デッド・ドント・ダイのレビュー・感想・評価
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ジム・ジャームッシュ監督と豪華キャスト陣によるユル~いゾンビ映画。
ジム・ジャームッシュ監督の、ゾンビに対する愛に溢れた、ジム・ジャームッシュ作品のファミリー達の贅沢なキャスト陣による、オフビートなお芝居によるゾンビ映画。
かなり見当外れかも知れないですが、大晦日恒例の「ダウンタウンのガキ使いやあらへんで!」の「笑ってはいけない」シリーズと同じような空気感を醸し出し、もしも観客がクスッとでも笑ったりしたら、どこからともなく「アウト!」って言ってどつかれてしまいそうな位に、あたかも無表情で無機質な体裁のオフビートなお芝居をただひたすら観続けさせられ、その不条理な世界観を観ながら、果たして笑って良いものか否かと思いつつ観るような、実にユル~いコメディ風味のゾンビ映画。
物質主義・資本主義の奴隷としてのゾンビ像は古典的ながら、Wi-Fiゾンビ、Siriゾンビ、Bluetoothゾンビ、抗不安薬ゾンビなどはかなり現代的で風刺が効いていてそこそこ面白かったですね。
ただ、森に住む世捨て人に扮するトム・ウェイツが狂言廻し的な役回りなのは良いとして、お話し的には、所謂、ジム・ジャームッシュ監督作品やそのキャスト陣にまつわる内輪ネタや楽屋オチ的な小ネタを楽しむようなマニアックな映画にもなっており、ジム・ジャームッシュ監督作品をあまり観ていない私の場合には、ピーターソン巡査役のアダム・ドライバーが「スター・ウォーズ」で扮するカイロ・レンにまつわる小ネタくらいしか分からなかったので、小ネタ関係で笑えるツボを押さえられていなかったのが、もっとジム・ジャームッシュ監督作品を観ていたら良かったと、かなり観ながら悔しかったですね。
でも、第4の壁をぶち破るかのように、観客に話しかけるのではなく、警察署長役のビル・マーレイとピーターソン巡査役のアダム・ドライバーがその会話を通して、ジム・ジャームッシュ監督の脚本や演出手法について劇中内で愚痴ったり、映画のテーマ曲である主題歌がカーラジオから流れていたり、それがガソリンスタンドに併設されている雑貨店でもインディーズレーベルのカントリーミュージックのCDとして販売されていたりする点もクスッと笑えました。
日本のドライブイン(サービスエリアや道の駅など)で販売している演歌のカセットテープやCDと同じ様な感じにも思えて微笑ましくもありました。
ティルダ・スウィントン演じる、あたかも『キル・ビル』を彷彿させるかのような日本刀を振り回す地球人離れした葬儀屋の女主人は、まさしく本当にその通りで驚かされましたが、その例に留まらず、この映画、トコトンといって良いほど伏線が回収されず、放りっぱなし状態で何でもありなので、最終的には、どの様にオチをつけるのかと期待していましたが、これといって大したオチもなく勿体ない終幕の映画でしたね。
私的な評価としましては、
クスクスッとは笑えるオフビートなお芝居による実にユル~いゾンビ映画で、そこそこ面白かったのですが、それぞれの伏線は回収されず終いだし、まさに何でもありの状態で、ただひたすらピーターソン巡査役のアダム・ドライバーがスター・ウォーズのカイロ・レンの如く淡々とゾンビ達を斬って斬って斬りまくるといった描写からも彼をイジっていたのかも知れないですが、そもそもジム・ジャームッシュ監督の作品自体にまとまり感がないからか、これといった大したオチもない中途半端な終幕で非常に勿体なく感じましたね。
また、音楽界からもRZAやセレーナ・ゴメスやイギー・ポップやトム・ウェイツなども参戦させた豪華なキャスト陣を贅沢な起用方法で調理していくのもジム・ジャームッシュ監督流なのか分かりませんが、配役が豪華な割りに中身がバカバカしくてチープなのもジム・ジャームッシュ監督の作品らしさという事なのでしょうか?!
いずれにせよ、意外で豪華なキャスト陣という点も、大晦日恒例の「ダウンタウンのガキ使いやあらへんで!」の「笑ってはいけない」シリーズと似て非なる部分なのかも知れないなと勝手に思い込んだりしていました(笑)。
贅沢なキャスト陣の起用法も換言すれば豪華キャスト陣の無駄遣いとも言えますからね。
とは言え、小ネタを沢山仕込んだマニアックで細やかな映画作りをしている割りには、ビル・マーレイの警察署長の愚痴ではないですが、ジム・ジャームッシュ監督の脚本や演出手法が雑に感じざるを得ない部分も多々あり、伏線の回収のみならず観客を放りっぱなしにした様な展開には首をひねる他なかったでしたので、あくまでも、ジム・ジャームッシュ監督作品にはあまり詳しくない私の評価としましては、五つ星評価的には★★★☆(70点)の三つ星半くらいに留まらずを得ない評価が相応しいかと思う次第です。
ティルダ・スウィントンがティルダ様と「さま」付きで呼ばれる理由
ゾンビオフビートコメディ…オフビートすぎたかな…
つまらない
おいでよJ.Mランド!
アメリカの田舎町センターヴィルを舞台に、街にあるダイナーで起こった。変死事件をきっかけに墓場から死者が蘇りゾンビが町に溢れ出すことに!
淡々とした日常の何気ない出来事を紡いだミニマルなジム・ジャームッシュ監督の十八番手法をゾンビ映画であてて、かなり小ネタが散りばめられシュールな笑いにクスッとさせられ、監督の遊び心と気心の知れた身内で作ったかの内容で(笑)
特に、警察の留置所に置いてあったゾンビの対処として、頭を狙えからの首を切り落とそうとする。アダムドライバーのシュールなシーンは壺ってしまい!ゾンビが生前の記憶に引かれる行動という新しいゾンビへの描写として、Wi-fiやBluetoothを探し求めスマホ片手にウロウロするシーンは面白かった。日本刀構えたティルダ・スウィントンの華麗なるシーンはキルビルを彷彿とさせ、名作のオマージュなんかてんこ盛り!
で後半のとあるポカーンの展開もマニアックなネタを理解している納得せざる得ない個人的にはかなり好きで大好物であるが、見る人が見たら?マーク10個くらい浮かべ映画館を後にするかも知らない(笑)
ゾンビという事で、グロさに関しては徹底した部分では苦手な人は身を背けるかもしれないが、ジム・ジャームッシュ監督の遊び心ある遊園地かのような世界観を堪能できるるなら、見方としては「考えるな、感じるんだ」で見る作品である。
淡々とシュール(くらいしか言えない)。
デッドドントダイです。死人は死なないということです。
ゾンビ映画は初めてです。なんで人を噛み切る力があるのに、立ち姿が腕上げたままとか、へんなポーズしてるのかな?
ティルダ様はUFOに乗っていっちゃったね。パソコンとかに手をかざすだけで電源つけてたし、彼女は地球外生物なんかしら?
かくしてぬるっと世界は終わったという話なんでしょうね…
ボブは生きてるか。ボブだけがいる世界。
ディティールはファニーで楽しいです。つか、いつものことですがジャームッシュのことはよくわからない。デス。
映画のタイトルと同じタイトルのカントリーソング面白かったです。
後半失速気味だけど…
映画館再開一発目!クスッとくるセリフにゆる〜いストーリー。前知識なく見たので、前半は当たりのB級映画や〜と思いました。
が、期待が高まっていった分、後半はちょっと残念… ゾンビなんで、オチに解決はもとめてないので、文句はいいません… ただ、よい俳優さんがたくさんいるので、メタにするならもうひとふた声あってもよかったような。
好き嫌いはわかれます。映画代の対価を気にする人にはオススメしませんが、映画が好き!って人にはよいと思います。
ジャームッシュ史上、一番観る人を選ぶのでは?
ジャームッシュがシネコン大画面で観られるなんて!
他に大作無いからなの?と邪推たっぷりに足を踏み入れたら、平日朝一の回はガラガラ。
端々にこれでもかこれでもか、と出てくる隠喩暗喩と辛口な皮肉にはクスリとさせられ、初級編から上級編までつまびらかにさせたい欲を掻き立てられる。
アダムドライバーのキーホルダーは超初級、ティルダのメルセデスは中級かな、ビルマーレイは見つけられなかったけど、直球でバスターズってこと???
クリーブランドを連呼しまくってたことなど、この日本ではどれだけ響くのだろう、とか。掘れば掘るほど出てくる。
ストーリーテリング的には強烈な印象を受けるけれども、ストーリー的には、、、
ある程度映画館で映画を観漁った世代、尚且つ所謂単館モノ(死語?)が好きな人以外に通じるのだろうか、と心配になってしまう。
という事で、周りには居ない映画好きな人と話しをしたいなぁ。
途中で飽きた
ヴァンパイアの映画がとても面白かったので、今回も期待したのだけど、退屈で飽きる。日本刀で切り殺す場面はよかった。
途中でアダム・ドライバーがシナリオを読んだと言い出すのは、いかがなものかと思う。別に面白くもないし、笑えればいいけど、そうでもなく興が覚めるばかり。これでも真面目に見ていたので、バカにされたような損した気分になる。
若者たちがどんなふうにゾンビと関わるのかと思っていたら、あっさり死んでいた。これも肩透かしだとでもいうのだろうか。トム・ウェイツは最後まで覗き見していただけで、見せ場なし。
今のところ今年見たなかで最低だ。コロナで映画館が閉まっていて、ようやく楽しみにして見ており、期待しないで見たら楽しめたかもしれないけど楽しみにしていた分本当に残念で、見て損した。大嫌い、すかしてんじゃねえって感じ。
ホラーではなくヒューマンドラマ
ビデオゲーム「バイオハザード」のラクーンシティに出てくるようなゾンビが現実に出現したとして、普通の人が普通に対応したらどうなるか、そんなリアリティがある。人間は極限状況に直面すると無表情になる。喜怒哀楽や驚きの感情では対応できないからだ。状況を把握しようと脳が必死に回転して表情のコントロールにまでは手が回らないから無表情になるのだ。誤解を恐れずに言えば、その無表情が笑えるし、面白い。
ビル・マーレーとアダム・ドライバーという二人のコメディ系の俳優を配したことで、状況自体を笑い飛ばしてしまうような部分もある。散りばめられたギャグは笑えるところと意味不明なところが混在し、映画を正体不明な怪しい作品にしている。
中でもティルダ・スウィントンが演じた葬儀屋は登場人物たちにとっても謎の存在であり、彼女を中心に目の前で繰り広げられた信じがたい光景も謎であるが、普通の人らしく受け入れてしまう。そういえばコロナ禍の初期の頃、日本は武漢にチャーター機を派遣した。
センターヴィルで起きたのと同じ極限状況は地球全体に及び、もはや逃げる先はない。田舎町の生活者のディテールを描きながら、実は人類全体を描いているという、気がつけばスケールの大きな作品である。これまでもそうであったように、これからも人類の敵は人類なのだ。
それにしてもアダム・ドライバーは達者な役者である。本作と同じジム・ジャームッシュ監督の「パターソン」では詩人でありバス運転手である男の日常を飄々と演じ、スパイク・リー監督の「ブラック・クランズマン」では意外に勇気と行動力のある刑事をケレン味たっぷりに演じてみせた。
「パターソン」と本作品の共通する点を挙げるとすれば、人間というものはどこまでも愚かで救いがたい存在だが、同時に愉快で愛すべき存在でもあるというジム・ジャームッシュの世界観だろうか。
本作品を「バイオハザード」などと同じように鑑賞すると、多分面白くないと思う。同じゾンビものでも、サバイバルを目指している他の作品とは決定的に一線を画しているのが本作品であり、突如として出現したゾンビに戸惑い、右往左往してしまう人間模様を描くヒューマンドラマなのである。その観点から本作品を観れば、実に面白い作品であることがわかる。意味不明な出来事は謎解きではなくてメタファーなのだ。
自分には合わず。。。
なるほどね。という感じでした。
劇場予告で期待するほどコメディ要素はなかったです。序盤から「テーマ曲だから」とメタいものが出てきたと思ったら、まさかの「台本に書いてあった」が出てきたりとすごいメタでした。
世捨て人が生き残って物質主義の人々がゾンビ化していくという社会要素が最後に出てきて、ゾンビがwi-fi求めたりBluetooth求めたりしてた理由がわかりましたが、正直「お、おう……」という感じになってしまうのは否めず、最後のここでよくわからない映画感が増してしまった気もする。
途中出てきた子供3人はなんだったんでしょうか。今書いてて途中で逃げてそのままだったなと気づきました。友人に勧めると、きっと何とも言えない顔ってこういうことを言うんだろうなというものが見られると思います。それ以外で人に勧めるのはやめといた方がよさそうです。
久しぶりに無になって劇場を後にすることになった映画でした。
あれ?あれ?
ゾンビ映画に載せたメッセージ
2019年カンヌ国際映画祭オープニング作品。
ジム・ジャームッシュがゾンビ映画...??と観る前は一瞬首を傾げたものの、とてもジャームッシュですね...。
ただ、R15+指定なのでそこそこ描写はエグいところも。ゾンビは大変古典的なゾンビなんだが、ゾンビにやられる側の描写は結構生々しい。
この作品の凄いところはもう最初からアダム・ドライバーが結末を断言しているところである(そしてその理由が示される場面はものすごく笑顔になった)。若干間延びしてはいるがそれなりに感情を見せるビル・マーレイと、真っ当にパニックになるクロエ・セヴィニーに対して、やけに落ち着いてるアダム・ドライバーの理由それかよ!そんなん笑うわ!そしてビル・マーレイの反応も大変よろしい。
本作、多分「普通の」ゾンビ映画を想定して観ると退屈かもしれない。だが、ありとあらゆる大小の仕込みとメッセージに唸らされる作品でもある。世捨て人ボビー=トム・ウェイツの立ち位置とか、ダイナーでスティーブ・ブシェミが吐く台詞へのダニー・グローヴァーの反応とか。人間が引き起こした気候変動とゾンビの関連も含めて、ある意味大変直接的なメッセージ映画でもある。ラストとか完全に社会派メッセージ映画のそれだ。ゾンビ映画なのに!
遊びというか余白という意味では完全に謎なティルダ・スウィントンが最高である。日本刀でゾンビを狩るティルティル....!警察署のパソコンのキーボードの叩き方はちょいとアレだが、最初から最後までなんだか分からんという「謎」としての彼女の見せ場は凄い。しかし字幕で武士口調にする必要があったかは分からない。
ジャームッシュがファンだと述べていたセレーナ・ゴメスの都会っ子感も私は好もしかった。キラーン!というあの輝き...。ベタだがそう見えるセレーナ・ゴメス...。
ストーリーの結末としては殆ど救いがない(警告映画だからそうなるだろう)のだが、とにかく色々な要素を詰め込んで拡張したかったんだな、と感じた。そしてメッセージ性を備えつつ、細かく遊ばせる。それが完璧に成功しているとは言いがたいのだけれども、挑戦的映画だな、と感じた。
トム・ウェイツが拾うメルヴィルの「白鯨」にも何か含意があるんだろうな...。
ジャームッシュ好きのツボを押しまくる佳作
公開延期になっていたジム・ジャームッシュの新作をようやく観ることができた。
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ゆる〜いゾンビコメディと思いきや、観終わった後の感触は少し違い、ライトヘビーな佳作であった。
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舞台はアイオアの田舎町センターヴィル。町の巡査や住民たちの他愛のない日常をユーモラスに切りとった序盤の描写が絶妙。ジャームッシュの世界に浸る。
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地球の自転軸のズレから次々起こる異常現象。墓地から死体が這い出し住民たちを襲う。なす術がない世紀末が表出した。クールな無常感があった。
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町の巡査役のビル・マーレイとアダム・ドライバーのやりとりが最高に面白い。そして、ティルダ・スウィントンが演じた日本刀の達人のキル・ビル感、セレーナ・ゴメスの実にまともな清涼感、イギー・ポップのパンクなコーヒーゾンビ、すべてを目撃する世捨人を演じたトム・ウェイツなど見所満載だった。
超ロメロ的正統派ゾンビ映画。ただしそこはジャームッシュ。
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