異端の鳥のレビュー・感想・評価
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人間の残虐な本質を崇高なクオリティで描いた凄い作品
凄まじい作品を観ました。おそらく、その凄まじい歴史が刻まれた国(チェコ、スロバキア、ウクライナ)でない、日本では絶対に作れない映画でしょう。
2時間50分の尺に収められた、何年もの長い長い地獄の旅路を観客は共に歩むことになります。
時代性、現実味を排除した美しい風景の映像美。それを素晴らしいクオリティで見せてくれます。一方で、匿名性と普遍性を持った「よくわからない時代や国、土地」で生きている普通の人々が起こすいじめ、叱責、闘争、リンチなどの異質排除の行動。
主人公の少年は、何度も逃げ延びて、また何度もそういう酷い目に遭います。
目を覆うような経験を何度もする中で、無垢な子供の心は、人間の持つ本質によって汚され、確実に変質を遂げていきます。
自分と共に居た、可愛がっていた動物をその手で埋めていた少年は、映画の最後付近では、自分に危害を加えた大人を「銃殺」という形で復讐します。
人間は、本来は共食いや弱肉強食の摂理に抗うことのない存在であること、それが異質排除という行動に現れることを、過激に、冷徹に、映画を見る私たちに突きつけて来ます。
ある象徴的なワンシーンとともに。
繰り返しますが、とにかく「凄まじい」映画です。原作は映画よりもっともっと過激だという記事を読んで身体が震えました。
(原作は母国ポーランドで発禁になり、原作者のイェジー・コシンスキは自殺しているようです)
しかしながら、私たち人間の本質にはこのような異質排除に伴う残虐性が存在するのだという、深い問いに気付くこともできるのです。
この先も、何かあるたびにこの映画を思い出すのではないか、そんな「脳にこびりつく」映画であることだけは言えると思います。
勇気を持って、映画に包含された「真実」や「本質」を見て、考えていただきたいです。
一生忘れられない映画の一本になると思います。
自分の子が、と思うとかなり辛い
終盤の中頃、罰のなかで生を感じ微笑むところにかなりのあやうさを感じたが、終盤の終盤、父親のスープを拒絶すること=自分の感情を親へぶつけることができたことに安堵。全般的に良かったが少々長すぎ、お尻が痛くなったので☆は4つ。しかしいくら演技とは言え、人間の醜い部分をとことん味わった彼はこの先どんな人生を送るのだろうか。ちょっと心配。
コミュ障少年の壮絶ロードムービー
ひたすら、淡々と進む典型的な文学系作品
。禁書となった小説の映画化で、上映時、退場者が出たなどの謳い文句に惹かれて鑑賞。
感想・・思っていた程では?
後、ユダヤ人であるが為、差別を受けるのですが、そちらは大した描写ではなく、むしろ、行く先々の頼る大人の変態性への犠牲の方にクローズ・アップされている感が強いです。
が、それもこれまで色々な作品で散々描かれてきているモノで、特段「この作品だから」と言える描写ではなかったです。
人間のどす黒い欲望や獣性は、弱者である女性や子供に向きやすい訳で、まあ、あの歳ならトラウマ級の出来事ばかり、そりゃひねくれるよ。
最後、いきなり父親と再会し、帰宅の途に着くところで終わるですが、心の中はどうあれ、父親にあの程度の反抗しか見せなかったのは、擦れたのか?逞しくなったのか?
途中、軍人とのエピソードで、少年がバッジで、何処の国の軍人か確認するシーンが有りましたが、(2か所?)国境が陸続きの欧州ならではでしょう。
モノクロで美しい情景の中で行われる少年の凄惨な体験の数々。また、凄惨な状況を淡々と見続ける少年。
只、喋れるのに物凄く会話が少ない上、(大人に叱られる子供が黙る感じか?)終始、仏頂面の少年が何考えてるのか?心情の変化は、一人目の殺人辺りから何となく狡猾さが、見え始め(そうしないと自分が死ぬから、ある意味逞しさ。)、最後は遣られたら遣り返す倍返しだ!!(笑)
そして、父親に連れられ日常に戻る。
さぞ、ひねくれた大人になるのでしょう。(苦笑)
只、父親の焼き印?を見た少年は、どう思うのか?
子供とは言え、ユダヤ人が殺人してお咎め無しなの?
蛇足で、完全に個人の主観なのですが、この映画を観て途中退場した観客というのは、余程、恵まれた環境でしか生きて来なかったのか、人は綺麗なモノだと思い込んでるピュアな方々なのでしょう。(皮肉ですよ)
2020年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️✨
これを観ずに死ねるかっ!…正にそんな一本。
今年最も必見な作品でしょうね!
ホロコーストの恐怖あるいは他者排斥を扱った作品…でも、ユダヤ人の大量虐殺もガス室も出て来ません…出て来るのは、ヨーロッパのどこぞの国の、閉鎖的な寒村と人々、そしてシャーマンとか兵士とか…エトセトラ(笑)
少年が話す言葉は、チェコ語?ポーランド語?
作品は、一人の少年が非道で理不尽な大戦下の世の中で、失われていく自分のアイデンティティを取り戻す…そんなお話(と言っても、まだ自我の確立もままならない年端もない少年が、人格すら否定される世界で、人間性を失って行きます)。
少年は、幾つもの季節を乗り越えて、長い長い、本当ぉ〜に!!気の遠くなる様な、なが〜い!!旅路を続けます…そこは正に地獄なんですけどね…。
少年にとって、地獄とは、正に自分自身が内に秘めていた(あるいは期待していた)"善"なるものへの裏切りの連続、もしくはそんな世界なんでしょうか…。山羊に嫉妬する場面は、本当に異様でした。
ラストの、バスの中のシーンは秀逸でした。
ジワッと来る、泣ける場面でした…長い旅路の末、少年は正に"自分"を取り戻すのです…
…あかん、
ラストシーンをまた思い浮かべると、また泣きそうになる(笑)
名作!!!
(追記)
観賞後、数日経って思うことは、この作品のテーマというか、より比重があるのは、ナチによるユダヤ人迫害とか異分子排斥というよりも、もっとストレートに"児童虐待"の告発にあるのかなと思って来た(ナチを告発するのに、ナチの中にも良い奴はいた…的な描写は必要ないと思うし…)。
つまり、あの寂寥とした風景やモノクロ映像は、虐待された者の心象風景だと思うのです。
一度は少年を捨てた、あるいは捨てざるを得なかった父に対する不信感、そして怒りは、父の身体に刻まれていた"番号"を少年が発見した時、全てが寛解します。
最後に少年の深く傷ついた心が救われたと感じるから、観ている私たちはとても感動したのだと思います。
うまく中和
何とか少年を救い出したい気持ちばかりで、落ち着かなかったです。一方、いずれのショットも、なぜか美しく感じ、美術館の絵画を順番にみるようでした。でもって総和すると、陰惨さや悲惨さをあまり感じなかったです。当時は実際にあった迫害や性的虐待と思われますが、主人公のような少年はその後、どんな人生を歩んだのか知りたいです。
さまよえるポーランド人
原作は高校3年の時に読んで衝撃を受けた。さすがに詳細は忘れてしまったが、映像化されたと知って、久々に再会することに。イエールジ・コジンスキーの作品はほかにハル・アシュビー監督で映画化された「預言者」を読んでいる(映画名「チャンス」)。
著者自身の体験に基づくとされる物語は、一言で言えば戦時下の少年の地獄めぐりである。戦争という災禍もさることながら、文化の果ての土俗と因襲の世界がひたすらおぞましい。虐げられ続けた少年はやがて達観したまなざしを身につけ、反攻に出る。
モノクロの端正な映像は、さながら動くダイアン・アーバスの写真集のようだ。
溶暗に続いて各章の登場人物名が浮かび上がるリズムが良い。そして最終章の名前のひとつについて、さりげなく由来が明かされる時、安堵の深いため息が出る。
人の異質物を排除するエゴと欲と業を歴々と見せつけてくる作品です。
以前から気になっていた作品で公開前から期待していて、公開2日目に観賞しました。
都内では有楽町の「TOHOシネマズ シャンテ」と立川のみの上映で、加えて上映時間が長いので観賞タイミングがなかなか合わせ難いのですが、チケットを予約しようと思った時にはかなりの席が埋まっていて、結果的には満席。
TOHOシネマズも作品によっては全席開放になってますが、こちらも全席開放で満席は凄い。場内の席が人で埋まりまくったのを見るのは久々で、まだまだコロナの影響が懸念される中で、ちょっと怖い感じがしなくも無いですが、決して大作系ではない作品が満席になっているのはちょっと嬉しかったりしますね♪
で、感想はと言うと、いや〜キツイ。キツイっすわ〜。
169分がそんなに長くは感じなく、見応えは十分にあるのですが、内容は中盤ぐらいまではかなりキツイです。
様々な描写がエグい。ここまで描かなくてはいけないのか?と思うぐらいにショッキングなシーンがてんこ盛り。
でも、なんか目が離せないと言うか、怖い物見たさの様な人を引き付ける魅力がある作品。
この世界観が癖になると言うか、ダークな世界観が好きな人で「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「ミスト」とかが好きな人には好きかとw
ポスタービジュアルにある首から上を残して埋められて、カラスと共に写っているのなんて「昔のフグの毒抜きか?」と最初は茶化した感じの気持ちだったんですが、いざ観賞すると、その場面になる事の理不尽な暴力に口アングリ。
前半は直接的な暴力による迫害。中盤からは性的迫害。後半は少年の自立心と言うか自我の覚醒的な目覚めな感じになってきますが、大人でも目を背けたくなる描写の連続にこれはR 15でもどうなんでしょうか?
自分が10代の頃に観賞してたらトラウマになりますわw
主人公の少年が疎開先の叔母が病死した事で旅に出るお話ですが、行く先々での迫害がキツく生々しい。人のエゴと欲と業を歴々と突きつけてくる。
エグいシーンの連続に少年の中での何かが剥がれ落ちるかの様な行動もある意味怖い。
これを成長と言うのか、人しての良心が欠け落ちたのかはそれぞれの解釈が有るかと思いますが、自分の中では成長したとは言い難い感じ。
主人公の少年役の男の子が上手い。寡黙に淡々と自身に降りかかる災難を受け入れつつも心のナイフを徐々に研ぎ澄ませていく。
でも、暴力描写よりも性的描写を監督が未成年の男の子にどう説明して撮影に挑んだかは気になります。
またモノクロの描写は何処か芸術的ではありますが、畏敬の念を感じさせる様な感じで、それでいてセリフも少なく音楽も少ないのが却ってモノクロの美しさを際立たせる感じ。
モノクロの映像の奥に広がる世界観に想像を掻き立てられるんですよね。
この作品で使われている言語は舞台となる国や場所を特定されないよう「インタースラーヴィク」という人工言語が使われていると言うのが興味深い。
様々な意図があっての人工言語が使われているんですが、この辺りがなんか厨二病的で、こう言う味付けは興味をそそるんですよねw
各章でそれぞれの地での出来事が語られますが、最初から全開で飛ばしてくるw
疎開地で虐められる少年のペットのフェレットがいきなり焼き殺されるシーンはこちらの理解の準備が出来てない状態からいきなりカマしてくる。
もう頭をいきなりぶん殴られた様なショックで理解が追いつかない。
そこに叔母が放った一言が「一人で歩いている方が悪い」。それだけで東欧でのユダヤ人の現状を表してます。
叔母が病死し、家が全焼した事で生きる為の流浪の旅に出る少年が出会う先での人々も一味も二味も変わった人物ばかり。
もういろんな意味で磁場が狂っている様な様は何が常識で何が非常識かが判断し難い様な感覚に陥ります。
少年を悪魔の使いとする村人と悪魔払いの老婆。
自分の女房と使用人に敵意と疑心暗鬼の目を向ける老主。
鳥売りの男と淫女。
司教から少年を引き取るがその実は少年を慰みモノとする男。
少年に留まる事を許すが、少年を性の対象とする淫女。
一時的に少年を保護し、一人の男として扱う軍人。
少年を万引き犯と決めつける中年男性。
助けられた軍人の辺りから少年の心境が変わってきますが、明らかにターニングポイントとなるのは少年を慰めモノにする男と女の章。
性に纏わるエピソードが少年の心境にきっかけを与え、トラウマたる傷跡を残す辺りが生々しい。
この映画は暴力を様々に見せつけながら、精神的な揺さぶりをかけてくるから、タチが悪いw
でも、いろんな人が全て正常ではなく、様々な情勢の中でエゴを剥き出す様は人間らしいと言えば人間らしく、気になって目が離せないんですよね。
それを映像美で成り立たせてくるから、観た後も余韻に浸れるんですよね。
ラストは…どうなんだろうか。ハッピーエンドと言えばハッピーエンドなんだけど、ラストに至るまでの怒涛の構成に比べると個人的には割と無難な着地点に感じます。
かと言って、バッドエンドを望んでいる訳ではないんだけど、ちょっと無難かな。
「発禁の書」「途中退場者が続出」と刺激的な煽り文句が並べられていますが、そう言った言葉に負けないだけのパワーはある作品かと思いますが、ただ、結構エグいので覚悟は必要かなw
でも興味と刺激を掻き立てられる作品で、モノクロの映像の美しさに目が奪われる、結構お勧めなダークパワーな作品ですw
優れた問題作
ナチスの迫害からの疎開先の祖母の家に一人送り出された少年が、祖母の死後、あちこちを彷徨い、生きるために色んなことをし、様々な人に会い、戦下という誰もの苦境の中、人間の本性を見せられながら、生き延びようとする物語。情のある人も中にはいるが、いたとしても幸運は続かずに、転々と場所を移るしかなく、それが1つずつ描かれる。戦時下だし田舎だし、教育は受けていないと思われるが、持って生まれたものなのか、少年はろくな人間に出会わないにも拘わらず、善悪を見極めつつ、その場その場で判断し、自分を見失わない。しかしそれも終盤で人を殺めてしまい、顔つきも変化していく。終戦後、とうとう父親と再会するが、普通の服を着て純粋に再会を喜ぶ父親に、これまで自分が経験したことを思うと許すことが出来ず、これまで出会ったどのクズ人間よりも冷たく激しく父親に当たる。しかし父親の腕にホロコーストの番号が刻まれているのを見て、真実を知るのだった。
製作に11年かけ、舞台がどの国か特定しないようスラヴィック・エスペラント語という人工言語を用いて撮影したらしい。
地獄めぐりの末に少年が見つけるもの
どこか東欧の村。その村はずれに年老いたおばと暮らす少年(ペトル・コトラール)。
村の少年たちに取り囲まれ、抱きかかえていた鶏は生きたまま焼かれ、少年も袋叩きにされる。
そしてしばらく後、おばは急死し、その死体に驚いた少年は持っていたランプを落としてしまい、粗末な家は炎を上げて燃え盛る。
住む場所を失った少年は、暮らせる場所を探して彷徨する・・・
といったところから始まる物語で、予備知識なしでの鑑賞だったので、当初、場所がどこで、時代がいつで、少年がどういう立場なのかがわかりません。
映画は章仕立てで進められ、少年が出あう人の名前を章題としていますが、映画の中でそれらひとびとの名前が呼ばれることもありません。
しかし、観進めていくと、
時代は第二次世界大戦中(末期に近いことは終盤になってわかります)、
場所はドイツとソ連に挟まれたポーランドやウクライナのあたり(撮影はウクライナ。エンドクレジットでわかります)、
少年はユダヤ人、ナチスドイツのホロコーストを逃れんとして、おばのもとに疎開していた
ことがわかってきます。
とにかく、かの地でのユダヤ人への迫害はすさまじく、少年が行く先々ほとんで酷い目にあいます。
時折、少年にやさしく接するひとも登場しますが、その人々はほとんど死んでしまいます。
少年も彷徨の中で生き抜く術を身に着け、彼を酷い目にあわす輩には報復するようにもなります。
地獄巡り・・・そういう言葉がふさわしい少年の彷徨です。
しかし、その地獄は人間の生そのもの。
生と性と死。
人間の原罪、なのかもしれません。
最後の最後、父親で巡り合った少年が自分の名前を思い出すところで映画は終わりますが、名前こそが人間ひとりひとりを表象するもので、ひとりひとりの生きる価値のシンボルなのでしょう。
その意味で、映画の中の登場人物たちは名前を呼ばれないのかもしれませんし、名前と対比する意味で、ホロコーストを逃れた父親の腕に入れ墨された番号が映し出されるのかもしれません。
なお、原題の「THE PAINTED BIRD」は「すり餌」を塗りつけられた鳥のこと。
仲間の群れに放たれたその鳥は、仲間から啄(ついば)まれて死んでしまいます。
(このシーンは映画の早い段階で登場し、少年を暗示しています)
最後に、同じように少年が戦火を彷徨する映画としては、エレム・クリモフ監督『炎628』(1985年)、アンドレイ・タルコフスキー監督『僕の村は戦場だった』(1962)がありますが、両作品の方がトラウマ度が高いです。
理由として考えられるのは、ウド・キア、ステラン・スカルスガルド、ハーヴェイ・カイテル、ジュリアン・サンズ、バリー・ペッパーといったプロの俳優(それも名優)を起用しているせいかもしれません。
とはいえ、この手の映画を初めて見るひとには衝撃度高しですが。
いろんな見方、捉え方がありそう
約3時間最初から最後まで人間の身勝手さ醜さが存分に描かれている。主人公の少年の年齢などを考えると作品に没入すればするほど気分が悪くなる。
この作品は台詞も少なく細かい描写説明もない為受け取り方次第でいろんな見方、捉え方をできそうな作品ではある。
人間の身勝手さや醜さを純粋な心を持つ少年視点で見ることで更にそれらの醜態への重みを増すようにも感じるが、あまり僕自身の中ではこの作品を見ることで頭や心の中で何か展開していきたくなる、また考えされるような興味を惹きつけらる事はなかったというのが率直な感想である。
こういう作品をみると文化や知識の発展は人々の生活だけではなく、人の心も豊かにさせてくれるんだなという
のは実感させられる。
予告では残酷すぎて途中退場者がいると謳っていたがそこまでではないような気はする。そこが気になって控えようとしてる人がいれば、気にせず見にいくことを勧めたい。
その眼差しの先にみえるもの
第二次大戦下欧州のどこかの田舎の村で、疎開して叔母と暮らしていた少年が、叔母の死により村を離れることになり、何処とも知れぬ自宅を目指し渡り歩いて行く話。
前評判でかなり酷く疎外されたり残酷だったりと聞いていたけれど、そうですか?
確かに何事もなく幸せ、ではもちろん無いし、中盤ぐらいに主人公が直接キツい仕打ちを受ける描写もあったけれど、どちらかというと拾われてお手伝いして寝食提供されるという流れ。
土に首まで埋まったジャケットも虐待じゃないし。
キツい仕打ちを受けるところも、それまでの流れからみると、追い打ち掛けられる前に何でそこから離れなかった?
その時に決意していたってことかも知れないけれど…。
まあ、そこが転機だからねえ。
火事は誰も気付かなかった?
主人公は関係ないけど、列車の件は何故森を待たない?&ママ何でそこに留まってた?
孤児達はいつ見抜いた?
等は特に気になったところで、全体的に雰囲気作りに振りすぎて、淡々としていたり、わざとらしく感じて演出が鼻についたり。
個人的に、もっと生々しいのが好みなもので。
とはいえ、ストリーやエピソード自体は非情に自分の好み。
揉まれて擦られて、絶望から這い上がりつつ、良くも悪くも「大人」になり、色がついていく成長の物語が熱く悲しく恐ろしかった。
太陽の帝国の舞台を欧州にして、少し誇大化した感じ?
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