パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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転落劇は怒涛の迫力
うまいこと、人のいい裕福な家庭に順番に家族が入り込んでいく。そのしたたかさと知恵は天才的とも思える。しかし、寄生虫家族の幸福の絶頂に終わりが来る。
嵐の夜の宴会からの、一連の転落は、驚愕の事実に始まり、乱闘・雷・嵐・洪水と凄まじい。山の手の屋敷から彼らの半地下までの滝のように流れる雨水、そして高低差は激しく、半地下の家は汚物まみれ。ここまでの一連のシーンは息詰まる迫力。そして、この落差は悲しくやるせない。
さらなる悲劇。でも、乗り越えようとする家族たち。
計算されつくし一つ一つのシーンに全く無駄がなく、見事に仕上がってると思う。激しい作者の感情は階級社会への批判だけでもないと思う。底辺でもしたたかに生き抜く家族への愛か。
少なくとも「グエムル」よりはずっと面白かった。
貧困には幸せはないのだろうか?
貧困テーマにした映画でアカデミー賞受賞作品ということもあり期待して観ました。
■格差社会を分かりやすく映像化。
分かりやすく金持ちに寄生する貧乏人を描いています。
格差社会という問題を真っ向から言葉でなく映像で描いており、
圧倒的に高いエンタメ度と先が読めない展開で見入ります。
■貧乏家族4人はしっかり働いている
学歴詐称して、家族であることを隠して、前の使用人も追い出して…。
やってることは相当悪辣なんだけど、キム家の4人はきちんと働いてるんですよね。
雇い主を騙して、仕事もせずに金を取ろうとしてるわけじゃない。
家庭教師も運転手も家政婦も、きちんと期待通りにこなしてる。
つまり彼らには仕事をする能力があるわけです。
彼らにないのは、ただ学歴や信用や経歴…雇われるための資格を持たないというだけで。。。
■金持ちであるパクさん一家も良い人たち
典型的なセレブで、たぶん彼らは生まれながらにそうで、
いろいろと浮世離れしたところがあったり、天然で無神経さはあったりはするんだけど、差別意識とか、上から見下す傲慢さとか、金持ちキャラに安易に当てはめられがちな「嫌味なキャラ」ではなく基本的には「良い人」なんですよね。
これはこれで、とてもリアルでフェアな描き方だと思うのです。
■ジャージャーラーメンが美味しそう!
韓国では「チャパグリ」と呼ばれ、ジャージャー麺のインスタント「チャパゲティ」と、
もちもちした麺とピリッとした味のラーメン「ノグリ」を掛け合わせて作られる。
すんごいジャンクそうですが、具材に国産牛ステーキのような高級肉を組み合わせて、めちゃ美味しそうで、思わずマネしたくなりました♡
ここはコメディー部分になるので、8分で作れるか~~!!
・・って突っ込んだら負けw
■貧しさの匂い
この映画では半地下の匂いが染みついたお父さんがピックアップされているが
家族全員同じ匂いがすると金持ちのパク一家の息子が言って全員うろたえるシーンがありました。
どんなに私たちは『普通の人間ですよ』・・と装っていても隠し切れない匂い。
本人達は日常で慣れてしまった匂いだから気付かないんですよね。
これって私たちの環境でも起こりうる場面じゃないですか。
例えばヘビースモーカーの人を車に乗せた時に「くさっ!!」・・ってめちゃ思うんですけど本人は気づいてないんですよね。
洗濯してないんだろうな~って人の匂いとか・・
世の中には沢山、【匂いで分かるその人の環境指数】があるんですよね。
だからこそ、匂いってとても大事だと思いますね。
■面白いけど後半はしんどい・・
深刻な社会問題を軸にしつつもコメディあり、家族愛あり、緊迫感あり、グロあり、恐怖あり、後半は血とかけっこうドバドバ。。。。トイレから汚水ドバドバ。。。
観てて気持ち悪くなって色々しんどい。。
広がりすぎた貧富の差は人がまともに生きることすら阻害させてしまうのです。
■万引き家族を彷彿させる
この映画は「万引き家族」に近い印象を受けました。
「万引き家族」の家族たちも、みんな悪い人たちじゃなかったし基本的に心優しい、
いい人たちでした。あることをきっかけに破綻していく感じも似てますよね。
万引き家族では評価★4.0にしましたが、この作品は・・・最後がしんどくて・・
希望がなくて・・・見終わったあと、暗くなってしまい・・★3.5にしました。
これが現実でリアルなんだろうけど。
脚本が特に良いのだと思う
面白いストーリーだった。息子がテント張ったあたりからハラハラしたけど、想像を超える展開で驚いた。しかしこの半地下に住む一家は調子に乗り過ぎ!証明書を偽造した辺りから唖然としていたが、兄弟が暴走しても親がそれを認めてその上褒めるのだから、もう歯止めは効かない。結末は致し方ないとも言える。ただ地下に住んでいた男に食料を届けようとしていた母娘にとってはちょっと気の毒でもあった。地下に住む者同士、お互いに認め合っていれば最悪の結果にはならなかったのに。将来主人公が金持ちになってあの豪邸を買い取る日が来るとも思えない。
正直、こんなんで賞取れるの?って内容でした
いろいろな人が金持ちと貧困層の対比で素晴らしい!みたいなコメントしてますが、正直なにこれ?と言いたくなる映画でした。ある論評によるとあらゆるジャンルを取り入れた娯楽作品で素晴らしいそうですが、それゆえ、ありとあらゆる面で中途半端と感じてしまいました。例えばカンフー映画であれば、カンフーの美しさ、技を見るると思いますし、それに特化して作られていて、それだからこそ楽しめるわけですが、この映画はコメディとしても中途半端、社会的な視点としても中途半端、ミステリーとしても中途半端で、未消化のまま終わる感じです。かと言ってネタにできるほどの面白さもなく、中途半端に暗い雰囲気が長く続きます。最悪なのはクライマックス、突然殺し合いが始まりあっけなく終わります。この映画、見たいと思いつつ、なかなか見れず、ネットフリックスでみたのですが、期待を悪い意味で裏切る作品でした。残念です。
彼らは「半」地下に住んでいる。
下には下があるってことと、うかうかして自分より下のものを差別していたらいつかやり返されるぞ。と、感じました。
2回目を見たい。そしたらもっとたくさんこの映画には仕掛けがたくさんあることに気づくでしょう。
ラストは凄惨なんだけれどお父さんの反撃にはスカッとする。
したにはしたがいるもんだ
悲惨だがカタルシスある娯楽映画
映画前半部分は、主人公一家が身を欺いて富豪の家に寄生する様がコミカルタッチで描かれる。普通に面白い。しかし後半になるとトーンが一変する。富豪一家も知らなかった秘密の地下室に第三の家族が寄生しており、上流階級層から下流層に向けた差別意識も徐々に露わになって最後は大惨劇が起こる。ホラー調の悲劇だ。
韓国は日本以上に階級格差が厳しいと聞く。その社会問題に正面から切り込んだ作品と言えなくもない。しかし私はこの映画は基本的に娯楽映画と感じた。まずどうしようもないバッドエンドにも関わらず後味が悪くない。ラスト近く、洪水で半地下の住居が水没しても絶望感はなく、便所から汚水が噴き出してもカタルシスすら感じる。最後、主要人物が何人も死ぬ展開になるが、あまり悲壮感はなく、どこか夢心地の気分にさせる演出を施している。
これはポン・ジュノのエンターティメントへのこだわりではなかろうか。
韓国社会に現に存在する格差社会にメスを入れつつも、観客との間に絶妙の距離を作って暗黒の度合いを緩和する。
だいたいが主人公一家にリアリティがない。それは恐らく意図的なものだ。みな頭がすこぶる良いのだ。極めてずる賢く、感性も豊かであり、行動力も抜群である。こんな優秀な人々がなぜ下層階級から抜け出せないのか。反対に、大富豪一家は能天気で、愚かである。このリアリティのなさが、ラストの悲劇で観客を絶望の底に突き落とすことを防いでくれている。基本的には観客に映画を楽しんでもらいたいというポン・ジュノのサービス精神のなせるわざだろうと勝手に解釈している。
大変面白かったし、数々の世界的な賞を取ったことに納得だ。ただ、個人的には是枝裕和の日本映画「万引き家族」の方が心に残る。(下層階級の家族を描くという意味では共通するが、テーマは全く違うので比べるのはあまり意味がないとは思いつつ。)万引き家族は絆を描く。愛を描く。
ではパラサイトは?そこまで感じ入るものはなかった。が、それは私が万引き家族に特別な思いを寄せているだけのことであり、パラサイトを貶めるものではない。
本当に面白く、良い映画だった。
名シーンを繋いで作ったイメージ
社会派喜劇かと思っていたら…
画面越しでもニオイそう
格差社会
家族の入り込み方、乗っ取りはまさにパラサイト。
徐々に家族に溶け込む姿は容赦のない独特の気持ち悪さがあり鳥肌が立ちました。
格差社会を外見以外で臭いや水、雨などで表現されていて、こういう表現もあるのかと驚き。ポン•ジュノ監督の映像作りに凄みを感じた。
ラストについては色々な解釈がありますが何処までが現実かそれとも妄想なのか自分は何度観ても未だに分かりません..
【総合評価】
自分の中での韓国映画のイメージをガラリと変えた衝撃作。
とても満足できる作品でした。
人間の尊厳
ハラハラドキドキの展開に目を背けたくなるシーンも有りの考えさせられる映画です。
半地下生活に陥り、人格までもが堕ちてしまうという哀しい展開…
最後の雇い主を刺してしまう様は、人としての尊厳を貫く哀しいシーンでした。
前家政婦夫婦と対面した時に、お互いに同調し合えばまた違う未来があっただろうに…荒んだ生活がそこまで踏み込めず、自己防衛に奔る辺りに人間の愚かさを見たり…
なんだか後味の悪いモヤモヤしたものが胸につかえています。
それはドロドロした人間らしい感情を真正面から見せられた焦りでもあります。
つまりそういう事、あの映画は自我の塊…
愛が隠れて自我を真正面から見せつけられて焦ったんだ
哀しいかな…当たり前に人は追い詰められると自己防衛に奔る
なんて醜いそして潔い映画なんだろう
フィクションの様でノンフィクションなんじゃ?と思わせるストーリーに、世界中で起こり得る事なのだと考えずにはいられない。
食わず嫌いでした
脚本は確かによく出来ている。毒っ気のある映画。
違和感があります。
録りためていた金曜ロードショーを観て。
韓国映画を初めて観たんですが、日本との文化の違いなのか、違和感を感じました。
<違和感を感じたところ>
(1)元家政婦夫婦と立場逆転していたときに、北朝鮮の真似事をして半地下家族を脅したシーン
お国柄なのでしょうか。韓国から見る北朝鮮という側面に背筋が凍りました。
(2)登場人物の死
この話で人が死ぬ必要があった? 社長から匂いのことをけなされた父親が、どさくさで社長を殺すというところですが、そこに至るまでの心理描写は、あったのは分かるけど、殺すほど? と思いました。
娘がひと刺しで巻き添えになったのに対して、息子は首輪かけられて転倒するわ、岩で殴られて大量出血するわなのに、死なないし。
(3)米国人みたいなニックネームをつけるところ
そんなもんなの?
鑑賞直後は「なんだこりゃ」って思いました。
<まあまあ面白かったところ>
(1)ずぶ濡れになるところとか、半地下や豪邸の生活やそのセットなんかは、気合入っていてすごい
(2)あの手この手を尽くして、パク社長の家族に取り入っていくところ(とくに、桃アレルギーのくだり)
(3)実は地下に人が住んでいたってところは確かに予想してなかった
(4)ラストの、息子が父親を助けたっていうシーンは、息子の妄想だったこと
カンヌとかアカデミーとか言われてますが、そんなもんかなあ、って感じです。
韓国そのもの
韓国そのものを表した映画でした。
終始主人公家族はまともなことはひとつもできていません。仕事を得ても雑な仕上がりで使い物にならず貧しい暮らしをしていますがプライドだけ高く、身分や自己能力を偽ることには長けています。
あるきっかけで裕福な家庭に潜り込み、利益をかすめ取る暮らしに一時的に満足感を味わいます。
自分たちにクリエイティブな要素はなく、模倣することが得意で全てにおいて偽ることに罪の意識はありません。
まともな仕事をして世の中の役に立つことで稼いでいこうとは考えない韓国人です。
自分たち家族が利益を得られるなら、相手を信じやすく優しい社会性も高い裕福な隣人をいくらでもだます事にも罪の意識を感じない人間たちです。
自分たちだけが利を得られれば他はどうでもいいという国民性です。
主人公家族の体臭の描写がありますが、裕福家族はそれを直接誹謗したわけでなく、盗み聞きしたことを長く恨み続けそのうち暴発します。
相手を恨み続けることがモチベーションの国民性をよく表してます。
ラストはさらに地下深くから同族の住民が暴れだし、どさくさに便乗し殺人を働き裕福な家族をめちゃくちゃにしてしまいます。
それでも逃げおうせて罪を償うわけでもなくまた地下に身をひそめ続けるという、どうしようもない人間です。
主人公は罪人の父親をかばいながらいつか出世して救い出すことが目標になるとセンチメンタルに描かれており、人を殺した事実は忘れ、責任は相手側にあり自分たちは不憫な家族だと思い続けるというサイコパスぶりです。
ただ映像の美しさや俳優たちの演技、演出は評価できるものがあります。
韓国人自体はルックスが良いことはありますのでそこは評価できます。
私達の国や世界中にもこのパラサイト家族が潜んでいるのです。
揉め事が多く皆本心では付き合いたくないですが、近くにいるので仕方なく接しているのです。
この作品がカンヌやアカデミー賞を獲ったことを韓国民は喜んでいますが、各選考委員もこの本質は当然分かっており、あえて賞を送ることが壮大な皮肉ということに韓国人は気づいているのでしょうか?
おそらく気がつかないでしょうね。
パラサイトよ去れフォローミー・オーケー?
先日、殴られた。
勤務態度を注意したところ、逆ギレした同僚=14歳年下=に馬乗りになって殴られたので(笑)
半地下のキム一家をば私は、ええ、そうですとも、上から目線で語らせていただきますよ。
とち狂って奥様一家をやっちまう底辺家族のどうしようもない物語でした。
ギャグで盛り上げた前半は笑ったけれど、臭い=貧困層への生理的嫌悪感を、そして貧困層に対する警戒喚起を、結局はハイソサエティに耳打ちして終わる終局ではないでしょうか。
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知人が高層高級マンションに引っ越したのだが、ご近所とのお付き合いもスマートで、共有スペースもゴミひとつ無し。トラブルもなく 暮らしぶりはすこぶる快適とのことだ。
地震があっても直後には最優先でライフラインが復旧した地域。それもそうだろう、県庁と市役所と裁判所に隣接しているのだから。
ランクを突き抜けたそのような億ションだと、入居者がふるいにかけられていて“ゴミ”とか“お育ちの悪い人たち”を遠ざける効果があるらしいのだ。
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見終わって、そして殴られて、我が身に得心したのは 「ローソサイティーとの付き合いはよっぽどの注意が必要ですよ」という「分断けっこう」の勧めだった。
ボンジュノ監督は韓国の386世代。
つまり朴正煕大統領の圧政に抵抗して民主化運動に立ち上がった世代。
それゆえ監督の思想とこれまでの映画作りのスタンスは「格差打倒」であり、“底辺の民衆の側に立つ”ものの筈なのだが、本作ではちょっと変化が感じられる ― その「底辺」を愚民として、いくらか冷ややかに突き放して見ているところがボンジュノとしては異質であり、ギャグであり、興味の持たれる新境地なところだと思う。
受賞ラッシュだけれど
どの社会的階層の視座から観たかによって、この映画から受ける教訓は変わるのだと、つくづく思うし、
韓国本国でどんな人たちによって本作が支持されたのか、あるいはカンヌやオスカーがどこに重点をおいてパラサイトを評価したのか、いろいろと思いを巡らした鑑賞後感だった。
とにかく、
各国での観客動員数は軒並み新記録とのことだが、
鑑賞後に起こり得る反応は・・
①腹立たしい金持ち連中をやっちまえと指をポキポキいわせる階層、
②セキュリティにはもっと金をかけるべきだと震え上がった階層、
③そして双方の戦いを面白おかしく見物できる野次馬と。
この3パターンが生成されるだろう。
日本では「あなたの生活レベルは?」と調査すると「中の上」との回答が多いらしいんだが、本作は、地下と地上の合間で自らの居どころを探っている多くの人々を含め自分はどのパターンに当てはまるのか、その「階級意識」を問う【いじり映画】として仲々のものだと思った次第。
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で、
私を殴った男とは、以後口をきいていないが、彼がこの映画を観たら再度襲いかかってくる気がするので、輩に推薦するのは控えたほうが良い。
映画の「レビュー」ってもんは、鑑賞時の自身の状況・メンタルがそのまま反映されて、評価の左右は一変するものだ。
興奮状態のこのレビューがその良い例だ。
トトト・ツーツーツー・トトトの満身創痍 きりん
途中眠くなってしまった
良かったです!
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