フェアウェルのレビュー・感想・評価
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自画自賛
結局のところ…中国国万歳な映画なのかと思う。
お国柄というか、異文化には異文化故の常識があり、それは他文化からは疑問視されるのは当然でもあるのだが…なかなかに中国って国は理解に苦しむ。
大筋は「癌の告知の是非」みたいな事ではあるのだが…コレを主軸に展開される脚本が巧妙というか複雑というか。主人公はアメリカに移住した中国人なのだ。
彼女は他国の常識を有する存在で、それにより中国の常識に疑問を問いかける存在でもある。
どちらかと言うと僕らは彼女の視点に近い。なもので全編に渡り中国の常識を異質な存在として捉えてしまう。家族の在り方とか、体裁の繕い方とか、魂の捉え方とか、死後の世界とか。
「プロの泣き屋」とかバカげた職業まで存在し、その理由が泣いてる人が多い方が故人の人望が高いからなのだとか。見栄以外の何物でもないよな…。
先祖の霊を供養するのは理解できるのだけど、あんなに願い事をするのは厚かましいのではなかろうか?
どおやら大陸では死後の世界への明確なビジョンがあって、存在自体への疑念があまりないようだ。
劇中では東洋文化なんてくくってはいるが、いやいや待ってくれ。あんたんとこだけだよと注釈を入れたい。
一路一帯政策とか絡めた表現とは思いたくはないが、それぐらいやってのけそうな図々しさが全編に渡り溢れでてたりするから困りもんだ。
そもそも嘘だった結婚式を実際挙げちゃうのはいかがなもんなんだろか?
そんな事が許される国民性なのかしら。
確かに家族の絆は強い。
そう描かれてもいる。
ただ、かなり排他的にも見える。
その家族達も、冷徹に没後の話をしてもいる。結婚式の真っ最中に。とんだ茶番劇もいいとこなのだけど、アレはなんなんだろ?結局のトコ夫婦になったのだろうか?
物語の最後は、アメリカに戻る彼女達で終わる。
余命幾ばくもない母を残し、自分達の生活に戻っていく罪悪感というかやるせなさというか…。
アメリカでは違法とされる癌患者への非告知。
それが横行する中国への否定的な目線で終わる。
のだが…
その癌のステージ4である母は6年経った今でもご存命なのだ。本人の元気な映像が映し出される。
ここに来て、全肯定の様相を見せる大どんでん返し…ポカーン…開いた口が塞がらない。
なんつうマウントの仕方をしやがるんだ。
「病は気から」って言葉には、そこはかとなく説得力を感じもするが…物凄い勢いで足元を掬われた感じだ。
中国側からすれば、してやったりな感じなんだろうか?結局持論が肯定されたような終幕。
最後の最後まで自己主張の激しい作品だった。
お父さん。それは結婚式のスピーチちゃいますよ。
ロバート・レッドフォードが設立したSundance Instituteの支援で製作されたアメリカ映画。もともと、インディーズ映画の支援が目的のSundance Instituteらしく、配給はA-24。オークワフィナは2020年のゴールデン・グローブ、ミュージカル・コメディ部門の主演女優賞を受賞。すげーなぁ。遡ると、オリヴィア・コールマン、シアーシャ・ローナン、エマ・ストーンが獲った賞ですもんね。
ユーモラスに描かれる、近代化の渦の中に生きる中国人一家の物語。的なヤツ。
役者さんも、描写も、脚本も、撮影も好き。良い映画だなぁ、とは思うけど、今一つ気分が盛り上がらず刺さりも浅く。何でだろ、って考えてたら。最後の「はっ!」で思った。「B級邦画で見慣れてるわ、このオチもタッチも」
以上です。
チャーミングなナイナイ
内容はなんか、普通で。
つまらなかった。
2月くらいにムビチケ買って、やっと鑑賞。
コロナの影響すごいです。
映画を観ていて、映画のなかはマスクをしてなくて、これからの世界、映画の通行人皆がマスクするようになるのかな、とか考えてしまった。
ビリーの甘ちゃんさに比較して、お母さんの一言一言に重さを感じた。お母さん、本当に苦労したんだね。
中国の昔の風習がこれからの未来、あの高層マンションとともにどう変わっていくのか、大変だなぁ、となぜか感じた。
ラストは…ハイハイ、そうきますか。
と笑えました。
国際結婚にフォーカスすると喜劇
中国人の強さとか、考え方とか、これってリアルな中国文化なんだろうな〜と感じました。
高度成長の真っ只中にいた中国の高揚とか、街の変化とか、世代間ギャップとかがよく描かれているように思います。
それにしても……顔のアップとか、物の描写とか、意図的な演出は、昔の日本映画みたいな。
海外移住とか、国際結婚とか盛り沢山な話題ですが、日本人の描かれ方がなんとも雑というか。
そういうふうに見えてるのか、と(笑)
新郎新婦に焦点を当てると、喜劇にすら見える。
最後の嬉しいサプライズ。
ナイナイの持っているパワーが凄い!と見るのか、大丈夫か?中国の医療は、と見るのか。
あるいは、知らないことが幸せなのかも。
告知問題
自分は医者32年目だが、新人のころは、患者への告知はありえなかった。逆に現在は告知しないのはありえない。
現代の中国で告知が無いのはビックリした。
さらに、今の日本では年齢が高いステージ4の癌患者であっても、太極拳(?)が出来る位のナイナイには、抗癌剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤、様々な治療の選択肢があるはず。
でも、内容には大満足。劇中に出てくる" Killing me soft with his song"が良かった。
ビリー役の女優さんが、実は中国語が喋られないと知ってビックリ。
いやぁ,かなりに期待を裏切られたなぁ〜(・・?)
そう,この作品本来なら、ジーン❗️と来る筈なんだろうなぁ〜⁈なんて他人事のように云ってしまっちゃうが…
中国の仕来たりなのかなんなのかは知らんが、結婚する事を口実に?寿命を宣告された事を本人に言わないのは構わない…。がしかし,(かなり鑑賞してから時間が経っちゃい,定かじゃないかもしれない)最期のオチが6年だか7年生き延びた。という処で,ズッコケた⁉️
A24!!!
またしても…本当に裏切らないA24。
最後、一気に心がグッと惹きつけられました。
わたしがもし余命宣告されても知らせないでほしいと思っているので
この家族にしみじみ共感しながら観ていたのですが…
うんうん。この優しい嘘が一番の薬なのかもしれませんね。
個人のすれ違いから世界の軋轢へ
中国に母を残し、アメリカと日本で各々暮らす兄弟家族。母が癌で余命僅かと知り、兄の息子の結婚式にかこつけて、母には事実を秘密にしたまま、中国での親族一同大集合を目論む。が、弟の娘のビリーは、アメリカ的価値観のもと、告知をせず祖母に嘘を吐く事に納得できない。各自の考え方の違い、愛情と罪悪感に、中米日の文化差違も相まって、親族達はぎこちなく擦れあう。
告知、結婚、死生観などを通して、異文化での意識の差やすれ違いを描いた作品だが、ひいては、もっと根源的な、個人による考え方や感情の差違についての話でもあるように思う。
祖母のナイナイは、日本人嫁の控えめな様子に、まるで感情がないみたいと嫌悪感を表し、ビリーの母は、祖母への愚痴をビリーに咎められ、中国は葬式にプロの泣き屋を雇う国、大袈裟に泣いて見せなければ情が無いと言われる、と悪態を吐く。別れの日、何度も抱擁を交わし別れがたく、車の中でも遠ざかる背後の祖母からいつまでも目を逸らせないビリーは、ふと見上げた振り返りもしない隣席の母の目に、涙が滲んでいるのに気づく。
そんな風に、表現の仕方も、善しとする物事も違っても、奥底に流れる情には通じるものがある。けれど、表面に現れないそれを見誤って、誤解している事が多くあるのかも知れないなぁ、と、考えさせられるのである。
このご時世、時にユーモアも交えつつ、中国という国について、俯瞰と共感の両目線で表現している事に、大きな意義を感じる。中国系アメリカ人である監督ご自身の経験が反映されているのだろうが、折角なら日本の視点ももう少し盛り込んで、三国三つ巴色を強めにしたら、もっと深みを増したのでは、と思うのは、日本人故の贔屓目だろうか。
主人公のビリーは、大好きな祖母の死だけでなく、仕事が決まらない社会的立場、中国とアメリカ両国で揺れ動く人種的立場など、いくつもの不安を抱えている。移民の不安定さや差別の問題を示唆しているのかも知れないが、主題がぼやけ、キレが失われてしまっているように思われる。人々のすれ違いと根底にある愛情にのみ、グッと焦点を絞っても良かったのでは。
最後のオチも、個人的には不要。
ともあれ、一定以上の年になってくると、身近に感じざるを得ない【お別れの予感】。それに向き合う時、自身だけでなく、当事者本人や周囲の人々に思いを馳せる必要に駆られる。正解はなく、おそらく後に振り返って、感傷と後悔の軌跡が残るばかりだ。
誰もが共感できる身近な出来事を、世界の問題に大きく投影してみせた、ほんのり心温まる作品。
まあまあだった
おばあちゃんが死ぬと思うと切ないのは共感するのだけど、話が一本調子でひねりがなくてけっこう退屈。このところ一般人の自伝的な話が多くて飽きてきた。就職に悩む主人公が30歳と聞いた時はびっくりした。
とてつもない距離を埋める家族愛があった
中国🇨🇳で生まれアメリカ🇺🇸で育ったというルル・ワン監督が自身の体験に基いて撮った作品とのこと。
祖国を離れてアメリカ🇺🇸で暮らす主人公のビリーは祖母の余命が短いと知りに両親と中国🇨🇳へ。父の兄一家も中国を離れ日本🇯🇵で暮していた。
親戚が一同に会しおばあちゃんと過ごす愛おしい時間をじっくりと描いた。そして知る今作のタイトルの意味。
この距離、そして別れは現代社会が抱える悲劇の一つなのだろうか。
ビリーを演じたオークワフィナが強烈な印象を残した。
タイトルなし
予告で受けた印象とは、だいぶ雰囲気が異なる作品だった
もっと重い感じを交えながら、コミカルに進む作品かと思ったけれど、そうでもなく
比較的、軽い感じで進んだように感じた
(実話ベースということで、最後のワンシーンに思わずよい意味で笑ってしまった)
この作品は、もう会えない家族や、今離れて暮らす家族を持つ人なら、
胸に響いてくるものがきっとあると思う
そして、最後かもしれないと思いながら、会う気持ちも
本当は、いつだって、誰とだって、次は約束されてなどいないけれど、
ずっとそんな風に思い続けてなど生きていけない
それが、余命宣告と離れた距離によって、目の前に突きつけられ続ける
家族それぞれが、それと向き合う時間
別れのつらさが、ラスト近くの祖母の様子で突き刺さってきた
私もかつて、祖父母宅から帰るとき、似たような風景があった
今、思い出してみると、あの頃は当たり前の、でも子供ながらに、これが永遠ではないことを知っていたから、どこかに切なさや苦しさが紛れ込んでいた、あの瞬間
それを思い出して、胸が詰まった
それにしても、ビリーが祖父のことを語った後の夜のシーン、あれは…
大国になりつつある中国の自信と揺らぎ
大切な家族と永別することの寂しさ、思いやり、優しさ。大切に思うからガンの告知をせず、孫の結婚式を装って一族が集まる。わかりやすい物語。
別の視点で書く。
お祖母さんの言動は自信に満ちている。その姿は大国になりつつある中国を思わせる。
一方で、ホテルの従業員は主人公のビリーがアメリカから来たと知ると、中国とアメリカ、どちらがいいかを聞く。自信があればそういう問いはしない。アメリカ人は自国を中国と比較しないだろう。豊かになった中国の自信と、自信の揺らぎのようなものを感じた。
結婚披露宴の会場はあか抜けず、昭和の日本の結婚式場のようだ。まだまだあか抜けないながら、しかし着実に豊かになっている中国の生活感も見えた。
ガン告知すべきか?ではなく、祖母ナイナイを堪能する映画
祖母が末期ガンのため、孫の結婚式を口実に中国に親族が集まる。アメリカから久々に中国に戻ってきたビリーは、祖母にガンの告知をしないことに不満を覚える…。
ガン告知についての考え方は文化の問題ということがよくわかる。家族感や死生観の問題だ。告知した方がいいというビリーと、知らせない方がいいという親族。どちらも祖母のことを思ってのこと。ただ、本人に知らせないためにそこまでするか!ってところが少し笑えた。
でもやっぱりこの映画で印象に残るのは、祖母を通した中国の文化だ。太極拳らしき踊りや結婚式場での揉め事、日本人嫁のアイコに対するホンネ、墓参り、結婚までの交際期間のくだり。結構強烈だった。
個人的には亡くなった母を連想させるシーンがいくつかあって苦笑い。文句や小言を言いながらも、周りに人が集まって来てたよななんて思い出に浸ることができた。
そして衝撃のラスト!そうなんかい!
ハマる人とハマらない人がハッキリわかれそうなこの映画。中途半端な評価になってしまった。隣で観ていた女性が思いっきりすすり泣いてて、あー人によってはここまで泣けるんだ、なんてことを考えてしまった。
え? 終わり?
予告ではもっと
中国とアメリカの文化の違いや
人の生死観について
アレコレ考えたりする物語かと思いきや
そんなにぶつかりもせず
ただただ
静かに
なんか
終わってしまった……。
で?
となった
(ラストは良かったと思ったものの)
竹田の子守唄が聞けるとは(笑)
いまの中国の典型、家族の在り方が分かる作品。
ドキュメンタリー映画を見ているよう。
年老いて一人暮らしを続ける母。
舞台となっている長春は、中国東北部の
中堅都市(日本なら大都市)。
二人の息子は、日本とアメリカで立派に生きてる。
母ががんと診断されたことを機に、
日本に住む長男の息子の結婚(相手は日本人)を
長春で執り行うことに急遽決定し、
家族全員が25年ぶりに実家(長春)に集合する。
そこでの悲喜劇を
アメリカに住む次男の娘の視点から、
いまの中国を描き出す。
ステージ4の肺ガンと診断された母をめぐって、
・本人に告知すべきか否か
で、家族全体が揺れ動く。
何も知らない母は、ひたすら精力的で
結婚式を仕切ることに余念がない。
・太極拳?で、奇声を上げる
・披露宴のメイン料理を勝手に変更するなとクレーム
・亡き夫の墓前で家族に対する願いを延々と続ける
・孫の結婚相手である日本人をディスる
どれも、可愛らしく微笑ましくさえ感じる。
キャスティングの勝利だろう。
本人へのガン告知を否定する中国古来の考え方
(日本もつい最近まで同じだったと思う)と、
個人を尊重する思想が染み付いたアメリカ育ちの
2世代目(孫世代)の葛藤、
見た目は中国人でも、しゃべりは明らかに外人な
孫世代は見るもの、聞くものすべてに戸惑う。
・新築ホテルのエレベータが故障
・好奇心まるだしのホテルマン
・葬式に登場する「哭き女」
個人的には、本レビューのタイトルにした
「竹田の子守唄」を新郎新婦がデュエットする
シーンが面白すぎた。
原曲がどんなものか、誰もわからないほどの
音痴っぷりが、有り得なさすぎてかえって
笑えた。
中国人、中国に関心ある方には是非おすすめします。
そうでない方には、辛いかも。
世界中の人たちに見て欲しかったんだね!
日本映画がチャレンジできてない、強い信念、を感じる映画です。あー!日本映画人は情けない!と今更ながら思います。
この映画で見るべきは、世界中の人たちに、中華の文化、思想、アイデンティティを、感じて欲しいと思って、作られているという点です。
若手がつくる多くの日本映画は、日本人の中のコアな観客にむけて、自己中なメッセージを、J-POPのように、つくってますね。
韓国や中国は、世界とコミュニケートしようとしてる。
この映画が評価されるのは、そこです!
映画は、エンターテイメント、アート、メディアですから・・・。
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