乱反射

劇場公開日:

乱反射

解説

第63回日本推理作家協会賞を受賞し、第141回直木賞候補にもなった貫井徳郎の同名小説を、「舟を編む」の石井裕也監督のメガホンで映像化。メ~テレ開局55周年記念ドラマとして製作され、2018年9月にテレビ朝日系列で放送されたテレビドラマを、劇場版ディレクターズカットとして劇場公開。妻夫木聡と井上真央が主演を務め、責任の所在が曖昧な現代日本社会の縮図を描く。幸せな家庭を営んでいた新聞記者の加山聡と妻の光恵は、ある日、公園の木が倒れる事故で最愛の息子・翔太を失ってしまう。被害者でもある聡は、新聞記者として息子の死の真相を突き止めようとするが、出会う人の誰もが謝罪せず、責任を認めず、他人のせいにする。自分の責任を認めない人たちのなかで、聡の怒りと悲しみの矛先は、次第に自分自身に向けざるを得なくなってくる。妻夫木が主人公の聡、井上が妻の光恵を演じるほか、萩原聖人、北村有起哉、光石研、三浦貴大、筒井真理子、田山涼成、鶴見辰吾ら豪華キャストが集結。

2018年製作/94分/G/日本
配給:フリーストーン
劇場公開日:2019年9月21日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

4.0テレビ映画とは思えない

2020年2月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

突風で街路樹が倒れ、下敷きになった幼い息子が死んでしまう。
父(妻夫木聡)は新聞記者で、何故息子は死ななければならなかったのかを調べ始める。
市役所、造園業者、若いアルバイト医など日常生活の微妙な綾が絡まり合っていた。
母役の井上真央が映画全体の救いとなって癒してくれる。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
いやよセブン

4.0花より団子

2019年9月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭、「事故当日」というテロップにいきなり重くのしかかる不穏。
不運な事故、防ぎようのない事故。でもそれ本当?
やり場のない怒りの向ける先を求めて独自に動き出す父親と妻、知らぬ間に子供を殺していた人々を描いた作品。

フラストレーション満載。
ほんとバカみたいな世の中の仕組み、めんどくさすぎる仕事、板挟みのしんどさ、人の話を聞かないクレームは公害、家庭内の小さなイザコザ。
色々な人が出てくる中で、誰もが経験する日々のストレスをどストレートに見せてくる。
リアルな苛立ちが身体に響いてしんどい。

バタフライ効果のように様々な要因が重なって起こった事故。
責任逃れの言い訳も謝罪の言葉もただただ神経を逆なでするだけ。
知れば知るほど世の中への失望や絶望が募る様子に、私はどうしたらいいのか分からなくなった。

側から観ていて彼らを責めるのは簡単だけど、後ろめたい物事を何一つしたことの無い人なんている?
やってはいけないと知っている物事を破ったことの無い人なんている?
やらなければならない物事をサボったことの無い人なんている?
誰が悪いかと言うと全員悪いけど、ただの悪でもない。
一方的に責め立てるだけでは収められない現実味を感じた。

みんな自分中心の世界。
最後の患者は私かなと思っている。
いつどこで誰を殺していることやら。
責任も面倒も負いたくないしけど、もし身の回りに取り返しのつかない事故が起きたら、誰かを責められずにはいられないでしょう。
ジレンマだらけだな。
とりあえず今目の前にある仕事はきちんとこなしていかないと、と思わず背筋が伸びる。

夫婦の形と関係性がとても良かった。
沈みすぎない。責めない。好き同士。
無責任に近い「大丈夫」の中身がどんどん変わって、最後の方はそれを聞くたびに泣けてしまう。
「仕方ない」で終わらせることは絶対にできないけど、何をしても誰を殺しても消えてしまったものは帰ってこない。

二人の咀嚼音と目付きの強さに覚悟と生命力を感じた。
花より団子、貪り食べて生きてこ。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
KinA

3.0そういうの、想像力の射程が短いって言うんですよ

2019年9月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

街路樹の下敷きになって幼児がなくなった事件。
明らかな「犯人」が存在しないもどかしさ、多くの人間の些細な怠慢・ルール無視が、落ち葉が重なるように積もっていき、必然のように「事故」が起こる。切り口は興味深かったけど、あれで市役所や業者にそこまで責任を問えるのか?そこまで謝らなくちゃいけないのか?って気分が強かった。みんな身勝手。それも自分で認識を持っていないのが質が悪い。正義を振りかざすサトシにしても、真っ当な善人でもない。みんな、大なり小なり心に悪を潜めている。それこそが、現代社会だものな。もちろん自分を含めて。
これから先、どこに起きても不思議ではない話。

ひとつ見方を変えて思うことがある。
例えば昭和の前半くらいまでは子供が亡くなることは多かったよな、と思うのだ。遊んでいて水路で溺死したとか、流行り病でぽっくり逝ってしまったとか、、。だから言葉は悪いが「保険」としてどこの家庭も子だくさんだった。地域も、子だくさんでも育てられる環境だった。自分の死んだ爺さんだって8人兄弟で、まともに成人できなかったのが3人いた。そういう時代もあった。子供は1人もしくは2人っていうのは普通な今、こういう事故が与える影響の大きさを「想像」すると、些細なことでさえも気配りを怠ってはいけないのだとしみじみ思う。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
栗太郎

1.5さんどいっち

2019年9月23日
Androidアプリから投稿

単純

難しい

寝られる

TV版未鑑賞。

強風の日に街路樹が倒れ、通りかかった母子のベビーカーが巻き込まれ子供が死んでしまったという事故から、真相と家族と世情をみせて行く話。

事故を取材することになった記者が現場に行ってみると、倒れた樹木には根腐れらしき状況がみられ、聞き込みを始めると被害者は…!

誰が悪いではないと言いつつも、誰もが悪い。
そうそうある話しではなくムリがある様にも感じるけれど、一つ一つの出来事は結構あり得る身勝手、且つ、無責任な出来事で胸クソ悪いしモヤモヤが募る。

ただ…ここまでで始まって約30分。
ここからそれを改めて説明したり言い訳して行くばかりで、隠された真相があるワケでも追い打ちがあるワケでもなくて怠い。
提起した問題は良いのだけどね。

残り約10分、この展開でのラストとしてはなかなか良かったけど、反省も成長もなく、中途半端なモヤモヤが継続するというキレの悪さを感じて物足りなかった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
Bacchus