初恋のレビュー・感想・評価
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愛を組み立てるなら「ユニディ」へ
窪田正孝の照る肉体、小西桜子の虚ろ、染谷将太の笑気、ベッキーの純情な狂気、そして濃密な各キャラが放つエネルギーが、全て「悪人総進撃!ユニディ大血戦」へと導かれていく。血沸き肉躍る展開には、思わず拳を突き上げたくなる衝動に駆られ、時折哀愁を感じてしまう。大型ホームセンター・ユニディには“生活必需品がなんでも揃っている”。しかし、登場人物の大半にとって、それらは必要がない。誰もが“生活”を考えていないからだ。目の前にある道具は、本来の用途とは別に、命の削り合いのみに使用されていく。“生活”を渇望する者だけが、ユニディを再訪出来る権利を得られるのだ。
タイトルには似つかわしくないバイオレンス描写が際立つが、2つの光景を目の当たりにして「なんて優しい映画なのだろう」と感じた。まずは、電車内で幻影を見ているモニカ(小西)に対して、レオ(窪田)が「(モニカのようにはなりたくないが)その幻影を見てみたい」と微笑みかける場面。侮蔑の視線を送らず、その立場を忌避しながらも、「私は、あなたの見ているものを、見てみたい」と願う。安易な理解よりも、よっぽど救いの言葉になると感じた。
2つ目は、レオとヤクザ・権藤(内野聖陽)が車中で交わした会話から生まれたもの。本作に登場する“クソ野郎”の多くは、重曹で煮詰めても溶解しないほど、徹底した“クソ”である。彼らが参戦する“悪”VS“悪”という構図が築かれるが、それを“個”に置き換えた時に示されるのは、互いへの理解を示せたかもしれない可能性。どんなところにも“分かり合える者”がいる――のかもしれない。全ては「たられば」の想像だ。だが、対峙するものを単色の「黒」と決めつける前に、その中にあるかもしれない「小さな白」の存在を信じる。その思考は、頭の片隅に置いておきたい。改めてそう感じてしまった。
余談:クライマックス~エンドロールへ至る過程が、本当に美しい情景でした。
Vシネ時代のやんちゃな三池監督が帰ってきた!
「DEAD OR ALIVE 犯罪者」などのVシネマ、「オーディション」「殺し屋1」での過激な暴力描写、初期の三池監督は先鋭的でやんちゃな表現者の印象だったのに、商業映画の大作を任されるようになり丸くなったようで寂しく思ったり、傑作漫画「ジョジョの奇妙な冒険」の凡庸な映画化に失望したり。だが今作は違った。昔のままの破天荒な三池ワールドが横溢している。
スプラッター、切り株が苦手な人にはお勧めしないが、大丈夫ならきっと三池ワールドを満喫できるはず。鍛え上げた細マッチョな窪田正孝が、余命宣告されてヤケになり無謀な逃避行に走る展開も楽しい。笑いも随所にあるが、大森南朋がユニディに言及する台詞に一番笑った。「ウェインズ・ワールド」のプロダクトプレイスメントの風刺ネタを思い出した。
洋邦問わず近年見た集団犯罪ドラマのベスト
KO負けを食らったボクサーが、街で接触したヤクザに囚われの身の少女を助けたことで、組織が扱うブツを横取りしようと企むヤクザ、そのヤクザと結託して甘い汁をすすろうとするやさぐれ刑事、ブツをめぐる攻防の過程で死んだ下っ端組員の恋人、チャイニーズ・マフィア、出所してきたばかりの組長とその手下等が、各々の欲と恨みを剥き出しにして蜂起していく。違う場所に住む人々が、きっかけになる出来事によって徐々に束ねられていくプロセスが絶妙なら、随所に散りばめられたユーモアと、すべてのキャラクターを無駄に消費することなく生かし切る脚本の気配りには、心底舌を巻く。抜群の展開力と意外性を含み一瞬も休むことなく疾走する集団犯罪アクションが、ここに完成した。近年見たこのジャンルの映画(洋邦問わず)としては、ベストではないだろうか。
テンポよく楽しめた
いかにも三池崇史監督作品である
その中にクスッと笑える愛嬌もあり作り手の巧さを感じる
そして何よりキャスティング
出演者全ての典型的イメージそのままに出てくるので実に気持ちがいい
タイトルの初恋というワードとは程遠いストーリーだが、オチで「そこか!」と回収してくれる
お見事
三池崇史監督なら、こうなるよね‼️
三池監督が『初恋』なんてタイトルで、まさか純愛映画を
撮ったのと思ったけれど、やっぱり予想通り、
バイオレンスと裏切りのヤクザ映画でした。
ラブストーリー?
いやはや極道ものではないですか!!
無名のボクサーのレオ(窪田正孝)が、ひょんなことから、
ヤクザに親の借金のかたに体を売らされてる少女・モニカ(小西桜子)
を助けたことで、ヤクザとチャイニーズマフィアの抗争に
巻き込まれて行く。
それをドタバタ喜劇よろしく描いて行きます。
ドンパチ、めった切り、
血みどろを描かせたら右に出る監督はいないであろう
三池崇史監督作品だ。
何より凄かったのはベッキー。
心機一転、気持ちを入れ替えて、超クレレジーなヤクザの女を
演じて見せました。
(ホラーかと思ったよ)
ヤクザのNo.3を演じた内野正陽が昔気質のヤクザで
最後は格好良かったです。
ボクサーを演じた窪田正孝は細マッチョでハマり役でした。
ラストにようやく『初恋」のタイトルに相応しい空気が漂って
ホッとしました。
レオとモニカに幸多かれ!!
三池監督、いいかげん自分が撮るべき映画を理解しなさい
三池崇史監督にはいい印象は持っていない
テラフォーマーズ、ジョジョの奇妙な冒険
ダイヤモンドは砕けない 第一章など原作潰しを何度もやらかしてる
いずれも上手く作ればシリーズ化が見込める名作だったのに、彼の罪は大きい
特にジョジョなんて第一章なんてやる気満々なのがわかるだけにね
彼はアクションとか男のロマンとかを撮らせたら第一人者だけれど、つなぎの会話とか心のキビとかは苦手というか邪魔くさいんだろう
だからしっかりした原作では力を発揮できない
自分の発想を自由に表現するタイプなんでしよ
細かいシナリオはかえって邪魔になる
今回のように単純なストーリーの方が力を発揮しやすいんだ
事実、彼の独特な世界観の中で役者が生き生きと動きまわっていて輝いている
時に狂気、時に青臭く
現実離れした男達の生き様に引き込まれる
だから、初恋のはの字も感じさせない
あまりに的はずれなタイトルはジョークなのかと、ひそかに笑ってしまう
テーマなんて無視して
好き勝手に撮った時の彼の才能は、悔しいけれど認めざるを得ない
結局、既婚男にもてあそばれただけなのに人気を落としたベッキー
開き直りが凄くていい
ただ、キャラが変な方向に変わってしまったのはかわいそう
東出昌大にもてあそばれた唐田えりかといい
日本女性は不倫した女性に風当たりが強い
どうみたって男が悪いのにね
巻き舌の染谷将太
三池ワールド。だそうで。
「初恋」という題名の バイオレンスアクションコメディだった。コメディ! なんじゃこれ。
「あは!」って、つい声出るわ。
新宿歌舞伎町。
私の人生で片手で足りる程しか行ってないけれど、この先も一生関わりなく生きて行きたいものです。コロナ禍では特に。
とにかく気持ちいいくらいにバタバタと人がお亡くなり。
ベッキーの 血だらけで 目ん玉飛び出そうな形相がフロントガラスに張り付くあれは 夢で見たら超恐い。
で
題名が 「初恋」
まあこの題名じゃなきゃ 見てないけども。
面白く見た。うん、なかなか良かった。
71点
初めての映画体験で、結構印象に残っている作品。
まず窪田くん上手。ボクサーとしてまだまだな感じも絶妙に伝わるし、キャラクターもちゃんと描かれていてそれが伝わる。
当方が好きなヤクザものなのに、こんなにシュールだったり笑えるシーンが混ぜ込まれていたり、なのにちゃんとポップにグロかっりと幅を聞かせた脚本に楽しませてもらいました。
是非。
どうも三池崇監督作品は合わないらしい。
「初恋」というタイトルとバトルロイヤル的なパッケージのギャップに惹かれたけれど、初恋要素もバトロイ要素も薄くてガッカリした。
あぁこれはラブストーリーだったのだな、と感覚を普通に戻させられるラ...
あぁこれはラブストーリーだったのだな、と感覚を普通に戻させられるラスト。
悪徳警官(大森南朋)にヤクの横取り計画をもちかけた下っ端ヤクザの加瀬(染谷将太)。どんどん変な展開になっていくのが映画ファーゴみたいで、この加瀬がスティーブブシェーミみたいな役回りをしてる。何一つ計画通りいかず深刻な事態に陥り、ヤクザと中国マフィアの抗争を激化させる。モニカの持ち逃げに見せかけて殺すミッション中に、たまたま通りかかったボクサー葛城レオ(窪田正孝)が助けてしまい、話に巻き込まれるという王道なはじまり方。
ベッキーの演技にキレがあって良かった。
裸足で駆けてくやんちゃなさまも良いし、表情に修羅場を乗り越えてきた感がある。
組長(内野聖陽)と中国マフィアのチアチー(藤岡麻美)が良キャラだった。
でもやっぱり飛び抜けて良かったのはベッキー。バールのようなものも似合っていたし全シーン素晴らしかった。
個性豊かなキャラクター
この映画の面白さは個性豊かで愉快なキャラクターだと思います。最早主人公な染谷くんのコミカル演技!計算高いんだけど詰めが甘い!大森さんの情けないダメなおじさんな演技も良かった。そしてなんと言ってもベッキー!あんなベッキー見たことない。アクションはもちろん、立ち姿からきまってて最高!内野さんも渋くてかっこよかった〜!これはシリーズものにして方が良かったのでは?って思った。(無理だけど)コミカライズとかにしても良さそう。とにかくヤクザ達が面白すぎてメイン二人がちょっと置いてけぼりかも。
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