Winnyのレビュー・感想・評価
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金子氏は後に続く技術者の為にも戦ったのだと思う
Winny事件ってあらためて見ると出る杭は打つ。誰かを悪者にして物事を終わらせようとする。っていういかにも日本らしい事件だよなぁ…Winnyというファイル共有ソフトが過剰に悪者にされていたのと同じように金子勇というプログラマーも警察やマスコミの報道で過剰に悪者にされていた。という事実が分かっただけでもこの映画は観るべき作品だし、すばらしい映画だと思った。しかし金子さんってこんなに明るくてポジティブな部分もある方だったんですね。かなり一般常識がない部分も多くて事件をややこしくしてしまった場面もあったけど…ただ内容は「Winny事件で7年半にも渡る裁判で無罪を勝ち取った金子勇と弁護士の戦い」を描いた映画なのでWinny事件をリアルタイムで知らない人などは観る前に金子勇氏やWinnyについて知っておいた方がいいかもしれない(金子さんはネット上では47氏と呼ばれていたとか)あと途中からWinny事件と並行して愛媛県警の裏金問題がクローズアップされるが「裏金の為に冤罪もあった」から、Winny事件もその裏金の為の冤罪だったのか…!と深読みしたが単なる裏金問題の領収書がWinnyで流出した。というつながりしかなかった。このエピソードはWinnyの特徴である匿名性で事件が明るみになった、Winnyも使い方次第で警察が隠蔽しようとした事件の証拠も明るみになった。いいことにも使える。という事を表現したかったのかな?結果的に金子勇氏は早逝してしまった事でWinny事件のせいで金子氏の「技術者としての寿命」が短くなったのは事実だし、天才プログラマーの人生を奪ったのは事実。だったら有罪判決の時に罰金刑を受けてプログラマーとしての活動をすればよかったのでは…?と思う人もいるだろうが、金子氏の無罪を勝ち取った戦いは金子氏の為だけでなく、その後に続く技術者の為になっているのは間違いない。金子氏は世の中をよくしようと裁判を戦ったのだ
淡々と進むストーリー
実話に基づいていることと裁判がメインであることで大きな波はなく淡々と進んでいく映画。
違法アップロードというだけで確かにソフト自体のイメージは悪くなるが、作った側にその意図がなく悪用されているのであればソフト自体は確かに悪いとはいいきれないよなと改めて考えさせられました。
ただサブストーリーとして進んでいた警察の裏金作りはそこまで主線に絡んでいたと思えないのは私だけなのか...なにか見逃したか?
腐った警察を表現したかったのか?
何かスパイスが足りなくて無理くり絡ませたようにも見えてしまうが、あれがないとやはり映画全体が物足りなくなってしまうのか、そのあたりちょっともやもやするが、最後実際の会見も見れて実話感も増してよかった。
起伏をつけて描いて欲しかった
Winnyという名前は聞き覚えがありますが、Winny事件のときはまだ幼く、開発者の金子さんが亡くなっていることも知りませんでした。
映画全体としては淡々と進んでいた印象です。もう少し変化をつけて観せて欲しかったです。
並行して描かれていた警察の裏金事件も本筋への絡め方が雑に感じました。カットして上映時間を短くした方が良かったのではないでしょうか。
ラストの金子さん本人の映像は良かったです。
長生きできていたら、もっと日本の技術向上に貢献してくれていたと考えたら残念です。
重要な作品と思われつつ、もっと面白くなるはずの惜しさも
(完全ネタバレですので必ず鑑賞後にお読み下さい)
Winnyの開発者に対する刑事裁判は当時も非常に重要な裁判であって、題材としても非常に興味深く、名作になる予感が鑑賞前にはしていました。
しかし、予想に反して名作あるいは傑作までは届かなかった作品の印象を鑑賞後には持ちました。
その理由は、この映画において対立構造がきちんと構成されて描けていなかった点にあると思われました。
例えば、本来検察は、容疑者の取り調べなどの捜査を担当する検事と、裁判において公判を担当する検事は、分かれています。
しかしこのWinnyの開発者である金子勇さん(東出昌大さん)の刑事裁判では、取り調べを担当した伊坂誠司 検事(渋川清彦さん)が裁判(公判)も担当するという検察の力の入れようが描写されます。
しかし、伊坂誠司 検事はその後の裁判では登場しなくなり、ここでも伊坂誠司 検事との対立構造は雲散霧消しています。
例えば、その後の裁判において、北村文也刑事(渡辺いっけいさん)に喋らせ過ぎたと、壇俊光 弁護士(三浦貴大さん)らが林良太 弁護士(池田大さん)を責める場面があるのですが、それによってその後の裁判がどのように不利に働いたかは描かれません。
逆に主任弁護士の秋田真志 弁護士(吹越満さん)が、北村文也 刑事の嘘を裁判での証言でピン止めする場面が描かれますが、それによってその後の裁判がどのように有利に働いたかも描かれません。
例えば、この裁判において、プログラム開発者vsあくまで金子勇さんは犯罪を犯したと主張する警察・検察、という対立の構図で警察・検察側の主張がきちんと描かれていた訳でもありませんでした。
つまり、映画としては、しっかりとした、金子勇さん・弁護団vs警察・検察の対立構造の裁判や描写にはなっていないのです。
確かにリアルな裁判においてはそんな対立構造がある訳ではなく、淡々と物事は進んで行くのかもしれません。
しかし映画において対立構造は(もちろんリアリティある範囲で)必要です。
そして、この映画『Winny』は、対立構造はどの場面も肩透かしを喰らうのがほとんどだったと思われました。
いじわるな言い方をすると、映画『Winny』においての対立構造の頂点は、壇俊光 弁護士(三浦貴大さん)が「この逮捕勾留は正しかったと胸を張って言えますか?」と検察に対して声を荒げる予告映像だったと思われます。
もっと警察・検察、あるいはプログラム開発者に無関心だった世間などに対して、対立構造を示す脚本構成はあり得たのではないか、もっとこの映画は面白くなる余地はあったのではないかと、その点では残念には思われました。
(弁護団と、警察・検察とのがっぷり四つの対立を描けないからこその、仙波敏郎 愛媛県警巡査部長(吉岡秀隆さん)の裏金告白を、金子勇さんの刑事裁判と並行して描いた、今回の映画の作品構成であるとも思われました。)
しかし、この映画を通して金子勇さんの少し一般とは違う人柄の魅力を伝えることに関しては成功はしていたとは思われました。
また、金子勇さんのプログラム開発者としての時間を奪った刑事裁判の罪深さと、今後は開発者に対する刑事事件化のハードルは歴然と上がっただろうこの裁判の意義深さも、十分伝わる映画だったと思われました。
それらの点も加味して今回の評価になりました。
大衆はクリエイターの意図など気に留めない
作成・公開したアプリが悪用されたことから、警察が無理筋を通して開発者を逮捕した事件を描くドキュメンタリー映画。
本作では主題とは関係が薄い仙波巡査部長のエピソードが挟み込まれている。
この仙波氏について調べてみると、経歴や言動に賛否両論ある人物であることがわかるが、映画内では仙波氏の「否」の部分には一切触れられていない。
仙波氏を徹底的に「賛」として描くことにより、観客が本作の主人公である金子氏に対しても映画内で描かれていない「否」の部分があるのではないかと視聴者に錯覚されかねない造りになっている。
警察という巨大な権力の「否」を示す本作にとしては、この構造は潰されずに公開するための苦肉の策ということになるのだろうか...。
今も尚、国家権力による検察警察へ圧力はあるのでは。
Winny が流行った当時、利用してた友人が音楽CDを買う私にもったいないって言われたが違法に取得して著作権もあったもんじゃないと思い、嫌悪感すら覚えていたことを思いだし、興味が湧いて見に行ったが、開発者を不当逮捕、違法な取り調べに調書と滅茶苦茶だし拘束されたら何でもどうにでもなる現実と争う被告と弁護士団との裁判での戦い。
開発者を強いたげることは良くない事だが、開発者も世に出す前に悪用される事への想像が出来てなかったことに問題あるとさえ思う、プログラミングすること以外の一般常識に疎いというのは、この件でなくても怖い事だし彼の周りにそういったリスクマネジメントする人が居なかった事が不幸だった。
愛媛県警の裏金問題の顛末、告発者のその後が描かれなかったのが残念。
裁判の描写、検察vs弁護団が大半を占めていてそのストーリーは楽しめる。
映画を観るまでwinnyと開発者、利用者には嫌悪感しか無かったが、開発者への見方は変わったものの悪用されることを想像出来ず、ある意味未完成のソフトウェアを世に出した落ち度は開発者にあるわけで、一審の判決は納得するものかな。
こういうものは何であれ便利性だけでなく反対にあるものも想像しなければ、ただの開発者の押し付けになってしまう。
人として利用する側も判断できる頭と心を待ち合わせなければと今更ながら思い知らされた。
似非科学では飛行機は作れない
Winny
著作権が脅かされている。好きな作家の権利が侵害される。普通の感覚で妨害する。しかし普通の感覚でいるので、そのことで恩恵を受けていることには終ぞ気づかないで終わる。
(自分も末端ながら医学に携わっていて思うが)無論監視機関は必要かもしれないが、科学を含む学問というものは元々一枚岩などではなく、専門家の議論の中で組み上がっている。それどころか一人の専門家の中にも議論がある。修正、改良は、似非学者がやるよりも専門家が集まって行った方が早い
Winny事件については恥ずかしながら無知であった。友人が使っていたのを白い目で見ていたのを覚えている。メディアの発信は有罪の第一報しか覚えていない、罰金で済んで許せないとすら感じていたかもしれない。確かに弁護側一点からの視点ではあったが、単なるドキュメンタリーを超えた描写力、そして展開は、、つまり事実は小説より奇なりか
振り返って、幇助の意味等を一々解説するところに、裁判官に対するデジタルの解説との入れ子構造のようなものを感じた、意図的であろうか?映画を含め、何かを伝えることは難しい。
眼鏡の件など、東出さんは役の懐に入っていくのが上手い人だと感じた。遺族の方々の反応もあり、作られる意義があったと心から感じる映画だ。
大人のすることへのアンチテーゼ
金子さんと言う人は本当に子供。
後先考えず、やりたい事をやる。
そこに山があったからは言い得て妙である。
立場は違うが、私も設計者である。
その私から見て、金子さんは羨ましい。
自分の考えであれこれできるのだから。
大体の技術者は、会社勤めだから
良いと思っても、結局、頭の堅い
上司と言う大人に言いくるめられる。
教授なんて変態だからできる商売
だからこそ新しい考え方、ものができるのだと思う。そこには純粋な気持ちしか無い。
今回の逮捕は、そんな子供と大人の
言い争いかな。
『そんな事いいから勉強しなさい』
大人は子供にあーだこうだ言うけど
言われてる本人は良かれと思い
純粋にやっている。
日本は放置国家だ。法治国家ではない。
放置してる癖に、いざ困ったことが起こると
子供を自分の尺度に従わせる。
警察の汚職事件も並行してなぞってるが
監督はそう言う事を述べたかったのか?
これは前述に記したことと重なる。
何れにせよこれは大人に対しての
教材だ。
今騒がれてる人達。議員のあの人。
こう言う純真な気持ちありますか?
そんな組織人間の大人達への
一考になるのではないのかな?
日本社会における憂い
ソフト「Winny」の軌跡を辿る物語。日本という閉鎖的な社会で起こる開発者の問題を描く。
新しいことへ挑戦する者への尊厳と意欲を後押しすることをこの映画から魂の叫びの如く感じる。
そしてこの映画から挑戦する意欲と地位を獲得することに尽力された方々への賛賞を禁じ得ない。
新しく作ることの大切さを理解し、先に進めることの大事さを人々の心に届くことを願わずにはいられない。
消化不良⁉️
肝心の『1度有罪判決が出てからの数年後の無罪判決が出るまでの経緯』が描かれていなかっただけに物凄く消化不良でした!本当はそここそ観たかっただけに残念でなりません(>_<)
脚本が秀逸な傑作
この作品の主人公、金子勇氏の弁護団が交わす会話などを通じて、見ている側に裁判の争点や、発生した問題点などが、分かりやすく描かれている。
その金子勇氏の何気ない言動(食事のシーンなど)によって、本人の個性や人間性が伝わってくる。
更に、この事件と同時期、こちらも大きな社会問題となったが、一見、本編ととは関係無いと思われる行政機関による裏金作りと、それを正そうとする側のエピソードが、吉岡秀隆演じるベテラン警察官を通して同時進行に描かれているが、それが最後に大きな意味を持ってくるという、物語構成の見事さ。
監督であり、脚本も手掛けた松本優作の才能は素晴らしい。
役者陣も、本人に成り切っていた東出昌大、三浦貴大の抑えた演技が、物語にリアリティさを与えていた。
最も印象的だったのが、あのラストシーン。本編を観て、是非、作り手の思いを感じ取って欲しいと思う。
個人的に、この事件の頃は大手電機メーカーの子会社で、携帯電話の仕事をしており、人一倍注目していた事件だったので、感慨深いものがあった。
最後に、この映画を制作したのはKDDIで、権力の側にあった公社を母体とするDocomoでは、決して作られなかっただろうと納得。
映画として面白かった
この事件に詳しくない人にも楽しめる作りになっていて、ドキュメント映画ではなく、ストーリー映画として楽しめました。
キャストも主役以外はバッチリ嵌まっていたと思います。それだけに主役がちと残念だなぁという印象。
特に東出さんに何の感情もないですが「金子さん」ではなくて「頑張ってる東出さん」としか見られなくてストーリーに没入できなかったです。
最後、吉田羊さんの説明台詞にがっかりしました。その後にご本人の映像を出すのだったらいらなかったと思います。
47氏が遺してくれたもの
以前に壇弁護士の書かれた書籍を2度読んだ事もあるため、結末を知った上で観ましたが、良い意味で期待を裏切られました。
47氏(金子勇)が『Winny』を公開する所から始まり、京都地方裁判所より『罰金150万円』の有罪判決を受ける所までが描かれています。
インタビューでも書かれていましたが、まず小道具の再現度が素晴らしいですね。
メガネのフレームやカメラはご本人の遺品を使っているのだとか。
PCやマイコンも可能な限り当時のものをとオークション等を使って揃えられたそう。
次に演技の部分。特に東出昌大さんの演技に惹き込まれました。
喋り方や細かな動きに至るまで、記者会見や書籍で描かれる中で想像していた人物像そのもの。
調べてみましたが、役作りの為に18キロの増量や壇弁護士や遺族の方にも取材を行っていたそうで、当たり前だと言われるかもしれませんが、改めて役者さんは凄いなと関心しました。
最後に演出の部分。全体的にリアル志向で好感でした。
小道具にも共通する部分ですが、ところどころ出てくるプログラミングのシーンもありがちな安っぽいサイバー演出をしていない所が良いですね。
また、ラストシーンに本人映像を出す演出。これには思わず涙が溢れてしまいました。
志半ばで倒れた47氏が戦い続けて遺した『技術者の未来』
インターネット上での著作権という凡例が少なかった時代に『無罪』を勝ち取った功績は非常に大きいものだと思います。
劇中にも出てきましたが、「ナイフで人を殺めた時に裁かれるのは誰なのか」という部分。
綺麗事と言われるかもしれませんが、出る杭が打たれない社会になる事を願っています。
なによりも本人の肉声が残る
当時話題になっていたのは知っていた。僕は利用したことはなかったけど、事件になったことも見聞きしていたが、裁判の経過などは知らなかった。その後のことも。
実際の本人コメ、金子さんを演じた東出さん、すごく良かった。
ある種、当時のオタクらしさを含めいい芝居をされていた。
古き良き、でも善悪混沌入り混じる黎明期のネット世界の住人の人らの想いもよかった。
それにしても、やるせない。
あの県警の人のその後は。。
47氏、さすがにここまで不思議くんではないだろうw
事実ベースの話は苦手です、なぜなら結果が分かっているから・・・
この題材でどこまで面白くできるのか、全然期待せずに見にいったのもあるかもしれませんが、予想外に面白かったです。
キーとなるのは、作中で一貫してP2P(ぴあつーぴあ)と表現していますが、現在ではブロックチェーンと呼ばれる技術ですね。
作中にブロックチェーンという言葉は一切出てこないですが、当時はまだそんな言葉はありませんので当然です。この辺りしっかり作ってて好感がもてます。
その他細かい作り込みで見どころ満載です。
コンピューター音痴の監督がやりがちなサイバーな表現もありませんし、
チラッと映るソースコードが人間業とは思えない変数名を使っていたのは、もしかして逆アセ?とか、
ジオシティーズとかもしかして本物のアドレスなんだろうかとか、
47氏の部屋に古いマックが2台あったけど68000とかパワーMACはないんだなぁといったような・・・
ちなみにWinny以前にはWinMXという(こちらは全くのpear to pearでブロックチェーンではない)ファイル共有ソフトが流行っていて、その次世代ということから
Mの次はN、Xの次はYということで名付けられたらしいです。
ネタバレ改行
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冒頭、のちの担当弁護士が言う通り
「ナイフで殺人事件が起きてもナイフを作ったものが罪に問われることはない・・・」
誰しも恐らくそう考えるだろうし、警察や検察もそう考えていただろうから、罠にかけてまで起訴に持ち込んだんでしょうけど、そこまでした理由を疑問に思わせつつ話は進みます。
同時進行で裏金の内部告発のエピソードが入れ込まれますが、これにうまいことミスリードされて飽きずに観てられたと思います。
まさか裏金の話が動機なんてことは・・・さすがにそれだと安易すぎる・・・などとちょっと心配になりながら見せられていきますが、終わってみるとそんなことはありませんでした。
マスコミも一丸となって印象操作に加担して47氏を追い詰めていくところなど、S大の監獄実験よろしく命令されて思考停止したコマの集団の危険性==個人の価値観や正義感は無視して無感情に役割を果たす姿であり、告発者である警官は匿名化ツールがあれば脅迫電話や尾行などに怯えることもなかった=個人の正義感のメタ。
サイコパス化した組織VS個人の正義感の構図。
実際、作中でも語られているように裏金は誰かが私腹を肥やす目的ではなく、内閣機密費のような使途を明かせない費用に使われていたものということで落ち着いています。(とはいえポケットにいれてもバレなそうですが・・・)
思考停止してコマとして働く組織人と全て自分でリスクを受け持つ個人どちらになりたいだろうか・・・
こういう状態は強い権力を有する官僚やマスコミなどに限らず組織にいれば陥りやすいと考えるべきで、そうはなりたくないからといって周りに煙たがられる存在で耐えられるのか・・・また、告発した側の個人も法的には正しいが・・・という考え方も
気になる警察側の動機については明かされませんが実話ベースならそれもアリかと思います。むしろ無理やり解釈を入れるよりは不明なことは不明で、成行で起きたということでいいのではないでしょうか。
出る杭はうたれる社会
もともとこの事件を知らなかったけど、Abemaで紹介されていて興味がわいたため、みてきました。
東出さん演じる金子勇さんが本当に純粋にプログラミングが好きな人に私には見えました。
この事件に関わったそれぞれの人の熱い思いが伝わってきました。
それと同時に出る杭はうたれる社会ともいわれる現代日本に疑問を投げかける良い作品だったと個人的には思います。
映画化するのは相当な勇気が必要だったように思いますが、とても素晴らしい映画でした。ありがとうございました。
良く出来ていたと思いました。
サスペンス、法廷ドラマとしてもとても面白かった、という感想です。
WINNYはP2P型のファイル交換ソフトで、冒頭でファイルを交換したユーザーが著作権侵害で逮捕されていくのですが、関係する弁護士らが「開発者本人は逮捕されないはず。ナイフ殺人者は逮捕されても、ナイフ発明者は逮捕されるはずがない。米国のナップスターの開発者も罪に問われなかった。」と話すシーンがあります。しかし、本件は逮捕されてしまい、その後長い裁判を争ったという実話に沿ったものです。
東出昌大が開発者、三浦貴大が弁護士で、好演しています。凄腕刑事弁護士の渡辺いっけいもよかった。開発者が純粋な開発欲で開発したことを法廷の尋問で示すところも面白かった。
ラストのクレジットで当時のご本人の記者会見が出てくるのですが、東出昌大は雰囲気よく出していたなと改めて思いました。
満天の星
裁判を控え、不器用に秋刀魚を食べる金子に壇弁護士が語りかける。「私の人生の五年間を金子さんのために使いますから、金子さんはこれから生まれてくる日本の技術者のために残りの人生を使ってください。」
第一審で有罪判決を受けてから七年、最高裁で無罪を勝ち取った金子さんが、その後実に半年間しか技術者として生きられなかった。
金子さんのためにもひとりでも多くの人に観てほしい。
金子さんを演じた東出昌大がその人の良さを体現していたのをはじめ、弁護士役の三浦貴大、皆川猿時、和田正人、吹越満、劇的な見せ場がない役柄を淡々と演じていつもよりそれぞれが実力を発揮する好演。気を衒わない真面目な演出も好もしい。
愛媛県警の裏金問題がどう絡んでくるのかと思っていたら、そういうことか。
PCや最新技術に疎い同僚弁護士や助手?を配することで、彼らに問題を説明するような形で観客にもわかりやすく伝える脚本も上手い。
金子さんが見上げる夜空の満天の星。
法廷でプログラムの説明に熱中する金子さん。
エンドロールで流れる実際の金子さんの映像。
目に焼きついて離れない。
こういった良質な作品が若い作家監督の手によって制作され、全国公開されている。マスコミや観客も応えなければいけない。(平日の昼間とはいえ貸し切りだったのは残念)
初公判で有罪判決を出した裁判官は何も問われないのかなぁ。
事件を知らない人も、知っている人も楽しめる法廷ドラマ
2003年に起きたファイル共有ソフトWinnyをめぐる事件の映画。面白いし、考えさせられる作品ですね。
まあ、事件そのものは、おじさんオタク世代なら覚えている話ですし、Wikipediaで読めば分かります。もちろん映画なので「権力に抗ったエンジニア」として描かれています。
ただ、興味深いのはWinnyの話だけではなく、中世的な日本の司法制度や匿名性の功罪、内部告発の難しさ、などこの事件を題材に投げかけるテーマが複層に絡まり、あえてそこには答えを出さない、という作り方が良いと思います。
テーマに対する一つの答えとして、エンドロールでWinnyの開発者である金子功氏が語るセリフが考え深いです。最高裁で無罪を勝ち取った後の記者会見で冤罪をもたらした責任はどう考えるか?という記者らしい煽り質問に、「誰かの責任にすれば良い、という考えで自分が逮捕されたのでは」、と。
映画としても面白い。やはり東出昌大は上手いです。エンドロールのご本人と雰囲気そっくりです。予告編だと三浦貴大の熱血弁護士が啖呵を切っていますが、本編では秋田弁護士が本当の主役ですね。
最後の被告人の陳述で「Winnyの修正が裁判のおかげでできなくて悔しい」とSDカードを手にするのですが、臭い芝居を入れたな〜、と思ったら、パンフレットを読むと実際の法廷でもやったそうです。法廷でも、SDカードは「仕込みの小道具」として使ったそうで、法廷も舞台なんだな〜、と感心しました。
Winny事件の功罪はあえて語りませんが、Wikipediaでは意外と批判的に書かれていますね。本編でも警察の陰謀論が少し出てきましたが、うやむやになってしまいました。私は陰謀論好きなので、ちょっと深掘りしてみたいな、と思います。
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