Winnyのレビュー・感想・評価
全58件中、1~20件目を表示
警察は元々民事不介入♥なはずだ
この映画を鑑賞しただけでは『国家権力の横暴』とまでは言えない
この映画の中では、そこまで言及していない。寧ろ、国家権力に対して忖度しているようにも感じる。
まぁ、
商品としての映画なのだからしかなたいが。
そして、実はこの『判決』も間違っていない。このソフトの確信犯的な経緯も、この映画の裁判の中で表されているのかなぁと感じた。
さて、
日本のコンピューター技術は、こう言った出来事で世界から取り残された訳では無い。
こんな事ですったもんだしている間に『世界に抜かれた』と主張していて、その再起を促す内容になっていると思うが、僕自身の実体験で感じるのは『抜かれるべきして抜かれた』そんな印象しかない。
当時、僕にとっては、ファイル交換ソフトはつまらない『ハリウッド映画』を何本か落とした事と『無修正の動画』を大量に落とした事。それだけである。
それは全部は人畜有害なものばかりだった。勿論、後日、ハードディスクに穴を開けて廃棄した。
さて、
つまり、著作権を守るのは当たり前だが、元々のコンテンツの質の低さは、ファイル交換ソフトが蔓延する前から、酷かったのだ。
日本文化の没落は別の場所にあると思う。
しかし、再び生成AIとか世界経済は騒ぎだした。その波に、日本が完全に乗り遅れているのは間違いないが、日本はその尻尾を追っかけて、先に立つ努力をすべきなのだろうか?
今の世界が心地よく、住みやすい穏やかな世界であれば、それも良いが、不穏な空気が払拭出来ない。
だから
日本は全く別の道を模索しても良いと感じる。
世界一の少子高齢化社会なのだから、先鞭をきって日本は進むべきと感じる。
ちなみに僕は『カボス』を使っていた。
追記 お亡くなりになったんですね。ご冥福を祈ります。確信犯としても『貴殿』に罪はない。
日本映画批評家大賞で主演男優賞。
ちょうど「世界の果てに東出とひろゆき置いてきた」を見てたら、受賞したということを南米で知ったというのがあったので気になっていた。
金子勇という人物は超人的に純粋な人なんだと思う。
裁判とか、違法アップロードとか、そんなことよりも、プログラマーとして面白いアイデアを形にしたい、修正したい、という思いだけで生きているのだ。
それが認められなくても(最高裁で無罪となるが)、自分のこととして捉えていないのでは、と見受けられるほど。
その弁護団とちぐはぐとも思えるやりとりも純粋だし、拘置所にいる時もそのまま書き写せばいい・協力してほしいに素直に従う姿も純粋である。
ナイフで刺すのは殺人だが、ナイフを作った職人が有罪か!?というたとえはとても分かりやすかった。
技術者の使命と特権
興味深い話だった。
ただ、その話を活かしきれてないようにも思う。
俺も名前くらいは知っている「Winny」
使った事はないようには思うけど、同様の事が出来るソフトはいくつかあったように思う。
当時は官房長官が会見を開く程の話題だったのだなぁ。国を挙げてwinnyのDLを阻止したかったのか。
思うに…
この裁判を経て「開発者」の使命と特権は守られたわけだ。エンディングでお亡くなりになったとの記述があり、残念に思う。
取り調べで本人の不手際がありはしたものの、警察の立件の仕方には嫌悪感しかない。
時代背景では「開発者の告訴は世界初」とあって…警察の威信を誇示したい上層部が「日本警察が世界に先駆けてIT犯罪の根源を逮捕するんだ!」みたいな辞令があったように思えてならない。
裁判長にしてもなんだかうだつの上がらないような爺さんがキャスティングされてて、どこまで根回ししてたんだろうと疑念も浮かぶ。
「ナイフを作った人を有罪には出来ない」
その論調は至極正しいと思うのだけど、その原則を難癖わつけまくって有罪にしたって印象だ。
面白いネタなんだけどなぁ…。
作品的にはいまいちパッとしない。
東出氏のキャスティングも微妙だし、その役作りもエンドロールのご本人を見る限り的外れなような気もしなくはない。
壇との友情にも舵を切りきれなかったようにも感じる。なんつうか核心を突ききれなかったような印象で、まさかとは思うが警察への忖度でも働いたのかと勘繰ってみたりする。
winnyは未完成だったんだろうと思う。
それに加えてネット関係の整備も整ってはいなかったのだろう。そう思えば世界のセキュリティレベルを何段階も上げたって事にもなるのかもしれない。
早過ぎたのかもしれないよねぇ。
起きるべくして起きた混乱なのだろう。
ただ、そんな事が1ルームの間取りに住む人間がやってしまえるってのは驚異だわなぁ。
金子勇さんは、間違いなく天才だと思う。
県警の裏金のエピソードも面白かったなぁ。
どれもそれもいいネタなのに調理法を間違えたような印象だった。
裏金問題要る?
最初の方から併走している警察裏金問題。これって、Winnyで裏金の資料が流出してから入れれば良かったんじゃないかなぁ。裏金問題自体がどうなったかも触れて無いし。
それよりも、主人公が普段何をしている人物なのかが数十分過ぎるまで分からなかった。大学の助手をしている普段の姿と帰宅してからソフト開発をしている姿を入れた方が感情移入出来たんじゃないかなぁ。あと、ずっと弁護士は国選?って気になってた。多分、私選なんだろうけど、弁護士の絡ませ方もどうなんだろう?そんな序盤を過ぎると、淡々と進むが、まぁ見やすいかなぁ。多分、裁判官もあれ位の年齢の、ネットも分かってないんじゃないか?位の人だったんだろうなぁとか思いながら見てた。
演者、ベテラン多数なので安定。主演の東出昌大、まぁ世間で言うところの大根役者だけども、前半の警察との淡々としたやり取りではあまり気にならなかったけど、保釈されてから弁護士らと語り合い、感情が出て来るシーンになるとやはり・・・・。
Winnyが違法か、この開発が犯罪か?となると、YouTubeとかも共有ソフトの一種だろうから、開発そのモノは犯罪では無かったんだと思う。ただ、著作権を侵害する可能性がある段階で配布させたのが問題で、そういう意味で最高裁での無罪はどうなのかなぁと言う気はする。完成された車で事故を起こしたら運転手の責任だけど、ブレーキ付けないで誰でも公道走れる様に売ったらメーカーの責任でしょ?(まぁ、認可されないけどね)
勿体ない
東出さんすごかった。
題材もすごく面白い。
だが、あった事を淡々と説明し過ぎてる。
もっとメリハリ、ドラマを盛るべきだった。
2ちゃん内で47氏と呼ばれ神化されてる描写も無いので、
感動シーン(通帳名義に47氏頑張れ)が伝わらない。等、
勿体ないシーンがとにかく多い。
結局Winnyって何だったの?
Winnyがもたらした当時の背景、現在もたらした事を知りたかった。
何も知れなかった。
日本で…
こんな映画作れるんだと感心した。Winny確かにそんなことあったなぁと。どちらかと言うとウィルスの方が問題になってた記憶しかない。ソフトやシステムを悪用し、犯罪行為する方が違法であって、あくまでも制作者側は違法ではない。映画を見るまでは半信半疑だったが、警察の裏金情報流出などWinnyによって真実が暴かれる事案を見ると、確かに使用者責任だなと思った。金子氏と弁護団の掛け合いが軽く映り、緊張感が無いと感じる場面もあったのが残念だった。彼の警察に言われるままに誓約書を書いたりする、あまりにも世間知らずの点(←どこまで実話なのだろうか)がまどろっこしい感じもした。二審三審を、特に無罪を勝ち取る過程が見たかった。ラストの本人のインタビューで彼の真の研究意欲がよく分かる。彼の研究時間を裁判で奪ってしまったことが悔やまれる。
歴史的事実を知るためには面白い映画
Winny 開発者の逮捕を巡る裁判に焦点を当てた作品。下手にエンタメを加えるのではなく淡々と開発者とその弁護士に焦点を当てている。
警察側の非道さを描いていたりと、善悪ははっきりしてはいるけど、それほど強烈に描くことはあまりなく、全体を通じて面白く見れた。
警察側がWinnyのあらゆる問題への対応の不手際を全て開発者に背負わせるような卑劣な方法を取ってはいるが、それは日本という社会の縮図でしかない。
日本という社会において、出る杭は打たれるかと如く、必然的な逮捕だったかもしれない。
しかし、開発者の金子さんや弁護士が人生をかけて戦ってくれたおかげで、そうした出る杭は打たれる社会も、少しはマシになっていることを祈るばかりだ。
事実に基づく映画の難しさ
著作権違法に関する裁判の経過を表現したものであるが
警察側のトカゲのしっぽだけわかり本当の逮捕の意図を
はっきり表現されてませんでした。
別件で愛媛県警の裏金問題の告発がちりばめられているがそちら側は
不完全燃焼な内容になってました。
映画のエンドロールの後に最後の本人がコメントしていたのが良かった点です。
優秀な人材を裁判で疲弊させ時間を奪い早く亡くしてしまったのが悲しいですね。
そこだけは強く思いました。
科学者の倫理観
なぜ金子氏の死後10年も経ってから、winny事件をドキュメンタリーのように蒸し返したのか、最高裁で無罪判決だから、京都府警の冤罪事件なのかもしれないが真実は分からない。
winnyというソフト名は既に人気のあったファイル共有ソフトWinMXのM→n、X→yと一字進めたもので匿名性を高めたソフトでたちまちコンテンツの違法流通に更なる拍車をかけることになりましたから悪用を予見できなかったとは言い難いですね、道具に罪はない、誤った使い方をする人の方に罪があるというのは一理あるが、ダイナマイトを発明したノーベルのような心境だったのか?、期せずしてアカデミー賞をとったオッペンハイマーにも通じる科学者に倫理観を問うべきかの深い問題にも思えますが、脚色っぽい構成、ほぼ同時期とは言え愛媛県警の裏金事件まで添えて警察の横暴ぶりを一緒くたにして強調しているようにも思え、後味が今一、すっきりしませんでした。
出る杭は
TELASAで鑑賞。
原案の新聞記事は未読。
恥ずかしながら、事件に関する知識は全くゼロの状態で観ました。何故金子勇氏がこのような目に合わねばならなかったのか。事件を通して司法と権力の問題点を炙り出していく。
出る杭は打たれるしかないのか。しかしそもそも杭を打つにはたくさんの助けがいる。技術者の未来のために戦った金子氏の姿勢が尊い。見応え抜群の人間ドラマで、法廷劇でした。
エンドロールで流れた金子氏の映像を観て、東出昌大の役づくりの徹底ぶりに感銘を受けました。役者として一皮剥けた感があり、悪いイメージを払拭する活躍に期待です。
※修正(2024/05/13)
未来に向けて
エンドロールでのご本人のお言葉。
少し拝見しただけで、
コンピュータのより良い明日を見つめようと
する心のまっすぐな仕事に真摯に向き合う
お人柄、お姿しか感じなかった。
もし、警察での取り調べ方が真実に近いものであるなら、単純な私の頭では警察が悪としか
思えない。コンピュータ以外素人を手玉に取るように罪に嵌るようにしむけている描写、腹が立って仕方ない。
私なんかスッテンテンのスッテンテン、
コンピュータが不得手であるが、
こういう裁判になった時、味方の弁護士はもちろん、司法に携わる人々皆、コンピュータに精通して、本当の悪人を炙り出しても欲しいし、金子さんのような貴重な人の時間を奪うことが無いようにして欲しいと思った。
金子勇とオッペンハイマー
先日、戦後最大最悪の冤罪事件大川原化工機事件の判決が出たので思い立って本作を鑑賞。
物語は著作権侵害幇助の罪で起訴されたウィニー開発者金子氏と警察の裏金を告発した仙波氏の話が同時進行で描かれる。この二人が劇中絡むことはないが、ウィニーが二人の運命を共に左右する。
金子氏は支援者や弁護団と力を合わせて無罪を勝ち取り、仙波氏の告発もウィニーにより捏造資料が流出したおかげで認められ、観客はこの結果にカタルシスを味わえる。そして警察検察による違法捜査違法取り調べにより冤罪が生まれるシステムと国家権力によって貴重な科学技術の発展が妨げられたというメッセージもわかりやすく伝えられる。
ただ、本作は金子氏の弁護を務めた檀弁護士側からの視点で描かれていて、警察検察側が悪という典型的な構図だけで語られてる点に少々引っかかった。
特に劇中、著作権法119条は親告罪(平成30年に非親告罪に改正済)にもかかわらず原告が警察というセリフに違和感を覚えた。ちなみに原告とは民事裁判における概念であり刑事裁判では原告という概念はない。強いて言えば刑事裁判では検察が原告にあたる役割を果たす。この点は脚本上のミスだろう。
弁護団は親告罪でありながら被害者ではない警察が原告(告訴した)なのはおかしいと言う。
しかし、すでに正犯の二人は起訴されてることからわかる通り、著作権法侵害の被害者が告訴をしてるわけで告訴不可分の原則(刑事訴訟法238条)から親告罪の起訴要件たる告訴は共犯者たる幇助犯に及ぶため、金子氏を起訴することは可能だ。だからあえて警察が金子氏を告訴したかのような話はそもそもおかしい。
このセリフや愛媛県警の裏金疑惑の証拠たる捏造資料がウィニーによって流出した件と合わせることで、不正が流出するのを恐れて警察が金子氏を無理やり起訴したという印象を観客に与える狙いがあったと思われる。
また、弁護士は被告人の利益にという原則があるように被告人たる金子氏が不利益となる事実は表には出さないので、金子氏が清廉潔白であるかのように本作では描かれている。
確かに警察などの取り調べにおいて自白強要は今でも行われてるだろうし、金子氏のような世間知らずの人間が劇中のような調書を書かされるなんてことは十分あり得る。違法捜査違法取り調べはいまだにおこなわれてる。そういうさまをみせられ、また裏金問題も絡めて描かれてるので金子氏が善、警察検察組織が悪という構図はわかりやすく観客には受け入れやすい。
しかし、金子氏が完全に清廉潔白な人物だったかは疑問が残る。もちろん彼に悪気はなかったとしてもウィニーの危険性を十分理解しながら流布してしまった点に全く落ち度がなかったといえるのだろうか。結果的にそのせいで二人の犯罪者を生んでしまったわけだし、被害額も数十億円ともいわれている。悪用される可能性がわかっていながらそれを単に悪用せぬようにとのメッセージ付きで流したことで罪が全くなかったといえるのだろうか。
本作では金子氏は開発者でありことさらに純粋無垢な存在として描かれる、世間知らずで朴訥な人物として。確かに開発することが生きがいであり不当に利益を得る目的はなかったかもしれない。ただ、その世間知らずな純粋無垢さがあえて言えば罪といえるかもしれない。
オッペンハイマーは原爆を開発中はただ科学者としての知的探求心から、そして自分の能力を発揮できることにだけ喜びを感じて研究開発に没頭した。その結果それが何を生み出すかまでは考えずに。何万人もの人間を一瞬で殺せる兵器を開発してしまったことに生涯後悔の念で苦しむことになるとも知らずに。
純粋な科学技術開発への思いは確かに罪ではないかもしれない。しかしそれが時として大罪を生む結果となることも事実だ。
金子氏のウィニーは同様のソフトウェアと比べても悪用される可能性が特に高いものだった。それをわかっていながら流布したことに一切の罪がなかったといえるだろうか。
裁判では幇助の罪が問われた。これは幇助の故意があったこと、特に本件では未必の故意があったかが争点となっていただけに、それを検察側が立証するのはかなり難しい。そもそも立件さえ難しいのだ、だから警察は故意があったかのような申述書を書かせてまで逮捕している。
人の心の中はわからない、だから客観的な証拠が必要になる。本件ではそれを裁判で提示できなかった、だから結果無罪となった。これはあくまでも裁判上無罪ということに過ぎない。
本作は純朴で無垢な開発者が悪の国家権力から勝利を勝ち取るという単純な構図で描かれているだけだったので、金子氏の功罪についてもう少し掘り下げて描いてほしかった。
検察権力が犯罪事実を明るみにして法で裁くと同時に人権を侵害する危険性をはらんでるのと同様に科学技術の進歩が人の生活を便利にするとともに人の権利や命を奪ったりもする。そういった、テクノロジーも諸刃の剣になり得るという危険性が描かれていればよかった。
ちなみにもう一人の主役である仙波氏が暴いた愛媛県警の裏金事件。このせいで本作は松山市では公開されなかったらしい。
仙波氏いわく裏金作りのために冤罪が生まれているという。犯人をでっちあげなければ捜査費用の名目で裏金づくりができないからだ。愛媛県警の過去の冤罪事案など検索して見てみるとそれは酷いものだつた。公にされてないだけで全国の警察で裏金づくりがなされていることから同じ様に冤罪も全国で生まれているのだろう。正直、この国に暮らしてることにかなりの恐怖を覚えた。仙波氏の闘いはこれはこれで一つの作品に十分なりうるものだと思う。
朴訥なキャラクターを演じた東出君を筆頭に役者さんたちの演技がすごくよくて娯楽作品としては完成度が高い作品だった。ただ前述のように引っかかる部分があって純粋に感動したとまではいかなかった。
大川原化工機事件の映画化を是非とも望む。
警察、メディア、開発者、
「Winny」が誰に潰されたのか。Winnyを使い映画・文書など著作権を持つデータの流出が問題となった。警察は、アップロードした複数人を逮捕し、警察は面子を保つために「開発者」という大看板を逮捕した。逮捕したはいいが(これ何の罪だ?アメリカでは開発者の逮捕はないぞ…)と、警察は自白まがいの誓約書を金子氏に書かせ強引に罪を認めさせた。
一方、愛媛県警の偽造領収書問題でWinnyから証拠が流出。
金子氏を逮捕した京都府警の内情が描かれていないのは、当然京都府警が取材を許可するはずなく=取材できなかったからだと思うので憶測に過ぎませんが、本映画で伝えたい一つとして、警察は「面子を保つためには何でもする」ということを描かれていました。
取材できた愛媛県警を告発した仙波氏について描けたのは「取材できたから」であり、その取材をもとに描かれた愛媛県警の描写は、所々ですが具体的であり、組織を守るという体裁で若い警察官も偽造領収書に加担する。劇中で、若手警察官がニセ領収書に協力しない仙波氏に対し「仙波さんなんで辞めないんですか」と聞いたら、仙波氏が「山本、やめるのは簡単なことやぞ」と、2つの意味で若手に苦言を呈する場面が印象的でした。
Winnyを潰したのはアメリカだという諸説もありますが、劇中では「出る杭は打たれる」という例えの中で、出る杭を支える者・打つ者・指示する者という、そこには複数が関わっているというセリフがあった。ここは警察組織の中で、または警察(支える=逃がさない)・報道(打つ=叩く)・裁判所(指示する=判断する)という意味合いにもとれる。
お亡くなりになっている死因も長い裁判で無罪を勝ち取るまでに相当なストレスを抱えられていたのだと、警察の取り調べの様子、報道によって印象づけられた世間の中で生活する気苦労を察するに、相当な気苦労があったかと思われます。
日本の悪いところがとてもよく出ていて学べます。これを「そんなことないんじゃない」という風に鑑賞する、思考をやめるのは簡単なことです。
天才開発者と弁護団の闘い。
私はマックユーザーでもあり、Winnyのことをまったく知りませんでした。
Winnyを入れたらパソコンがウイルスに感染する。Winny=悪。
そんな私の誤解を解いてくれた作品です。
法廷ものとしては、少し地味な展開のような気がしましたが、
事実をリアルに描いたということなんでしょうね。その後の
勝訴を描くのではなく一審の敗訴を描くことで、
伝えたいことを明確にしたのだと思います。
Winnyの開発者・金子勇の司法との闘いを全て実名で描く
金子勇は開発者としての自分の時間や夢も犠牲にして
表現の自由のために7年半戦った。
一番に東出昌大がハマり役だった。
パソコンのプログラミング以外の世事に疎く世間知らず。
ピュアで愛らしい金子勇にピッタリだった。
日本の社会は天才を殺してしまう社会なのか?
才能を生かしてこの国を大きく羽撃く人材を育てる社会ではなく、
足を引っ張り力を奪う。
だとしたら本当に情けない。
望洋として宇宙に憧れる飛行機に夢を馳せる・・・
そんな金子。
彼は自分を犠牲にしてもあとに続く後輩の開発者のために、
道を閉ざさなかった。
前に広がる道を示すために自分の未来の夢を7年半も我慢する。
多分、プログラミングをできない事がどれほど辛い事だったか?
手足をもがれるように苦しかったと思う。
それでも耐えた。頑張った。
所で愛媛県警の仙波巡査部長(吉岡秀隆)のエピソードはいったい
何だったのだろう?
仙波は警察の裏金作りに警察官の殆どが関与していることを
告発した警官だ。
これとWinny事件とどのような関連が?
告発した後で裏金作りの証拠となる名前入りの領収書がネットに
大量に開示される。
私はPCに全く詳しくない。
Winnyで警察のデータシステムに侵入してハッキングした・・・
あるいはWinnyのウイルスに感染した?
そういう事なのか?
それにしても中途半端な扱いだった。
もう少しWinny事件との関連付けが出来ても良かったと思う。
東出昌大は18キロ増量して金子に似せたと言う。
第一印象は彼だと分からなかったくらいだ。
新しいソフトの開発で金子さんに、もうひと花咲かせてあげたかった。
(裁判に奪われた7年半は、長すぎる)
本当に控えめな人だ。
悪い奴ほど長生きして、よく眠るのだな。
東出の金子さんは、似ているらしい
事実に基づいて作られている、のかな?
だから、感動とか驚くような展開とか、
そういうのがある訳じゃない。
起こったこと、言われたこと、
それを再現されているような感じ。
割と金子さんの天然のせいで窮地に追い込まれたり。
なのに、本人は他人事で楽天的。
勝つ気あるのか?笑
こんな天才が開発に全力を注いでいたら
絶対に世の中のパワーバランスは
今とは違うものになっていただろうね。
惜しい人を亡くしましたね。
どう考えても、開発者を捕まえるなんておかしい。
日本の警察おかしい……
吉岡秀隆が目当てで観たけど、
結構良かった。
天才プログラマーの罪と罰
評判良く拝見。とても良かったですね。
骨太の筋だけで面白く、刑事もの、法廷ものとして追いかけてゆく。
地味なりに良質な映画力が抜群で、緩急ある流れに身を任せて、ずっと観ていられますね。
画づくりも悪くなく、音楽も過不足なく(これがなかなかできない)
邪魔もせず、さり気なく場面や筋を補説する役割に留めています。本来、劇伴てのはそういうもののはず。
更に、俳優の演技が良かったですね。やはり小劇場出身で長らく商業にも身を置けるレベルの俳優の演技力は素晴らしい。
特筆すべきは、渡辺いっけいと吹越満ですね。
非常によく抑制された、それでいて芯たるエネルギーに満ちあふれている。
エッジの効いた演技が段違いですね。
比べて失礼ながら、評価の高い吉岡氏も
映像の世界の演技でしかないと気づかされるレベルですね。
(しかしまぁ、あの満男が老け役とは、、歳の経つのは(以下略))
しかし、あれだけ紡がれた物語も
俳優が血肉通わせた登場人物たちのドラマも
物語は最終盤で現実に収束してしまうため、ノンフィクションものの宿命で
楽しければ楽しいほど
盛り上がれば盛り上がるほど
この時間よ終わってくれるな、夢よ醒めてくれるなの
あの物語構造は、いろいろな作品でお目に掛かりますが
この作品においても、非常によく機能していて、
結末を知っていればいるほど、その落差に涙してしまいます。
ジェットコースターのようなものですね。よく出来ています。
さて、タイトル回収ですが
私はプログラマー御本人に直接お逢いしたことはないため、物語上の推測ですが
果たして、彼は本当に、純粋に山があったから登ったという種の
研究者タイプの人物としてカテゴライズしてしまって良いのでしょうかね?
本当に、無邪気で純粋な探求者でしかないのか?
零戦を作った堀越二郎のように
原爆を作ったオッペンハイマーのように
ロケットを作ったフォン・ブラウンのように
己の生み出した技術とその結果を恨み、後悔したことはなかったのでしょうか。
この映画のテーマそのものでもありますが
果たして、本当に技術者に罪はないのでしょうかね?
社会通念上の、刑事罰に処せられる類の罪はなかったとしても
私にはなにか、違う「罪」(とその罰)のようなものがあるような気がしてならないのですね。
あれだけ頭の良い人が、果たして、本当に著作権侵害に使われないと
使われかねないという可能性を、少しでも考えなかったものでしょうかね?
使い方はあくまで使う本人の問題だと。
愚かな大衆の手に余る力をもたらしてしまった、その功罪の罪の方は
本人が意図しなかったのならば、その手は決して汚れてはいないのでしょうか?
匿名で技術を開発できれば、本当に自由は、安全は守られると?
裁判で語られるとおり、彼自身に、「罪」は本当にないのか?
私には、彼が心許した弁護士にだけ、飛行機飛ぶあの夕陽に
ほんの少しだけ滲ませた、自分の罪に対する意識の欠片を見た気がします。
私の気の所為かもしれませんが。
気の所為であって欲しいのですが。
こんな裁判をぐちぐちやっている間に
いつもの映画館で
大型連休真っ只中で結構客が入っていた
事前予約で席を確保していてよかった
東出がコツコツ頑張っていてうれしい
三浦貴大のリアル近眼演技もいい
素通しメガネは興覚めなのだ
吹越は儲け役だった
愛媛県警の不祥事告発の話と交錯していて
吉岡秀隆が目ヂカラ演技で頑張っていたが
何だか必然性を掴み損ねた
証拠が上がるのにWinnyが一役買ったということか
匿名性を発揮したとかそういうことか
なんだかウイルスのせいで漏れたのと
一緒くたになっていた感があって
そこははっきり説明した方がいいかと
こんな裁判をぐちぐちやっている間に
すでにYOUTUBEという新しい技術が出てきたという
ブラックユーモア
なんかその後の日本の技術力の凋落とリンクしているような
ま そういうメッセージなんだろうな
このタイミングでの放映はまさにベストタイミング。
感動の名作だった。もっと多くの映画館で放映して欲しい。
ソーシャルネットワークみたいな、インテリ系の映画と思ってたけど、どちらかというと法廷ドラマでした。まさか感動するとは。
金子勇のような天才が日本で羽ばたければもしかしたら、GAFAのようなIT企業が産まれていたかもしれない。
タイミングや日本の土壌も悪かったし、世間の理解も追いついていなかった。
そして今、ChatGPTが流行り政府も活用すると明言している。これに対し欧州各国やアメリカの大手ITは警戒感を示している。そのタイミングでこの映画放映はすごいタイミングだと思った。
金子勇が訴えたことを真に理解できるひとが増えれば、今後の日本も捨てたもんじゃないです。
全58件中、1~20件目を表示