罪の声のレビュー・感想・評価
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脚本が素晴らしい!
原作も読了済。グリコ森永事件を題材に事件の真相に迫る物語。
基本ラインは原作の通りなのだが、あの分量をよく140分ほどの脚本にまとめてくれた。緻密に事件を追いかけていた原作と、人間ドラマに比重を置いた映画という印象。しかもその面白さは損なわれていない。素晴らしい脚本だと思う。
今さら昔の事件をほじくりだして、何の意味がある?という問いかけに対して真摯に向き合っていた阿久津記者が印象的だ。被害者の悲しみをかき回すような報道が少しでも減ってほしいと願う。
そして脅迫に声を使われた子どもたちのその後の人生の違いだ。幸せに過ごしていた曽根が罪の意識を感じてしまうのもわかる。もちろん阿久津が言った通りなんだが、生島姉弟のその後があまりにも壮絶すぎる。最後は少し希望のある終わり方でよかった(原作読んでるくせに)。
星野源だけじゃなくて、松重さんや市川さん、古舘さんといった野木亜紀子組的な人がたくさん出ていたのも印象的だった。いい人選!
原作を忠実に再現している。
私にしては珍しく、発売当初に原作を読んでいた。 読みながら時系列や登場人物を整理するのに何回か頭がごちゃごちゃになったけど、映画で見事に解決してくれていた。これが真実なんじゃないかって思えてくるくらい。 知らずに罪に加担していた人達の運命は、なんとも過酷で背負っていくものが大きいくある意味被害者である。巻き込んだ方も何かしらあるけれどそれは覚悟の上であって、巻き込まれた側の比でもない。 観るか迷っているなら、観てほし作品です。
真相が明らかになるにつれて
実際の事件をモチーフにしただけあって、話がすっと入って来る感じ良かったです。最初の方は興味本位で調べている感じで、本気で事実を確認したいの?って思う時間帯もあって正直眠くなりましたが、小栗旬と星野源が出会った以降、特に声の女の子の幼なじみが出るあたりからは話に引き込まれました。重い話ながら、最後はハッピーエンドなのもGood、個人的には某空前の大ヒット作よりもこっちの方が面白かったです。
橋本じゅんさんが最高の癒しキーパーソン
小栗旬×星野源のダッグに脚本が野木亜紀子さんの化学反応は素晴らしく、鑑賞後は語り尽くしたいと思わせる社会派エンタメ作品でした。 未解決事件を追う文化部の記者視点と、自分が恐ろしい事件の加害者かもしれないという視点での、両者が磁石のように必然的に出会ったシーンが特に印象的でした。 確かにミステリー要素ながらもヒューマンストーリーに重点を置いた、心揺さぶられる物語で、前半から後半までのパズルのピースを埋めながら真実に近付いていく展開は高揚しました。 ただ、過去と未来を行ったり来たり、将又日本全国及びイギリスまでの場面転換は、頭の中で整理しながら観ていたので、鑑賞後は気力が消耗しました。 また、最初から犯人が分かってしまうような残念な話軸で多少勿体ない気もしました。
良き良き(*´꒳`*)
普通に面白かったです! ストーリーがしっかりしていて、最後まで集中して見れました。 最後の方にはポロッとくるところもありました。 事件の方が、人が多かったり、内容が難しくて理解するのに精一杯だったので、ある程度内容を調べといた方が見やすいかも(*´꒳`*) 主題歌とっても綺麗でした‼︎ テレビでもう一回みたいなって感じです。
よかった
もし自分の声が犯罪に使われていたら、面白いと感じると思うのだけど、深刻に受け止めすぎではないだろうか。弟が悲惨な人生を送っていて気の毒だった。小栗旬が宇崎竜童を詰めるのだけど、無関係なお前に責める資格があるのかと腹が立つ。それは自分が犯人サイドで見ているせいだ。
もっと感想を話そう。
小栗旬の関西弁が巧みであった。 首謀者の家族の運命がラストに救われたのは見ていて良かったと心底思った。 学生が革命を起こそうと思っても無理なんだと身につまされた。誰も勝った者がいないのが心に残った。 楽しいだけではない、考えさせるのもこの映画である。みんながどう思ったのかをみんなで話し合いたいと思った。 皆さんの感想をもっと読みたいです。
知らないところで
たぶん我々の知らないところで、 このような事は、 いくらでもあるのだろうな。 最後のシーンで救われた感じ。 小栗旬 星野源タッグは、 なかなか良かった。 またこのコンビで、 なんか作らないかな。
キャストが豪華なだけ……じゃない映画
脚本が野木さんなので期待して鑑賞 ここ最近ありがちな キャスティングだけ豪華で ポスターに出演者がわらわらと写っているタイプの 中身がペラペラのカスカス映画ではなく 丁寧にじっくりと作られていて それだけでもう好感が持てる。 こういう映画をもっと多く作って欲しい。 P.S. 少し難を言うと、小栗旬と星野源の関西弁がめちゃくちゃ違和感あった😅
小栗と星野名コンビ!
二人のコンビが生み出す絶妙のバランスがとても良い映画です。ざっくり全体を俯瞰すると、正義や悪とは、この宇宙では存在しません。ただ、いろんなことが起こるだけです。それが正義とか悪とかいうのは当事者である人間が判断しているだけなのですね。しかし、正義の名の下に、どれだけ苦しむ人がいるのかというのも現実です。そして、人間の生き様は一人一人が全く違います。それでも幸と不幸を体験するために生まれてきていますから、存分に味わうしかないのでしょう。罪の声を作った3人の苦しみはいかばかりであろうかと思いつつも、強く生きていかねばならないのが、生まれてきた人間の宿命です。この作品は、謎が全て解かれるまで、もやもや感が一杯でしたが、最後に全てが明らかになると、スッキリしました。それでも悲しみは癒えません。母親と再会した罪の声の一人が「母ちゃん」というシーンに落涙です。それにしても梶芽衣子と宇崎竜童渋かった。
ここ最近では無い!
出だしは期待のできる映画は多いですが 途中からテンションが落ち最後はすっかり冷める 映画が多いなか、 『罪の声』は2時間20分の長編映画にも関わらず 途中全く中折れなく最後まで少しも飽きのない 素晴らしい映画でした。 主役の2人だけでなく全ての出演者が絶妙で パーフェクトな作品でした! 今後もこのような日本映画を期待します!
着目点が鋭い!
未解決事件のドキュメンタリーを観ていたから、事実と照らし合わせながら興味深く観た。ドキュメンタリーは警察のポンコツさを明確にした内容だったが、本作品は、犯人は自覚して手がけた事件だが声を使われた子どもには犯罪の手助けになる自覚はなかっただろう、という着目点で描いた内容が面白かった。フィクションだが、事実から離れ過ぎずに描いたところも、物語に引き込まれる要素だったと思う。
被害者と加害者の境界とは?
誰が加害者で誰が被害者なのか、分からなくなってくる。社会のせいといいながら自分の家族、まして子どもを不幸にしてまで成しとけたかった正義とは?いろいろ考えさせたられる映画でした。加害者の罪の声だけでなく、親の罪、マスコミの罪、国の罪いろんな意味に捉えられました。原作は読まないで観賞しましたが、読む側だったら証言者の名前がですぎてわけ分からなくなっていたと思う。分かりやすく物語が進行していったのでこれは脚本の力も大きいのかな。演者の苦悩する姿も感情移入してしまい引き込まれる。全体的に重めで単調なシーンが続くので集中力が切れてしまう人がいるかもしれません。
思い出しましたグリコ森永事件
実話を基に素晴らしいアレンジの作品に仕上がっていました。ちょっと驚きです。 期待以上の出来映えに感動です。お孫ちゃんの「おばあちゃんありがとう」に涙腺崩壊です。 脚本も配役も私的には好みでした。 是非映画館で🎦
思ってたのと違った
事前の特番や主題歌から 泣かせに来る映画かと思い 大きめのハンカチを持っていったけど 終わってみれば いつもの安っぽいそれではなく かと言って ズドーンと重くのしかかるそれもなく 家に着いても引きずるようなそれもなかった。 何だったんだろう。 登場人物が多くても ストーリーは整理されていてわかりやすいのに もう一回観に行こうと思う。 結局は何回も見たくなる いい映画だったんだということは確か☺️
ストーリーは良かっただけに残念
【オススメしたい人】 実話を元にしたストーリーが好きな人 【オススメしない人】 劇場で映画を見るのが好きな人 現実に起こった事件を元にしたストーリーは終始引き込まれ、じりじりと真相に近づいていく様子から目が離せない。 しかし、TVドラマのような画面構成に「映画館で観よう」という感情は生まれてこなかった。 ストーリーも演技も良かっただけに、それ以上の感情が湧き上がってこないのが残念。
久々良作でした。
月の初日の料金サービスデイということもあり、
鬼滅はホント圧倒的だけど、こちらも
結構お客さん入っていました。
グリコ森永事件をモチーフにしています。レディージョーカー等よく雑誌記者や新聞記者が
簡単に犯人組織を突き止めるのですが、今回も迷宮入りの超有名事件にもかかわらず
30年余りたった今にスルスルと解明していくのはお約束事です。
私がとか他の大多数の方が思ったであろう、
自分が警察官ならすぐに捕まえれそうな感じなんですが、
犯人グループに警察関係の方がいるのがミソなんですかね。
関西でしかもこれだけの事件を起こせるグループって限られていると思いますし、
警察ならいろんなデータを持っていると思います。犯人グループの運が良かったというのも
ありますが本当に間抜けな捜査だったんですね。一網打尽なんてする必要もなかったのに。
3億円事件も現職白バイ隊員の息子と
そのグループっていわれてますし。タブーのない文春とかの社員を警察に
入れたら未解決事件全部解明できるかもしれません。
原作はミステリー賞で1位になっただけのことはあり素晴らしい読み応えでした。
映画もなるほどと思わせるシーン、泣かせるシーンもあり良作でした。
鬼滅を観らずに社会派のこちらを見て良かったと思いましす。
不幸は生み出されつづける
小栗旬演じる阿久津記者は、二人のできた上司に恵まれている。阿久津の葛藤を硬質に受け止めて跳ね返しつつも、取材方法に口を出したりせず、自由にさせる。部下を信頼している証だし、結果を出す上司の見本だ。 そのうちのひとりを演じた古舘寛治は、最近の権力者の無知と横暴がよほど気に入らないようで、安倍政権から菅政権に続く一連の反知性主義政権に対してツイッターでときどき怒っていて、その内容が痛快で面白いのでときどき拝見している。こういう俳優がいるのは映画界にとって心強い気がする。 物語は阿久津記者と、星野源演じるテーラー主人の曽根俊也がそれぞれの動機で同じ事件の真相に迫る形で進む。視点が異なるので光の当たる部分も異なり、観客は事件を立体的に理解することになる。とても複雑な事件だが、時系列を追って説明してくれるのできちんと理解できる。地味な出だしだが、二人が絡んで以降の展開にはスピード感があって大変に面白い。 星野源の演技は無表情が多く、しかし状況からして何も思っていないはずがなく、万感を隠したその無表情に戸惑うが、鑑賞中の観客が想像力をフルに回転させるのも映画鑑賞の醍醐味のひとつだと思う。 小栗旬の阿久津記者は対照的に、言語表現を生業とする職業だけに、自分のことを客観的に饒舌に語る。主人公がスクープ一辺倒のスクエアな記者ではなく、取材の仕方や記事そのものに対しても懐疑的なところが、奥行きのある人物造詣となっている。小栗旬がこういう役柄を演じた記憶があまりなく、役者として新たな領域に挑戦したのではないかという気がした。 古舘寛治の上司は更に進んで、マスコミの在り方や事件報道自体をも相対化して批判の対象にする。頼もしい存在だ。現在の大新聞各社にもこういう存在がいるとは思うが、政権に阿る上層部によって押さえつけられている気がする。新聞社とはいっても大勢の人間の集団である。一枚岩ではないから一概に肯定も否定もできない。たとえば朝日新聞には政権寄りの記事もあれば反体制的な記事もある。多様性を維持し続けるのが報道機関の矜持だと思う。 挫折世代と呼ばれる年代がある。1960年代から70年代にかけての反体制運動の行き詰まりを挫折と呼ぶが、その傷を癒せぬままに折からの高度経済成長の波に呑み込まれて個性を喪失した世代だ。挫折のあとも公権力に対する怒りは燻り続ける。革命の炎は消え去ったが、公権力に一矢報いたい。そういう年代だ。 本作品はそういう化石(fossil)のような年代の男たちが、いつの世にもいる不良集団と手を組んで起こした事件と、それに巻き込まれて不幸に陥る人々の群像を描く。人間はいつだって不幸だが、大きな悲しみの中の小さな喜びに縋って生きていく。その小さな喜びさえ奪われたら、人は死ぬか犯罪に走るか、あるいは失意の内に心を閉ざして孤独に生き延びるだけだ。 共同体は共同体の存続を最優先にする。次が権力者の権力の維持だ。個人の幸福は20番目にも入らないかもしれない。法治国家では法によって国を統べるが、法は全員が遵守してこそ十分な統治機能を発揮する。憲法がしっかりと守られていれば価値観は多様性を保ち、一元論によるいじめや差別は起きにくい。しかし戦後何十年経っても、この国では憲法が十分に生かされず、広がる格差が犯罪を生む。本作品と同じように今日もどこかで犯罪によって苦しむ人々がいるのだ。権力の立場にある人間たちが自分も公務員のひとりであり、憲法第15条に書かれてあるように一部の奉仕者ではなく全体の奉仕者であるということを自覚する日がこない限り、不幸な人々は生み出されつづけるのだろう。
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