パラサイト 半地下の家族のレビュー・感想・評価
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わたしも馴染めない派だ
いつか見ねば、と思いつつ、偶然のTV放送にてようやく鑑賞。
長男が、ガーデンパーティを前に自分はここに馴染んでいるか、
と問いかけるシーンが全てを象徴しているように感じた。
出自が拭ってもとれぬニオイとなり、
しみついて逃れられぬ不条理には「共食い」を思い出し、
持つ者と持たざる者の間で起きた事件に、
昨今の無差別連続殺人事件犯人が抱く動機のようなものを重ねて鑑賞する。
本作はそこへさらに同階層同士、生存をかけたつぶし合い、足の引っ張り合いがあり
このひとひねりにきれいごとではなく、今を生きる事に追い詰められた人のリアルを感じてしまった。
格差はどの地域でも深刻なのだと思わずにおれない。
でなければ賞を取るほども、話題になるほども興味を持たれないだろうから。
面白可笑しく、やがてグロ恐ろしく悲し気な結末が突飛と思えないのは、
自身にもしみついたニオイがあると自覚するからだろう。
あの媚びた笑みと、羨ましいからこそ憎くて仕方なくなる瞬間に、ドキリとさせられる。
やけっぱちの「リスペクト」へも、確かにその通り、と頭で理解しつつ戦慄しっぱなしだった。
もちろん社長一家は一家で自分たちの人生を生きているだけで、何ら悪い事はしていない。
だからこそどうすべき、どうあるべきだったのか。
テンポよくサクっと見られて、最後にずしり、考えあぐねる良作だった。
なるほど
人格や品格と結び付かない貧富の差
映画としての完成度はさほど高くないが、考えさせられるストーリーだった。
色々となあなあで片付けられた部分も多く、あれはどうなったの?とモヤモヤが残る。重いテーマを扱う作品ではきちんと罪と罰まで清算してほしいところだ。
さて、本作では富裕層の登場人物たちも嫌味がなく個人的には好感が持てるキャラクターだったが、賢かろうが愚かだろうが、魅力があろうがなかろうが、稼げる人間と稼げない人間の間には埋められない溝がある。
どんなに金銭欲が強くても金に縁がない人間もいれば、特に何も考えず生きてもお金が舞い込んでくる人間もいる。
しかし富とは、不思議なものだ。
カラーテレビ、洗濯機、携帯電話、パソコン、米
時代が時代なら お金持ち と称される生活を、今の時代では 貧困 と言われている人たちも、ほとんどが享受している。
大画面、高画質、ドラム式洗濯機、洗剤自動投入、AI搭載、最新機種、薄型、ハイスペック
富の象徴は変化していく。
結局、我々が欲しいものはなんなのだろうか。
周りと比べて裕福な暮らし
なのか
必要なものが揃っている暮らし
なのか
惨めじゃない暮らし
なのか。
ラストの主人公家族の父親の選択は、とても胸が痛くなるものだった。
諦観していて、欲を持ちながらも卑屈さが無い好人物。
だが、朗らかで温厚な彼がなぜあのような選択をしたのか、充分に理解できる。
彼がどうしても受け入れられなかったもの。
身勝手だと分かっていても、衝動に駆り立てられるほどの、奥に秘めたもの。
行動や思想や、発言などではなく、自覚すら難しい。けれど明確に、あちらとこちらを区分されてしまうもの。
まるで細胞の隅々まで否定されるような気分だ。
少しずつ少しずつ感情が奥で増大していく役者さんの表情がなんとも巧みで、下手な役者であれば え!? となりそうな展開でも見事に辻褄を合わせていた。
仲の良い家族がいて、それなりに笑って生活できていれば幸せなんじゃないか。
彼らは貪欲だったのだろうか?
そうでもない。
何があれば、自分たちを幸せだと思うことを、世間は認めてくれるのだろうか。
幸せ少し頂きます
強烈
他の映画では濁すようなところもしっかりと描き切っている
登場人物は
富裕層と、半地下+地下の貧困層
ギウの一家が家庭教師を皮切りにパラサイトとなっていく様はテンポも良くコメディチック
しかしパク家を前家政婦が訪ねてきたところから雲行きが怪しくなり、、
所得格差による差別が根底にあり不穏な展開になっていく
臭いによる無意識な差別、着々とキムの心に闇を落としていき
地下の住民の凶行をきっかけに決壊する
キムは家を出た時に自分がどこへ行くべきか分かったと言う
結果新たな地下の住民となり寄生は繰り返される
家を買い戻す流れが想像で終わる救いのなさ
下手なホラーより怖い
金はシワを伸ばすアイロン
水石は罪悪感、楔
計画への依存、失敗しない無計画
匂いで表現される生活の格差
ギウのセリフ
「自分はここに馴染んでいるか?」
知識や性格、人となりでは何ら変わりのない
ただし確かに差別は存在する
その違いは何なのか
韓国の意外な現実
第72回カンヌ国際映画祭(2019年)ではパルム・ドール、第92回アカデミー賞(2020年)では、作品賞、監督賞、脚本賞、国際長編映画賞の4部門を受賞した作品。特にアカデミーでは、外国長編映画賞だけではなく、メインの作品賞を受賞しているところが凄いです。
コロナ禍に入る直前に日本公開になっていましたが、その時は見ていませんでした。Amazon Primeで見つけたので、みて見ました。
“面白い”です。Funnyという面白いではなく、interestの方の面白いです。半地下の住居って、日本ではどうなんでしょう?ホームレスとかはいますが、家はあるけど劣悪という半地下住居が日本にあるイメージはありません。
そして、パク家の方。典型的なお金持ちですね。こちらは日本でもイメージしやすいです。日本にも、こういう高級住宅街ありますしね。
それと、チュンスクに追い出される形になってしまった前任家政婦のムングァン。彼女にも、人に明かせない裏があるというなんとも・・・。
交わるはずの無かったキム家とパク家が交わると『混ぜるな危険』の状態になってしまうんですね。
結末に至る過程がなんとも悲しいというか。一体どうなって終わるのかと思っていましたが、あんな凄惨な事件に至るとは思いませんでした。なるほどな。単純にウソがばれて、追い出されるだけではインパクトに欠けるので、劇映画としては、ああいうシーンは必要だったかもしれませんね。
いや、面白かったです。カンヌのパルム・ドール、アカデミーの作品賞。どちらも納得です。
喜劇か悲劇か、惨劇か
映画としてのフィクションが過ぎるかのようで、妙なリアリティを感じて、思わず見入ってしまう。
半地下というのがミソで、いわばグレーゾーンから濃淡をつけた
白と黒の見事なコントラスト、見事な混沌ぷりを描いている。
その混ざり合ったグレーは、雨によって更に混ざり合い、混沌を深めたのち、
洗い流され、本来の姿を、くっきりと浮かび上がらせます。
ところで、この映画は喜劇ですか? 悲劇ですか? 惨劇に見えますか。
この映画は、非常に狡猾で素晴らしい、意地の悪い仕組みになっていて、
見る人それぞれの立ち位置により、評価や感想がガラリと変わる仕組みになっているのですね。
(まるで古くは、チェホフ「桜の園」のようですね)
一見コミカル調に描かれている前半戦ですら、パラサイトされる側に所属されているご家庭では
たまったもんじゃない、やめてくれと、被害者目線に感じるでしょうし、
痛快と見られた方は、実は自分自身の中にある、パラサイト側の目線を
嫌なほど思い知ることになります。笑っているうちに、映画の術中に嵌っているのです。
そして更に、地下に住む本当のパラサイト側の客層は、また違う、熱い、なにかがこみあげてくることでしょう。
後半戦は如何でしょうか。
あの惨劇は、痛快でしたか。それとも、見るも無残な凄惨な事件でしたか。
眼をそむけたくなるのは、何故でしょう。目を見開いて見入ってしまうのは、何故でしょう。
正解はありません。それぞれが、どのような感想を抱いたか。
それが答えとなっていて、ブーメランのように跳ね返って、深く、突き刺さります。
あの事件でいちばん興味深いのは、
憎しみは、自分にとって、近しい存在に抱かれるということですね。
近しさのない存在には「リスペクト」すら生まれるのです。(本物の尊敬か、自身により捏造されたものかはわかりませんが)
しかし、自分とそう変わらないじゃないかと思う存在には、憎しみが生まれるようです。
人間って面白いですよね。
尊敬も憎しみも、そして愛も、自分のなかの自尊心に由来するのですね。
青年はほんとうに、少女を愛していたのでしょうか。
あの父親は。あの母親は。ほんとうに互いを愛していたのでしょうか。
そしてそれらは、経済的、社会的な立ち位置とは、必ずしも、一致しないような気がしますね。
ラストで、自ら、地下に堕ちることを選んだ父親からは、いまはきっと、
世界のすべてが光り輝き、愛おしく見えることでしょう。
さて、、パラサイトしているのは、実は、あの家族ではありませんよね。
貴方の中にパラサイトしているものの正体は、、、貴方自身がいちばんご存じですよね。
引き込まれる異国の世界。アンダーワールド。
人に奨めたくなる作品
映像から臭いを感じ取れる稀に見る傑作
選択できない人生の上で我々は生きていくしかないのだと思い出される
金持ち家族の奥様のキャラクターが印象的
出てくる俳優全てが素晴らしい
終わり方もよくて、いつかまた観たい
ブラックユーモア炸裂
映像から匂いを感じた
ただのパラサイト(寄生)が驚愕のミステリーとして雪崩れ込む。
2019年(韓国)監督:ポン・ジュノ。
この映画は韓国の富裕層と半地下に住む
貧しい一家の貧富の格差をブラックに描いた
映画です。
コメディであり、サスペンスであり、ホラー映画でもある。
あるシーンでは爆笑してお腹を抱え、
あるシーンでは恐怖に凍り付く。
面白くて怖くて過剰なほど、四重五重に仕組まれた罠に
騙されます。
(ネタバレ厳禁でストーリーに触れてみます)
キム一家とパク一家。
対照的な2家族が主人公です。
キム一家は半分くらい地下に埋まったジメジメして、
窓からは歩く人の足元が見える家に住む下層家族。
道には放尿する人さえ居るのだ。
そして家族(父、母、兄、妹)は、全員が失業中。
対するパク一家。
有名建築家の建てた高台の豪邸に優雅に暮らしている。
IT企業社長の父親とその妻と高2の娘と小学生の息子の
4人家族。
プラス家政婦さん。
そのパク一家にキム一家の長男が娘の家庭教師に
入り込んだことにより、
父親はパク社長の運転手、
母親は家政婦を追い出して後釜に座り、
長女は小学生の息子の世話係となるのだ。
第二幕
キム一家が泊まりがけで家を空けたその日、
パク家の4人は羽目を外して、
ワインを開け、冷蔵庫の食べ物を勝手に食べて、
宴会に興じている。
そこに《ピンポーン》が鳴り響く。
それはパク家の陰謀で解雇された家政婦が、
現れたのだった。
ここからは予測の全く付かない怒涛の展開となります。
この家はただの4人家族の家ではなかったのです。
パク一家の誰一人も気付がなかった家政婦さんの秘密。
家政婦は度肝を抜かれる秘密を抱えていた!!
ともかく面白い!
次から次へと急展開して、
息もつけない!!
殺し合いアリ。
幽霊を見た・・・アリ。
ただのパラサイト(寄生)が驚愕のミステリーへ!!
このラスト。
誰にも予想が付かない!!
ポン・ジュノ監督の力技にアカデミー賞も、
平伏しました。
「におい」が キーでもある。
特に前半が面白い
主人公一家が頭良すぎるし、寄生して行くまでがめちゃくちゃ面白い。
その上、貧困層と裕福層の格差社会がわかりやすく描かれています。
主人公一家はあんなに頭が良くて演技も出来るのに働けない…というか働き手がないというのがまた格差ですね。そこがまた上手いところです。
あと寄生されてる側の奥様は多分箱入り娘なんでしょうね。常識を知らないというかアホの子すぎるのがまた面白いです。
逆に言えば、「奥様や旦那様は人を疑うことを知らない=裏切られるような所に居ない=社会的地位が上」ということを表しているのでしょう。
個人的に前半の寄生していくのが面白く、何度も見返しています。
後半はなんとなく精神的にしんどくなってきてしまいます。
家族愛がテーマなのか格差社会がテーマなのかよくわからなかった。
面白いけれど、後半部分は韓国映画らしさが出過ぎてちょっと嫌に
ストーリー展開が面白かったけれど
肝心の格差問題は正直、あまり伝わってこなくて
はて、何が言いたい映画なの?と、見終わって思ってしまっった
その原因は、後半の凄惨な展開にあるように思う
目を背けてしまい、ストーリーは追えなくなりました
韓国の格差社会の中、半地下の家に住むある家族。 息子が大富豪の家で...
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