国家が破産する日のレビュー・感想・評価
全53件中、1~20件目を表示
韓国版「マネー・ショート」は多視点でシビアに迫る
1997年の韓国通貨危機が起きる一週間前から映画は始まる。当時政府が非公開の対策チームを組織したという記事に着想を得たという。危機を回避すべく対策チームで奮闘する女性主人公、危機の兆候に気づいて大儲けを企む金融コンサル、大口受注を手形決済で受けてしまう町工場の経営者という3者の視点で、当時の状況と人々の姿を立体的、重層的に再現する。
大勢が気づかない危機の兆候を読み取り、先を見越して逆張りする金融マンのエピソードは、サブプライム住宅ローン危機を予期して大儲けした金融マンを描くアダム・マッケイ監督の快作「マネー・ショート 華麗なる大逆転」を想起させる。ただし「国家が破産する日」の方が全体的にシビアで、特に町工場社長の受難は重く暗く、彼に感情移入して気が滅入る。
日本でもバブル崩壊期に似たことが起きたし、今後また金融危機が起きないとも限らない。できる備えはないか、と考えさせられる。
政治の隠蔽と企業の絶望が交錯する韓国金融危機をリアルに描く
「国家が破綻する日」は、1997年の韓国金融危機を背景に、政治の隠蔽と中小企業の絶望をリアルに描いた重要な映画です。キム・ヘスが演じる通貨政策チーム長ハン・シヒョンは、危機回避に奔走しますが、女性であることによる理不尽な中傷や上司からの邪魔にも耐えながら真剣に対策を模索する姿勢が印象的です。
映画は中小企業の苦悩も描き出しており、食器工場経営者ガプス(ホ・ジュノ)が大手百貨店からの巨額受注に手を出し、絶望的な状況に立ち向かう姿勢が切実に伝わります。彼の決断が、金融危機の影響を身近に感じる一般市民の側面を浮き彫りにしています。
映画はまた、政治家たちの隠蔽体質を暴露し、危機の深刻さに直面しながらも実情を隠そうとする彼らの姿勢が強烈に描かれています。これが物語に緊迫感を与え、観客を引き込む一因となっています。
特に感動的だったのは、キム・ヘス演じるハン・シヒョンが、女性としての差別に屈せず、真のリーダーシップを発揮する姿勢です。彼女が困難に直面しても立ち向かい、真実を追い求める姿勢が観客に強い印象を残します。女性が主導する立場でありながらも、そのプロフェッショナリズムと信念は非常に感動的でした。
また、キム・ヘスのキャラクターが直面した性差別や理不尽な中傷は、映画を通じて社会の問題を浮き彫りにし、観客に考えさせる要素となっています。これは映画が社会的なメッセージを伝える一環として力強く機能しています。
映画の進行はスリリングで、予測不可能な展開が続きます。国家破綻が本当に起きたという事実が明らかになる瞬間は衝撃的で、その影響が各登場人物にどのように及ぶのかを見ることは、観客に深い感銘を与えます。特に、金融危機の影響をリアルに捉えた描写は、経済的な問題に真摯に向き合う重要性を考えさせられます。
緊迫感、感動、社会的メッセージが見事に融合した「国家が破綻する日」は、現実の出来事に基づいたストーリーとキャラクターの深みが魅力の一因となり、観客に深い印象を残す映画となっています。
マネーショートと同様のおもしろさがありました!
レビュー評価低いけれど、面白かった。 韓国の国家破産に至る過程と ...
レビュー評価低いけれど、面白かった。
韓国の国家破産に至る過程と
庶民、労働者がいかに貶められたか、
フィクションもあるのだろうけれど
経済破綻で最も苦しむのは庶民であり
メディアのニュースは間違いだらけで
経済動向を自分の目で考え判断する大切さも伝わる。
社会勉強にもなる良い映画だった。
1997年、韓国の通貨危機でIMFの支援を受けるまでのありようを、...
1997年、韓国の通貨危機でIMFの支援を受けるまでのありようを、政府、投資家、市民のそれぞれの視線で捉えた社会派の作品。
韓国映画は全般的に秀作が多く、本作もかなり見応えある作品。年末に向けてまだまだ楽しみな作品が目白です!
IMF危機。。。
言葉だけ知っていたけど、意味を初めて知った。
国家が破綻する時、それに気づいた人たちは修復に走るが。。。
危機をチャンスに変える。
言葉は綺麗だけど、国の重要な決定が一部の人に秘匿され勝手に進められていく。
国を変えるチャンスと、勝手に判断され。
一般市民には何も知らされることなく、共有されるのは結果だけ。
国は国民のためにあるのではなく、一部の上流の人の為にある。
その結果、中流はなくなり、上と下に、つまり今の状態に。
怖いなぁと思う。
全てのしわ寄せは一般市民に。
今の日本を見ているようだ。
勝手に挑戦されても困る。
気づかない程、平和ならいいけど。
映画は映画と割り切れるなら。
回避できるならして欲しい。
ノンフィクションをフィクションにした本作。
現実は映画より奇異なりですね。
1997年韓国🇰🇷
恥ずかしながら勉強不足というか世間知らずというか、1997年の韓国でこういう事態が起こっていた事を知らなかった💦
政府の対策チームに選ばれた韓国銀行のチーム長ハンは国民の立場から国家が破産寸前だと公表すべきだとどんなに訴えても全く聞き入れてもらえない。女だから?という事が拍車をかけているとも思える。諦めずに必死に訴えて続けて暴露しようと記者会見を開いても握りつぶされてしまう。
結局、トップの都合のいい様に事を進め、皺寄せは一般の国民、中小企業や弱い立場の労働者に行くのか!
日本も同じだな。いつも辛い思いをするのは派遣や契約社員、パート、、、下々が苦労するばかりで政治家のピントのずれた発言にはイライラする😤国会議員をまず減らせ!居眠り💤する議員は必要ない😤😤
などとここで怒っても始まらない😔今回、ヴァンサン・カッセルがIMF専務理事というお堅い役、いつも気性があらい暴れてる感じのイメージが強いので新鮮だった😀
実際に起った韓国の通貨危機を題材にしたものだが、描かれている個々の...
実際に起った韓国の通貨危機を題材にしたものだが、描かれている個々の人たちは多分フィクションだと思われるので、【実話映画】ではない。そういう点でちょっと点数低め。
みなさんきちんと映画の批評を書いているが、私は結果を知りつつも「破綻しちゃえばよかったのに・・・」等とちょっと思ってしまった、悪い人です。ごめんなさい。
良き人が、正義を信じる人が、報われる話しではない。今では遠い過去と...
良き人が、正義を信じる人が、報われる話しではない。今では遠い過去となったその辛酸を忘れぬよう警鐘を鳴らしている。
矛盾が行き詰まる国家、韓国
韓国という国は距離も姿かたちも近いけどまか不思議な国。国の恥ずべき暗黒の闇は国民が認識している、でも反日となれば国家が一致団結する。日本人にはまた今更??と日韓を騒がしている『慰安婦問題』。1965年、3億ドルの日本からの戦争賠償金の無償の提供資金によって『漢江の奇跡』の経済発展から悲願のOECD加盟から一転、ウォン紙幣が紙切れとなってしまう国家破産危機1週間前という1997年のカオスを描く。韓国民は失敗を繰り返すという視点。臨場感の危機感が迫真で非常に面白い作品。
振れ幅の大きい国?
東南アジア通貨危機、薄らと記憶がある程度だったけど、この映画を観て改めて思い出し、少し理解できた。日本も社会的危機は何度もあったと思うけど、韓国の方が振れ幅が大きい気がする。大統領は退任後に必ずスキャンダルに巻き込まれていて、例外なく金にまつわる事案。まぁ、日本は表面化しないだけなのかもしれないけど…。日本も野放図に借金を積み上げていると、IMFや背後の大国に喰いものにされてしまうかもねぇ。いや、何年か前の社会の構造改革は、やはり大国の意向があったのかもとすら思ってしまった。某T教授とあまりにもイメージが被る高級官僚も登場してましたしね^^;
金融危機にたいして、どう対処するか。
マネーショートの韓国版と良く聞くが、視点と時期が違う。(多分、政治思想も真逆)
マネーショートは投資家の視点から、例え正しく現状を見極めてみても、いつ起こるかわからないことに売りから入る投資する難しさ、現状を理解できないか、理解してても今のハッピーな状況をバブルだとしても変えたくない人達の社会的圧力をはねのける難しさが描かれていた。
これに対し、こちらは金融危機が起こった後、どう対処するかを排除された側の視点から描かれている。実際のところ、IMFからの資金支援後の改革がなかったら今のサムソン、現代自動車の成功は多分なかったであろうし、国の豊かさを背景にした韓国エンターテイメント人気もなかったろうが、流れについていけず切り捨てられた人達も当然いる。
投機で成功した人も多少描かれてはいるが、実情を知らない人が描いたステレオタイプの投機家で、捨てられた人達の苦しみをクローズアップさせるためのツマミ見たいなもので影は薄い。
改革主導者を私利私欲にまみれた売国奴に仕立てていたが、IMFを利用して金融危機を作った古い体質を持つ財閥、やりすぎの労組からの抵抗を排除し、構造改革を行った勇気のある人達として描いても、映画一本つくれそう。
1997年、韓国通貨危機
通貨危機を韓国銀行の通貨担当者、予測していた金融コンサルタント、翻弄される中小企業経営者の視点で描いていく。
政府は独自対応路線とIMF援助路線に別れるが、いろんな思惑からIMFから融資を受けるが、屈辱的な条件をのむことに。
結局財閥は残っている。
実話に基づいたストーリー
実話ベースでとてもリアルです。仕事上関心があり映画館まで見に行きましたが、この先いつ我が国にも同じことが起こるかわからないという目でいろいろな方に見て欲しい作品。母にも勧めましたが専門用語がちょっと難しかった様子。そういう意味では万民受けしないし、丁寧な説明はないので関心薄い方には退屈かも。金融機関勤務の方や投資に関心ある方にオススメ。
国家の嘘は常套手段
韓国の金融危機を描いた作品ですが、IMFに金貸してもらって、首のかわ一枚繋がったみたいな印象です。
町工場の社長が大きな渦に巻き込まれてどうにもならない様子を見せられると世の中の殆どの人がこの社長と変わらないので、責任を取らない政府や嘘の発表が常態化しているとすれば、日本も危ういのでは?と不安になります。
対岸の火事として見ていた韓国の金融危機が曖昧な金の融資で容易に狂っていった様を見ているとバブル期の日本を思い出しました。
韓国映画のエエところはくそっ腹の立つ連中のやってる事をリアルに近い形で出してこれる根性と思う。
日本では確実に忖度があるのでこういう批判含む内容描くのは難しい。
映画の通り、リアルに上の連中がこうなら庶民の為の政策など出てきそうにない。
大量のリストラと前年度40%増の自殺者数、経済的な回復を望めない絶望的な状況は悲しい。
ただあの苦境から復活したのは、激しい痛みを伴う国民の犠牲とIMFからの資金と日本の通貨スワップとかであって、凄く無策な感じ。
ラストも同様に上に立っている連中の姿を見ると「人間ってこんなに反省がないもんなんやな?」と驚く。
他人に助けて貰うと喉元過ぎたら忘れる感じが酷かった。
結果を知っているからこそ分かる面白味
1997年、タイから始まったアジア通貨危機にて韓国が国として破産寸前まで行き、IMFの支援を受けた話をフィクション交えて映画化。
このIMFの支援による歴史の1ページに関しては、今でもこの件により「韓国は外資に利益を無絞られている」や「裏では植民地にされている」と言われる程有名な話なので、個人的に観る前から大変興味をそそる映画ではあった。
国内が景気が良く見えがちでも、「見えない負債」が有り、外部から負が持ち込まれ経済的に風邪を引けば一瞬にして連鎖的な悲劇が起きる内容は、バブル崩壊、リーマン・ショックや新コロナウィルスにも繋がる所。
韓国がIMF支援を選ぶかモラトリアムを選ぶかの選択は中々見所であった。
どちらにしても茨の道。
さて、話は変わるが最近日本もコロナ問題でようやく1人辺り10万支給の話が出て来たが、どうしてもまだ渋り顔の政府・麻生大臣が気になる。経済を廻す以上の「日本人に見えない負債があるのでは?隠し事があるのでは?」(だから消費税も削減しないのでは?)と。
この映画の主人公ハン・シヒョンの最後の言葉
「絶えず疑い考える事」
「当然だと決めつけない事」
「目を見開いて常に世の中を見る事」
が何故か他人事には感じられない。
誰も信じるな
韓国で1997年に起こった通貨危機から国民を救おうとする通貨制作チーム、この危機を早めに見抜いて大儲けしようとする投資家、通貨危機の煽りを受けまくる中小企業の社長、それぞれを描いた話。
.
通貨危機って簡単に言えば、外国に借りた金で好き放題やってたらその借金が返せなくなって韓国経済が危なくなったってこと。
.
私が生まれたぐらいに起きたことだし、韓国の経済なんて全くわからないし、劇中難しい言葉も結構使われるけど、ちゃんと後から分かりやすい言葉で言い換えてくれるからギリついていける。
.
今コロナで世界的に不況の時期なので、色々と考えさせられる。日本はどうなのか、大丈夫なのか、自分の頭で考え直すいい機会にもなるのでは。
.
政府はすぐ嘘をつくし、大丈夫なんて保証は全くないから、信じられるのは自分だけ。なんかそんなようなこと、パラサイトでも言ってたような。
.
全53件中、1~20件目を表示