音楽のレビュー・感想・評価
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作画に7年お疲れ様です
『音楽』というストレートなタイトルは、逆に気持ちがいいが、このタイトル実は奥が深い。音楽とは何だろうかと考えさせられる映画なのである。
ユルい絵だから、適当に描いているのではないかと思うが、実は「ロストスコープ」という技法を使用している。「ロストスコープ」とは、実際に人間を撮影して、写真の上からトレースして絵にするという昔からある技法だ。
「ロストスコープ」ではないが、写真を撮ってから絵を描くという作画方法は、巨匠アレックス・ロスやアメコミ作家も行っている。
デザインはユルいが、手の描き方や動きが細かい部分は「ロストスコープ」で作成されているからであるし、背景も同じく写真を撮って線画におこしていて、スケッチをしたような感じをあえて残している。そのため、背景は何気にしっかりしていたりするのだ。
特にクライマックスのシーンは、演出なども含め、細かい描写が多くなっていくため、作画の手間が圧倒的にかかっている。
例えばフォークソングバンド「森田」の髪が風になびくシーンでは、400枚を作画していて、1枚に1時間かかっており、ご苦労様といか言いようがない。
どうしても映画の尺を稼ごうとして、やたら長い間や、歩いているシーンが多いのは気になるが、作画に7年もかけているのだから、それぐらいは暖かい目で観るべきなのかもしれない。
何に対してもめんどくさいと思っている不良高校生がある日、ギターを手に入れたことで初めてバンドをすることに。(明らかに窃盗だが)
音楽の知識も楽器を使った経験のない研二達は、めちゃくちゃな演奏をするのだが、この時の衝撃は正に「音楽」を初めて感じる瞬間。その人生の中で貴重な瞬間を見事に描いているのだ。
私たちは、どうしても「音楽」というと、ある程度出来上がったものを想像してしまうが、そうではない。
ただ純粋に音を雑音のようにかき鳴らしたものも「音楽」であるのだ。それこそが音を楽しむと書く「音楽」の本質なのかもしれない。
だからこそ周りのキャラクターや映画を観ている側も研二たちの演奏から、何かを忘れていたものを感じずにはいられないのだ。
劇中には森田率いる「古美術」というフォークソングのバンドが登場する。「古美術」の演奏に心を惹かれた研二達は、森田達にも自分たちの演奏を聴かせると、森田は感動するというシーンがある。
森田というキャラクターは、家にジャンル問わず、大量のCDが資料としてある正に音楽オタクであるが、研二の演奏を聴いたことで、自分の中での「音楽像」というものが崩れ去り、のちに音楽性の探求への発展していくという構造が立派な音楽映画なのだ。
シュールでユルいアニメ映画だから、その雰囲気だけで笑わせようとする映画であって、音楽はあくまでおまけだと思えば、実は音楽映画としての作り込みは凄いというギャップがこの映画の最大の魅力とも言えるだろう。
プロモーションにもあまりお金がかけれないことから、単館上映となっているが、近年のエンターテイメント性を強調した日本映画や漫画原作の恋愛映画などと比べても、物語のクオリティは高い作品だと言える。
ドレスコーズとヤンサン
映画.comでドレスコーズ志磨遼平 関連作品をチェックして発見
楽しみにしてたら、
渋谷でしか公開しないということで残念に思ってたところ、山田玲司のヤングサンデーでまさかの映画「音楽」特集!
そこで全国拡大公開が決まったと知り、すぐに観に行った
ヤンサン視聴者としては、冒頭シーンのBGMに嬉しいサプライズ
映画としては、ヤンキーが打ち込めるものを見つけましたマナーなんだけど、よくある爆発的なスキルとか、実は天才でしたとかではない、リアリティが好感持てる
とはいえ、この映画の魅力は監督が原画7万枚?9万枚?をほぼ一人で7年かけて描き上げた情熱につきると思う。
ヤンサン音楽特集会の冒頭1時間を見てから映画鑑賞することをオススメします
ギュンギュンします
初期衝動に勝るものなし
明日平日の祝日なのに結構混んでた(仙台) ケンジ、かっこいーー。す...
やっぱ音楽ていいよね
間、空間、平凡、退屈、音楽で埋める。
森田の乱
日本映画的なアニメーション
原作未読。
ロトスコープだからか、ものすごい実写的な感じがした。更にキャラクターが喋る時の間なんかも日本映画らしさがある。見ていて塩田明彦作品を思い出した。
しかし、キャラクターは大橋裕之のなんとも言えない緩さがある絵柄なので、唯一無二の世界観になっている。
(途中で絵柄が変わったりなど、アニメーションでしか出来ない事をやっているのも)
主人公の行動動機が掴めなすぎる感(マサルさんとかゴリラーマンみたいなキャラ)はあったが、この先何が起きるのだろうというワクワク感に繋がっていたのかもしれない。
なぜ『音楽』というでっかいタイトルにしたのか、まだその意味と内容の関係は消化出来ないが、印象に残る映画だと思った。
新宿武蔵野館にて🎥
生き物がおよそ3匹
圧迫させろよ~。
オフビート感、最高!
新宿で時間があうから「観よう」と思ったらなんと満席・・・
翌日リベンジで鑑賞。
あまりのオフビート感に好き嫌いはある作品と思うが、個人的には大ハマリ!
面白すぎました。。。
原作も読んでなくて全くの情報なしで観た分、インパクトが大きかったのかも。
フェスシーンの雰囲気が妙にリアルで、びっくり。
1000円のパンフレットも充実の読み物で、一気に「音楽」通になりました。
パンフレットもマストバイで!
サントラ、欲しいなぁ。
かんじんの音楽が・・・
「ロトスコープ」という手間のかかる実写トレース法で作られたようだが、自分には効果があまり感じられなかった。
楽器を弾く姿の“シルエット”が、リアルだった程度だろうか。
“リズムセクション”だけなので、ラストが予想できるところはあるが、「研二」の意外な才能もあって、ストーリーはそれなりに楽しい。
「大場」役の竹中直人の声は良かった。
ただ、かんじんの“音楽”が、平凡なハードロック系のインストゥルメンタルにすぎず、ピンとこなかった。
リコーダーのソロの方が、どこか民俗音楽的で、よっぽど良い。
展開的に、ボーカルを入れることもできたはずなので、そこもガッカリ。
もっと、“音楽”でビシッとキメて欲しかった。そこが一番大事だったと思うのだが。
それとも、これが今の日本の音楽のレベルなのか・・・。
青春の妙ちくりん
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