナチスについて意見が分かれるけど、僕はママが大好きさ!
もしユダヤ人がこの家に居て、ママを催眠術にでも掛けていたら、僕がユーゲントの短剣でぶっ殺してやる!
…本当に居た。
家の壁の中から物音が。
恐る恐る壁の中の隠し部屋に入ってみると…
そこに、おぞましいユダヤ人が! 僕よりちょっと年上の少女で、亡き姉の友達だったというエルサ。
いつからここに棲み付いた?
ママに催眠術でも掛けたな!
このユダヤ人め!
よ~し、通報してやる!
でもこのユダヤ人、ユダヤ人にしてはちょっと頭が良く(それにユダヤ人にしてはまあまあ可愛く)、僕を脅して来やがった!
通報したらユダヤ人を匿っていたと言い、ママも罪に問われる。
ママを守る為に、ここは一旦様子見。
そうだ、このユダヤ人からユダヤ人の事について色々聞き出してやる。
そしたらママを守る事にもなるし、総統やナチスの為にもなるし、他のユダヤ人を見付ける事も出来る。一石三鳥!
別にずっと家に居るからって訳じゃないけど、毎日のようにあのユダヤ人と話す機会が多くなる。
話を色々聞き出し、ユダヤ人の秘密を暴く本を書く為なんだけど、彼女と話す事が何だかちょっと楽しみに。
それと、何なんだろう、このお腹の中で蝶が羽ばたくようなムズムズするような感じは…?
僕、一体どうしちゃったんだろう…?
そんなジョジョ役のローマン・グリフィン・デイヴィスくんの演技が見事!
大人の役者でも難しい戦時下に於ける善悪の視点の変わりようを、子供ならではのユーモアや純真さで絶妙に体現している。それ故ある悲劇のシーンでは涙を誘う。新星現る!
彼もいいが、エルサ役のトーマシン・マッケンジーの聡明さと美少女っぷりに、見てるこちらもお腹の中で蝶が羽ばたく。あるシーンでユダヤ人なのに「ハイル・ヒトラー!」と言わざるを得なくなり、ユダヤ人が侮辱されそれに堪えなくてはならぬシーンもあり、その辛さも滲ませる。今後の活躍に大期待!
サム・ロックウェルは『リチャード・ジュエル』に続き好演。終盤のネタバレになるが、ナチスでありながらエルサを庇い、最後のあるシーンでジョジョも助け、出番はそんなに多くないが、美味しい所を持っていくさすがの巧者!
そして、ママ役のスカーレット・ヨハンソン。この美しく、愛溢れたママが居たからこそ、作品に華と優しさが出た。顔に墨を付け一人でママとパパのフリをするシーンやジョジョと2人でサイクリングするシーンだけでも、作品の中で特に印象を残す。それだけに、あのシーンは…。
レベル・ウィルソンのコメディエンヌぶりや、ヨーキーくんにもほっこり。
それにしても本当に、ワイティティの才に唸らされる。
重く悲壮感漂いがちな従来の“ナチス物”。
覆すほどポップで陽気に。映像面もハートフル、美術や衣装もカラフル。ビートルズやデヴィット・ボウイの曲に乗せて。
ワイティティ本人もアドルフ役で出演。かなりの大袈裟演技。
歴史に残る大罪を犯したナチスを面白可笑しくコメディにして、大丈夫…? 批判されない…?
これでいいのだ。
コメディにして、笑いのネタにして、より皮肉と痛烈なメッセージ。
笑えれば笑えるほど。
そこに、少年の淡い初恋物語。
過去の名作映画へのオマージュも。
靴紐を結ぶシーンや似たような画面構図など伏線も巧み。
でも、意表を突くブラック・コメディだけじゃない。しっかり訴えている。
突然ゲシュタポが家に押し入る。大尉やエルサの機転でハラハラの危機を免れるけど、何故…?
そして、広場で見付けてしまった。ママが…。
ユダヤ人を匿ったから、ママは…。ユダヤ人が憎い。
でも、“正義”のナチスがママを…。大好きな僕のママを…。
どっちが正義で、どっちが悪者…?
ある日突然、戦局が変わった。
勝利間違いナシと思っていたナチスが敗北。
親友の…いや、本物のアドルフは自殺。
その偉大なる総統こそ本当の悪者で、僕らを騙していた。
ユダヤ人は僕らと変わらぬ同じ人間で、ヒトラーはユダヤ人にとてもとても酷い事をしていた。
洗脳をしていたのはユダヤ人ではなく、ヒトラーの方だった…!
くたばれ、ヒトラー!
“親友”を蹴っ飛ばすシーンは、痛快愉快!
“正義”のアメリカ軍がやって来る。
でも、彼らも本当に正義の味方…?
僕を捕まえ、連行しようとする。
その時助けてくれたのが、大尉。
大尉はいい人だ。
その大尉をアメリカ軍は…。
きっと、戦争で皆が世界が、全てがおかしくなったんだ。
子供の僕には分からない。
分かっている事は、一つ。
エルサを助ける。
この愚かな戦争で、一番の正義は、敵を殺す事じゃない。
誰かを守り、助ける勇気。
今、やれる事をやる。
ナチスが仕掛けた戦争は終わったけど、この世界から戦争は無くなるのかな…?
人種の偏見や差別も無くなるのかな…?
分からないし、まだまだ遠いかもしれないけど、束の間でもこの自由と解放に、さあ踊ろう。
タイトルなし(ネタバレ)
「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。まあ、気楽に戦争を茶化した映画を観ればいい。」
なんて思いながら観てたんですが。
「(戦争をはじめるのは簡単なことだ)、国民は常に指導者たちの意のままになるものだ。簡単なことだ。自分達が外国から攻撃されていると説明するだけでいい。そして、平和主義者については、彼らは愛国心がなく国家を危険に曝す人々だと公然と非難すればいいだけのことだ。この方法はどの国でも同じように通用するものだ。」(H.ゲーリング)
ヒトラーに忠誠を誓い、一人前の大人になるために、つまり、世界に冠たるドイツ国民として、ヒトラーユーゲントのキャンプに参加する10歳の少年ヨハネス
指導教官が陸軍大尉のクレンツェンドルフ
日本の戦争末期と同じく、まともに軍事情勢を判断できる将校なら、敗戦は間近であることは分かっている。
戦場がどのような場所であるかを知っていたのだろう、子どもたちを今更戦争に巻き込もうなんて気はなく、ヒトラーに忠誠を誓う子どもたちの戦争ごっこに付き合う。
ヨハネスの母ロージーと、この大尉だけが、正常な判断力を維持しているドイツ人として登場する。
たいていのアメリカ映画は、どんなに残虐非道な映画でもアメリカの民主主義の権化みたいのが登場して、、、、大抵、生き残る。
映画を観て言る側は、その民主主義の権化に自分を投影するものだから、ホッとして映画館を出ることができる。
しかし、この映画のクレンツェンドルフ大尉も、ロージーも生き残りはしない。
ゲシュタポに身分証明書を見せるように迫られたユダヤ人エルサは、死んだヨハネスの姉の身分証明書を見せようとするが、とっさにクレンツェンドルフ大尉がそれを取り上げ、身分を確認する。
「生年月日は?」
「1929年5月1日」
身分証明書にある日付は、5月7日だった。
しかし、クレンツェンドルフ大尉はそれを不問にして、エルサを解放する。
クレンツェンドルフ大尉とロージーに守られたヨハネスとエルサは、生き残る。
ヨハネスとエルサは、ロージーが自由な人がそれをすると言ったダンスを始め、映画が終わる。
これは「第二次世界大戦は75年前に終わってしまったし、これはドイツの話。」と思っていたが、「今の日本に向けた映画だったか」と思った。
傑作
全504件中、121~140件目を表示