パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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物凄くエンタメ、なのに生々しく重く感情を揺さぶる
最後の最後まで予測不可能、予想を裏切られまくり。ギリギリですり抜けていくハラハラドキドキが楽しくて、テンポも良いし各自キャラが立ってるのですぐに物語に入り込めました。
格差社会、持たざる者の実状、更なる喪失が、異なる立場の登場人物の目線で描かれていくので、観賞後は何とも言えない感情に…。
悪人らしい悪人はいなかったし、悪気があっての行動もなかったと思います。でも結局は、こうなってしまうのか、と。もどかしく、苦しい。これを見てどう感じるか、ちゃんと自分の感情を咀嚼したいと思える作品です。
テーマは非常に重く生々しいのに、笑えてエンタメに仕上がっているのが素晴らしい。受賞も納得!
なんちゅう映画を作るんだ!ポン・ジュノと言う人は!
沢山の映画賞を受賞して注目度が上がり、
中にはヘイトっぽいレビューを書いてる人もいるので
レビューを書いている人の名前をクリックして
映画鑑賞履歴や好みの傾向を確認してから
レビューを読まれた方が良いかもしれないです。
老婆心ながら注意を追記しておきますね〜
ポン・ジュノ監督の名前はよく知っていたけど、
韓国映画の容赦の無いバイオレンス描写が苦手なので
ポン・ジュノ作品をちゃんと観たのは今回が初です。
下町の更に建物の半地下に住む貧しい家族が
丘の上のお金持ちの生活に寄生して
ちょっとマシな暮らしを手に入れる話、
と書いてしまえばドッて事ない話に思えるけど
中身はとてつもない社会風刺がブチ込まれてる。
そんな社会風刺の詰まった話を
取っ付きはコメディーとして笑わせて、
途中からは一種サスペンスとして観る者を惹きつけ
やがては本質に迫るある感覚からの大団円!
これはもう、黙って観とけ!!
しか言葉が無いわ!
で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては
半地下の最低家賃の家にしか住めない貧しい家族だけど
決して無能で怠惰な一家では無い事がミソ!
劇中にもそこのところは
いくつかのエピソードを上げて伝えてくれている。
ちゃんと普通に仕事が出来る人達が
過剰過ぎる競争社会の弊害や
世界的な経済危機の煽りで仕事を失った事が伝わって来る。
能力や意欲があっても不運が重なってしまったら
観客の私たちも彼らの様な半地下生活者になってしまう。
そんな不条理な現実と
貧しい人々から搾取することで豊かな生活を営んでいながら、
心の底では貧しい人々を軽蔑している
一握りの金持ち達への怒りがもう怒涛の様に溢れている。
今作のキーになるある感覚は正直、私も感じた事がある。
その感覚って誤魔化せないんだよね〜〜
だからこそ、ポン・ジュノ監督、お見事!
@お勧めの鑑賞方法は?
とにかく黙って映画館へ行っとけ!!
なんとかタダで観られないかな〜とか、
そんなさもしい事を思ってるから
私ら貧乏人は富裕層から虫けら扱いされるんだよ!!
出すべきものにはちゃんとお金出そうよ!!
「格差」は世界共通のテーマになった。
一時期、社会的テーマを取り上げた映画は、人種や民族、性的な差別を題材にしたものが多かったが、ここ数年は完全に「格差」を描いた作品が目立つ様になった。
それもかなり重い内容であるのに、世界中でどの作品も客が入っているというからその深刻さはより身近なものになっていると言えるんだろう。
この作品も(私が思いつくだけでも)「ジョーカー」「天気の子」「万引き家族」「アス」などとオーバーラップする箇所が多い。
階段や坂の上り下りで格差を視覚的に表現していることはご覧になった方は皆感じられたことと思う。
そして「水」。
そもそもは皆に等しく空から降ってくる雨が、高い階層においてはボトル入りの飲料水や優雅なバスタブなど「富」の象徴であるのに対し、それが下層へ流れていく中で淀み、ついにはその生活をも奪っていく。
避難所でケビンは「僕が責任をとります。」
そう言って誕生パーティーでの凶行に向かう。
家族がこんなに辛い思いをしなくてはならないのは、学歴社会で負けてしまった自分のせいだと責めていたのかも知れない。
描かれているとおり、決して彼ら兄妹は無学な訳ではない。むしろ優秀な若者だし、学校に行けないのは経済的理由による所が大きいのは明らかなのに。
パーティーではゲストを招いて華やかなひと時が繰り広げられる中、自宅は水に沈んでしまった主人公たち兄妹が、ここではおしゃれをし、父にいたってはインディアンのかぶり物を着けている。
現実でありながら、まるでジョーク。
凄惨な殺し合いが幕を開けるが、そのどれもが夢の中の様でもある。
物語の要素すべてがすんなり飲み込めるかいうとそういう訳でも無いものの、流れは非常にわかり易く興味深くそのメッセージは十分過ぎるほどに伝わってくる。
そして出演者全員のキャラクターがひとりひとり立っていて素晴らしい。
現在あまりにも上映館が少ないが、今回のアカデミー賞ノミネートでもう少し多くの人たちの眼に触れることになることを期待したい。
ソウル大学に書類偽造科があったら、首席だ!
予想もつかない展開。
コメディーとしてもサスペンスとしても見応えがあった。
半地下の自宅から外を見るのは、横に細長い窓越しだ。
セレブ宅のリビングから庭を見る、あるいは邸宅の外からリビングを窺うのも、リビング一面のガラスの壁越しだ。
この両方とも、スクリーンの中に二重のフレームを形成している。
我々観客が主人公一家を見つめるその先で、彼らはスクリーンのような窓枠越しに外界あるいは異なる世界を見つめている。
主人公一家にとって、セレブの生活はもちろん、自宅の目の前ですら別の世界、リアリティーとは一線を画す世界なのだろうか。
この演出の極め付きは、立ち小便をする酔っぱらいを兄と父親が追い払いに出ていったとき、半地下の家の中で妹がその様子をスマートフォンのスローモーションアプリで見て笑う場面だ。
そこに展開されるのは自分達の生活圏で起きている紛れもない実際の出来事なのだが、窓越し、さらにはスマホ越しで、コントを見るかのように楽しむのが彼らの生き抜く方法だったのかもしれない。
韓国は日本以上に狭い国土に住宅が密集していて、貧しい者たちのすぐ近くに富裕層の豪邸がある。
アメリカ映画だとこれらは完全に別の区域に存在していて、お互い遠くからやっと眺められるような距離感がある。
日本でさえ、「天国と地獄」の貧しい誘拐犯が高台の金持ちの豪邸を見上げて生活していたように、一定の距離感はある。
本作で具体的に主人公家族の家とセレブ家族の家の位置関係は示されていないが、狭い坂道の途中に豪邸がある韓国独特の風景が、貧富の差はあっても生活圏は然程離れていない印象を与える。
だから、セレブ一家の生活に入り込んで 平然と振る舞える主人公一家にある程度の納得感はある。
彼らの悪巧みはトントン拍子に進む。
そのまま幸せに時が経つのでは物語にならず、当然に危機が訪れる。
前半のコミカルな展開も独創的で面白いが、やがて訪れる危機が凄まじい。
そして大事件へと雪崩れ込むところは容赦がない。
日本人ではなかなかこの発想には行き着かないだろう。
生活臭とでもいうのか、匂いをキーアイテムにしているところも容赦ないと感じる。
石鹸を変えても消せない、宿命のようにつきまとう匂い。
だんだんとスクリーン越しに匂いが伝わってきそうなソン・ガンホの演技。
自分達が貧しいのは金持ちのせいではない。
金持ちの優雅な暮しは、彼らが勝ち得たもの。資本主義の原理。
だが、割りきれない。
貧しい生活は心をも貧しくし、被害妄想を増殖させる。
主人公の行動は、まぁまぁヒドイ。
仕事をまわしてくれた友人を平然と裏切っている。
運転手や家政婦はセレブではないはずで、その彼らを陥れる。
この主人公一家こそ、自己中心的でまっとうな努力をしない怠け者たちだ。
なんの罪もない被害者はセレブ一家なのだ。
貧富の差を背景に、貧しい側を主人公にしてこんな描きかたをした映画がかつてあっただろうか。
しかし、主人公の最後の決意こそが、反骨精神で成り上がるためのエネルギーかもしれない。
こんなヒドイ主人公に、頑張って豪邸を買い取れるようになって欲しいという思いを抱かせる不思議さも、この映画にはある。
すごいものを見た
韓国について無知すぎて、こんなに貧困の差がある国だなんて初めて知った。
物語のスピードが凄い。ある家族の、ひと時であり、一生分の現実を見てしまった感じ…。演者たちの台詞、表情、全てが心にずしっとのしかかった。
生きることは計画通りに行かない。
家族全員失業の一家が富裕層家庭に忍び込み、乗っ取りを企てようとする物語。
今の世の中、決して裕福に暮らしている人ばかりではない。
その日暮らしの為に必死に生きる人びともいる。
生きることとは、人間の真のしあわせとは、
そして、間違った方向に行くと、どんな結果になるのか、
考えさせられる内容でした。
格差社会を生み出したのは人間なのだ。
少し前に「国家が破産するとき」を観た。
その影響もあるのだろう。この映画を見ることにした。
しかし、見事だ。
映画としてのエンタメ性はグンを抜き、ハラドキの連続。安心ばかりを売り物にする何処かの国の映画監督はこの映画を観て何を語るのだろう。
結末にコレを持ってくるのか…。韓国ならではの表現だ。だって、自殺率26.6%。世界で第3位の社会なのだ。そしてこの社会を作ることに躍起になった奴が存在したのだ。
半地下家族全員が優れた能力を持つ人間で、仕事に対して当然の報酬を得る。金持の家庭に寄生した訳ではない。採用されるタメの工夫に嘘が酷かった。しかし
仕事の評価は高い。そしてヒエラルキーを象徴するアルものに設定されているところがこの監督の凄さだろう。
見事と言うしかない。
社会的状況は日本が遥かに悪いと言うのに、万引き家族ぐらいの映画しか作られていない。
思いやりが足りないのだろう。
特異な感想("半"の意味)
あくまで主観でしかないレビュー
まず作品について
リズムと構図で全てが美しく構成されている映画
これはどのプロな方々の論評を見ても書かれていること。
だからこれは言わずもがな。
なにより素晴らしいのは半地下という物凄く曖昧な言葉と
終盤にやってくるセリフ「ここに似合ってるか?」
生活ができない、という地下ではなく
生活できるのだが、目の前に金があると求めるという部分。
それが地上のきらびやかな所だし、地下はその名の通り、汚くて底。
ちょっと思い出話。
昔、あるひょんな出来事、というよりある人から言われた言葉で「格差」を感じ、幼き時に本当に悔しくて悔しくて涙が止まらなかったことがあった。
もちろん誰にも言えなかったし、なぜ生まれてきたのかということをずっと考えていた時期があった。
いわば多感な時期というやつ。
その時、まさに感じたのが「自分はここに似合ってるのか?」という問い。
偽りだけで簡単にカモフラージュでき、それを微塵も感じさせない"技"を身につけた。
間違った"技"。
でもそれは取り返しがつかなくなるもの。
チェ・ウシクの笑い、なにか名状できないのだが
笑う理由が少なからずわかる気がする。
いつまでも半地下なままのような感じというか…
ソン・ガンホがナイフを手に取った瞬間
あの時を思い出し、消せないという現実がとても悔しかった
映画の感想に戻すと
これが映画だなと
現実になってはならない、しかし現実にしたい
そんな思いを表現する
人間味、まさに「臭さ」
ポン・ジュノ さすがパルム。
オスカー向きじゃないかな。笑
なによりキム・ギウ、パク・ソダムが可愛い!
以上!
エンドロールから涙腺が崩壊しました。
見事な悲喜劇 その日暮らしの貧困の家族が、裕福な家族に寄生する様が...
見事な悲喜劇
その日暮らしの貧困の家族が、裕福な家族に寄生する様が、良く描かれている
半地下も、豪邸もセットを組んだとは、なんと思い切った事監督が頭の中で思い描く、貧の世界と富の世界が、半地下と豪邸という格差に写し出されている
また、ドキドキハラハラの気持ちを盛り上げる音楽も素晴らしい
大雨の翌日の庶民と金持ちの過ごし方の対比、計画、無計画の話、監督の意図する世の中の風刺が、スクリーンを通して伝わってきた
パルムドール賞受賞も納得
確かにポン・ジュノの過去最高傑作
韓国の至宝であるポン・ジュノ監督が作った今作は、韓国の深刻な失業率や経済格差をベースに、その中でも必死に生きる人間ドラマに昇華している。
ユーモアやシリアスが絶妙なバランスで心地良く展開していく。多少強引な部分ももちろんあるが、それほど気にならないくらいの力強さがこの映画にはあった。スノーピアサーのように下手にアメリカで撮るのではなく、韓国を舞台に撮らせれば天下一品の腕を持つのだから、これからも韓国から良作を発信していってもらいたい。
作品は素晴らしかったが、隣の隣にスマホを頻繁に見る女がいて、途中集中することが出来なかったのが残念だった。
本当に上映中のスマホは辞めてもらいたい!隣であれば注意したが、間に他の方がいて最後まで我慢した。2時間強スマホが我慢できなければ、DVDやネット配信してから家で観れば良いと思う。
ネタバレ禁止の方が面白さマシマシのエンタメ+ドラマな作品です。
昨年末から公開の話題の韓国映画をやっと鑑賞。
ネタバレ禁止との事で、ネタバレが全然大丈夫な自分ではありますが、殆ど予備知識もなく鑑賞しました。
で、感想はと言うと面白い!
むちゃくちゃ面白いです。
観る前からポスターの意味深な画像で鑑賞意欲をそそられましたが、確かにこれはネタバレ禁止だわw
古くは「シックス・センス」的な感じのネタバレ禁止が中盤から怒涛の展開を繰り広げ、「カメラを止めるな!」的な流れでテンポが一気に良くなる。
富裕層と貧困層の絶対的な階級は生き方や振る舞いはその人自身にまで息づいている。
このカタルシスは息をする様に根付いていて、業の様にへばりついている。この辺りは「ジョーカー」を見る様な虚無感。
今年のアカデミー作品賞にも初の外国作品としてノミネートされてますが、その価値は十分にあると思います。
半地下に居住するキム一家は無職かも知れないが、働けない訳ではない。
それなりのスキルと適応力があり、仕事が無いのは国の経済状況と言うしかない。
だから、最初は小悪党な感じで社会に寄生するパラサイトで小銭を掠め取る様な感じ。
スマホは持っていても通信料は払っていなくて、家の中でフリーWi-Fiを探して、通信をやっている。
食うに困る程の貧乏でもない。
社会の弱者にはなるかもしれないけど、全て貧乏のせいにする程ではないから、どこかシニカルに笑える。
それが悪知恵と策略を張り巡らし、次々と仕事を獲得していく。
大富豪に寄生するパラサイトとはよく言ったもんだと高をくくっていたら、大富豪のパク一家がキャンプに行ってからが事態は急加速。
事件が起こる様なフラグが立ったと言えばそれまでだけど、よ~く考えるとなんとなく伏線はあった。それが“こうなるだろうなぁ”と思っていたら、物凄い展開。ここからは二転三転どころの騒ぎではない。完全にやられました。
個人的にちょっと引っ掛かるのはキム一家のそれぞれの持っている特筆すべきスペックはそれなり以上の物があるのに、それを描写する前振りが薄いかなと。
また、家庭教師のギウとダへが恋仲になるのが早くない?w
高校2年生の女の子を手玉に取るなんてお手の物かもしれないけど、そんなにギウは男前でもないしw、プレイボーイな素振りもない。
出来ればそこに至る過程を写す描写がちょっと少ない。
他の設定での伏線を張り巡らし、それを回収するのが実に上手い作品なだけに細かい所ではありますが、惜しいです。
韓国映画は国の経済情勢や南北での緊張関係、国家と民族性を訴えかける作品が多いですが、この作品はそう言ったテーマとのバランスが非常に上手いです。
あのラストはちょっとどうなんだろうか?と鑑賞後にいろいろと考えました。
ある意味目標を設定して、前向きになれる要素もあり、光を見出だせると思うんですが、これをオッケーとすると全ては貧乏と格差社会のせいとなってしまうのではないかなと。
いろんな伏線が貼られたラストとしてはアッと言わせるラストであるのは間違い無しなんですが、どうもいろいろと考えてしまう。
“エンタメ作品だから、そんなに考えなくてもいいじゃん”と思ったりするんですが、こんな風に感じられるのもこの作品の奥の深さかなと言うのにも気が付きました。
格差社会の現実を簡単に白黒に割り切れる物ではないからこそ、こう言ったラストにも様々な思いが出てくるのも、ポン・ジュノ監督の手玉に取られてるのかなw
人が生きる事で染み着く物。本来は当たり前な事でも無味無臭が尊ばれる中でそれは何かを失いかけていて、有味有臭が個性と文化と人格なのに、それを認めようとしない。
そんな格差社会の強者と弱者。歪みと隙間をライトにシニカルに描き、緩急を織り混ぜながら、一気に加速するスピード感。
いろいろと言いたいけど、この作品に関してはどれを書いてもネタバレになりそうで、それに面白さが半減するかもと思うと書くに書けないw
今回はそれくらい気を使って書いてみましたw
中東の貧困・移民問題を題材にした「存在のない子供たち」の様な何処か遠い国の様に感じる問題ではなく、日本でも起こりうる問題で決して他人事な話ではないと思います。
こう言った問題を真正面から捉えるとどうしても重くなりがちな所を楽しく緩急を織り混ぜながら製作されたのは見事。
この作品もある意味、観るべき作品なのかと思います。
先日鑑賞した「エクストリーム・ジョブ」や「EXIT」もむちゃくちゃ面白かったんですが、韓国映画はレベルが高い作品が非常に多い!
ネタバレ禁止の方が面白さがマシマシになる、ドラマとエンターテイメントを織り混ぜた一級品な作品で勿論どころかむちゃくちゃお薦めです!
対比
なんだろう、韓国映画に出てくる、貧しいながらも仲良く、どつきあいながらも楽しく暮らしてる家族。今回もあの半地下の家族はそうだった。いつも四人で賑やかに食卓を囲んでいて、粗野だけど、ユーモアがあり、結束力があり、生命力を感じる。窮地に落ち入った時も、自分達さえ良ければいいのではなくあの地下の存在のことも気にかけて行動していた。最後は悲劇で終わってしまうけれど。一方あのお金持ちの家族は、あの広い家で、バラバラに過ごしている。でも愛がないわけじゃない。両親は子どもたちを愛していて、家族写真を撮ったり、豪勢なお誕生日パーティーやキャンプをしたり、子どものために家庭教師を雇うなど金に糸目はつけない。家族を愛する気持ちに嘘はないのだ。夫婦仲も悪くない。だけど、家族全員がお互い本当のことを言ってなかったり、表面的な感じは否めない。四人がそろって食卓を囲むシーン、夫婦が一緒に食事するシーンは一度も出てこなかった。贅沢で洗練されているけれどあまり体温が感じられない生活。そして大人のエゴも感じる。仮面をつけて生きているような。自分たちの家族は愛してるけれどそれ以外の存在には興味がないという態度。子どもたちはそれに敏感に感じとって、大人を欺く振る舞いをする。その対比を描きながら、時に笑わせ、手に汗握らせる展開に感情を揺さぶられながら観ていた。あのお金持ち家族がその富をもう少し社会に還元していたら、彼らの運命は違っていたかもしれない、とも思う。あんな生活は実はサステナブルではないのだ。貧しきものがどんどん下流に流されていくさまは見ていて切ない。そしてその解決策が、お金を稼ぐということに行き着くのも虚しい。前半はあんなにも笑わせ最後そんな重く虚しい気持ちにさせるポンジュノ監督の手腕に脱帽である。
社会派?単なるコメディだろ
全然深く無いしリアリティが無いんだけど、、、
絶賛する人って普段どの映画見てるんだろ
単に格差を対比したからって社会派と軽々しく呼ぶのはどうなんだ?
半地下やら完全地下やら高台やらその構図は面白い。この映画のアイコンでもあるし、見せ方や演出はエンタメの王道って感じ。
ただそれぞれが単なる事象で肉付けが薄いんだよね。
途中まではテンポが良くシンプルに進むので全く頭を使わないが半地下家族が詐欺を働く過程は批評家気取りのオタクだったら穴だらけて言うのでは?(この作品を観る層には居ないようだが)
特に前家政婦を陥れるには病院の写真てあれだけで信じるのか?裏取りしない金持ち妻の浅はかさ。
金持ち高台一家が越して来てからの付き合いの前家政婦との信頼関係を無視して、コネが一番だと言いながら、ぽっと出の運転手の言う事を鵜呑みにするのか?
金持ち妻は主人に相談できずにバレたら追い出されるみたいな言い方にも疑問符。
人の良い金持ち夫婦に見えてもそこにも上下関係が滲み出る。確かに家事が全く出来ないのに仕事もしてない顔が良いだけの奥さんとか完全下だけのペットと社長の主人が思ってても否定出来ない。無意味なエロ描写もあったしね。(会話は意味あったけどイチャつき程度で結構)
金持ち社長の主人についてはそこまで掘り下げは無かったけど、下の息子の遊び相手になるくらいには家族として成り立っているんだと思う。
そう言えば半地下長男は親友をナチュラルに裏切って金持ち娘を落とすのも天晴れだわ。
清々しく良心の呵責無し!
金持ち娘と親友の本当の関係は定かでないが、親友の言う通りなら娘は簡単に浮気するし、違くても簡単に落とされ過ぎだがテンポ重視でリアリティ無視だね。
金持ち息子はキーになりそうなネタを振り撒きつつも全くネタ回収しないし全然キャラ立ちしなかった。
半地下娘との初対面をキッチリ描ければ脚本に信頼性が出たのに描けなかったのかテンポ重視かカットだし、面白さ減だね。
まあでも初っ端から半地下家族はクズ一家だよね〜
貧乏だから許される?
何で家族全員で前のめりに詐欺をするんだ。誰も止めもしないし、全員全く良心の呵責は無いらしい。映画で語られる優しいか冷たいかという金持ちか貧乏かの次元でなく、犯罪かどうかの別枠で一線など見えないかのように軽々しく越えていく。
半地下長男の大学証明書の偽造なんて「そのうち合格する(決意)んだからちょっと早く証書を受け取っただけだ」とか何カッコいい風に言ってんだ?常人からすると詭弁を垂れ流すなて総ツッコミするところ。
これに共感してたら人としてヤバイ…
まあここまでは受け入れたとしても、金持ち家主の不在中に半地下家族が総出で不法侵入してここは俺らの家発言とかも下衆いな〜とか。
職にありつくだけじゃなくやり過ぎるのもリアルよりコメディだなと。
家主不在で勝手に前家政婦を家の中に入れる半地下妻も家政婦として駄目。まあそうしないとストーリー繋げられないし韓国内ではままあるものとして問題無いのだろう。
正直まだ前家政婦の方がスキルも評価も高いように見えたが低レベルな半地下妻は飼い犬への扱いも雑で人間的にも駄目。
ジャージャー麺でスキルの低さを露呈するかと期待したがそう言う綻び方面には行かず。
そして完全地下夫婦も出て来て二転三転するけど、そっちも結果狂人だし。
ただ狂う要因も察せられるし、こちらの方がまだ人間味あり。
前家政婦も結局庶民の出で借金だるまの夫を匿うのに不法侵入してるのは夫婦愛が間違ってるがやむを得ない事態に迫られてと思える。
前家政婦のほうは仕事は評価されるほど真面目にやって来たのに陥れられて同情すらする。
ただすったもんだの挙句、前家政婦の死が確定する前に完全地下夫が殺人し始めるのはいきなりの暴走に見えてしまった描写が悪い。あの時点で死んでたのが明確なら半地下家族への恨みの発露とは分かる。暴走前に亡き妻に号泣するカットでも入れれば良いのに。
殺人or未遂描写が前家政婦=半地下息子=半地下娘=完全地下夫=社長
が大差ない描写でコイツ死んだとは現場で不明。息子あれでよく生きてたなとか。
まあ文脈では分かるがそれじゃつまらないね。淡々と描いてるから何がしたいのか冷めた気分で見てた。
ただ半地下主人が成り行きで金持ち社長を殺害するのは酷すぎる。臭い差別で人殺しに至ったと文脈に納得できるなら世の中安易な殺人だらけだ。
もし結果が逆なら、半地下主人は逃れられない殺人に直面してパラサイトの露見を悟りその罪を家族に押し付けて自分は逃れたい→完全地下を隠れ屋にするよう自分が成り変われば良い→元中古物件なら殺人現場は売り出される→社長が死んだら資産が無くなり確実に売り出される、とここまで逆算しての殺人ならクレバーだったけど、度々の無計画発言や隠れ屋は思いついたとの言葉から社長へは衝動的な殺人以外の何者でも無く超ガッカリ。全く共感できない。
ちょっと悪口言われた子どもの逆ギレと同レベルで殺人するな。
こんなのに貧乏を言い訳に使うな。臭いと言う視点は斬新だが社会派と言う言葉は値しない。
まあ最後は半地下長男の妄想で終わったけど、日本ならどう考えても将来は無い。
絶対的貧困での格差では無く、前科者になったことによる自業自得でしかないが。
普通に努力して有名大学進学して一発逆転する一縷の望みがあったのに阿呆なもんだ。
最後はコメディとしても失速だったな。
まあ口直しに誰か本当の絶対的貧困を描いた作品を教えてください。
パラサイトはある
ハラハラドキドキのコメディ多めの密室ドラマでこのまま終われば笑って映画館を後に出来るのに。
地下から出てきた妻を殺された夫の殺意には同情の余地があるが、父の殺人の動機に格差社会が温床とまで同意できるものが無かったのが1番のモヤモヤ。
最近の映画は終盤の殺人に道徳をぶつけてくる。
落ちに皆殺し痛快な映画は沢山あるが、動機に必然性を考えさせるエンターテインメント映画が最近増えている。
何ハラスメント?とか考えながら見る映画。これも一つのムーブメント。
他者を意識し共存していくのが人間社会。パラサイトとは共存。この映画から学べることがあるとすれば、自己と他者に優劣をつけ一方が悪意をもつと共存が成り立たなくなるということ。
貧富の差は無くならないかもしれないが、共存していくことがハッピーエンドのコツかもしれない。
もう怖いって…
鑑賞後、見たくなかった、と率直に思った。
それくらいに現実を見せられた。
放心状態が30分ほど続き、その後思ったのは「もう一回見たい」
すごい映画だ、やはりポンジュノは怪物だ。
ストーリーは目が離せない展開で進んでいく。
ドキドキハラハラ、びくびくするシーンもある。しかし、最も怖かったのは、半地下から抜け出せないことに気づいた時だった。
我々は人生で何度境遇を呪うだろう。
この映画を観たあと、強く自身の現実を悲観し、呪った。
こんな気持ちにさせられる映画を観るべきではなかった。
面白いのひとことで済ませてくれないのが、ポンジュノなんだ。
この映画が社会風刺的に、世の中を変えてくれることを望む。
人生において計画することなど無意味だ。
無計画こそ、失敗しない唯一の方法だ。
わたしはあんな父のようにはなってはいけないのだった。
家族を光へ導ける存在でいなければいけないのだ。
あ~ジャージャー麺が尋常じゃなく食べたい。
残酷なエンタメ
すごかったー。レイトショーで観て、興奮して眠れない。。
韓国映画をちゃんと観たのが初めて、というのもあるかもしれないけど、かなり衝撃的でした。
最初は、ポップな「万引き家族」みたいな感じかな?と軽い気持ちで見てたけど、ええ、そうなるの?!後半、怒涛の展開。
荒唐無稽かもしれないけど、振り切ってていい。エネルギーがすごい。
でもけして大味の作品ではなくて、いろんな複線が、人物描写が丁寧に織り込まれている。
そして貧困の描き方がえぐい。
大洪水で、半地下の家族たちは避難所にいる中、お金持ち一家は「雨のおかげてPM2.5もとんでない」って上機嫌で豪華なパーティーの準備してる。
人並みに働いても、見た目を取り繕っても、染み付いている地下の匂い…とか。
「もしこんな広い家で暮らしてたら、私だって優しくなれる」っていうのは、本質をついていると思った。
うまいなー
勝手に韓国三大監督にしてる、キム・ギドク、パクチャヌク、ポンジュノのうち、大きく離れて一番後ろをついていってると思ってたポンジュノ、いつの間にこんなにうまくなってた?話はとてもいい、その上一瞬もムダな瞬間がない、登場人物も全員ちょうどよく当てはまってる。ラストがとても好きでした。
面白いからレビュー読まずに観に行って!
や、これ下手に予告とかレビューとか
予習無しで観た方が断然楽しいと思います!
だって想定外のことが色々起こるから!
闇だけど笑いもあるし、
ちょっと希望もあるから、
大丈夫ですよ!迷っているあなた!
アマゾンプライムまで待たないで!
久しぶりに韓国映画を映画館で観ましたが、
カンヌグランプリ、さすがって感じ。
観た次の日、会社で口コミしたくなる
痛快な映画、最高のシニカルストーリーです!
なにを隠そう、
パンフレットが売り切れてましたから!
私はパンフレットだけ買いにまた
館に行きますよ。
だからなんか悔しくて4.5みたいな、笑
沢山刷っといてくださいよ〜配給会社様!
@品川にて
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