エマ、愛の罠のレビュー・感想・評価
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【見えてくるもの】
これは、僕達の生きる世界にひどく重なる。
自由とは何だろうか。
既存のものを破壊しなくては手に入れられないのか。
問題と向き合わず、責任は他人に転嫁する。
炎を放ち、消防士と付き合い、放水して遊んだからといって問題が解決されるわけではないだろう。
本物の子供とは何なのか。
自問自答をしてるふりはしても、既に回答はあるくせに。
所詮は無責任だけだ。
バレエの規律は気に食わない。
他人のダンスのガイダンスも気に入らない。
しかし、全く秩序のないダンスをするわけではない。
踊りとはなんだろうか。
本来、人間の喜怒哀楽の表現のはずが、いつのまにか、あちこちで窮屈になる。
自分のアイディアだけを尊重して欲しいのであれば、自己中心的なだけだ。
自分が良かれと思ってやったのだと言っても、自己満足が伴うことを前提にしてるのであれば、独りよがりも甚だしい。
これは僕達の生きる世界にひどく重なる。
多様性とは言っても、それは無秩序を意味しているのではない。
勝手にあれこれすることが多様性ではない。
自由も同じだ。
これが私よ!と、独りよがりになっても、実は誰も注目などしていないのだ。
それこそが現実で、気づいた時には、手遅れになっているのだ。
それが現実だ。
新しい家族の形(カビの生えた倫理観なんか燃やし尽くしてしまえ)
最初から理解できないことが多いので、feelすることにした。結果的にそれが良かったのかも。ダンスシーンはどれも見応えがある。最初は、ガストンが振り付けしたコンテポラリー風のダンスで赤と青の生命の珠みたいなやつをバックに踊る。後で考えると赤=炎、青=水なのかな。ガストンと別れてからは、街中をレゲトンダンスで踊りまくる。これがいい。
日本では、あの事件があったからガソリン&火炎放射器なんてとんでもないんだけど、エマが火炎放射器をぶっ放すところは、かっこよく感じてしまう。不倫している芸能人やスポーツ選手を犯罪者扱いする、カビの生えた倫理観なんか燃やし尽くしてしまえって感じだね。
エマ演じるマリアーナが男女問わずベッドシーンを見せてくれるが、引き締まってしなやかな体は、美しく見とれてしまう。
全然不道徳でない
冒頭、大きな球体をバックにした群舞でエマは際立っている。その球体は色を変えて生きているみたいで、子宮なのかなと思った。一人立つエマを沢山のダンサー(男も女も)がうずくまってすがるように囲む。女性のからだの中で起こっていることみたいだと思った。
エマがとにかくかっこいい。ダンスしているエマ、子どもにダンスを教えるエマ、女友達と居るエマ、母親や妹と居るエマ。
唐突に、山本リンダの狙い撃ち!という歌を思い出した。目的に向かって考え抜いて的確に実行される完璧な計画。関わった人全員、エマのことが大好きになってしまうから、結果的に罠にかかったとしても誰もエマを責めない。エマは獲物みんなを愛したから。エマに悪意はないしできることを全部した。過激だけど不道徳ではない。最後にカチッとピースが合わさってパズル完成。
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