劇場公開日 2019年11月8日

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「金融危機にたいして、どう対処するか。」国家が破産する日 ぺんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5金融危機にたいして、どう対処するか。

2020年12月30日
PCから投稿

マネーショートの韓国版と良く聞くが、視点と時期が違う。(多分、政治思想も真逆)

マネーショートは投資家の視点から、例え正しく現状を見極めてみても、いつ起こるかわからないことに売りから入る投資する難しさ、現状を理解できないか、理解してても今のハッピーな状況をバブルだとしても変えたくない人達の社会的圧力をはねのける難しさが描かれていた。

これに対し、こちらは金融危機が起こった後、どう対処するかを排除された側の視点から描かれている。実際のところ、IMFからの資金支援後の改革がなかったら今のサムソン、現代自動車の成功は多分なかったであろうし、国の豊かさを背景にした韓国エンターテイメント人気もなかったろうが、流れについていけず切り捨てられた人達も当然いる。
投機で成功した人も多少描かれてはいるが、実情を知らない人が描いたステレオタイプの投機家で、捨てられた人達の苦しみをクローズアップさせるためのツマミ見たいなもので影は薄い。

改革主導者を私利私欲にまみれた売国奴に仕立てていたが、IMFを利用して金融危機を作った古い体質を持つ財閥、やりすぎの労組からの抵抗を排除し、構造改革を行った勇気のある人達として描いても、映画一本つくれそう。

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ぺん