パーティーで出会ったイケメンをお持ち帰りした解剖医の熟女が主人公。
しかし、その男が惨殺体となって彼女の解剖室に運び込まれてから、謎だらけのサスペンスへと突入して行く。
本国イタリアでは賞も得て評価されている。
港湾の街ナポリの風景が美しい。
監督兼共同脚本のフェルザン・オズペテクは、トルコ出身。
女性(すぐに彼女が主人公だと分かるが、裏が…)が男をピストルで撃ち殺す螺旋階段の場面で映画は始まる。そして、それを見ている幼い少女にカメラが寄る。
この真相が明かされる終盤の場面が一番の見せ場だ。
殺人事件の真相究明サスペンスは、気が付くとオカルト(?)へと変換していく。
と言っても、オカルトかどうかはラストシーンの解釈次第なのだが。
序盤で見せられる濡れ場が結構激しく、主演のジョヴァンナ・メッツォジョルノが体当たりで挑んでいる。
だが、彼女が御歳おいくつかは知らないが、そこまでして見せて頂かなくても…という感じ。
ハリウッドのハードアクションや刺激主義に毒された身には、物足りなさを感じるが、映像は美しく、歴史ある建築や彫像などをうまく織り込んで、謎だらけの物語を巧みな演出で見せる。
会話に意味不明なところがあり、分かりづらかったりするが、 それが、解釈が難しい結末をより謎めかしくしているとも言える。
回収しきれない伏線を結構残してしまってはいたが。