国家が破産する日のレビュー・感想・評価
全58件中、1~20件目を表示
韓国版「マネー・ショート」は多視点でシビアに迫る
1997年の韓国通貨危機が起きる一週間前から映画は始まる。当時政府が非公開の対策チームを組織したという記事に着想を得たという。危機を回避すべく対策チームで奮闘する女性主人公、危機の兆候に気づいて大儲けを企む金融コンサル、大口受注を手形決済で受けてしまう町工場の経営者という3者の視点で、当時の状況と人々の姿を立体的、重層的に再現する。
大勢が気づかない危機の兆候を読み取り、先を見越して逆張りする金融マンのエピソードは、サブプライム住宅ローン危機を予期して大儲けした金融マンを描くアダム・マッケイ監督の快作「マネー・ショート 華麗なる大逆転」を想起させる。ただし「国家が破産する日」の方が全体的にシビアで、特に町工場社長の受難は重く暗く、彼に感情移入して気が滅入る。
日本でもバブル崩壊期に似たことが起きたし、今後また金融危機が起きないとも限らない。できる備えはないか、と考えさせられる。
良き人が、正義を信じる人が、報われる話しではない。今では遠い過去と...
良き人が、正義を信じる人が、報われる話しではない。今では遠い過去となったその辛酸を忘れぬよう警鐘を鳴らしている。
矛盾が行き詰まる国家、韓国
韓国という国は距離も姿かたちも近いけどまか不思議な国。国の恥ずべき暗黒の闇は国民が認識している、でも反日となれば国家が一致団結する。日本人にはまた今更??と日韓を騒がしている『慰安婦問題』。1965年、3億ドルの日本からの戦争賠償金の無償の提供資金によって『漢江の奇跡』の経済発展から悲願のOECD加盟から一転、ウォン紙幣が紙切れとなってしまう国家破産危機1週間前という1997年のカオスを描く。韓国民は失敗を繰り返すという視点。臨場感の危機感が迫真で非常に面白い作品。
兄貴だったのか…
硬派なストーリーでありながら、通貨政策チーム長、街場の工場長、金融コンサルタント、それぞれの立場を描き、スピーディーな展開で飽きさせず、非常にリアリティがあって引き込まれた。バブル→崩壊→20年後の現代を上手く描いている。IMFってそうだったのかと。交渉役をバンサン・カッセルが好演。自殺者が前年比140%は国による殺人と感じるし、他国のこととは思えない。やはり自分で自分を守るしかないのか。国の金融危機をいち早く感じていたにも関わらず、兄を救えなかったチーム長の無念さが伝わってくる。その危機をチャンスに変える者、国家側にいながら、巧みに利用した者、実際にいるんだろうなぁ。
振れ幅の大きい国?
東南アジア通貨危機、薄らと記憶がある程度だったけど、この映画を観て改めて思い出し、少し理解できた。日本も社会的危機は何度もあったと思うけど、韓国の方が振れ幅が大きい気がする。大統領は退任後に必ずスキャンダルに巻き込まれていて、例外なく金にまつわる事案。まぁ、日本は表面化しないだけなのかもしれないけど…。日本も野放図に借金を積み上げていると、IMFや背後の大国に喰いものにされてしまうかもねぇ。いや、何年か前の社会の構造改革は、やはり大国の意向があったのかもとすら思ってしまった。某T教授とあまりにもイメージが被る高級官僚も登場してましたしね^^;
金融危機にたいして、どう対処するか。
マネーショートの韓国版と良く聞くが、視点と時期が違う。(多分、政治思想も真逆)
マネーショートは投資家の視点から、例え正しく現状を見極めてみても、いつ起こるかわからないことに売りから入る投資する難しさ、現状を理解できないか、理解してても今のハッピーな状況をバブルだとしても変えたくない人達の社会的圧力をはねのける難しさが描かれていた。
これに対し、こちらは金融危機が起こった後、どう対処するかを排除された側の視点から描かれている。実際のところ、IMFからの資金支援後の改革がなかったら今のサムソン、現代自動車の成功は多分なかったであろうし、国の豊かさを背景にした韓国エンターテイメント人気もなかったろうが、流れについていけず切り捨てられた人達も当然いる。
投機で成功した人も多少描かれてはいるが、実情を知らない人が描いたステレオタイプの投機家で、捨てられた人達の苦しみをクローズアップさせるためのツマミ見たいなもので影は薄い。
改革主導者を私利私欲にまみれた売国奴に仕立てていたが、IMFを利用して金融危機を作った古い体質を持つ財閥、やりすぎの労組からの抵抗を排除し、構造改革を行った勇気のある人達として描いても、映画一本つくれそう。
まぁまぁ
アジア通貨危機の裏で韓国政府とIMFで繰り広げられた交渉を描いた作品。面白かったが、永久保存版とは言えない。コロナが続いて経済低迷が続くとヨーロッパあたりで何処かの国が破綻する可能性は十分に有る。
1997年、韓国通貨危機
通貨危機を韓国銀行の通貨担当者、予測していた金融コンサルタント、翻弄される中小企業経営者の視点で描いていく。
政府は独自対応路線とIMF援助路線に別れるが、いろんな思惑からIMFから融資を受けるが、屈辱的な条件をのむことに。
結局財閥は残っている。
面白い
なんとヴァンサンカッセルも登場、見る価値あり。
韓国で起こった事実で、とても怖い。
実話に基づいたストーリー
実話ベースでとてもリアルです。仕事上関心があり映画館まで見に行きましたが、この先いつ我が国にも同じことが起こるかわからないという目でいろいろな方に見て欲しい作品。母にも勧めましたが専門用語がちょっと難しかった様子。そういう意味では万民受けしないし、丁寧な説明はないので関心薄い方には退屈かも。金融機関勤務の方や投資に関心ある方にオススメ。
国家の嘘は常套手段
韓国の金融危機を描いた作品ですが、IMFに金貸してもらって、首のかわ一枚繋がったみたいな印象です。
町工場の社長が大きな渦に巻き込まれてどうにもならない様子を見せられると世の中の殆どの人がこの社長と変わらないので、責任を取らない政府や嘘の発表が常態化しているとすれば、日本も危ういのでは?と不安になります。
対岸の火事として見ていた韓国の金融危機が曖昧な金の融資で容易に狂っていった様を見ているとバブル期の日本を思い出しました。
韓国映画のエエところはくそっ腹の立つ連中のやってる事をリアルに近い形で出してこれる根性と思う。
日本では確実に忖度があるのでこういう批判含む内容描くのは難しい。
映画の通り、リアルに上の連中がこうなら庶民の為の政策など出てきそうにない。
大量のリストラと前年度40%増の自殺者数、経済的な回復を望めない絶望的な状況は悲しい。
ただあの苦境から復活したのは、激しい痛みを伴う国民の犠牲とIMFからの資金と日本の通貨スワップとかであって、凄く無策な感じ。
ラストも同様に上に立っている連中の姿を見ると「人間ってこんなに反省がないもんなんやな?」と驚く。
他人に助けて貰うと喉元過ぎたら忘れる感じが酷かった。
アメリカ本位の自由主義。
自国ファースト。他国がどうなろうと自国さえ潤えばよい。
インデペンスデイという映画はまさに新自由主義を謳ったアメリカ自信を皮肉に描いた傑作だと今、気づいた。あの映画に出てくるエイリアンは科学力、軍事力に秀でていたが、それ以外は下等な昆虫レベル。イナゴのごとく資源を食い潰して星から星へ渡り歩いてゆく、まさにアメリカの今の姿そのもの。
アジア通貨危機を経てイナゴに食い潰される韓国の様を描いた本作はある意味インデペンスデイのように衝撃的でドラマ性にとんでいる。一方、日本のように自ら知らず知らずにイナゴの侵略を受け入れたパターンはボディスナッチャーズかゼイリブがあてはまるかも。
IMF を影で牛耳りながら、コロナ禍でWHO を中国寄りと批判するアメリカには笑止。
結果を知っているからこそ分かる面白味
1997年、タイから始まったアジア通貨危機にて韓国が国として破産寸前まで行き、IMFの支援を受けた話をフィクション交えて映画化。
このIMFの支援による歴史の1ページに関しては、今でもこの件により「韓国は外資に利益を無絞られている」や「裏では植民地にされている」と言われる程有名な話なので、個人的に観る前から大変興味をそそる映画ではあった。
国内が景気が良く見えがちでも、「見えない負債」が有り、外部から負が持ち込まれ経済的に風邪を引けば一瞬にして連鎖的な悲劇が起きる内容は、バブル崩壊、リーマン・ショックや新コロナウィルスにも繋がる所。
韓国がIMF支援を選ぶかモラトリアムを選ぶかの選択は中々見所であった。
どちらにしても茨の道。
さて、話は変わるが最近日本もコロナ問題でようやく1人辺り10万支給の話が出て来たが、どうしてもまだ渋り顔の政府・麻生大臣が気になる。経済を廻す以上の「日本人に見えない負債があるのでは?隠し事があるのでは?」(だから消費税も削減しないのでは?)と。
この映画の主人公ハン・シヒョンの最後の言葉
「絶えず疑い考える事」
「当然だと決めつけない事」
「目を見開いて常に世の中を見る事」
が何故か他人事には感じられない。
誰も信じるな
韓国で1997年に起こった通貨危機から国民を救おうとする通貨制作チーム、この危機を早めに見抜いて大儲けしようとする投資家、通貨危機の煽りを受けまくる中小企業の社長、それぞれを描いた話。
.
通貨危機って簡単に言えば、外国に借りた金で好き放題やってたらその借金が返せなくなって韓国経済が危なくなったってこと。
.
私が生まれたぐらいに起きたことだし、韓国の経済なんて全くわからないし、劇中難しい言葉も結構使われるけど、ちゃんと後から分かりやすい言葉で言い換えてくれるからギリついていける。
.
今コロナで世界的に不況の時期なので、色々と考えさせられる。日本はどうなのか、大丈夫なのか、自分の頭で考え直すいい機会にもなるのでは。
.
政府はすぐ嘘をつくし、大丈夫なんて保証は全くないから、信じられるのは自分だけ。なんかそんなようなこと、パラサイトでも言ってたような。
.
貧富格差はいかにして作られていくのか…
大企業だけで世界が廻っていくのであればそれでいいだろう。いったい税金の意味は何処にあるのだろう?
危機はいつだってそこにあるし、その危機を察知されないように取り繕うのが政治なのだろう。
果たしてそれでいいのか?それで満足できるのだろうか?経済が人々の幸せを生み出すと言った妄想はもう既に幕が降りているはずなのにこんな映画を作ったりしているのは何故か?
疑問だらけの映画だった。
今はもう個人が国を選ぶ時代なのだ。
汗を流した分、食えればいいではないか。
余分なモノは削り落とし、身軽になって生きていきたいものだ。
切実にそう思った。
この映画を観て。
志
困難に陥った場合、韓国にも安易に外部に頼るのではなく自分の力で何とか乗り越えようという志を持った人がいて、その人の活躍を描く映画です。安易に頼るということは自立心がなくなることを意味しますから、気を付ける必要があります。IMFの理事役を務めたバンサン・カッセルはアクション映画以外ではありますが、素晴らしい演技でした。
ちゃんとした映画
これは面白いです。
最初からスリリングな流れですから夢中で鑑賞出来ました。
あまり知らされてない映画ですがオススメ出来る映画ですね。
予想の範囲内の経済物語
1997年11月、金融危機に襲われた韓国。
少数の官僚が自分たちと大企業が生き延びるために、アメリカが望むままに韓国経済を開放し、その結果引き起こされた不況、企業のリストラにより多くの国民が苦しんだという。
物語は予想の範囲内の展開だった。ソウルは20年以上前に一度だけ訪れたことがあるが、街の風景が日本の街ととてもよく似ている。
似てる日本韓国
倒産前には絶対社長は今危ないとは言わない 言えない。 倒産直前には妙に人手をかけて 早く仕事を終わらそうとする。
経済は回復している と政府は言い 正規雇用は減り 非正規が増え 大企業を優遇する その「回復」している世の中では 貧困が拡大して 自殺も起きる それをIMFは虎視眈々と狙っている
今の日本と似ていて 昔の韓国の話しを観てる気にならない。
平日昼の14時というのに 結構人入ってました。年齢層高めの男性多し
全58件中、1~20件目を表示