罪の声のレビュー・感想・評価
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この事件で幸せになった人は誰もいない
本作品のモチーフになっている事件ですが、私自身が高校3年生の時に起きた事件で、当時コンビニでバイトしていたので、よく覚えているし、結局未解決のまま終わった事件で、本作品の公開を楽しみにしていました。 私は特に本作品の内容にリアルタイムで経験した者として大変に興味がある事から、大変に想いいれたっぷりみたので、本作品の内容に大変に満足しています。 本作品、フィクションなんだろうけど、これだけの作品を作り上げたのだから、お話を作ると言っても全てが空想ではなく、しっかりとした取材が有って作ったのだろうから限りなくノンフィクションに近い内容なんだろうと私は思っている。 特に本作品で注目しているのは、あの時代で有っても、その前の学生運動時代の革命を目指していた人が事件に絡んでいる事、事件に何だか形で絡んでいる人間達の悲劇・・・ 特に、事件で使われた子供の声の主達の悲劇では、彼達彼女達の苦悩の描かれた方が凄く泣けてくる・・・・・ あの事件って結局誰がいったい儲かったのか・・・・・あれだけ世間を騒がしておいて、結局犯罪って奴は、関わる全ての人を不幸にさせるだけ・・・・いや~非常に考えさせられるな・・・・・ 犯人側の言い分だって分かるんだけどね・・・・でも、結局、それが身勝手な正義であるのなら、やはり間違った事であるんだよね・・・ 巻き込まれた大勢の運命を狂わされた人達は本当に悲劇でしかない・・・ 大変に良く出来た映画だったな・・・・ 最後は同情するとこちらも涙でいっぱいになるよ・・・・
最後の最後まで辛辣
グリコ森永事件になぞらえた作品。本物の事件のことはよくしらないけど気味悪さは伝わった。ひとつひとつ紐解くたびにしんどくなっていく。全容が見えれば見えるほど知りたくない現実が浮き彫りになってくる。いや~しんどかった。最後のある親子のシーンはほんとにしんどかった。切なさ?感動?とにかくつらかった。世の中にはたくさんの事件があって罪を犯した人間の家族やそのまわりの人のその後の人生にどれだけ重くのしかかってくるか考えさせられた。この作品の中では、その苦しめられた家族のまわりには支えになってくれる存在がちゃんといて観てて救われた。どんなに熱量もっていても守るべきものを犠牲にしてまでやる意義がどこにあるのか。人として親として理性を失うところに罪が生まれるのではないか。そして自分ならどの選択をしただろうか。そしてこの作品にも出てきた1984とゆう年号。よく使われるけど何か意味があるんかなあ。生まれ年だから気になる。
未解決事件
事件の時効後もこの映画の様に、事件の真相や人間模様が解決されれば被害者や捜査に関わった人達も少しは救われる気がします。 10年以上過ぎているたくさんの未解決事件が映画の様に解決して欲しいと感じました。
「これが真相なのでは」と本気で思ってしまう
予告からミステリーの雰囲気を感じ取り、予備情報なしで鑑賞してきました。開幕してほどなく、これが昭和最大の未解決事件をモチーフにしたものだとわかり、当時の記憶が少しずつ蘇ってきました。と同時に、当時はまったくわからなかった事件の真相が少しずつ明らかになっていく過程に興奮を覚えました。これは、事件の記憶がある者にしか味わえない感覚だと思いますが、事件を知らない若い方たちにも本作をきっかけに事件について調べてみてほしいと思います。 ストーリーは、子供の頃の自分の声が、日本を震撼させた未解決事件で使用されたものであることを知った男と、たまたま同じ事件の真相解明を命じられた記者が、協力して手がかりを追い、真相にたどりつくというものです。わずかな手がかりを必死で手繰りながら、着実に真相に近づく過程がテンポよく描かれ、ミステリー好きにはたまりませんでした。そこにはかなり多くの人物がさまざまな形で関わり、油断すると置いていかれそうになるのですが、終盤で真相が明らかになると、映像でおさらいしてくれるので、鑑賞後の印象はスッキリしています。 構成の面でも、主演の星野源さんと小栗旬さんが、全く異なる立場と事情で、たまたま同じ事件にアプローチし、やがて合流して協力し、最後はまた別々の場所でそれぞれに決着をつけるという流れがよかったです。それにしても、未解決事件にこのような真相を与えた想像力と、その中で自身の声を使われた子供たちのその後の苦悩にスポットを当てた着想、それをミステリーとしてこのようなストーリーにまとめ上げた構成力には恐れ入ります。中でも、不遇な人生を歩んだ生島総一郎と、何も知らずに幸せな生活を送ってきた曽根との対比が切なかったです。生島から曽根に発せられた「あなたはどんな人生を送ってきたのですか」という素朴な問いかけが胸に刺さります。さらに、母と再会した生島が、当時の姉の声を母に聞かせるシーンも悲しすぎます。 フィクションだとわかっていても、現実と想像の区別がつかず、「これが真相なのでは」と本気で思ってしまうほどでした。140分という長めの作品ではありましたが、終わってみればあっという間で、むしろこれだけの骨太の内容をよくこの尺で収めたと思います。原作未読なので映像化による是非はわかりませんが、ベテラン俳優陣をふんだんに用いた、いぶし銀の一本に、仕上がっていると思います。 最後に一言。グリコ森永事件は未解決のまま時効を迎えましたが、犯人、被害者、捜査員、その他の関係者にとっては、永遠に終わりなど訪れないでしょう。もし犯人が本作に触れる機会があるのなら、真相がどうであれ、事件が与えた影響について今一度考え、それを心に刻んでこれからの人生を歩んでいってほしいものです。
映画の視点と原作の醍醐味
グリコ森永事件の謎解きに迫る原作を読んで、映画になるのをずっと楽しみにしていました。
結論から言うと、原作の醍醐味を表現するには映画の時間では短すぎたということ。
あらすじを、映像つきで、線的なストーリーとして確認したという印象でした。
映画は、記者と店主、2人の動きに寄り添いながら事件に迫るのですが、迷宮入り事件のはずが実にあっさり真相に辿りついちゃいます。
原作の醍醐味である、事件の背景とともにだんだんと姿を現してくるドロドロした犯人たちの印象が、映画では全く薄まってしまいました。
小栗旬が重すぎず軽すぎずの好演、海外ロケの映像も素敵だっただけに、映画的なバランスの悪さがもったいなかった。
できれば、次は、小栗旬主演の8回くらいの連続ドラマとして、犯人側にもっと重みを持たせたストーリーで見てみたい。
毎週謎解きのヤマ場がある、次週が待ち遠しいドラマになるのでは?
拡げるのか絞り込むのか...。難しい選択。
見に行った理由はいろいろだけど、野木亜希子 脚本の映画を見て見たかったというのが一番大きい。自分の声が自分と無関係と思っていた大事件に使われていたことを知ったテーラーのミステリー、過去の大事件を掘り起こす仕事を突然振られた(報道への熱意を失った)新聞記者を主軸に、叔父の過去、同じ境遇の子供たちのその後などをいつしかバディとなった二人で追うことで、新たな事実が明らかになるとともに、関係者たちの悲しい人生に触れていく。真面目に作っていることは良くわかるが、やはりどうしてももう少し脚本を練りあげればもっと良くなる作品だと思う。
筋としての最大の欠点は、小栗旬自身に動機がないことだ。後半で少しそれらしいセリフを語るが、そもそも企画も降ってきたものだ。なぜそうしたのだろう。梶芽衣子が深くかかわっていることは、年を取った母にも活動家の過去があり父以外との恋があったであろうことが伝わるところは非常に興味深い描写なのだが、ここに対する星野源のリアクションはもっと深堀すべきではなかったか。ラスト、子供を抱きしめるところ、どんな感情なのか、伝わってこない。
そして舞台となった事件への推論についてもあり得る筋ではあるのだが、映画では謎解きに振るのであれば若い層への説明をもう少し丁寧にすべきだと思う。70年安保も絡めるというのであれば尚更だ。橋本じゅん一人ですべてをつなげてしまうのも簡単すぎて驚いた。
事件そのものより影響を受けた家族の群像を描きたかったのだと思う。場面場面は丁寧に描かれているが芯の筋をもっと練りあげて欲しかった。宇野祥平の、篠原ゆき子の熱演もスルーされてしまいそうだ。
化石
二人の子供が不幸になったのは父親がクズだったから。
犯人に事件後に波及して起こる事、全てに責任があるとは思わない。けれど、時効も過ぎて全てを白状した後に逃げるのはないな。やっぱりクズで化石だった。
証拠のテープと手帳を母親がなぜ捨てなかったのか謎だけど、あれがないと話が進まないから仕方ないのか。
それとも母親にとってはあんな物も正義だったのか。
日本では学生運動って遠い昔の話ように感じるけど、デモで捕まって拷問を受けている若者が今現在、隣の国にいるんだよね。正義だけでは大きな力に飲み込まれる。
映画関係ないけど、自由に発言できる今の日本はいい国だと感じました。
もちろんテーマは悪くないのだが
「罪の声」。なるほどねー、そういう意味でしたか。 まあ、勝手に違うストーリーを思っていたので仕方ないですわな。 登場人物がやたら多く、気を張って見てないと多少だが置いてけぼりをくらう。 エンディングは、少し過剰なお涙頂戴シーンが連発しちょいとくどさを感じる。 確かに、それに翻弄されるのは分からなくはないが。 しかし、当事者ではない割烹屋の板長、そんな過去のこと覚えてるかな?
野木さんだから 源ちゃんだから
と、何の予備知識も無く観に行こうとしているお若い方々は注意が必要。 この作品が一番ささるのは、当時幼少期〜青春時代を過ごした世代だと思う。 事件をまったく知らない人が鑑賞する際は、せめてwikiくらいはひととおり目を通してから観ることを強くオススメします。
とても良い作品でした。 子どもを犯罪に巻き込む大人の罪の大きさ、マ...
とても良い作品でした。 子どもを犯罪に巻き込む大人の罪の大きさ、マスコミの真のあり方について考えさせられた。 小栗旬、星野源はもちろん、脇をかためる豪華な俳優陣もすごかった。 特に宇野祥平の存在感たるや…スクリーンに映った瞬間35年の苦しみが滲み出ていた。
さりげなく今年一の良作
鬼滅の刃の影に隠れて、さりげなく良作を出してきました。 俳優陣が適材適所にいます。話の展開や伏線の回収、いずれも綺麗にまとまっています。人物の背景もきちんと描かれていて言うことありません。 こういう作品が増えると邦画の可能性は広がると思いました。
もったいない。色んな意味で。
原作は何故か出版されてすぐに読んだ。帯見ただけですごく興味あったため。でもこれは映画にするの大変だな、と思ったらやっぱり大変だった。 人脈地図が壮大だからどうしても板付きの事情聴取になってしまって動きがなくて、時間もないから意外と簡単に情報が収集される。と、言いつつも、今やすっかり原作忘れてるのでどうだったか覚えてないけど、脚本はがんばってギリギリのところで新聞記者とテーラーのふたつサイドのバディ感と、なぜこれを追うのかという今の時勢ではあんまり共感の湧かないポリシーでまとめあげていく。優秀ではある。けども決定的に映画的興奮がない。篠原ゆき子が出ていてすら追いつかない!肝心な主演ふたりも良さを発揮できず。でもテーマがくっきり際立ったのは脚本の力ではあるのか。 もっと長尺でやってもよかったのでは、と。
某親子に幸あれと切に願う
原作小説は未読。予備知識なし。
文庫は買ってるからこれから読みたい…本当は映画観る前に読もうと思ってました…
全く関わることのない2人が段々と近付いてついに出逢う。そこから物語は加速するー…!かと思ったけどまぁ徐行でした。段々明らかになるのは好きです。ちなみに2人が出逢うまで1時間くらい経ってる。チラッと腕時計見た。
曽根夫婦が話し合って、曽根さんが阿久津さんに協力するようになったところ。その後の車内で考えの変化を問われてましたが、夫婦のシーンとして見たかったなぁ…あっさりだなと感じました。
曽根さんと生島姉弟の境遇に差があり過ぎて、惣一郎さんが曽根さんの境遇聞いたらそのまま死ぬんちゃうかと思ってましたが、最後まで生きてて本当に良かったです…あそこはとても辛い。
子供たち(特に生島姉弟)の人生を狂わせた達雄と話している阿久津さんには「もう殴って!そいつ殴って!」と思ってました。殴ってくれなかったけど。曽根さんが言葉で殴ってくれたかな…
結局達雄は逃げるし、罪の意識があるなら素直に捕まるべきやったなと。結局自己満足で自己陶酔やったんですね。お母さんも同じく。
お母さんが亡くなって病室で曽根奥さんと娘さんがお礼を言ってましたが曽根さんは何も言葉にして…なかった気がするんですが、まぁそうなる。
生島親子への救い…望さんの肉声、あれか…と思うと辛いです。
小栗旬
土井裕泰監督作だったので見てみた。 普通だった。 印象に残ったのは小栗旬がいい役者になってきたねぐらい。 自分の嗜好が変化してきているので、 こういった作品に感情が反応しなくなってるというのもある。
すごく引き込まれました
昭和の実在の事件をモチーフにしたストーリー。この事件があった時、私は小学生で新聞やニュースで見ていたのをなんとなく覚えている。 スーパーからお菓子がごっそり無くなったり…とまでは覚えてないし、青酸ソーダもよくわかっていない年齢なので、どこか遠くのことのように感じていた気もする。 星野源と小栗旬が、それぞれ違うところから事件を調べ始め、そしてタッグを組むことになるが、35年たった今だからこそわかってくる真実に、夢中になって引き込まれて見てしまいました。 舞台は京都、大阪、滋賀、イギリスにまであり、ちょっとした旅行をした気分にもなりました。 京都は地元なので、動物園や鴨川、高瀬川、城南宮など知ってるところがいっぱい。 大阪も道頓堀とか。 知らないうちに自分の声が犯罪に使われてしまい、その真相を知りたいと思う反面、遠い事件だったものが一気に自分の身近なものとなっていく恐怖は、計り知れない。それをとてもリアルに演じていたと思う。 見ながら自分もその世界に入り込んだようになり、途中でふと我に返って、今なんだっけ?と思っている自分にびっくりしました。 とても面白かったが、これを今もあの事件の犯人が見ていたら、どう思うのだろうか、ということも考えてしまった。
キツネ目事件のモチーフかと思いきや
小栗旬と星野源、ダブルメインキャストの本作は 一言、重厚感のある映画でした。 全く境遇の異なる二人の行動が徐々に繋がっていき そこに至るまでの事件の背景を紐解く様々な証言が 綺麗に結び付く展開は圧巻でした。 大人の世界に無理矢理引きずり込まれる子供が いる事、現代社会でも必ずどこかで存在しています。 報道機関の果たす役割も決して小さくは無いはず。 ただどうしても視聴率、購買数を伸ばすための エンタメ性が助長されがちです。本作は映画 「新聞記者」にも通じる「報道のあり方」にも 強烈なメッセージを残していると思いますし、 一定の答えを示していると思います。 良作でした。一人でじっくり鑑賞しても良いと 思います。
ふたつの矜持
原作は未読。 昭和のあの大事件をモチーフに、パラレルな世界線で展開される謎解きサスペンス。 なかでも令和へと時代が移りゆく中、あえて過去の事件掘り返すそのワケを エンタメへ昇華するためなのかと論議するメタ要素は鋭く記憶に残った。 また不条理や格差が広がる社会において、しかしながら同じことは繰り返すまじというメッセージも、モチーフになった事件を思い起こすほどキレイごとなく響いてくる。 原作の落としどころがどこにあるのか知らないが、劇中においてはこの2本柱を消化すべく、 出演者の派手さからは想像できない地味な、しかしながら目の離せない展開が続いている。 脚本家、野木亜希子さんを知ったのは「MIU404」でと出遅れたが、 それもこれも野木さんならではの巧みさがふんだんに引き出された構成だからだろう。 「時代」を感じさせる作品世界を、今旬の役者が演じるところも感慨深い。 後々見返すほどに味の出てきそうな1本と観る。 モチーフの事件が事件だけに、絶対に「きめつ」を観に行く人は知らないだろうし、見ないだろうなぁと思った。そんな反「きめつ」的立ち位置なるも、劇場は混雑していてホッとしたかな。
罪の声ではない、その声が人生を掘り起こす
日本犯罪史上最大の未解決事件と聞かれて真っ先に思い浮かぶのは、三億円事件。しかし、こちらも。
グリコ森永事件。
モチーフにしたベストセラー小説の映画化。事件名も“グリコ森永事件”から“ギンザ天萬事件”に脚色。
正直言うと三億円事件ほどよく知ってる訳でもなく、メーカーの社長が誘拐されたとか、商品のお菓子に毒が混入されたとか、それくらい。
さらに言うと、原作未読はいつもの事ながら、作品自体も暫くほとんど興味無く。と言うか、グリコ森永事件モチーフの作品である事を知らず、ただの小栗旬と星野源のW主演のサスペンスってぐらいにしか知らなかった。
で、それを知ったら、メッチャ面白そうやん!
そして率直な感想は、非常に面白かった!
中身スカスカの記事を書く芸能部の記者・阿久津は、社会部へ異動。とっくに時効となった35年前の未解決事件“ギンザ天萬事件”の取材をする事に。最初は昔の事件とやる気無かったが、のめり込んでいく。
昭和の謎に挑むミステリー。
父親の後を継ぎ、昔ながらのテーラー店をひっそりと営む曽根。
ある日、父の遺品を見つける。古ぼけたテープ。そこに入っていた声は…。
天萬事件で脅迫に使われた子供の声。
記憶に無いが、自分は事件に関わったのか…? 父は犯人だったのか…?
自分の家族の秘密を調べながら、彼もまた事件の真相に迫っていく。
やはりこういうミステリー物、主人公が二人居て、それぞれのやり方で真相に近付く…というのが面白い。
原作は大長編と聞く。映画を見てれば分かる。
膨大な情報量、エピソード…。
何人もの証言者、浮かび上がる怪しい人物(キツネ目の男)、辿り着いた犯人グループ…。
学生運動などの当時の情勢、警察や裏社会の繋がり。日本を変えようと過激な行動に出てしまった若者たちと、日本社会の暗部。事件の真相は本当にこうだったのでは?…と思わせるほど。
重厚で骨太で、それでいてテンポよくエンタメ性も抜群。
TVドラマ『逃げ恥』の監督×脚本コンビで、これほどのミステリーを魅せられるとは!
小栗旬&星野源も熱演。
ミステリーとして見応えあったが、人間ドラマとしても胸打つものもあった。
よくあるっちゃあよくあるが、事件に人生を奪われた者たち。
本作の場合、知らず知らず事件に関わった、テープの声の子供たち。
曽根と、後二人。
その後の人生は明暗分かれた。これは見てて胸が痛かった。
曽根もあのテープを聞いて、どんなに苦しんだろう。
が、さらにもっともっと苦しんだ者が居た。残酷過ぎる悲劇に見舞われた者も。
犯人グループの犯行理由。金、あの頃の日本という国に一矢報いる…など己の欲。
そんなものの為に彼らの人生は奪われた。
彼らの悲しみ、苦しみを知れ。
彼らの人生を返せ。
奪われた時は取り戻せない。
が、真実を掘り起こす事は出来る。
彼らを苦しめた過去の“声”によって。
悲劇や絶望の中でも決して諦めない。ギンザの看板(=夢)に誓って。
謎から始まり、徐々に紐解かれ、
悲しみ、苦しみ、
35年を経て、真実が明かされ、
時が彼らを優しく包み込む。
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