ワイルドライフ

劇場公開日:

ワイルドライフ

解説

「スイス・アーミー・マン」などの個性派俳優ポール・ダノが初メガホンを取り、「ドライヴ」のキャリー・マリガンと「ナイトクローラー」のジェイク・ギレンホールが夫婦役を演じた人間ドラマ。ダノが「ルビー・スパークス」で共演したパートナーのゾーイ・カザンと共同で脚本・製作も手がけ、ピュリッツァー賞作家リチャード・フォードの小説「Wildlife」を原作に、幸せな家庭が崩壊していく様子を14歳の息子の姿を通して描き出す。1960年代、モンタナ州の田舎町で暮らす少年ジョーは、仲の良い両親ジェリーとジャネットのもとで慎ましくも幸せな毎日を送っていた。ところがある日、ジェリーがゴルフ場の仕事を解雇され、山火事を食い止める危険な出稼ぎ仕事へと旅立ってしまう。残されたジャネットとジョーもそれぞれ仕事を見つけるが、生活が安定するはずもなく、優しかったジャネットは不安と孤独にさいなまれるようになっていく。

2018年製作/105分/PG12/アメリカ
原題:Wildlife
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2019年7月5日

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映画レビュー

4.5地味だが心にしみる佳作

2019年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

知的

ポール・ダノ、初監督作ながら演出の腕は確かだ。小説が原作だが、脚本を担当したのはダノの私生活でのパートナーでもあるゾーイ・カザン。彼女とダノと言えば、共演した「ルビー・スパークス」を思い出すが、やはりゾーイが脚本を書いた同作の主人公もナイーヴな青年で、こちら「ワイルドライフ」のジョー少年とも重なる。ダノもゾーイも好きなんだろうなあ、こういうキャラクター。

キャリー・マリガンとジェイク・ギレンホールの演技は悪くないが、新味に乏しい役柄だ。ジョー役のエド・オクセンボールドは、シャマランの「ヴィジット」ではお姉ちゃん役の子に押され気味だったけれど、今作では実質的な主人公と言ってもよいほど存在感があるし、ストーリーも彼の目線で語られる。気が滅入る要素が多いが、キービジュアルにもなっている家族写真のシーンがささやかな希望を残してくれる。

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高森 郁哉

4.0ポールダノ監督

2024年7月11日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

昨日観た、ヴィジットに出演していた子役のエドオクセンホールド君の演技がとても良くて、他のを探していたら、こちらがヒット。
監督があのポールダノさんじゃありませんか❗
ジェイク・ギレンホールさんも父親役。

もう、これは期待大です。

今年、コヴェナントを観に行った時、
プチギレンホール祭りしたけど、

こちらはSFでもなければ、ミステリーでもないのでチェックもしていなかったです。

ヴィジットから3年経ち、オクセンホールド君も声変わりをし、少年になっていました。

良い演技でした。

ちょっとプライドが高い、子供思いの父親、
毒親ではないけれど、少し精神がか弱い母親。

そんな親が好きだけど、どうしたら良いのかわからない少年を見事に演じきりました。

この家族の将来に幸あれ…

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seiyo

3.0ツライ

2023年9月14日
PCから投稿

辛いストーリーを冒頭から予感させるような静かで重い演出に、マリガン選手畢生の演技が深刻さに輪をかけます。

面白い作品ではありませんが、いい作品です。

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越後屋

4.014歳のジョーの視点、家族というものを考えさせられる。

2021年10月25日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

難しい

母ジャネットも、父ジェリーも、息子であるジョーに全てを語らない。その親としての表情、苛立ち、葛藤、男のプライド、女の性(さが)をジェイク・ギレンホールとキャリー・マリガンが素晴らしい演技で魅せてくれる。

物静かなジョー演じるエド・オクセンボールドがほぼ主演。少ない台詞の中、不思議な佇まいで思春期の少年を好演。絶妙な配役。両親の気持ちや立場を理解しながら、自らの気持ちを優しく伝えていく。何て良い子だ(涙)。

ジェリーの説明の無い選択も疑問だらけ、ジャネットの母としての行動も理解出来ず。だが、これは全てジョーの視点での話で、各々にその行動の理由と原因があるのだが、語らない。そこには親子の信頼があるからこそ、今まで注いできた愛情があるからこそで、その信頼関係に甘えている親の姿というのも自分に当てはめて考えさせられる。

独特なカメラワーク、心地良い間、何処か胸に染み入る演出。キャリー・マリガンの寂しげな笑顔、ジェイク・ギレンホールの思い詰めた表情、修復しきれない夫婦関係。色々な結末があり得る中で、ハッピーエンドを期待していただけに、選ばれてしまった結末が寂しい。だが、不思議と''ストン''と胸の中に落ちるラスト。万人受けはしないが、心に残る良作。

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アル