ワイルドライフのレビュー・感想・評価
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賢い息子に甘えていた父と母…
大好きな父と母。でも、もう元には戻ることはない。それを悟っている息子・ジョーはただ静かに二人の姿を脳裏に焼き付けるように感じました。ラストは涙を堪えることはできませんでした。ラストシーンの言葉のあとに「3人一緒だった事を忘れないように…。」と心の中でジョーが呟いた気がします。
〝毒親〟化寸前に子どもに助けられたチルドレンな大人たち
子どもの前であろうが、声を荒げて夫婦喧嘩。
子どものことよりも自分の不満、不安、怒りが先立つ言動。
どちらも〝毒親〟に見られる典型的なパターンですが、これらが幼児期から思春期まで継続してたらジョーも精神的な障害を負いかねないところでした。
14歳からの数年間のことで済んで本当に良かったです。
アダルトチルドレンな親を反面教師として、自立心の備わった〝普通〟の大人に(親になるのに決して〝立派〟な大人である必要はないと思います)育ってくれそうで何よりでした。
とはいえ、失業した直後の夫が、家族から責められたくもないし、慰められるのもなんだか惨めな気持ちになるしで、逃げ出したくなる気持ちはよく分かります。家族を支えてるというプライドだって一時的に保てなくなるのですから。
そんな時に山火事の現場、というのは、社会貢献的な大義とプライドを持ち得る、正に渡りに船のような感じだったのだと思います。
キッツイなぁ…
いやね、ジョーがね、もう高校生とかでさ
周りに割と友達もいてさ、チャラチャラ生活してくれてたら話は違いますよ、、
なんせ14歳ですよ、思春期真っ盛りの他者から影響受けまくりの時期で、しかも引越し先の慣れていない土地ですよ…
ジョーきつすぎません!?あんな真面目に生きてるだけなのに…
3者ともがウィンウィンな感じが全くしない!
みんな成長できて良かったね、では終われない!
だからこそ面白い映画なのでしょうが、、、
ポールダノは親の葛藤が子供の成長に影響〜〜と語っていたらしいが、それはまあ、その通りかもと納得。
きっかけ作ったジャンもイかれてるけど、ジャネットが悪いと私は思いますね…
というか割と俯瞰で作られてるから、悪く見える瞬間もあれば、守りたくなる瞬間もあるという…
明らかにジョーへの共感強めなのは間違いないですが、、、
ジャネットがな〜わたしは許せない、
ミラー氏との3人の食事会なんてもう不快度MAX。もういいよ、ジョー帰ろう、優しいあの子と宿題しよう、ね、、、と言いたかった…
その後の家でのやりたい放題ももう呆れてしまって。
家庭問題で余裕がなく、恋愛もまともに出来ていないジョーがこの先で幸せを見つけることを心より願います。
PS
ジェイクギレンホール怖すぎ…暗闇にいるだけなんに、なんであんな怖いの……
私の頭があんなのキャリーマリガンじゃない!!っと訴えまくっている…ハマってないよね?ね??
17歳の肖像の頃の、行っちゃダメ!ダメ!……あ〜〜行っちゃった〜〜じゃなかったよね、今回は。
え、行くの?え??うそん、え、もう決めたん?あ、そうなん…って感じでいつのまにかやりおった感が強くて。あの頃の芯の強さがないキャラだったんで、あんまりって感じでしたね…。
60年代のアメリカと、最後の写真
アメリカの60年代は、公民権運動や女性解放運動が盛んになって、世の中が大きく変わろうしていた時代だ。
そんな時代のうねりのなか、アメリカの小さな家族の崩壊を通じて、アメリカの価値観が変わる様を比喩的に描いた物語だ。
ジェリーが鎮火作業に身を投じる山火事は、変化しつつある時代の不穏な空気をなぞらえたのだろう。
また、ジャネットが山火事に嫌悪感を示しながらも、その後不倫をしてしまうが、自立して生きて行く道を模索し始めたことも女性解放運動に身を投じるようで同様だ。
今のアメリカは、逆に内向きに不穏な空気が広がりつつあり、この映画が作られるきっかけにもなったのだろうか。
映画のタイトルも、それを表しているようにも感じる。
時代は振り子のように振れるのかもしれない。
ストーリーは、どこにでもいそうなアメリカの小さな家族が、そうした時代の大きな変化の中で、少しずつ崩壊していく様を描いている。
そして、これはアメリカの、それまでの中心的な構成要素であった白人の家族、つまり、従来のアメリカの価値観が徐々に崩壊していく様を象徴的に表しているように思う。
秀逸なのは、ジョーの視点だ。
大人の身勝手な理由や、立ち振る舞い、ルールを独りよがりで解釈したり、思い付きで行動するところなど、翻弄されるのは、実は、特定の価値観から離れられず、変わることの出来ない人達だということを上手く観察するような目で見つめている。
時代は違えど、或いは、時代が変化しようがしまいが、似たような人(大人)は、洋の東西を問わず、本当にたくさんいて、時代の変化に対して、人には何か変わらない滑稽とも思える本質があるような気もして、皮肉たっぷりのようにも感じる。
ジョーが最後に撮った写真の意味は何なのだろうか。
各々が自らの生きる道を見つけたという、人生の岐路の意味で撮ったのだろうか。
また、家族として再生するという期待があったのだろうか。
三人はどんな表情をしたのだろうか。
観る側の想像力をかきたてるが、やはり、崩れ行く価値観の中で、別々の道を歩むことを示唆しているように感じる。
そして、表情は案外晴れ晴れしていたのではないか。
また、言えることは、三人とも力強く生きて行くだろうということだ。
それが、これまでのアメリカの歴史だからだ。
追記: キャリー・マリガンと、ジェイク・ギンレイホールは、ホントにさすが!映画を重くしすぎず、しかし、深みを持たせてるように思う
ジョーにモンタナでアメフトですか。
1960年代、アイダホからモンタナ州グレートフォールズに越してきた夫婦と14歳の息子の仲の良い3人家族がすれ違い壊れていく話。
ゴルフ場に勤めるレッスンプロの旦那が解雇され思慮にふける中、生活の為にと嫁は仕事を見つけてくるも、突如旦那が初雪が降るまで森林火災消火の仕事に行くと言い始めるストーリー。
旦那の行いは悪いことではないけれど、どこからの切っ掛けでその思いに至ったかは語らず、突然身勝手な人間に豹変した様にもみえる。
嫁は元々人の話を聞き入れない感じがあるところからの周りを見ずに猪突猛進。
間で困ったジョー14歳が一番大人っていうね。
何だかすれ違いの切っ掛けや変遷や言い訳が本当にありそうな感じで笑いごとじゃない。
しかしながらそれ以上に大きなこともないしドロドロ感もそんなになくて面白味に欠ける。つまらなくはないけどね。
エピローグも関係性が中途半端だし。
ありがちな他人事で「色々大変だね」という感情程度で終わってしまった。
ポールダノ!
試写会にて
『スイス・アーミー・マン』で主役のハンクを務めた(あの死体じゃないほうねw)ポールダノの初監督作品。
脚本はポールの恋人のゾーイカザン。そして演技がピカイチのジェイクギレンホールに“ライアン・ゴズリング”主演の『ドライブ』での名シーン、エレベーターキスがたまらなかったキャリーマリガンが出演。
ジェイクは出演した作品が今年の6,7月に3作品も公開されるという
ジェイクファンにとってはたまらないシーズン。
さて作品ですが、何かを秘めた親子、夫婦の関係が静かに進んでいく。
そんな中、『ドライブ』で可愛さが先行していたキャリーマリガンが一皮も二皮も剥けた演技、表現力を魅せてくれます。
時に老けた?と思わせるほどの表情は素晴らしい。
(その後の表情で老けたと思ったのは間違いとわかりました)
そして息子役のエドオクセンボールドくんがジェイクとキャリーの複雑になっていく両親の間で、時に弱々しく、時に強さを見せてくれ、苦悩と成長を上手く演じていく。
作品の内容は決して派手さはありません。
むしろ『地味』という表現の方が合ってるのかもしれません。
けれども舞台となるモンタナという土地柄を考えると地味で正解なんだと。
秀逸なのはポスターの構図とラストの構図の対比。
これはさすがに素晴らしいかった。
これこそがこの作品の深みだったと思います。
タイトルなし
静かなのにドロドロの修羅場満載。
結構ドロドロの修羅場満載だけど、こんなサイレント映画なかなかない。
家族の崩壊を、静かに、静かに、描いているところが逆に不気味…。
息子の目で見る、夫婦の姿がリアルすぎてとても辛かった。
夫婦生活が壊れるきっかけなんて、些細な事。
何が引き金になるかわからないから怖い。
山火事を食い止めるために、遠い山に出かけて行ってしまった夫。
夫が家からいなくなる悲しみに耐えられずに浮気した妻。
どちらも勝手なのは分かるし、多分妻の浮気の方を非難したくなる人が多いのかもしれないけど…。
女の私から見るに、妻の気持ちちょっと分かってしまった気がする。
いつもいつも、家族の為、夫の為に自分を犠牲にして、笑顔で優しく接してきたのに。
夫がリストラにあっても、励まして優しい言葉をかけてあげたのに…。
夫はそんな私の気持ちも知らずに、勝手に遠い山へ行ってしまった。
これは、まさに裏切りの行為と思ったのではないかな?
だから許せなかったのかもしれない。
私を置いて、出て行った夫のことなんてもう愛せない。
他の男と仲良くやって、自分の人生新しくスタートする!
そんな決意の表れが、妻の乱れた生活の結果なのではないかな?
流石にあんな母親見たら、息子だって誰だって困惑すると思う。
仲の良かった家族をずっと見てきただけに、息子の耐えられない気持ちもすごくよく分かるし辛いけど、一度壊れた歯車は二度と元には戻らない。
誰が悪いとか、何が行けなかったとか、後から後から色々考えたくなるけど、決定打がないから難しい。
徐々に積もり積もったものが、結果的にこのタイミングだったのかもしれないし…。
やっぱり夫婦生活って、他人同士の共存だからね。
最後までお互い添い遂げられる夫婦って本当に凄いことなんだと、今の時代だから改めて思います。
この時代の設定は1960年だけど、今の人が見ても全然人ごととは思えない。
むしろ今の時代に合っている映画だと思いました。
この事件をきっかけに、息子が大人の階段を一気に駆け上がって行った感じか何とも複雑な心境…。
大人って子供が思っている以上に、大人になりきれてないものなんだって実感した映画でした。
恋人同士....!?
ユダヤ人で赤狩りの時、仲間を売って、その後映画作りが出来なくなったのだが、超が付くほどのタカ派監督のサポートもあり、オスカー名誉賞を受けた時に、スタンディングオベーションを拒否した映画人がいた人の孫娘のゾーイ・カザン。
この映画、才能あふれるユダヤ人が作った映画で、そつがなくできている。60年代のアメリカ、人権問題や次に来る戦争、ベトナム。今までは、平穏という言葉を享受してきて、TVでは、鉄板のファミリー向けのものが、まだまだ受け入れられている時代を描いているのだけれども.......?
多くの評論家の方たちがこの映画を支持するのは、分かるような気がするが、それを見せられて、なに? と思える日本でありたいと思うがそうでもないらしい。
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