脂肪の塊
劇場公開日 2019年4月6日
解説
医学系の研究を続けるかたわらで自主映画を撮りはじめた異色の経歴を持ち、長編第1作の復讐劇「自由を手にするその日まで」が劇場公開された天野友二朗監督が、長編第2作として手がけたサスペンス。会社員として働く花子は連日連夜、青いバケツと真っ赤な血の出てくる悪夢にうなされていた。一体、この夢には何の意味があるのか、花子はレズビアンの恋人ユキに夢について相談する。一方、町では凶悪犯の野村が女性を対象に次々と殺人を繰り返し、カトリック信者の根岸は、自らの欲を満たすべく複数の女性にストーカー行為をしていた。やがて花子に目を付けた根岸は、彼女に驚くべき真実を突きつける。そうして花子の消せない過去がよみがえり、それぞれの人物が抱える闇と孤独が暴かれていく。
2017年製作/99分/日本
配給:T&Y FILMS
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2020年12月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
B級なら許せるような酷い点を。
背景の音楽が単調、かつ音量が大きくて雰囲気ぶち壊し。みんなセリフ棒読みすぎ、特にボソボソと喋っていて声が聞き取れないDV男や、声のトーンが発表会みたいなストーカー男がひどい。DV男の他の方々、立ち方や仕草・表情含め全然役っぽさがなかった。
次に良い点を。
画面の色というか、パッケージもそうなんですが、雰囲気がホラーサスペンスっぽくて騙されました。部屋の色や女性の服など柄物が多く、画面も暗いのに、なぜただ赤い血が引き立つのか全くわからない。感心しました。
ストーリーの題材っていうんですかね、掴みの部分?は面白い。カルト信者やDV男、謎のポリバケツの夢って興味惹かれる単語の割に、演技任せでセリフあまりないので、説明する人や会話シーンが多めにあったら何か変わったかもしれないと思えるくらいはよかったと思います。
普段洋画ホラーを見ている自分個人からすると、ゲームの周回、爪を切る等の手先を使う作業しながら、垂れ流して見る分にはちょうどいいかな〜と思う映画です。
誰かと見たり、しっかり一人で見る分には向いてないので低評価。
2019年6月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
ずしんと暗くて重い作風だがこういう路線の映画がもっと欲しい。難解なものの、説明し過ぎないのが良く、ちゃんと作品のカラーというか個性があって好感だった。
超少数スタッフの自主映画と思えないクオリティに素直に感動。
題材的には過激なタブーにフォーカスしてるから、アンチも出てくるだろうけど、まずはそういう題材に挑戦しなきゃ始まらない。
叩かれも誉められもしない量産型の無個性な自主映画は飽きてたので好感。
自主映画で、挑んでいる姿勢に好感が持てた。
クオリティを崩さず、役者や監督の個性も出てて見応えあり。
品格ある美しい映像と、女性の美しさ、純愛に見入ってた。
2019年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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ガチのゴア表現満載のホラー作品である。前回の監督作品に強く興味を抱いたので、次回作である今作に多大なる期待を持って鑑賞したのだが・・・
構成とすれば、結果を先に披露し、その原因を後から振り返るという常套手段のシークエンス群である。なので、冒頭からガンガン殺人が行なわれ、その演出効果も、映像カラーリングも“青”を強調したり、ずっと流れる重低音のBGM等々、過剰さがてんこ盛りの造りなのである。バラバラ死体の出来も、頭こそみせてはいないが、相当細部まで作り込まれたリアリティを感じる。
そう、このゴア表現を徹底的に追求した技術先行型の作品なのである。なので、今作のストーリー部分は前作ほど煮詰めていない。単純に言えば、同性愛の片方の女がバイでもあり、DV男と付合うが、暴力をふるわれ、逆に殺してしまう。嘗てのDV男と付合っていた女のストーカーが、殺してバラバラにして埋めた男の死体を掘り起こし、ショックの余り記憶を消失してしまったバイの女に事実をみせ、またしてもその女はストーカーを殺す。結局この女の恋人である女と焼身自殺をするという、まぁハッキリ言ってだれも救われない闇要素だけの展開である。理不尽要素がないため、誰かに感情移入する部分もなく、唯々不合理に人が殺されるだけであり、濡れ場でも決して下着は脱がない“鉄壁”演出に残念ながら白けるだけである。そしてやたらと出てくるオフィスシーンの無意味さ。ストーリーの本線に一つも絡まない日常性を意図したかったのだろうが、緩急の付け方が響いてこないのが正直なところである。
あれだけ登場人物のいろいろな頭を打付けられても、演技や演出がないのか、しっかりと次の行動に移るというリアリティの無さや、それぞれの背景の希薄さ(男の母親が潔癖症ということでの家庭内暴力は、せめてその回想シーンを用意できなかったのか)等、はっきりとドラマ性をバッサリ切って、効果に特化した印象を強く受け止めた。
これは作品とは関係ないが、作品の一つの山場で、機器の不具合か映像のストップとスキップが発生して、益々映像に対する興味が萎んでいくのを隠せない。
折角才能に富んだ監督である筈なのに、今作は運にも見放されて、“残念”と言わざるを得ない内容であった。
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