パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
全970件中、881~900件目を表示
いくら身綺麗にしても落ちない匂い
韓流華やかかりし頃の恋愛ドラマは
恋する二人を阻むものの多くが格差だった。
その文化の違いが登場人物を翻弄し
我々は涙し時にそのどたばたに笑いもした。
その格差は納得できるリアリティ
でもどこかロマンティシズムを帯びていた。
大雨が降れば水浸しになるような
世間を下から見上げる家族
経済的事情から能力をもて余す若者たち
そんな彼らがチャンスをしっかり掴み
計画を着々と遂行していく。
ユーモア溢れる前半の雰囲気が一転
殺伐とした後半の展開は
見て見ぬふりをする政治への
煮えたぎる迸りのように感じた。
生活レベルが染み着いた匂い
吐き気を催すほどぐさりとくる。
えげつない 面白さ…‼︎
はちきれんばかりの面白さが詰まりに詰まった映画。韓国の格差社会を炙り出し、力強いメッセージを訴えた社会派映画であると同時に、えげつないほどの芸術的作品です。
そもそも設定が面白い。半地下に暮らす貧困家族が大金持ちの家にじわりじわりと寄生していく様が、絶妙なテンポで展開されていきます。と思えば、侵食しすぎていけば当然、粗も出てくるわけで、卓越したカメラアングルでスリリングな一面を映し出しているのはお見事。家全体、さらには高級住宅地と貧困地区を結ぶ街全体を、構造的な視点で暗示的に映し出すのも凄いのに、そうでないシーンでも皮肉の籠もったセリフや何やら意味の籠もったシーンが終始見られるのは、驚きを隠し得ません。隅から隅まで、摘み取りきれないほどの素晴らしい演出が散りばめられています。語りきれないほどの魅力が、この作品にはあります。
この作品は、単に富裕層を悪く描いたものではありません。半地下の家族も思っているとおり、この作品に登場する金持ち家族もみな、魅力的な人なんです。だけれども、半地下で暮らしていた人間が放つ特有の"臭い"に思わず鼻を摘んでしまう、この行為は決して悪いことではなく、仕方なしに反応してしまうものでしょう。でもそんな一面が、"臭い"を放つ側にとっては、なんとも侮辱的でぞんざいな扱いに感じてしまうのです。決して特定の層の人間ではなく、そんなどうしようもない構造的な格差社会を、この映画は批判したのではないでしょうか…
いきなりヤバいものを観た
「カースト」とはまた違う、圧倒的で絶望的な格差社会
半地下で暮らす人々にとっては、それが「日常」なのだろうけれど
逆流して汚水が噴き出す便器の上に座ってタバコを吸う彼女
首まで汚水に浸かって家族を避難させる家長
何事もなかったかの様に高台で誕生日パーティを優雅に楽しむ人々
映像で貧富の格差は発想次第でいくらでも表現できるだろうけれど
本作がスゴいのは「臭い」で表現した事
アノ人は容姿身形を差別されるより、どうしても許せなかったんだろう
ラストシーンにグっときた
カレには「計画」を貫いて欲しい
いやー、描写重し!さすがポン監督 低層でもプライドがあって家族があ...
いやー、描写重し!さすがポン監督
低層でもプライドがあって家族があって、
生き方ってなんだろう、考えさせられる。
しかし、ドキドキが止まらない感じはすごい
長い長い階段
豪邸の地下室に至る階段の長さも不思議だったが雨の中帰宅する半地下の家までの、延々続く様々な階段の美しくも哀しい高低差!昨年話題となったジョーカーの階段なんて冗談じゃない、単にフォトジェニックなだけじゃんか!
悪党コメディで始まり後半徐々にシリアスになり悲劇を迎え最後は少しの希望を見せる、全てに絶妙なシナリオにコントロールされっぱなし。役者も街や家の映像も言うことがなかった。
この監督のほかの作品を見なければという強い衝動を感じる。
だまされたと思って是非みてほしい。
そんなに評価してはいけない!
まあこれだけ面白いぞ絶対観ろよと喧伝されれば観ないわけにいかなかった。ただハードルが上がったからなのかどうかなんでそこまで評価すんの?というのが正直な感想。まあ、面白いねくらいでいいじゃん。昨年の「万引き家族」に引き続きテーマも出来も似たりよたりでアラばかりが目立ってしまいこれだからカンヌはねえと思う。こんなことを求めて映画を観るわけでは無いのだ。まだ昨年のジョーダン・ピールの「アス」の方が数倍納得できるしカタルシスもあった。この映画は「ジョーカー」と同じく出口が無い辛さ。しかも回避可能な悲惨。みんなちゃんと自分の気持ちに正直にレビュー点をつけているのだろうか?
上下格差と染み着いた臭い。。。
前半のコメディチックな展開からスリリングでサスペンスな展開へ引き込まれました。そうきたか的でもあったし。臭いの違いで無意識に差別している感覚は少なからずあるかと思うし、それがとても切なく悲しくもある。。。晴々はしないがとても良かったです(;^ω^)
感想を話し合いたくなる、(早くも)今年のベスト候補!
貧しい家庭が、タイトル通り寄生虫のように富裕層の家庭に入り込んでいく。富裕層は、夫婦も子どもも洗練された見た目と心に余裕のある態度。貧困層の親子は、照明が暗く悪態をつきながら毎日を送る。明暗と高低、貧富の差をこのコントラストで描く手法がとてもよかった。
徐々に家族の信頼を勝ち取っていく姿は詐欺師を描くクライムサスペンスとして楽しみ、後半は社会派ホラーとも言える妙な雰囲気を醸し出していた。
コメディ的な笑いはあまりなく(実際笑い声も少なめ)、終始妙な息苦しさを覚える映像だった。この雰囲気づくりのうまさはさすがにポンジュノ監督。少し長いし、暗いシーンも多いのだが、全く飽きなかった。やっぱりすごいなこの人。
とても良い作品だからこそ、描き足りなかった点が惜しまれる。
格差が大きい韓国社会を反映した作品で、貧困家族が金持ち一家に取り入る話が前半、
後半はガラッと雰囲気が変わる。
他国の社会情勢を背景にした作品はそれ自体が魅力的で、物語の構成が素晴らしければさらに良い。この作品はそういった素晴らしい作品。
ただ、この作品の中では、香りが重要な役割を果たすけど、その点に関し十分に描き切れなかったのは残念。
豪雨による床上浸水で下水まみれだと中々におい取れないでしょ。パーティに行くにはそこら辺クリアする必要あるのに配慮がなかった。そのあたり説得力ある描き方なら満点なのに、ストーリーが破綻しかかっている。
「笑える」から「笑えない」へ
最初は、コミカルで、クスクス笑えるストーリーから、
格差のテーマが表れてくるにつれ、文字通り、笑えなくなってくる。この感触が最高でした。、
1つの映画で、いろいろな感情がうずまき、エンタメでありつつもしっかり考えさせるポイントもある。
俳優、キャラクターも、海外の作品だけれども、人間味が溢れていて、感情移入できました。
難しいテーマを非常にうまく表現しており、これぞ映画、という感じでした。
最高に面白く楽しくほろ苦い映画!
韓国映画の、いやもはや世界のエンタメ映画のカリスマ!ポンジュノ監督の最新作。
出だしはグエムルのような家族映画?なんか万引き家族に似てるかも?なんて分析しながら楽しんでたけど、気がつけば映画は山場に突入し、結末がどうなるのかはともかく怒濤の演出で、ウチの、田舎の劇場でも笑いにつつまれた。あの凄惨なドタバタをこんなに面白く演出するひとってスピルバーグ監督くらいじゃない?でも、面白くなっちゃうのではなく自覚的にコメディにしてるのが違うとおもう。
とにかく。行き着く先はやっぱり破滅の物語なのだけど、その先も後味よく描けてる爽やか風刺映画の傑作だと感じました。おバカ映画よりも、哲学映画よりもバランスのよい傑作を見たい方は食わず嫌いせずにみろ、であります。
弱さ突いた心理描写に圧倒、笑いや複雑な思い込み上げた秀逸作
人の弱さ見抜き作戦練る様子は、スパイのコメディサスペンスを観ているかの様に滑稽で笑い込み上げた
しかし、ある事が発覚して雰囲気は一転、おぞましい心理描写に圧倒、複雑な思い込み上げた
これまでにゴールデングローブ賞など数々の賞を受賞した、人間の感覚や心理描写が秀逸な本作が、アカデミー賞受賞果たすか楽しみだ
あまりにも濃厚すぎる132分。すごい!ヤバイよ!
どうやら2020年一発目からもの凄い映画を観てしまったようだ!それも歴史に残る怪作を
この映画はジャンルミックスの成功例と言えるだろう。しかも「大」成功だ。
ド派手なアクションがあるわけじゃないのに後半は気付いたら手に汗握っていた。
鑑賞後には謎の敗北感がある。展開がとにかくすごくて、負けた感があるからだ。(韓国映画の良さもしっかり組み込んであるし)
おそらく監督はそんな観客を見て1人静かに笑っていることだろう。なんとも悔しい!でも完全に負けた!
この作品は絶対予備知識なしで観てくれ!でないとただの社会派コメディになっちゃうから。
という事でこの作品の内容には触れません。(というかこの作品を文字で表すのはとてもじゃないが無理)
しかし言いたい事もある。なので考察(未鑑賞者は読まないでおくれ)
題名パラサイトについて。
まずパラサイトとは、寄生などという意味が。
これだけ聞けば裕福な家族に寄生するという一般的な解釈が、できる。
しかしこれは表向きの意味
実はパラサイトとは居候という意味もあります。
観た人はピン!ときたでしょう。
そう題名が半分ネタバレしているのです!
さらにもう一つ。
鑑賞後から自分はずっとこの作品について考えています。そうこれが題名の真意なのでは?
きっと監督は観客の脳裏に寄生する作品を作りたかったのではないでしょうか?
だとしたら監督の罠に見事はまりました。チクショー!
最後に、裕福一家の家が細田守監督作品「未来のミライ」の主人公の家を作りなどで連想させました。
そして、パラサイトと同じパルムドールを受賞している「万引き家族」や「家族を想うとき」そして今年の注目作「ジョーカー」,「アス」それに「天気の子」(帆高目線)など最近は貧困層を題材をした作品が増えているなと、感じました。
これは、私の鑑賞中の杞憂です。
半地下家族の家周辺で、酒に酔ってフラフラの人を追い返すシーンで予備知識なしで観ていた私は展開がすごいと聞いていたので最近観た「屍人荘の殺人」のようにゾンビがでて来たりするのか?なんて考えながら観てました。(泥酔した人が余りにも不気味に演出していたから)
期待して観ても大満足
劇場で観た予告でなんとなくのストーリーを予測すると思いますが、これはびっくり。「最後まで目が離せない」まさにそう!!!
パルムドールを獲った作品という心構えで観ても圧倒されてしまった。
これを非現実的だと言うのは野暮です、ストーリーの面白さ、グロテスクな程の貧富の差、予測不能の終わり方。
全てにおいて良い。
是非ネタバレを読まずに劇場へ。
ちょっとえげつない。
韓国映画は好きでよく見るけど、いつも何かえげつない気がする。そのエンターテインメント性が面白さなのだろうけど、ちょっとやり過ぎ感がある。
まあこの映画はそれに尽きる。
韓国の貧富の差や学歴社会も描いているし、インフラや社会制度の未熟なところも描かれているが、それが見た後にあまり残らない感じで、あー面白かったでお終いになってしまう。まあ映画とはそんな存在と捉えれば良いのだけれど。
主人公のひとりソン・ガンホは韓国映画には定番の俳優だが、私が見る韓国映画にはいつも出ている印象を受ける。他にめぼしい中年のおじさん俳優はいないのだろうかと思ってしまう。
でも娘・息子があれだけ賢ければ普通の仕事にありつけそうだけどね。お母さんも働き者のようだし。
でもそんなにすんなり行かないのが現代の韓国社会なのかな?
北朝鮮の襲撃に備えて地下に立派な居住空間があると言うのはなるほど~で、実際に見せられるとちょっとした驚きだった。
そして終わり方がうまかった。貧しい者はじっと耐えて頑張っていつか上流階級になるのを夢見る韓国社会の繰り返しで終わる。
面白さにも社会性をまとわせて。
うまくまとめたのでパルムドールなのだろうか?見ているときは知らなかったので後で驚いた。
でも私の印象はえげつなさ。かなり昔に見た「オールドボーイ」を想い出してしまった。
えげつなさにおいてはもっと上を行く映画で、原作は日本の漫画だったらしいが。
韓国映画はエンターテインメントが凄い!が今回の感想。
これぼど個性的着想の映画は、観たことがない。
日本人には、絶対このような斬新なストーリー展開の映画は撮れないだろう。
韓国の社会的背景、凄まじい格差社会、激しい競争社会、国民性、そして監督自身の突き抜けた個性や問題意識、感性を感じさせる作品だ。
全970件中、881~900件目を表示