レ・ミゼラブルのレビュー・感想・評価
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日本人にはすんなり入ってこない
最後まで見終わっても、ヴィクトル・ユーゴーの世界的名作のタイトルを付けた理由が理解できなかった。
ジャン・ヴァルジャンをなぞらえた部分もあるが、日本人が知っている「あゝ無情」とは全くの別物。
少なくとも現代のフランス社会の事情を深く知らないと物語に入り込めないのだと思う。
ここはフランスなのか?
行ったことは有る程度の外国。日本に居てるとき抱いてたイメージを現地で反芻するだけで、たいして詳しくはなってないのに知った気になってる自分が怖い。
この映画、これがフランス?、しかも名作の舞台になった地域なのかと思うとめまいがする。貧困/スラムの問題ではなく移民社会とフランス社会の衝突が生む混沌が”ああ無情”である。
俗世間を仕切る”市長”と呼ばれるアフリカ系ボス。ボスも口を出せないイスラム指導者イマーム。ロマ人の団体そして白人警察官。それぞれが必死に生きている。価値観の違う人たちがともに生きてゆく難しさを痛感させられる。
DETROIT並みに救いのない映画だがこれは現在進行中。後戻りして昔のフランスにもどることはないのが ”レ・ミゼラブル”ということか。
移民してきた監督だからこそ使えた題名。文化を守るより再構築。カンヌ映画祭の審査員にもなってるところを見るとフランスも変わりたいんだろう。
歴史は繰り返す。暴力支配の限界を知るはずなのに。
レ・ミゼラブルのタイトルの意味が分からなかったが・・・・
フランス革命がなぜ起こったのか?そんな問いかけが今の今でも問われ続けている。
治安維持と平和維持は必ずしもリンクしないのだろう。
それは、人間の本性に暴力趣向が潜在するからなのだろう。人を殴り、殺したりすることが人間の趣味や嗜好の中に存在するからなんだろうと思いいたってしまった。
やさしさや思いやりと言った感性も持ち合わせながら、しかし、思いやる相手にその心情が言葉以外で伝わったときにしか平穏の日々は訪れない。
恐怖による屈辱を与えられた人間は復讐を誓う。自分自身の受けた屈辱感を癒す方法はそれしかない。そんな決心をしてしまう。火炎瓶は投げられるだろう。暴動は屈辱を味わった人間の感情の塊なのだろう。負の連鎖。その鎖を断ち切る方法などない。
では、どうすればいいのだろうか?
それは支配などできもしないことをしないことだ。
それは、オオカミのように生きることなのだろう。
守るべきもののみ自分自身の責任の範疇はそこまでなのだろう。
バカなおせっかい焼き老人のような真似だけはするまい。
そんな事を深く誓った映画だった。
イッサじゃないよ、イサカだよ
ライオンのこどもがかわいい
終盤は「シティオブゴット」のような不穏さで興奮
警察が悪いのだが、状況が状況だけに一方的に非難するのも…
知らない外国の様子を知ることができるのも、映画の魅力
社会を写している
前回は、チャーリーズエンジェルを観てお気楽に楽しめたけど、今回は社会派。
貧困とその連鎖と環境。
フランスの哲学者は環境と教育で人が変わると考えているが、生まれついた性格や能力も大きく左右すると思う。
でも、平和な日本のあまい思想なのかな?
世界の貧困事情を体感出来る映画です。
コロナウィルス対策…
映画館がガラ〜ン
ここKBCシネマはコロナウィルス対策でチェック柄?の様に座席を1つ空け間隔での受付でした
っつか、ずっとこの間隔がイイなぁ〜
以前に酒臭いオッさんが何故か隣りに座っててイラッとしました
このレ・ミゼラブル
フランスの
歴史的建造物や
世界遺産
そしてファッションとは真逆で
現状の貧困と犯罪を
皮肉っている様に思える
警察や市長
誰も信じられない中で
子供達は生まれ生きていく現実
観る人によって様々だと思います
このタイトルをつける勇気に一票
どう考えても、ビクトル・ユゴーの作品が頭をよぎるであろうに、敢えてのタイトル。
このタイトルに負けない内容ではあったと思う。
どの世界にも腐った鯛はいるし、差別や権力も蔓延している。
それでも、少しの正義や善意を持っている人間もいる。ほんの少しでも、人として対等に接してくれたら、それに応える気持ちが残っていたなら、何かが変わるのかもしれない。
テロップに出てきたユゴーの言葉
「悪い草も 悪い人間もいない。
育てる人間が悪いのだ」
ってことは、悪い人間はいるんだよな
。「育て方が悪いのだ」なら、納得。
シンドイ作品
レミゼラブルの舞台になったフランスは、モンフェルメイユ。そこに赴任した警察官。
移民や貧困で、犯罪は低年齢化
その街を牛耳る2つの勢力
そして警官。
ある事故から
彼らの怒りが爆発した!
もう止められない!
権力に暴力で抵抗する。
ラストは、シンドイな!
大人はわかってくれないへのオマージュなのか
昔のフランス映画のイメージは、ヌーベルバーグか濃厚恋愛語り、最近はそれにコメンディが加わった感じだったが、さらに近年ある意味「らしからぬ」社会問題を正面からシビアに切り込んだ映画がくるようになった。
舞台は同名の小説でコゼットを迎に行くパリの郊外で、犯罪多発地域らしい。どこか見たことのある巨大団地群がそびえ、廊下が落書きされているそれらに住むのは移民、この子供ら、様々な出身、宗教の住民たち。定住しないロマたち。行政は必ずしも味方ではなく、自衛団がいて店の所場代をとり、ムショ帰りが仕事を探して町をフラフラしている。
彼らはギャングやマフィアではない。日常的に発砲事件が起きて、麻薬の縄張り争いがあったりするわけではない。リアルだがどこか詩的でもある。それはとてもフランス的とも思った。
映画はジャクソン・ポロックの絵を見ているようだった。一つ一つの色が加えられてく様子を見ながら、最終的にはどうしていいものかまったくわからない。
愛なき街パリ・モンフェルメイユ
カンヌ国際映画祭審査員賞授賞作品。
『噫無情』の邦訳タイトルでも知られるヴィクトル・ユーゴーの同名小説と同じタイトルなので、はじめは、てっきり現代版のアレンジ作品かと思っていました。
小説の舞台となったパリ郊外のモンフェルメイユが舞台なだけで、小説とは関係ありません。
移民や低所得者が多く住むパリ郊外のモンフェルメイユ。
シェルブールから新たに配属された警官のステファン(ダミアン・ボナール)は、ふたりの先輩警官とともに地域パトロールに加わり、ここが犯罪多発地域であることを実感する。
そんな中、ロマのサーカス団からライオンの子どもが何者かによって盗まれる事件が発生。
事件の調査に乗り出し、犯人の少年を特定し尋問するも、不意を突いて少年は逃げ出してしまう。
先輩警官のひとりが咄嗟にゴム弾を放ったが、そのゴム弾は少年の顔を直撃してしまう。
さらに運悪く、一機のドローンがその一部始終を撮影していた・・・
という物語。
黒人、ムスリム、ロマなど多人種が入り乱れ、それぞれがそれぞれの縄張りを持っていて、とにかく厄介な地域であることがわかるが、監督のラジ・リは、このモンフェルメイユの出身であり、空気感を実に見事に撮らまえている。
新配属されたステファンが倫理的で、ふたりの先輩警官は腕ずく派(特に、リーダー格の警官)というあたりは、この手の警官もの映画では定石的がだ、その定石が舞台となる地域の不安定さを描くのにはいい方に働いている。
ドローンで撮影された映像データを取り戻そうとふたりの警官たちは躍起になっていくうちに、事態は複雑化し、最終的には住民の一部(若者)が暴徒化していく。
そして・・・
と、この後がどうなるのか興味津々だけれども、映画はユーゴーの言葉、「悪い草も悪い人間もいない。育てるものが悪いのだ」を引用して終わるが、うーむ、この結末はいかがなものかしらん。
フェルナンド・メイレレス監督の『シティ・オブ・ゴッド』を少し思い出しましたが、さて、どうでしょうか。
なお、ポスターに使われている凱旋門前の群衆シーンは、ワールドカップでのフランスの活躍に沸き立つ群衆のもの。
なんだかちょっと宣伝方法としてはズルいのではないかしらん。
タイトルに惑わされぬ様に…
正直に申し上げて、ヴィクトル・ユーゴーにも、ジャン・バルジャンにも、あの『レ・ミゼラブル』にもご縁が無かった不勉強な私。
コロナウィルス騒ぎで新作公開が延期になったおかげで、こういう普段あまり手を出さない分野の作品に出会えるのは不幸中の喜びでもあるね。
「フランスって他のヨーロッパの国に比べて黒人が多い国なんだなぁ…」
と、ワールドカップの度に漠然と感じてはいた。ただ、当然あそこにいるのはスーパースターな訳で、実際にはやはり国内で大半のアフリカ系の移民は格差や貧困の中で喘いでいる。
この作品は、差別や格差、宗教を内包しながらストーリーが進むし、いがみ合いや暴力も描かれるものの、決して物語は重苦しいだけでなはなく、登場人物たちも根っからの「ワルモノ」ではない。
皆、それぞれの立場で自分や環境・仕事と向き合おうとしながら、人間として当然のエゴがあり、その一方で大切な守るべき家族を持っている。
それでも終わらない暴力の連鎖。
そしておとずれる怒涛のラスト。
抑圧された彼らの蜂起。
「彼」は投げるのか。
「彼」は引き金を引くのか。
「彼」は何を目撃するのか。
思わずブルっとさせられる幕切れに感心。
タイトルに惑わされぬ様に。
こんな警官やだ。
フランスの闇の世界。
映画を観てる側としては、フランスという事を忘れる。
名前忘れてしまったけど、BACの黒人の警官を見た時は
チンピラかと思いました。
何だろ公務員感ゼロなんですよね(笑)
子供達とのシーンでは、まさにチンピラ感満載で
こんな警官いたら最悪なんですけど(;゚д゚)ェ…
って思ってました。
物語としては、見やすいと思いますが。
えっ、そこまでやるの?
と言うか
事を大きくし過ぎじゃない?
みんなもっと冷静になってみよう。
無能な人達は、語り合う事が不可能だから
暴力や武器に頼るんですね。
と突っ込みたくたなる。
ラストシーンはモヤモヤが残ったのは私だけでしょうか。
怒りと恐怖の再生産
どんな国にも近寄らない方がいい区域や貧困層が住んでいる地域がある。パリ近郊にもそんな団地があることを「最強のふたり」で見た。
なんて大きくて色んな人達が居る団地なんだろう。動画とドローンが得意なメガネをかけた男の子は、賢い目で自分の周りの世界をじっと見ている。ニワトリ盗んで父親に何度もひっぱたかれて罵られたイッサは、動物好きの男の子だ。子ども達はみんなくっついて小突きあいながら、お腹はすかせているけれど、一緒に遊んでしゃべって笑ってる。
ちょっとしたきっかけが暴発を生み出した。そのタネを蒔いたのは、この地域を「守る」という名目で、お互い様的関係を保持している大人達だ。
ジャンバルジャンに食事と寝床と銀食器まで与えた司教と、警官のステファンを重ね合わせてみた。子どもを持つのはいいもんだよとステファンは言ってた。そんなことを考えているうちに、映画は終わった。考えざるを得なくて、でも、スピード感と意外性があってとても面白い映画だった。
どこもかしこも都市化して、子ども達が大人に内緒で、こっそり、ワクワクと、例えば野良犬(今はいないか)なんかを育てる場所も無いのは、おんなじなんだな。
育てる気がないなら、子どもを生まないで!と訴えた、「存在のない子供たち」のゼインの言葉を思い出しました。
地域住民と地廻り警官の闘い
パリ郊外の地域住民(若者)と地廻り警官との対立を描いた作品。地域住民は移民や低所得者の若者。警察ははなからその若者達を邪魔者として扱う。日本ではほとんど経験がない醜い現実がそには繰り広げられている。殺伐としているが深く重厚な映画です。
レミゼの現パロ
ここで終わったら最高だな、って所で終わったので満足度高かったです。
欲を言えばピストルを下げかける描写もいらなかった。
生来の悪人はいなくて育てるもの(環境)が悪い。
じゃあどうすればいいか。
考えなければ。
ミュージカルでもないしフランスのW杯優勝パレードを追うドキュメンタリーでもない
タイトルとポスターが中身と乖離していて(まあタイトルはラストに繋がってるけど)
興行的にメリットが出ているか疑わしい。
ビクトルユゴー作レミゼより
「よく覚えておきなさい、世には悪い草も悪い人間もいるものではない。
ただ育てる者が悪いばかりだ。」
2018年FIFAワールドカップでフランスが優勝した夏の日の出来事
パリから20㌔弱の「レ・ミゼラブル」の舞台にもなっているモンフェルメイユ。
犯罪多発地域の移民が集うゲットー
2005年10月27日、モンフェルメイユの隣クリシー・ス・ボワでアフリカ系とアラブ系の少年2人がパトカーに追われ、逃げ込んだ変電所で感電死。それをきっかけに暴動が全土に飛び火するきっかけになった街でもある。劇中でも言及されるのがコレ
レ・ボスケ団地はアフリカ系の監督が在住している場所
公式サイトによれば、
本作で描かれているすべてが実際に起きたことに基づいています。
ワールドカップ勝利の歓喜はもちろん、地域に新しい警官が来た時のこと、ドローン、盗まれたライオンまですべてです。
この地域の素晴らしい多様性を見せたかったんです。
とのこと。
団地を仕切る地回り的な市長はニセモノ市でもみかじめ取ってる
ヘロインを取り仕切るハイエナは警官と懇意
ムスリム同胞団上がりの黒人はケバブ屋でイスラム教徒の親玉
警官も関わりたくないというロマは空き地でサーカス団をやっている
警察の「犯罪防止班」(BAC)には白人のベテラン、10年ここに住んでるアフリカ系移民二世、別れた息子に会うため田舎から転属してきた新人が主役というか我々の目の代わりというか
シティオブゴッドというよりか
イタリア映画のバスターズ、低所得者団地バンリューが舞台のディーパンの闘いを思い出す
一番舐めてた子供たちにしてやられるという展開がいい
ラストも火炎瓶vs実弾(もうゴム銃ではない)どうなるかわからんまま消えてくのいい
すぐそこにあるスラム
作中の文字や台詞がフランス語でなければ、アフリカの貧困国の話にしか見えない凄まじい治安の悪さ。
おシャンティなフランス・パリのイメージはカケラもなく、終始暴力と貧乏の連鎖。まさに無情。気持ちが落ち着く暇がなく、観ていてめちゃくちゃ疲れました。
パラサイトとパルムドールを争ったとのことで、個人的にはシリアスなこちらの方が好きですが、話がやや単調なので、多重構造でユーモアも取り込んだパラサイトに軍配が上がったのはまぁ分かるかなと(ただアカデミー賞までなるとそこまでかぁ?とは今でも思いますが…)
しかしこういう題材の良作が次々出てくるってのは、見応えがあって嬉しい反面、世界はどこいくねん…という不安も滾りますねぇ…
レ・ミゼラブル見なければ
レ・ミゼラブルの話がベースになってるのかしら、もしそうなら知ってるほうが良かったかも。シティオブゴッド見たときも思ったけど、子どもが凶暴な社会が一番怖い。限度を知らないし、情もない。
そのプロセスから目が離せない。
ラジ・リ監督の体験に基づいた物語であり、ドキュメンタリー的な要素も含まれている。が、この作品が素晴らしいのは紛れもない劇映画であると言う点だろう。ちゃんと、いや、無類に面白いのだ。
コミュニケーションの喪失がボタンのかけ違いを呼び、その小さな摩擦がやがて大きな暴動に発展していく。。
その細かなプロセスはドキュメンタリーでは映し出すことは出来ない。映っているのはカオスだ。しかし、これは相当綿密に作られている。
ラストシーンがあそこで終わるのも素晴らしい。白黒つける必要はなく、あのギリギリのとこで終わるからこそ、こんなことになってしまったという、絶望が我々に突きつけられるのだから。
「パラサイト」と同じく、世界中どの国でも起こりうる
日本でも低所得者向けの団地、集合住宅は数多い。
その中には、治安が悪化しているモノもあるだろう。
もちろんフランス、イギリス、アメリカのスラムほどじゃないのは分かる。
でも「関係ない」と言えるのかな?
少し景気が悪くなって、失業者が増えて、社会的な不安・不満が高まって、本作のようなコトが起きないと言えるだろうか?
本作の怖いところは、「暴動を起こすのが、『子供たち』」ということ。
計算とか打算とかなく、感情的に行動を起こす。
言い換えると、それだけ不満が溜まっている、ということ。
自分の子供の頃なんか、家とか学校とかに多少の不満はあっただろうが、
本作のように、警察官や顔役(ヤクザ?)をボコろうなんてあり得ない。
子供の視野・行動範囲は狭く、経験も短いのに、それほどの不満を抱えていることに、深い闇を感じた。
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