パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
全1354件中、941~960件目を表示
タイトル「パラサイト」は、何を表すのか
パラサイトとは、何か。
主人公(家族の息子)は、友人から貰った石を「僕にひっついて離れないんだ」と言う。あの石が象徴するものこそが「パラサイト」であるという事なのだと解釈する。
では、あの石が表すのは主人公達家族か?地下にいた夫婦か?友人が言った「財産と合格」だったのか?
私は、あの石が表すもの、彼らに寄生していたものは「期待」だったのではないかと考えている。
地下のもの(元家政婦とその夫)が憎んだのは地下のもの(家族)であり、裕福な社長やその息子であるモールス信号の読める少年には期待をかける。
しかし実際は少年は「タスケテ」のモールスを読めたところで誰にも言わず、社長は「自分のことを知っているのか?」と言い鼻をつまみ拒絶しながら去っていくのだ。
その結果、人を気にかけることができる(「あの運転手は仕事を見つけたよな?」)父が、元家政婦の夫の心情を悟り、その無念さと怒りにそれまで抱えていた憎しみが足され、社長を刺す。
地下のものの辛さを汲み取ったのは、地下のものだったのだ。期待をかけていた裕福な家族ではなく。
地下の夫は「いつか気づく」と期待し、計画をし、モールスを打つ。いくら計画が入念でも、それは叶わない。
主人公は最後、「計画を立てました」とあの家を買い取りまた家族で住む夢を見る。
しかし、あの手紙の内容を父が知る術はなく、「立てた計画は成功しない」のだろう。その夢は「お金がないと叶わない」夢なのだ。
だからと言って、「期待しない=計画を立てないこと」にした父親が、最後の惨劇を生んだ。
裕福な家族は「無知故に想像できず、他者に期待する」、貧困家族は「お金がなく想像(期待)しかできない」。
「期待しすぎること」「期待しないこと」は、悲劇を生む。
勿論、貧困層と裕福層への格差を描いているのは間違いない。
しかし、私の感想では、この映画は「期待への執着の危うさ」「期待を持たないことへの危うさ」を描いている、が最も近いと感じた。
うーん、しかし…うーん。見終わってすぐ書いているため、まだ少し考えがまとまらない。
自分の中で、再度噛み砕きたい映画である。
もし監督のインタビューで判る意図と180度違ったら、恥ずかしいな。
PS.アカデミー賞四冠!おめでとうございます!!
私はこの映画を「面白かった」と言うのになぜか抵抗があり、なんと言おうか迷っていたのですが「噛み締める映画だった」と表現するのが正しいのかな、と思うようになりました。本当におめでとうございます!
韓国ならではのシチュエーションに同調できるか。
アカデミー作品賞受賞なるか!?
第92回アカデミー賞開催直前のタイミングでのコメントです。
本作はほぼ全編、韓国の群像、景観で構成されており、その点で一見非常にローカル色の強い作品です。一方、「家族」「貧困」「階層の二極化』といった本作のテーマは、是枝裕和監督の『万引き家族』、ケン・ローチ監督『家族を想う時』等と重なり合います。現代社会の抱える問題を取り込んでいるからこそ、これだけの評価を集めたのでしょう。
監督がパンフレットに寄稿されているように、具体的な内容に触れる記述はここではできないのですが、中盤以降の、緊迫感がいや増すと共に、前述のテーマがギリギリと観客の脳裏にねじ込まれてくるような展開が凄まじいです。
現時点はもちろん、時間を置いて何度も見返すべき作品でしょう。
アカデミー作品賞、本命の『1917』を追う展開で『パラサイト』が猛追、大穴として『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』と報じられているけど、結果はどうか…?
染み付いたもの
見終わったあと、しばらく自分がどんなことを感じたのか考え込んでしまいました。
韓国の格差社会を題材にしているのもわかった上で、色々考えたんですが…。
実はもっとすごい感情的になる映画だと思い込んでいました。
家族が全員就職してしまうまでの計画が非常にコミカルで、思わず声を出して笑ってしまうシーンもあったぐらい。
本当は事細かなところに感想を持っているのですが、ネタバレしたくないので、書けないのです。
これは情報入れないで観た方が断然エンタメとして楽しめるから。
言いたいけど、言えない(笑)
後半部分からラストにかけて、「染み付いたもの」は裕福を夢見ていても、簡単には取れないんだなということを知って、絶望を感じました。
父親が最後に選んだ道に、希望なんてひとつも見当たらなかった。
本質的なところ、この家族は何とかしようという気力が失われてしまっているようにしか見えない。
それは染み付いてしまったものに慣れてしまっているから、そこが彼らのぬるま湯なんじゃないかな。
だからあんな結末なんじゃないかと。
ただちょっと裕福な世界を夢見ているのでしょう。
そりゃそうだ。
普通の生活をしたいはずだもの。
わたしはそういう風に感じ取りました。(個人的な感想です!)
韓国映画のレベルは高い!
「黒澤明監督の孫が日本ではなく、韓国で生まれた」と、16年前に「殺人の追憶」が公開されたときに評されたポン・ジュノが本気出した、という感じを受けた。
本作を見た前日に、テリー・ギリアムの「ドン・キホーテ」を見て、がっかりしただけに、映画的なカラーはまったく違うものの、同じ映画でもこうも違うものか、と改めて感心した。
それほど熱心に韓国映画を見ているわけではないが、年に3-4本はこの十数年見ていると思う。
いずれも、アクションにスピード感があり、作品的にも深いものが多い。韓流のテレビドラマは見ないので、分からないが少なくとも劇場映画の韓国の水準は、何年も前からかなり高いと言えるだろう。
平日の昼間に見たが、レディースデーということもあるけれど、女性だけでなく男性客も結構入っていて驚いた。
実際に、ランク入りを続けているし、こちらのサイトでのレビューの数もかなり多い。
映画の見巧者なら、これが面白いかどうかはすぐに分かるはずだ。実際にカンヌでパルムドールを取っただけのことはあると思う。
本作の前年にパルムドールを取ったのは、言うまでもなく我らが「万引き家族」。あれはあれでいい映画だけれど、同じくおかしな家族をテーマにしながら、こちらのほうが「おもしろさ」はぶっちぎりで上を行っている。
韓国のことを嫌いな日本人は多いけれど、ここまで自由に映画・映像で表現力をつけている彼らは大したものだと思うね。
格差社会への問題提起、どころの騒ぎじゃない
韓国映画は疲れるのであまり観ないけど、時々観なければいけない気がするものがあり、これが久々のそういう作品。
やっぱり疲れたけど観て大正解。
ソン・ガンホの存在感は唯一無二で、適当そうでありつつも、根っこには自尊心と己の哲学をしかと保ち、物を言わない演技でそれをよく表している。
母親、娘、息子、それぞれキャラがよく立っていて、演技の中の演技が素晴らしい。
蹴落とされた家政婦のビフォア・アフターも強烈。この人の秘密が明るみになってから、物語が厄介な方向に向いはじめる。
印象的だったのは、大雨の中、豪邸から這々の体で自宅に向かう家族が、土砂降りの中、下へ下へと階段を下っていくシーン。上流社会と社会の底辺の高低差をこれでもかと見せつける。そして下りきった先で見たものは、降り続く大雨、下水、便器から溢れ出る水で浸水した我が家。ついさっきまで気持ちよく酒盛りしていた豪邸の広々としたリビングとは、天国と地獄ともいえるギャップ。容赦がない。
寄生される金持ち一家が、とりたてて嫌味な人たちではないというところで、逆に寄生する側の異常性が際立つ。見下す方よりも見下される方が敏感なのだ。
単純に言えば格差社会を浮き彫りに、というのがテーマであるっちゃあるが、みんなで考えようね、なんて問題提起ではなく、ユーモアをグロテスクで強化して、誰もが想像できないようなストーリーを猛スピードかつド迫力で展開させ、観客を呆然とさせた上、2,3日の後遺症をも残す、なんというか、映画を超えた体験というか。4D とかジェットコースターとかそういうものではなく、心理的な体験。
それでいて最後はほんのり希望の光がさすような、おかげで気持ちのもっていきようが更によくわからなくなった。
どっと疲れ、しかし心わしづかみにされてその跡がしばらく消えないような、ああ、つくづく、韓国人の感性をもってでしか生み出せない代物だと思わせられた。
物理的にはすぐ隣に位置していて、人の顔も街の風景もどこか日本に似ているのに、この映画で観る韓国人はまったく異なる生き物のようで、いや逆に似ているからなのかも?近そうで、ものすごく遠い国という印象。
きっと欧米と日本では、これに対する体感温度は相当違うのだろうな。
ラストはちょっと意表を突かれたが終わり方が見事
タイトルなし
なんで妹が殺されたのか。
花柄のフリル姿で成功者のなかに混じっても
違和感を感じさせない彼女が殺されたのは、
足をひっぱりあう、そっちにはいかせない
という貧者のメタファなのか。
感覚的に彼女の気品みたいなのを感じながら
見てた。演技であればすごい。
面白かったし、
THEエンターテインメントでありながら、社会派!
おもしろかったぁぁぁぁぁ!
あらすじも読まず、事前知識は、映画のポスターととにかくネタバレ厳禁であること。前知識なしで観た方がよいという情報のみ。
本当に前知識なしで観てほしい。だから、あんまり内容は語れないけど、
笑いあり、ハラハラドキドキ。前半と後半がまるで別の作品みたいだった。コメディー、サスペンス、ヒューマンドラマ、、社会派でもあり、いろんなジャンルが1つになっている感じ。先が読めない展開、本当によくできていて、クオリティー高いエンターテインメント作品。
対称的な2つの家族を中心に展開していく本作は、そこに深いメッセージが潜んでいるんだなと後半からどんどん思ってくる。この映画に出てくる2つの家も、共通点が広い窓があるところだけど、この2つの窓から見えるそれぞれの景色の違いも興味深い。
この作品、THEエンターテインメント!そのものでありながら、格差社会の闇のリアルを描いている映画でした。
「半地下」というこのタイトルもいろいろな意味が込められているんだろうなぁ。
韓国映画、初めて観たけど、よかった!これは映画館で観てほしい作品!!
映画をテーマにYouTubeやってます〜
https://youtu.be/VH-jIINE8nM
面白いけど、評判高過ぎるて
期待高めで見ただけに、リッチなファミリーが捻りなしで騙されていく導入部分で少し興醒め。後半の展開も予想を裏切るほどではなかったなー 面白かったけど。
全1354件中、941~960件目を表示