Winnyのレビュー・感想・評価
全302件中、281~300件目を表示
日本的
良心的な人間ドラマでした
実際に起きた2002年ファイル共有ソフトWinnyによる著作権法違反ほう助の容疑で逮捕されたプログラマー金子勇氏の裁判ドラマになります。
ドラマチックな演出や盛り上げる音楽も一切なく天才プログラマー金子勇の人間性を丁寧に描いている真剣で良心的な人間ドラマでした。
オーラを感じない地味なオタクプログラマー金子を東出昌大が上手に演じて好感が持てるキャラクターにしてます。
弁護士・壇俊光を演じた三浦貴大も実在感がありさらに吹越満演じる秋田達の弁護団の奮闘する姿にラストまで引き込まれました。
惜しいのが警察の汚職の描写と「Winny」裁判の関わりが微妙で脚本の意図が分かりにくい感じがしました。
おススメ度は個人的にはかなり高いです。
特にこれからの時代を担う若い学生さんや自宅で閉じこもっている方たちに無罪を勝ち取った後の金子勇氏の実在映像のメッセージを見てほしいと感じました。
ちなみに無罪を勝ちとったあと2年後に金子氏は心筋梗塞で亡くなっています。
正しいものが足を引っ張られる悲劇
2023年劇場鑑賞55本目。
映画館で映画を鑑賞するのが好きな自分にとって制作者に1円も入らない違法視聴は本当に腹立たしく、そういったソフトを作る人にも腹を立てていました。ナイフで人を殺してもナイフを作った人のせいじゃない、という序盤のセリフで詭弁だと思っていましたが、ソフト開発におけるチャレンジを悪用する人だけが悪いのであり、システム的に問題があったとしてもその挑戦自体を否定することは進歩の大きな妨げになるというのはよく分かりました。
もう一つの事件も並行して描かれ、奇跡的なつながりを見せるのですが、どちらも権力側の愚かさが正しくあろうとする人の足を引っ張っている共通点がありました。発見させてくれた映画として星5つ。
まぁ、東出昌大の名演を見ていても不倫がどうしてもよぎってしまい、「いいひと」役はしばらくキツいんじゃないかなとは思いましたが・・・。
日本に実在した天才の話
素晴らしい予告編に完全に心を奪われて公開初日に仕事をぶん投げてレイトショーに駆け込んだ。
「このナイフであなたを刺殺したら、誰が罪に問われるのか」
言わずもがな、刺殺した人が罪に問われるのであって、ナイフを開発した人は罪に問われない。
金子さんの純粋な探究心により開発されたwinnyが開発者の意図しない悪用により、国から罪に問われてしまう。
金子さんはどうなるか、日本は金子さんを罰するのか。
こんなドラマチックな事が日本で起きていたなんて…
映画で語られなかった部分はこれから調べてみたいと思います。
また、
Spotifyやyoutube、Netflixが今日あるのは、こう言った時代背景にも影響あるんだろうなと、シミジミ
満えん
著作権法違反幇助の容疑で2004年に逮捕されたファイル共有ソフト「Winny」の開発者金子勇氏と、彼の弁護団の話。
違法コピーした容疑者が逮捕され、金子勇も家宅捜索~事情聴取されとはじまって半年後、誓約書として書かされた申述書が切っ掛けで逮捕され、弁護士と会ったと思ったら、あれ?もう一審始まってるの?
自分達の世代だと裁判の結果は判っているし、あくまでも金子勇氏側の視点でつくられているという部分はあるけれど、自分ではアップロード出来ないダウンロード専用のSPver.を使っていた程の頭の良い人があまりにも世間知らずで誓約書を書き写したり供述調書に署名したりと氏の姿勢や弁護団の裁判に臨むやり取りがなかなか見応えがあって面白い。
そして絡んでくる愛媛の件…まあ、判るけれど、そこに尺を使い過ぎのような気もするし、それでいて結局二審は字幕処理って。
法廷ものの作品というよりも金子勇氏への哀悼的作品という感じ何でしょうかね…。
新技術の開発者へのエールになっているが、陰謀論的な印象操作はいただけない
社会的な常識に欠けていて、周囲の者をイラつかせる主人公のキャラクターが、東出昌大のそれと重なって見えて面白い。エンドロールで映し出される本人のドキュメント映像を見ると、決してソックリとは言えないものの、これは、これで、「好演」だと思う。
ただ、物語の核心でもあるWinnyについては、具体的にどのようなソフトで、何が凄かったのかが分かりにくく、今一つ話に入り込めなかった。もっと、IT弱者でも理解できるような、分かりやすい説明があっても良かったのではないだろうか?
さらに、ソフトの開発者を犯罪者に仕立てようとした警察や検察の「裏の意図」が、最後まで明らかにされなかったのは物足りない。劇中の台詞にもあるように、これが裁判に勝つための鍵となるはずだったのに、結局、取り調べの不当さを立証することが争点となってしまい、しかも被告側の敗訴となった一審までしか描かれないため、裁判に勝つカタルシスが弱まってしまったのではないだろうか?
裁判と並行して描かれる愛媛県警の裏金事件からは、Winnyに、著作権の侵害という負の側面だけでなく、不正の暴露という正の側面もあるということが分かるようになっている。しかし、それ以上に強く印象に残るのは、警察という組織が大きな闇を抱えているということである。
仮に、警察の「裏の意図」が、こうした組織の闇を隠すことであったと言いたいのだとしても、だからといって、ソフトの開発者の逮捕には結び付かないし、逆に、陰謀論的な胡散臭さばかりが鼻についてしまう。
物語としては、裁判に直接関係のない裏金事件の詳細な描写は必要なかったと思うし、一審での敗訴と主人公の死亡という悲劇で締めくくるのではなく、裁判における最終的な勝訴をクライマックスにした方が、もっと心地よい後味を楽しめたのではないかと思えるのである。
映画:金子勇
『満えん』
P2P技術での世界に於ける日本のアドヴァンテージを予感させる開発であったWinNY
しかし、余りにも日本の世情とのミスマッチによる運の悪さに因って、プログラマ自身が逮捕起訴されるというトンでもない転がり方をした事件の顛末を描いた作品である
勿論、ドキュメンタリーではないのでドラマとして加筆している部分はあるだろう しかし鑑賞後に改めてこの事件をネットで調べてみると興味深さは一段と浮き彫りになる内容である
主人公である開発者、そして対峙する警察・検察、味方となる弁護士、そして世論 このどちらにも『プロトコル』が存在していない この事件に於ける一番の問題は、お互いの欠けている部分を認識し、並列にすべき概念を逸している事なのではないかと思う それはクライアントサーバー型式のように上下の繋がりではなく、正にピアツーピアの発想こそが請われているコンセプトなのではないかと愚考したのである
それぞれの立場故に中々相手を慮る姿勢については困難を極める 未来永劫それは無理なのかも知れない それでも風穴を開けたいと願う人間は出現する 一人は天才 もう一人は正直 何れも共通するプロトコルは"純粋" 純度が高い程、爆発的な化学反応を引き起す だからこそ雑味が酷い一般社会に於いては、それを『異形』と称して排除しようとシステムが稼働してしまう
しかし、純度が100%に限りなく近かったら?・・・ 雑味は所詮妥協の成れの果て 自覚しているからこそ武装するのであって、本来はその重い鎧を脱ぎ捨てたい
抽象的な話に始終してしまったが、"純粋"と"不純"、その相克を突きつけた意義のある作品であると強く感じたのである
もう少し削ぎ落として良い箇所、しかしストーリーとしてのカタルシスを刻みたい欲 制作陣の苦悩がそこかしこに色づけされていることを痛い程感じてしまったのだ
力量不足…
全体的に無駄な場面が多く冗長
大して関係ない愛媛県警の話も織り交ぜて一審の有罪判決までをダラダラ描いて、無罪判決を得るまでのところは全カットって…。
そこに本当にドラマは無かったのか?
いくら何でも負けて亡くなって終わりは無いだろうよ。
どこにピント合わせて作品作ってるんだよ。
エンドロールで現実の映像が流れるが、演出の方法としては”逃げ”だと思った。「それを”劇”にしないとダメなんじゃないの?」って。
役者の演技は良かっただけに残念。
金子氏の存在証明
【”革新的ソフトに罪はない。”行き過ぎた公権力の姿を軸に、刑事訴訟された天才プログラマー及び弁護団の姿を描いた作品。粗い箇所もあるが、公権力の闇や、力の乱用に釘を刺す意味では、意欲作だと思う。】
ー 今作は、2002年に革新的ソフトを開発、公開した事から”著作権法違反幇助”の罪で刑事訴訟された故、金子勇さんの姿を描いている。ー
◆感想
・序盤は利用者同士が簡単に無料で遣り取りできる”Winny"を開発、公開した金子(東出昌大)の、簡単に警察が誘導した書類にサインする姿にヤキモキしながら、観賞。
ー あんな、警察が用意した文章を自分でそのままなぞって書いたら、思う壺だろう。金子の天才プログラマーながら、社会的な経験値の低さが描かれる。-
・弁護士の壇(三浦貴大)は、”悪用を前提にしたモノではない”と、裁判で抗弁するが、ナカナカ主張が通らない。何しろ裁判長自身が、デジタル素人なので原告と被告の弁論が理解出来ていないのである。
ー そもそも、原告が検察というのもイロイロと勘繰りたくなってしまう。-
■今作が巧いと思ったのは、"Winny"事件だけを描かずに、愛媛県警で長年行われて来た裏金作りを併せて描いている点であろう。
老刑事(吉岡秀隆)が、その事実を記者会見で告発する姿。
<今作は作品の作りとしては、可なり粗い。
だが、今作は公権力の闇や、その力の乱用に釘を刺すという意味では、余り映画の素材にはなりにくいデジタルソフト開発を軸にした意欲作だと思う。>
戦うしかない裁判
評価に迷います。悪くはないが良くもなく。
ノンフィクションを作品にするって大変ですよねえ。主人公のイメージってリアルな本人がいるわけで。エンドロールの最後に本人のインタビュー映像が映し出され、なるほどと俳優の役作りを知ることが出来ます。
主人公が小学生の頃に電気店の店先でPC8001のプログラミングを行うシーンがあり、それはちょうど私が大学のころで、アルバイトでお金貯めて168000円で買ったなあって懐かしかったです。
全体的に大きな抑揚は無く淡々と時間が過ぎていくような感じですが退屈するほどではなかったです。
ただし、リアルストーリーなのでもう少し時間の経過とかがわかりやすい工夫があればと思いましたし、最初に小学生のころから入って、ソフトウエアのオタクに成長する過程とかがあれば入り込むきっかけになれたんじゃないのかなって思いました。
最高裁で勝訴するのが時間の関係か物語に不要なのか省かれているのはちょっと違和感がありました。
まあまあそれなりに楽しめたのかなあ?って、どうなのかなあ?自分自身よくわからない映画でした。
サトシ・ナカモトはWINNYから学んで日本を捨てた?
二つのエピソードが絡みあいながらも別々に進む。多分、警察検察の体質と無理解からあの騒動が起こったというストーリーなんだろう。悲劇である。
壇弁護士が金子氏に事業化?をもちかけるが金子氏にはそんな発想が無い。檀氏も強く押さない。GAFAMが日本から出ない理由が良く分かる。
エジソンズ・ゲーム(2020)でもそうだったけど、才能の周りに投資家が集まり盛り立ててゆく。出る杭は打たれる日本では難しいんだろうけど、なんとかなりませんかね。TRONなんかも色々言われるがもうちょっと企業と政府が力入れてたら違う世界線が有ったんではなかろうか。
PCの始まりから見てきたものとしては感慨深いエピソード満載。ドラマとしては淡々としてるけど飽きずに観られた。
金子氏のご冥福を祈る。
全302件中、281~300件目を表示











