アルプススタンドのはしの方のレビュー・感想・評価
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75分ぴったりの満足いく構成、演出
メインの高校生4人の微妙なズレ感の前半を、終盤にかけて周り人々を含め熱気とユーモアある回収。
シーン、セリフに無駄がなく75分間ぴったりの内容で集中して鑑賞できました。
特にラストが思わずニヤリとします。
また、グラウンドや野球シーンはバッサリ省略していますが、試合の流れや声援の盛り上がりがうまく描かれており4人の群像劇の流れとマッチしていると思います。
補欠の青春をド直球で投げ込んでくる
甲子園のスタンドで母校を応援する高校生たちを描いた物語。元々は高校の演劇部が演じていた脚本だったとのこと。野球のシーンは出てこないし、映るのも座席か通路のみ。たしかに舞台っぽい。
何かを持っているような者でも悩みを抱えているし、何かを持っていなくてもがんばった者だけに結果はついてくる。そして表に立つ者もいれば、裏で支える者もいる。そんなことを直球で訴えてくる、いい話だった。特にラストがいい。思わずニヤッとする仕掛けだ。
もちろん難点もある。甲子園のスタンドには見えないし、応援しているエキストラが高校生に見えなかったり。それでも本作の魅力は損なわれない。
設定の妙
設定がユニークです。「しょうがなくない」というメッセージもほかの設定でやっていたら、観客にはあまり届かなかったかもしれないけど、この設定だからこそ、ハマったという気がします。
主要人物の少女たちをムリにかわいく見せなかったという点も良かったです。あ、吹奏楽の部長はかわいかったです。
喉を潰してでも、大きく声を出して応援したくなる素敵な映画
あー、なんともったいない!
ひとりでも多くの人に『8番センター矢野』の晴れ姿を想像して欲しい。
公開館数とか世間一般の方々への周知度合いを想像して、見終わった瞬間、そう思いました。
(個人差があると思うので、あくまでも私の場合ということですが)20代後半から30歳頃を境に、仕事や人間関係において発生する様々な障害を〝まぁ、しょうがない〟と割り切ることで、ものごとを先に進めることが増えました。
起きたことは大抵取り返しがつかないことばかりなので、仕方がない、と現状を受け入れることで再スタートを図ったほうが合理的だし、結果的にうまくいくことが多かったのも事実です。
〝大人になる〟ということの一面は、そうやって、目の前のものごとにおいて、部分的に諦めたり、折り合いをつけることへの抵抗感が抑えられるようになることであり、抵抗感そのものが段々と薄れていくことでもあるので、平和な日常を送る方法としては〝しょうがない〟ことでもあります。
青春ってなんだろう?
という、人によって答えが違う、正解のない問いかけがありますが、『どんな形であってもチャレンジする舞台や機会を諦めないこと』というのも特徴の一面としてあると思います。ひとつのことにいつまでもこだわり、うじうじするのは、青春時代の特権のひとつ(大人になると個人的な葛藤でうじうじしているヒマも与えてもらえなくなります)。
大人の社会に適合して、そこそこうまく生きていけるようになる、ということは大抵のことにおいて、情緒的な倫理観よりもコストや時間において合理的な判断や選択をすることへの抵抗感が薄れるということでもあると私は思います。
この映画はそのあたりをど真ん中のストレートで攻めてきます。
・10代、20代の若者にとっては、日頃からモヤモヤするけれどうまく言葉にできない感覚の正体を教えてくれる。
・人生百年時代を迎えた大人にとっては、(今は妥協の毎日だけど)リタイア後にもう一度、何か諦めずにチャレンジしてみるのも悪くないな、とひとつの希望らしきものを抱かせてくれる。
世代を問わず、心のリフレッシュと活性化をもたらしてくれる素敵な映画だと思います。
【備忘録として追記】
ここ数年を振り返って、いろんな人に勧めたい超極私的な青春三部作。
本作品
殺さない彼と死なない彼女
桐島、部活やめるってよ
【余計なお世話な追記】
コロナの第二波で外出を控えざるを得なくなり、時間の過ごし方で悩んでいる方への番外編的なオススメ。
〝自意識過剰三部作〟➕〝観てから読むか、読んでから観るか〟
愛がなんだ
勝手にふるえてろ
いなくなれ、群青
ふつうの高校生のふつうの話だけど・・
人には立つべき舞台が必ずあり、その舞台で好むと好まざるにかかわらず何らかの役割を演じる必要性に迫られる。
その舞台を放棄して降りてしまうのか、端役でも頑張って全うするのかは自分次第、誰も強制したりはしない。
だけど、頑張ったものにしか見えない風景は必ずある。途中で舞台放棄したものには間違っても見えない風景、その風景を見るために無私で頑張れる人間になりたい。
はしの方だけどど真ん中!
甲子園の熱闘の傍ら、自身の学校を応援するでもなくアルプススタンドのはしの方でダベる生徒達の話。
演劇部の女子2人と元野球部の男子一人に優等生の女子1人から話は始まり、熱血応援教師のチャチャをはさみつつ、舞台劇っぽいハズしトークを繰り広げて行くけれど、応援席のど真ん中にいる吹奏楽部部長を絡めつつ、悩みや抱えている想いに纏わる青春トークになっていく。
グラウンドが映されることはなく、舞台をそのまんま映像にしただけのほぼ会話劇だけど、気付いたら胸熱に!
泣きこそしなかったけれど、割りとどころか相当面白かった。
梅雨も明けて夏が来そうですね
甲子園に出場する母校の応援に駆り出された高校生達の話。
"引退した演劇部員"と"万年控えピッチャーの元野球部員"と"成績の落ちた勉強一筋の女の子"は、「青春している"真ん中"の同級生達」を見つつ応援席のはしの方で「自分も真ん中にいたはずなのに」と思っている。
"はしの方"の高校生達の会話劇で話が進み、試合の展開と自分の気持ちが重なって最終回を迎える頃には声援を送る流れになっているのが上手い。
高校演劇の全国大会に総文祭というのがあることを最近知った。
出場倍率でいうと、甲子園の80倍に対して160倍という狭き門なのだそう。
そんな大会で 最優秀となった舞台脚本の映画化。
高校演劇が原作なのでテーマはストレートだけど、すっとぼけた笑いに包んでいる所も上手い。
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