パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
全1356件中、881~900件目を表示
面白く、悲しい、苦いものが残る
前半、お金持ちの家に1人ずつ入り込んでいくところはとっても面白い、ワクワクして観てしまうけど、不穏さがだんだん増していく。貧乏を、臭いで表現するところは、残酷だ・・・。前の女中さんが帰ってきてからホラーのようになってくる、でももっとホラーなのかと思ったらそうでもなかった。棚を動かす姿勢にギョッとしたけど、可笑しみもあって。
貧しいもの同士、結託するのではなくて殺し合うというのは悲しい。(映画無駄話で町山智浩さんもそんなようなことを言っていた。本当なら貧しいもの同士が手を取って金持ちに反撃するべきなのだ、みたいなことを。山本太郎さんも演説でヤジを飛ばされたとき相手に向かって同じようなことを言っていたなと思い出した。)
最後、息子の希望が、悲しいと感じてしまった。そうはならないだろうと思ってしまった。そう思ってしまったことに対してとても苦い後味が残った。
悲鳴
自虐にしようか悲鳴にしようか迷った。
一言で言うなら胸糞悪い映画だ。
ただ、傍らにおいた缶コーヒーに一口も口をつけなかった。そおいう引力を有した作品だった。
のっけからエゲツない描写が続く。韓国の貧困層って設定なのだけれど、どれくらい現実が投影されているのか、日本に住む俺には分からない。ただ、この家族はこの暮らしのスペシャリストなのだと言う事は伝わってきた。
物語は些細なキッカケでゴロゴロと転がり出すのだけれど、不思議な陰と陽を感じてた。
どちらが勝者なんだろう、と。
社会的成功を収めた富裕層。
彼らを騙し、まんまと報酬をせしめる者達。題名の「パラサイト」が分かりやすい形で説明されていく。
もうこの辺りでは、何が正しいのか分からなくなってくる。寄生していく家族達に嫌悪感を抱いてるのは間違いないのだけれど、騙される方にも問題はあるとも思う。むしろ、こいつら強いなぁと感心までしてしまう。
寄生というと聞こえは悪いが、人は皆何かには依存してる。彼らは人ん家の財布に依存してる稀有な例だと思われる。
そうなのだ。寄生出来てる事に感謝はするものの、全く悪びれないのだ。
自分達の立場を分かってるというか、達観してるというか…身の丈に有り余るこの幸運な出来事に感謝すらしているようにも見えて、更なる強欲を発揮する事もなかった。
妬みや嫉みを抱くこともない。
かわりに、自分達よりも下層の人間達に出会った。自分達よりも醜い人間に。
この出来事に前後して「匂い」って言う要素がピックアップされる。
自分から発せられもの、まとわりつくもの、拭いきれないものって意味あいだろうか?
結果、それに関連した事で宿主を衝動的に殺害してしまう。
彼らより下層の者と出会った事でもたらされたものは蔑みというようなもので、それを自分達が抱いた事で、自分達に向けられていた視線や状況を克明に認識したかのようだった。
ホント強烈な作品でよく出来た脚本だと思う。「金があったら私も優しくなれるよ」とか痛烈な嫌味にも思う。
このレビューのタイトルを「自虐」にしようかと思ったのは、こんな話を韓国の監督が韓国の話として創作した点だ。
どこまでが現実なのかは分からないけれど、最下層から見た視点をここまであけすけになのか、赤裸々になのか、大胆になのかはさておき、こんな話に仕立ててしまえるのだ。
年頃の娘が、大雨によって便器から噴出する汚水を浴びながら開き直って、便座に座ってたり出来るか?もう許容量を超えてる。まともな神経でいたら発狂するような環境だ。
ある意味狂わされてはいるのだろうけど、自分の力ではどおしようも出来ない。
よくぞここまで、自国の事をこき下ろせたなと思うのだけど、終盤になるにつれ「悲鳴」という言葉が過ぎる。
別に韓国の話でもない。
声を上げれない人達からの悲鳴にも似た訴えに思えてきた。作中にとてつもなく長い階段が出てくる。地の底まで続いてるんじゃなかろうかと思える程、長く1人分の幅しかないような階段だ。彼らはそこを降りて逃げてくる。そこを通る他ないのだろうと思う。逃げた先には廃棄物が山をなす場所で、帰路には電線が蜘蛛の巣のように張り巡らされ囚われたなら抜け出すのは困難に思える。その場所の更に下にある半地下の我が家には汚水が溢れ返ってる。
…なんて凄惨なメッセージなのだろうか?
どこまで行っても違う地獄が待ってるかのようだ。
物語のラストは、息子が社会的に成功を収め父親が隠れ住む地下室があるあの家を購入し、何年も会えなかった父親と再会するって幕引きだった。
ああ、そおいう希望を残すのかと。
到底実現できるような境遇でもないのだけど、人生何が起こるかは分からないしな、と。
成功した息子は垢抜けてて、これが同じ役者なのかと韓国の俳優達の底力を垣間見たりするのだけれど、それは息子が半地下の家で漠然と描いた空想だった。
希望など欠片もない。
胸糞悪い映画だった。
だけどパルムドールも納得の見事な作品であった。
前評判が良かったので
めちゃくちゃ面白い
これは絶対ネタバレを見ないで見た方がいいから詳しいことは書かないけど、冒頭からは予想できない展開が次々に起きてずっと面白い。
.
とりあえず言えるのは、パク家が出てきたら色んなところをよく注意して見てると後に繋がる伏線がたくさん散りばめられてると思う。ぜひ気を抜かずに。
.
この映画に出てくるキム一家が住んでるような半地下の家は元々北朝鮮の攻撃に備えたお金持ちの人用の核シェルターだったらしく、当然だけど人が住む用には作られてない。
.
水圧が足らないからトイレの位置は高いし、ゴキブリは大量にいるし、窓の目線は酔っぱらいが立ちションするのがモロに見える目線だし。
.
劇中で匂いがキーワード出でくるんだけど、その匂いが画面から伝わってくるんだよねぇ。まさに便器以下の生活。
.
そんなに社会派じゃなかった。
期待して観に行ったのですが、けっこう格差が誇張されすぎている気がしました。
たぶん貧困側だけで視点だけで描かれているからなのかと、全体的に薄っぺらく感じたのでしょう。
もっと格差が生まれる根源について描いてほしかったなぁと思います。
「これだから映画はやめられない」
えげつないほど一貫した連帯感が素晴らしい詐欺家族
キム家の息子も娘もかなり才能に富んでおり、学力もそこそこある。だからこそ、前半はコミカルな躍動感に溢れ、楽しい。
便器から逆流する汚水に浸かり、体育館で雑魚寝する半地下の「台風家族」。
におい smell は格差の象徴として巧みに使われている。じわじわと効いてくる。そして、ついに殺意に直結するに至る。とてもセレブパーティーを手伝うどころの状況ではなく、キム家の息子も超くさいはずだが、パク家の令嬢はおかまいなしで、キスに夢中なところや頭からの流血量は即死レベルなのに助かる点に違和感を強く感じ、後半は急ぎ過ぎた印象を受けた。
あの岩石はなんの象徴だったのか?
どうしても、カンヌ国際映画祭のパルムドール賞繋がりで万引き家族と比べてしまう。アジアの端の国の貧困を題材にした映画は欧米からすれば、気楽な娯楽映画なのかもしれないが、また再び戦前の貧しさに両国が戻って、どっぷり浸かるのだけは勘弁してほしい。
匂いのちがい
だれも悪気はなかった
…とただ思う。
地上には地上の、
半地下には半地下の、
地下には地下の、
それぞれ染み付いた匂いがある。
自分以外の匂いを知らないとそれらが交わったとき、とんでもない爆発を起こす。
見えている世界に慣れてはいけない。
属しているコミュニティの常識だけを信じてはいけない。
人は理解できないものを排除する。
受けとめる覚悟がないなら交わらなければいい。
貧富の差?身分の違い?ジェンダーも多様性も?
素面のときに見る酔っ払いだってそうかもしれない。
でもそうやって避けてきた先に生まれるのは無関心か。
排除でも無関心でもなく、爆発しない共生を私は知りたい。
ものすごぉぉぉぉぉぉく目が離せない
これは久しぶりに最初から最後まで目が離せなかった!
ストーリー構成が物凄く素晴らしいと感じました。
喜怒哀楽全てが詰まった映画。
貧困生活と上流家庭の差が物凄く伝わってきました。
みんなごく当たり前のように過ごしているのにこんなにも愛の形があるのだなと伝わってきました。
ストーリー的に後半怖く感じるかもしれませんがそれはホラーの怖さではなく人間の感情の怖さでした。
愛ある殺し。
素晴らしくて震えました。
実は今日ポイントがたまっていたので無料で鑑賞したのですが、これはお金を払って見ても後悔はしない作品だと思いました。
終わり方も最高でした。
主題歌もすぐにびびっときたので帰りダウンロードさせて戴きました!
久しぶりに素晴らしい作品をありがとうございました。
上手くは書けないのですが本当に素晴らしいんです。
残り0.5点つけなかったのは
飛び散ったガラスとか雑に片付けたのに家族が誰も気づかなかったので不思議に思ったからですw
ソファとかにも飲み物とか飛び散ってそうだなぁと思って、、お父さん一回がしゃんと飛び散らしてたからw
細かくてすいませんw
でも本当見てよかったです。
「ゴギブリ」
「ゴギブリ」
この作品の重要なキーワードのひとつであると思う。
思えば、冒頭からたくさんのシーンでその伏線が散りばめられていた。特にゴギブリというキーワードが重要だと感じたのは、パク夫妻がベッドで身を重ねるシーンだ。大雨の夜の日、何を考えることもなく夫婦の愛を育む2人。その目の前にある机の下には、3人の人間が息を潜めているというのに。2人が眠りについたことを確認すると、這いつくばって豪邸を脱出。その姿はまるで人間の目を盗み家の中を動き回るゴギブリのようだ。更に、豪邸の地下に住むホームレスの存在。パク一家は、越してきて一度も彼の存在に気付くことはなかった。ひっそりと生きる彼の姿もまた、ゴキブリと重ねて見ることができるのだ。
よくわからなかった
・想像していたのは現代の格差の中、貧困層の男が金持ちの家に恨みつらみから様々な犯罪を犯していってしまう精神の破綻などなどがある物凄い暗い話なのかなと思ったらエンタメ色の強い話で驚いた。
・貧困層のあるあるがもっとあったら興味深かった気がした。見てられないほど落ち込みそうだけど。金持ちの家族が頭悪すぎて、嘘でしょと思った。勝手に宴会した後に何も気づかないのも何となく無理が。。。
・貧困層の家族が金持ちの家庭教師をし始めることから始まってあの手この手で元々の家政婦、運転手を追い出して、家族全員がその仕事をもらうっていうのがトントン拍子すぎて違和感があった。
・後半で雇い主の社長がニオイが気になると言い始めたけど、それを理由に採用しないっていうのもあったんじゃないかなぁと思った。あと、家族みんな何気にスペックが高くて驚いた。そもそも、どうしてああいう生活をしていたのだろう…韓国では常識なのかもしれない。だとすると切ない。
・ピザ屋の女性が社長?のバイトがいなくなって人手不足なのにどうして主人公?の青年を雇わないのかがわからなかった。不真面目なのかと思ったら、真面目に家庭教師をしていたし。あとから家族ぐるみで金持ちの家で勝手に飯食ったりしてたけども。
・玄関からすぐの電灯があんだけ変に光ってたらおかしいってわからないわけないだろと思った。加えて、なぜあんなとこにスイッチがあるんだろうと思った。
・最初に家庭教師の仕事を紹介した友人が石を持ってきたのが、あちらではよくあることなんだろうか…。
・すでに働いていた家政婦の夫がシェルターに夫を隠していたというのがこの映画の肝だと思うのだけど、そこでかなり冷めてしまった。開けるのも大変すぎて、あれじゃあシェルターとしてだめだろうって思った。
・ラストで妹が殺された後、お墓?がガラスケースの中で共同墓地なのが韓国では当たり前なのかなと思った。
・全般的に都合よく展開していったのが違和感凄かった印象がずっと続いた。
・後半の土砂降りで半地下の家より上が浸水してたわりに家がまだ満水じゃなかったのが驚いた。その翌日に誕生日会に行って何も言われなかったのが違和感があった。あれだけニオイとか言っててあれだったら半端ないと思うのだけど。せめて体を洗うシーンとかがあれば納得できた気もする。
・全般的にわかりやすくてテンポも要素も良かったけど、ちょっと物足りなかった。
声を高らかに言おう、我らが金正恩同志、そして共和国萬歳!
なんせ北朝鮮もとい北韓のパロは完璧だ。
半地下には半地下の資本主義があり、地下には地下の資本主義がある。その存在価値は、便所コオロギかもしれないし、ゴキブリかもしれない。
富めるがゆえに無垢で無知でお人好しな、地上の楽園かのように見えるブルジョワを完膚なきまでに叩きのめしたのは、極めて「無計画」な状態で、本来相剋した関係にある地下と半地下の資本主義が結びついた、偶然の産物にすぎないのだ。
まっ、とにかく前半のセリフ全般がトンチが効いていて面白い。
しかしもっと面白いのは、やっぱこの家買うたるわ!という、結局金でもの言わす資本主義が大好きだ!という最後の結論に至ったところ。うーん、野蛮です。やはり私は、真の地上の楽園、共和国が好きです。おかげでラストシーンは、ソン・ガンホがJSAで「キムジョンイルドンジ,マンセッ!」と叫んでいたのを思い出しました。
えっ?なに?カーセックス?おお、なんておぞましい!米帝がもたらした頽廃的風俗!
北朝鮮ネタのキレがずるい
地下室が明らかになってから話の様子がガラッと変わって面白かったです。
貧富の差が描かれてましたが、パラサイトする側の方が幸せに見える辺りに、『貧しくとも』的な思想が自分にあると感じたり、夫婦間には何か思うところがありそうだけど、決して不仲ではないパラサイトされる側の家族が不仲に見えてしまったりと自分の中に何か刷り込みがあるなぁと気づくことが出来る作品でした。
犬はかわいく、北朝鮮ネタはさすが本場という感じでキレッキレでとてもよかったです。
チョンジソ キュート、チョヨジョン ビューティフル忘れちゃいけない。
全1356件中、881~900件目を表示